悲しかったこと

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オーストラリアをこき下ろすようなことばかり書いていますが、大体どんな紹介本もブログも良いこと尽くめが普通なので、あえて面白くない話題に集中しています。

でもこんな事ばかり書いていると段々気分が滅入ってきてしまうし、疲れちゃいますわ。読んでる方も同じでしょうし・・・

ということで、悲しかったことを一つ書いて、オーストラリアの嫌な話はお休みにしようと思います。

1991年にゴールドコーストにやってきましたが、知っている人は誰もいないし、何もわからない、まずは何もやることがない状態だったわけです。1ヶ月間コンドミニアムを予約していましたが、その後何がどうなっていくのか全く予想も付きませんし、計画もありませんでした。

まずは土地勘を持たないとしょうがないので、毎日レンタカーでゴールドコーストの中を走り回って、ありとあらゆるお店をチェックしたり、またあちこちに点在する公園に行って子供を遊ばせたりしていたときのことです。

ゴールドコーストハイウェイの横にある大きな公園で、その中には川が流れていて、釣り場としても有名なところをみつけました。そこは子供も遊べるし釣りも出来るしBBQも出来る公園で、その後もその公園はよく利用するようになったのですが、ある日、お弁当を持って遊びに行っていたときです。

我々家族4人で遊んでいたのですが、地元の子供が近くに寄ってきました。こちらから声を掛けるわけでもありませんでしたが、当時3歳で赤ん坊の頃から人見知りをしたことのない長男がその彼を見つけ、近寄っていきました。どうなるかなと思って見ていたのですが、言葉も通じないのにその子といつの間にか遊び始めたのです。

二人がケラケラ笑いながら遊んでいるのを横目で見ながら、私たちものんびりしていたのですが、彼らがいやに面白そうに遊んでいるので、私も近寄っていったんです。

そのオーストラリア人の子供はボールを持っていて、そのボールで二人は遊んでいたわけですが、いわゆるあれです。ボールを投げると犬がそれを拾って持ってくるでしょ。まさにあれをやっていたんですよ。

近くに行くに従ってその少年の声が聞こえてきました。それは

「Go get that ball, yellow monkey!!」

一瞬耳を疑いました。でも確かにイエロー・モンキーと長男のことを呼んでいるわけです。イエロー・モンキーがどんな意味かもわからない長男は、その彼に気に入ってもらいたくてニコニコしながら一生懸命ボールを拾っては彼に渡すということを繰り返していたんです。

このガキ!と思いましたが、私は何も言わず長男を抱きかかえ、嫁の所に戻りました。長男はぐずりもせずに、今友達になったばかりのオーストラリア人に手を振っていました。その時、私は思わず長男をきつく抱きしめてしまいました。そして、

「ゴメンな、本当にゴメンな。親の気まぐれでこんなところに連れて来ちゃって。これからお前がどんな苦労をするかもしれないが、全部俺のせいだ。ゴメンな。」

心でそういいながら、うっすら涙が出てきましたよ。本当にオーストラリアなんかに来ちゃって良かったんだろうかって、この時初めて心配しました。でも、もう日本には家もなければ仕事もない。これからこの未知の国で移民としてゼロからやって行かなくてはならないわけです。

ニコニコしている3歳の長男と、すやすや寝ている1歳の次男の顔を見て、これからのことをいろいろ考え巡らせていました。そして、4人揃ってきっと前途多難な生活が始まるけれど、何があろうと、絶対にこの息子達を守ろうと堅く心に誓いましたっけ。そして、日本男児の意地と誇りをに失わずに、しかし優しく思いやりのある青年に育っていって欲しいと心底願いました。

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