チャートの騙し

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前の日記に例として出した豪ドルの日足ですが、チャートの騙しに関して非常に良い例が真ん中に出ていますので、それに関して書きます。

良くチャートの買いサイン売りサインで「騙し」という言葉を使うことがあります。買いサインが出たのに下がるケース(あるいはその逆)はいくらでもあるわけで、それを騙しと言います。

この騙しがないチャート、インジケーターが存在すれば損する人はいなくなるわけですが、そうは簡単に行きません。必ず騙しは出る。

ではその騙しにどう対処したら良いかという点ですが、私は長い間、騙しが出ないように、あるいは騙しを騙しだと事前にわかるように努力をしてきました。もしかしたらチャート研究の大半はそれだと言っても良いかも知れません。

でも出るんですね。そしてそれが騙しだと断定することは不可能という結論に達しました。

ただ良いサイン駄目なサインは存在するわけで、それをブラッシュアップするのは大事ですが大きな期待は意味がないと思います。というのは先に紹介したソフトですが、これも当然騙しが出ます。でもその騙しを騙しだとこのソフトならわかると書いている人がいました。

これって気持ちはわかるのですが、我が子可愛さの思い込みであると私は思いました。

要は何を勘違いしているかというと、チャートに出てくるサインは全て結果なんですね。全てのインジケーターは実際の値動きから計算されたもので、決して将来の動きが計算にはいっているわけじゃないという事実。これをいつの間にか忘れてしまうのではないかと思いました。

買いサインが出たあとに実際に上がると、凄いって思うわけですが、これってその買いサインが原因で、上がったのが結果ではないのは明白ですよね。その買いサインでさえ結果だということを忘れてはならないと思うのです。

つまり、Aというインジケータで買いサインが出た。ところがBというサインでは買いサインは出ていない。つまり、このAとBを併用することで騙しから逃れられるという理論です。

ここが多くの人が陥る錯覚だと私は思います。私も長い間それに囚われていました。

それぞれのインジケータなりサインの計算方法を知ることは非常に大事だと思います。ただ中には公表されていないものもありますから計算方法を知るのは無理にしても、そのインジケータだけ良く見ていますと大体どういう時にどういう動きをするのかはわかってきます。で、敏感さ(感応度)も様々なんですね。これはパラメータの問題ではなくて計算そのものがそういう風になっている。これは移動平均でもわかるはずですが、単純移動平均とEMA、WMA、その他JMA、HMAなどいろいろありますが、パラメータが同じでもまるで敏感度が違う。

同じ移動平均線でもそういう世界ですから違う種類となればまるで違うわけです。

それを念頭に入れて再び考えてみてください。Aでは買いサインが出たけれどBでは出なかった、という話。

これは大いに敏感度に寄ることが多いってことなんですね。特にオシレーター系とトレンド系とはサインが出る敏感度がまるで違う。そんな簡単なことさえもそのインジケータがどういう計算をしているのか、どういう時にサインが出るのかがわかっていないと、魔法のインジケータ、魔法の組み合わせのように思い込んでしまうってこと。

でも本当に魔法みたいに感じるインジケータって存在しますからチャート分析って面白いのですが、過度の期待は禁物でしょう。で、騙しは必ず出るものだという前提で、ではどうするのかという話。

私の結論としては、騙しでも良いから乗れってことなんです。

騙しだからそれは負け勝負になるわけですが、これも結果論なんですね。サイン通りに動いていくかもしれない。

いや、そんなことは無いと反論する方もいらっしゃるでしょう。そしてこのチャートを見てくれ、ほら、騙しは騙しとしてわかるのだという例を出される方もいるでしょう。

でもチャートっていうのは過去を現しているだけで、過去の動きは必ずつじつまが合うようになっているんですね。この辺をどう表現したら良いのか私には良くわからないのですが、過去チャートをみて、そのウンチクを言っても意味が無いケースが非常に多い。

これってチャートによっては過去データを足一本ずつ順番に表示できる機能がありますからそれで過去チャートを動かしてみるとすぐわかるはずで、チャート全体を表示してこのサインは騙しだった、ほらね、なんて簡単に言えても、そのサインより右側、つまり将来が見えないように動かしてみると騙しだとはわからないケースが非常に多いってこと。

だからチャートとにらめっこして勉強するのは大事ですが、それは過去のチャートの全体像を見て勉強するのではなくて、動かしながら見ないと全く勉強にならないってこと。

これをしない人が多いから、チャートの理屈はわかっているのに勝てないケースが多い。面白いですね~。日足しか見ない人も日足って一日に一本しか増えませんから勉強する機会が少ないんですね。だからチャートの勉強をするなら、それでトレードするしないは別にして1分足を見ながらどう変化していくかを見続けるのは良いことだと思います。

で、話は元に戻りますが、騙しは必ず出てくるのでそれを騙しだと判定するしないに拘るのではなくて、とにかく騙しでも乗ってみて、違ったと思ったらすぐ飛び降りる、あるいはドテンすることを覚えた方がはるかに実践的であるということなんです。

で、その例ですが、前に出した豪ドルの日足に騙しと言って良いサインが真ん中に出ています。赤丸の場所。

これって長いパラメータの移動平均線より上にありますから上げトレンド。支持・抵抗線として使っている平均足の移動平均より上にあるから上げトレンド。そこで緑の↑サインが出ていますからここは買い出動する場所に見えます。これで買わなければ買う場所なんて無いぐらいに言っても良いくらい。でも結果的にこれは騙しであるわけです。

ではこれを騙しだと見破る手はないかと考えますと、大きな理由が二つあります。一つは、前の高値(黄色のトレンドライン)を一瞬越えたけれどその値を維持できずに大きく売り戻されていること。もう一つは下のインジケータの空色のトレンドラインを見てください。チャート上は右肩上がりですが、下のは右肩下がりであるのが二つのインジケータでわかる。これをダイバージェンスというのですが、実際に値はあがっているものの、その勢いはすでに無く、反転する可能性が大きいと考えられます。

だからこの買いサインには乗らないのが懸命だという読み方。

結果的にはその通りなのですが、私ならここで買い出動します。これはある意味トレンドフォロワーの宿命みたいなもので、上がらない可能性は見て取れても、上げトレンドの中の買いサインは基本的に乗るのが私の決め事です。でも上がらない可能性は見えているわけで、それは出撃しないという選択ではなくて、逃げる用意をしながら出撃するという対処の方法を取ります。

このチャートを見てください。上のチャートならここでは買わないのが当たり前だぐらいに思うわけですが、実際にその時点ではどう見えるかがこれ。

こういう形からそのままトレンド方向へ上へ伸びていくケースは決して少なくないと思います。だから乗ってもOKですし、ここで乗れない方が問題があるとさえ私は思うのです。負けるかもしれないけれどあえて出撃することの大事さの方が、これが騙しかどうか考えることより大事だと私は思っています。

でも実際にはすぐに売りサインが出ていますし、他のインジケーターは、下の帯状のものも含めて買いサインがでませんから、すぐに撤退すれば良いだけだと思うのです。

これって議論するほどのことでもないかもしれませんが、騙しかどうかを考え出すといくらでも騙しだと思えてきてわけがわからなくなることが多いと思います。

では他のインジケータがどう表示するか待てば良いと考えがちですが、それらは単に反応が遅いだけかもしれませんし、それならオシレータ系など使わずにトレンド系の指標だけ見てろってことにもなってきます。

でもそれをやりだすと、今度はサインが出て出撃するたびにすぐに反転(つまりサインが遅い)して負けるということがヨコヨコの時には起きてくる。

サインは早くても駄目、遅くても駄目なわけで、ではボックスの動きなのかトレンドの動きなのかわかれば誰も苦労はしないわけで、こうすれば勝てるという魔法のようなチャートは無いと私は思います。これは過去データを元にパラメータの最適化をしても同じ事で、将来的には合う場所もあれば合わない場所もあるという当たり前のことが起きるだけではないでしょうか。

でもこのチャートでもよくよく見れば、サイン通りに動いているところが多いわけですから、騙しかどうか出撃せずに悩むよりかは出撃してからどうするか悩んだ方が良いということ。チャート分析にのめりこむのも程々が良いのではないでしょうか。

こんなちょっとした考え方の違いだけで結果は大きく変ってくると私は思います。

うまく負けるのも必勝法のひとつ。

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