くるくるワイドの紹介 トラリピ+スワップ狙い

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このブログの読者にもFXのトラリピという手法で投資をしている方が何人かいらっしゃいます。そしてそれぞれそれなりの成果を出しているようですが、私から見るとトラリピには非常に難しい部分があるように思えます。それは塩漬けになっている仕掛け玉を抱えることが多いということ。

トラリピは放っておいても細かい利益を積み上げてくれるわけですが、その代わり、買いトラリピだとすれば高値で買った仕掛け玉、売りトラリピだとすれば安値で売った仕掛け玉がしこり玉として残るわけです。これは塩漬けしているのと同じで、いつになったら値が戻ってくるのかはわからず。ただ、ここが重要だと思うのですが、塩漬けというのはまだ決済していないので、含み損はあっても確定損じゃないわけです。ですから、それを計算に入れない、という方が決して少なくないのに気が付きました。

これっておかしな話で、株取引でもそうですが、日ごろの売買で利益が出ているとします。で、その利益の投資金額に対する割合は年率25%だとか30%だとします。凄いですよね。でもそれとは別に塩漬けにして含み損を持っている玉もあったとしたらその利益率なんて意味がないわけです。本来利益率を考える場合、その時点のまだ実現していない含み損益を計算に入れて考えるのが当たり前でしょ?右手には儲けを掴んで、でも左手には負けがある(でも実現していないけれど)のに、右手の利益だけを見て喜ぶ人がいるのが不思議です。でも一般的に塩漬け株を持っている人はみな同じことを考えます。これを持ち続けていればいつか値が戻るから良いのだと。決して損ではないのだと。

トラリピをやっている人の中でもまともな人はいくらでもいて、トラリピそのものは間違いなく利益を毎日生み出すけれど、では塩漬け分をどうするか、そういう仕掛け玉を仕掛けないようにする手法、またある時、どこかの時点で損切りする方法を考えているのがわかります。

私はトラリピは経験がありませんが、かなり楽ができそうに見えるので、効率が良ければやってみようとまずは過去データを使ってシミュレーションだけはいろいろやってみました。で、問題点はこの塩漬けをどうするのかという点だけなのはすぐにわかりました。また回転率を上げるには仕掛け幅を小さくすること、利益を伸ばすには利益幅を大きくすることなどもすぐにわかった。ただその問題点を解決するのは簡単ではなくて、また利益を伸ばすためのセッティングも諸刃の剣で、利益機会が増えると共にリスクも増え、この調整は簡単ではないと思います。

まぁ、この辺までは常識的に誰にでもすぐわかるわけで、ではどう対処するのか。ここから先が腕の見せ所なわけですが、トレンド方向を加味する、仕掛け値に上限下限を作ってその範囲内の動きだけを取る、買いトラリピと売りトラリピを両方走らせる、トレーリングストップを使う、ブレイクイーブンの考え方を導入するなど、多少相場が分かる人はあの手この手を使っています。でも私から見て、これがベストだろうと言える物はなさそうで、やっぱりトラリピは決して簡単ではないぞと考えていました。

そんな時に、読者から面白い手法があると紹介されました。それがくるくるワイドと呼ばれる手法で、トラリピとスワップ狙いの合体した売買システムです。言葉を変えれば、中長期のロング玉(スワップが取れる)を持ち、それのヘッジの為に売りトラリピを仕掛けるという手法。逆に、売りトラリピのヘッジの為に買い玉を入れると言っても良いかもしれません。

つまり、相場が上がればロング玉で利益が出て(トラリピはしこり玉が増える)、下がればショートトラリピで利が出る(ロング玉はマイナス)ようにお互いヘッジの関係にある。ヨコヨコの動きならスワップとトラリピの往復ビンタで利がでる。

それを開発した人のページ  ← ここ  クリック  

ただ非常に難解です。基本的なことはすぐにわかるのですが、どういう時にどうするのかという具体的な運用を理解するのが非常に難しいです。これはシステムが複雑であるのと同時に、こういう言い方は申し訳ないのですが、これを開発された方は造語を多用しますし、説明が不十分で、彼が何を言おうとしているのかがなかなかわからないのです。でも何度も何度も読み返していくうちに、ああ、こういう意味なのかとわかってきますので、興味のある方は挑戦してみたら面白いと思います。

またこの手法が面白いと多くの方がチャレンジしており、そういう方々のブログを読んだほうが、まとめみたいなものがありますので、理解は早いかもしれません。また中にはこのロジックを使い自動売買システム(メタトレーダーMT4)を作ったり、あるいはエクセルを使い検証をしている方もいらっしゃるので、そういうブログを見ると理解は進むと思います。

私はこれをどう思うか?

無理。できないと思いました。(笑)

私は最初はもっと単純なシステムなのかと思い、ロジックが決まっていればそれこそ誰にでも出来て誰にでも利益を出せるのかと期待していて、もしそうなら私自身もそして皆さんにもこれをやってみましょうと大騒ぎしようと思っていたんです。(笑)

どこが難しいかというと、相場の動きに合わせて臨機応変にポジションや仕掛け方を変えているんです。ではその変更方法を学べば良いじゃないかとなりますが、その部分でこれは簡単ではないと思ったのです。つまり、その臨機応変というのはまさに彼の経験、知識、技術が関係しているから。ですから、ある程度、相場の経験がある人なら同じようにトレースすることは可能かもしれませんが、初心者にはまず絶対と言っていいほど難しいと思います。

まず、相場の手法の中に両建てという方法がありますね。売り買い両方建てる方法。売り買い同数なら値がどう動いても利益も損も出ないわけですが、値の動きに合わせて、玉を臨機応変に変えていくんですね。乗せたりはずしたりするわけですが、これは決して簡単な方法ではなくて、昔からこれをやる相場師は多いものの(現物株買いと空売り)それを理解し実行するのは至難の業で、多くの人は両建てなんてあんなの駄目だよと言いますが、それは出来ない人の言うことでしかないと思っています。私もできません。特に私はスキャルパーですから両建ての考え方とは対極にあると言ってもいいかもしれません。ただ、かつて長期投資をしていたときには、ヘッジ玉を入れることもあり、結果的に両建てになることはありましたが、その方法を基本として売買することはやったことがありません。非常に難しいと思います。ただ、この両方建てることによる心理的安心感たるや半端じゃなく(常にヘッジしているわけですから)、恐怖を感じることなく相場の動きに乗って比重を変えることによって利益を積み上げていくことが可能なようです。スイングで相場を張る人はこの両建ての考え方を導入すると効率が上がるかもしれません。

でも簡単ではないし、初心者がやり始めて1年2年程度の経験で利益が出るような手法じゃないと思います。

で、この両建とは一体なんなのかというのをこのくるくるワイドの開発者は知っているのだと私は思います。だからどういう場所でどう建て玉を変化させていくのかというのがわかる。でもそれは初心者にはわからない。ここがこのくるくるワイドを難解にしている最大のポイントだと思います。ですから、くるくるワイドの基本的なやり方でやってもこの辺がわからないと駄目だろうと思います。開発者は、読者の質問に答えて、こういうときはこうするんです。簡単でしょ?と説明していますが、これは幼稚園児が大学生の家庭教師に付いているのと同じ状況だと思います。でもロジカルにこういうときはどうするという数字が示されていれば良いのですが、私にはそれが見えて来ません。ですからこのロジックで自動売買システムを作ったり、エクセルで検証している方も、この臨機応変の部分をどう処理しているのか非常に気になります。ここが私のこれからの課題です。

つまり両建ての知識がないと難しいということだと思います。

そしてそれプラス、両建てをする人も相場の動きの予想をしているんですね。この辺に指示線があるとか抵抗線があるとか、それを抜いたらどうだとか、この開発者の書き込みにそういう場面が出てきます。つまり、トレンドであったり、指示線、抵抗線、あるいはボックスの範囲とかそういうものを彼は考えながらやっているのだろうと思うわけです。でもこの見方、予想こそが相場の肝であるわけで、その読みが分かる人分からない人では雲泥の差が出るわけですね。そこも彼の手法は真似をするのは難しいと思う点でもあります。

そしてたまに出てきますが、ショートスキャルを繰り返せという場面もあります。まさに5-10ピップスを抜けという、私の瞬間芸と同じ(笑)。それを何十回繰り返せと。そしてそれで稼いだ利益で塩漬け分を外していくのだそうです。

これって理屈はわかりますが、誰にでもできることでしょうか。

このショートスキャルが簡単なら、それだけで利益を狙う事だって出来るわけですよね?

でも違うんですね。もしそのショートスキャルに失敗しても(つまり値は上がる)、大きなロング玉があるわけです。またそのショートスキャルもどうも利益の中から考えて大きさも決めるようで(この辺はまだわかっていません)、失敗しても問題が無いようになっているようです。

つまり、彼のシステムの面白いところは、常にヘッジが効いているということ。例えば今書いたショートスキャルにしても、もし値が大きく上がったら、ショートスキャルが失敗したほうが嬉しいってことになります。こういう考え方が全ての行動の基本にあるように見えます。そこが彼のシステムの凄いところではないでしょうか。

でも初心者にはかなりハードルが高いと思います。でも諦めることなくこの手法でやってみるのは素晴らしい経験になることは間違いが無く、やっているうちに両建てとはどんなものか身体で覚えることが出来たらかなり強力な武器になるんじゃないでしょうか。ただ、トラリピは誰にでも出来て、放っておいても利益が出て嬉しいぃ~レベルの人は近づかないほうが良いと思います。ポジション調整は簡単ではなく、単に上辺だけ真似るとロング玉は高いところで買い、ショートトラリピは安いところで売った玉が残るなんてことになるかもしれません。彼ははっきり書きませんが、恐怖とどう向き合うのかという点も大事だと主張しているように思えます。つまりあらゆる動きを想定してどう動いても大丈夫にするんだから、心配するなというような場面が多く出てきます。この辺も非常に重要で、恐怖と欲に流されるから相場は難しいわけですよね。ですからそれがコントロールできないと彼の言うような玉も建てられないってことになると思います。高値掴み、底値売りが起きるのはまさに恐怖と欲望のせいだと思います。

そういうレベルの人にも学ぶべき彼のやり方があります。それは常に収支を見ながらやるということ。確定利益と含み損益を通算して、今自分はどういう状態なのか把握しながら、トータルは常にプラスを維持し、そしてそのプラス分で再投資(彼は複利という言い方をするから最初はわかりずらい)してロング玉も増やし、またそれに合わせてショートトラリピも増やすという方法。確定利益だけ見て含み損は無視なんて、そんな投資は世の中には無いってことですね。でもそういう風に考えるようにトラリピの証券会社なり、トラリピを絶賛する人たちは書きますし、またメディアもそうでしょう。続けていれば収益が上がるからいつかその塩漬け玉も無いのに等しくなると。理屈ではそうですが、トラリピでもロスカットなり撤退を余儀なくされた人は少なくない様ですし、豪ドルにしてもこうやって上がってくると、この辺で清算してもうやめようかと考える人も多いんじゃないでしょうか。そもそも塩漬け玉の処理を自分でせずに自然に任すということが相場の原点からはずれていると私は思います。

このブログの読者の多くはもう資産形成も終わり、資産運用が中心になっている方、あるいは退職して資産運用の効率を上げる必要がある方がほとんどです。そして多くの方は外貨預金なり外債をもう持っている。そして円高で苦しめられた経験のお持ちの方がほとんどのはず。そういう視点からこのくるくるワイドのショートトラリピでロング玉をヘッジすると言う考え方は興味があるはずですし、使えるものなら使ってみたいですよね。私としてはその方向で考えて行きたいと思っています。

また、上の説明で書き忘れましたが、ロング玉はスワップを期待できる玉。いわゆる豪ドルのような通貨。でもそれのヘッジということで豪ドルのショートトラリピをやったらスワップの支払が生じるわけでそれじゃうまくない。ということで、このくるくるワイドの開発者はユーロ/円でショートトラリピをやるようです。考え方としてはあくまでロング玉のヘッジですから、豪ドルだとすればそれと相関関係にある通貨じゃないとうまくないわけです。豪ドルだけ動いてショートトラリピは動かないとか、あるいは逆の動きが起きたら駄目ですよね。そういう点で果たしてユーロ/円が最適なのかどうかは私はよくわかりませんが、この開発者がユーロ/円を選んだということは考え抜いた上での選択でしょうからそれが一番なのかもしれません。

またこの考え方を発展させると、我々がマレーシアに行きリンギットの資産を多く持った場合、リンギットにはデリバティブが一切存在しませんしFXもない。だからヘッジが非常に難しい通貨なわけですが、私が今考えている中ではリンギットの動きは米ドルではなくてシンガポールドルの動きに非常に近いように見えます。つまり、リンギット資産のヘッジの為にシンガポールドルのショートトラリピをしたらどうか?と考えることもできます。ただその場合のスワップがどうなるかとか、その辺はまるでわかっていません。

ま、このくるくるワイドをそのままやるやらないではなくて、この常にヘッジ状態を維持するという考え方は素晴らしいし、また確定利益と含み損益を通算して常にプラスをキープするという(当たり前な)考え方を基本に持つことは、我々がどんな投資をするにしてもそれは無駄にはならないと思います。

このくるくるワイドの発想を知ることは、我々にとって小さな一歩ではありますが、我々にとって偉大な飛躍である。なーーんてどこかで聞いたことのある言葉を思い出しました。(笑)

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