マレーシアの不動産

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あれは4月でしたっけ。マレーシア不動産の外人が購入できる物件の最低価格引き上げのニュースは。

今まで50万RMだったのを倍の100万RMにしようかと首相府省経済企画局(EPU)が検討しているという話。

で、ペナン州がすぐにそれに応えて100万RMにすると発表したんですよね?その後、他の州はどうなったのでしょうか。どなたかご存知の方は教えてください。

さて、自分としてはどうするか。まぁ、結論は出ていないものの、不動産購入は多分しないだろうと思っています。ただ自宅用として購入する可能性はゼロではないものの、投資として買おうとは全く考えていません。

その理由は簡単で、マレーシア不動産は今バブルであると思うってこと。

じゃ、バブルなら買わないほうがいいのかって話になりますが、これは株式でもなんでもそうですが「上がっているから買う」のが相場の鉄則で、「今安いから」「(今は安いけれど今後)上がると思うから」買うってのは駄目なケースが多いんですね。安く買って高く売れとよく言いますが、そんなのは理想論で、動いているものに乗るのが鉄則だというが私の根本的な考え方です。

ただそれは値上がりで利益を出すという前提の場合であって、つまり株で言えば短中期で利益を出す考え方で、財産保全として買うとしたらバブル時に買ってはならないと思っています。株式で長期運用しようとする人がバブル時に買うのは愚の骨頂で、それは買う時期ではなくていつ売ろうか考えるべき時期ですもんね。

不動産って株式や先物、為替とは大きな違いがあると思っていて、まず売買が簡単ではないこと。価格が不明瞭であること。経費が大きいこと。税金も掛かる。私が考える投資対象として不動産ほど面倒くさいものはないというのがまず第一にあります。

不動産投資って賃貸に出して日銭が入るというのが大きなポイントだと思います。これって為替で言えば、金利の高い通貨を買って金利の低い通貨を売る、たとえば豪ドル/日本円をロングするってやつですが、スワップ金利が手に入る。これと似ていますよね。でも不動産は必ず賃貸に出せるのかどうか、年間の利回りがどのくらいになるのかが大事だと思うのだけれど、その土地の事情を知らない投資家が「雰囲気」で買うとうまくないのはどこの国、どこの都市でも同じで、さて自分がマレーシアで、それも金勘定は世界一上手な中国人たちと同じように不動産投資ができるのかというと、まず駄目だろうと私は最初から諦めています。

私の頭にあるのは日本のバブルであり、また当地ゴールドコーストでも何度か不動産ブームが来ましたが、不動産投資で良い思いをした投資家は一握りであって、一般の買い手はカモでしかないと思っています。いわゆる価格の下支えをする役割を担うだけで利益を出すまでにはなかなか至らない。

特にゴールドコーストの場合は観光地ですから、ゴールドコーストらしいコンドミニアムを投資用として買う人は多くても実需は少ない。これは林立しているコンドミニアムを見てもすぐわかることですが、夜になっても部屋に全く明かりが灯らないコンドが多い。これって異様な光景で、普通の町のコンドとはかなり違う。

で、マレーシアですが私はそれと同じ状況になっていると感じるわけで、我々外国人が買いたいと思うような物件、買ったら良いと広告が出ている物件ってゴーストタウンに思えるようなコンドが多いと思っています。また賃貸を調べてみるとごっそり出てくる。

やっぱり賃貸に出すのならそれ用の物件ってあるわけで、クアラルンプールでも賃貸に良い物件は動きがあるのがちょっと調べるだけでわかりますね。KLのMarc Service Residence(ツインタワーのすぐ西)なんてそれの筆頭じゃないでしょうか。そういう物件を調べて見ると、仕事に便利な位置であり、また特に動きが早いのはワンルーム。これは他の地区でもその傾向はウォッチングしていると同じであろう事が見えてきます。

でもそういうコンドに自分が住みたいと思うかというとそれは全く違うわけで、では自分が住みたいと思うようなコンドって賃貸に出すには全くアウトであるケースが多いと感じています。つまり環境も良くて3BRはあって、それなりのグレードのコンド。こういうコンドに住みたいと思うのはまさに我々のような退職者であって、KLのコンド賃貸市場を潤わせているExpats(海外からの知的労働者)には向かない。ましてや単身には大きすぎる。では現地の人たちに貸せるかというと、東京で言えば麻布や白金の億ションと同じなわけで、現地の人たちには高すぎる。

私の見ている限りではやっぱり家賃が3000止まり。いや2500か。そんなところが実需のある限界だろうと見ています。で、そういう家賃で貸せるコンドの金額を考えると、今回の最低価格100万RMってのはうまくないですよね。そういう賃貸として良さそうな物件はそもそも30-50万の感じだし、限度額が100万になったらそれを買うことができなくなるってこと。では100万超えのコンドを買って賃貸に出すにしても3000かそこらで出したら全く妙味がなくなる。

それとマレーシアっていくらでも場所があるので、まだまだ住宅は増やせると思います。KLだけをこの4年間ウォッチングしていますが、新たな町、開発される地域がどんどん増えている。そしてかつての中心と言われる町が変化している。この辺が我々にはなかなか理解できないところだと私は思っていて、たとえば東京なりゴールドコーストでも良い場所って限られているわけですね。で、そこにはもうコンドが増えない、限界に達している。だから良いコンドは値上がりもするのだろうし賃貸にも向く。ところがどんどん広範囲に開発が進められているKLで、そして住民もどんどん広がっていくような状態だったら話は違うと思うわけです。この状態って、東京で言えば40年前と同じで、どんどん私鉄沿線に町が広がっていたのと同じ。

つまり供給はまだまだ余裕があって今後も続く中で、不動産が高騰しているから買いのチャンスだと考えていいのかどうか。そりゃ需要があるから高くなるわけですが、でもその需要は実需じゃない。

これって株式で言うと仕手株と全く同じだと私は思うわけです。不動産投資でもプロ、あるいはプロ級の知識と経験を持っている人は多くいて、そういう人たちが場所と物件、そしてタイミングと値段によっては投資判断をするわけですが、それと同じことが自分に出来るとはとうてい思えないのです。ましてや日本の業者が日本人向けに売っている物件なんてのは歴史的に見ても世界的に見ても私は最悪だと思うわけで、それはNYでも(25年ぐらい前にNYのコンドに投資しようと動いたことがありました)ゴールドコーストでもどこでも同じ。よっぽどの不動産高騰の嵐が来ないと投資としての恩恵を受けられないのが普通だと思っています。これって別荘と同じで、値上がりがどうのこうのなんてのは関係ないんですね。所詮、所有欲を満たす以上のものはないと思っているし、買うとしても大きな期待はすべきじゃないと思っています。別荘を買うときに「これは投資になる」と自分に買う理由付け、言い訳をしているだけであって、それを聞いて真に受けて投資になるのか?と考えちゃ駄目だと思っています。

一番腹が立つのは業者の「マレーシアの不動産は安い」って言う言い草。高い安いって何を基準にしているのか。そりゃ東京と比べれば安いでしょう。3000万のコンドだって安いと思う。でもそれって東京ならその価格は安いってことで、マレーシアにはマレーシアの基準があるわけだから日本と比べて安いなんてのは全く意味が無いじゃないですかねぇ。また日本だって、高いのは大都市だけで、地方に行けば東京では高値の土地つきの一軒家が1000万で買えるところはいくらでもある。そういう地方の中古物件を東京で宣伝して、安いですよ~っていう馬鹿な不動産屋はいない。でも国が替わると平気で安いと宣伝するし、客もアホで安いといって喜ぶ。相場とか物価とか賃貸に出した場合の平均利回りとかそういうのから見て安いか高いかって決まるはずで、マレーシアはとかジョホールバルはとかそんな大きなくくりで投資の是非が決まるわけが無いですよね。もし外人が「日本の不動産は安い!」と言ってるのを聞いたとしたら何か違和感を感じますよね?そりゃ全体的に安くはなっているけれどいろいろだわな、って思うし、それはどこでも同じでケースバイケース。で、実際に個別の物件が良い投資物件かどうかは素人にはそう簡単にはわからない。

この21年間ゴールドコーストを見ていてもそれは同じで、どんどん新しいコンドが出来て売値も上がっていて、誰がこんなところを買うんだ?っていつも思いながら見ていましたが、やっぱりそういうところを買うのは地元の住民ではないんですね。投資用、あるいは別荘でしかなくて、賃貸にも出さずにそのまま放り投げていても良いような金持ちが買っているのがわかる。でも今現在のゴールドコーストに関して言えば、そういう金持ちも買わなくなって酷い状況。でもゴールドコーストなら良い物件が安ければ買ってもいいかもしれないとは思っています。不動産はロケーションが一番という前提に立てば、今後そういうコンドが建つロケーションはそうそうないわけですから。

ま、そんなことで、私は投資用としてマレーシアで不動産を買う気は無いってことです。ただ自宅用は話は別で、これで利益が出ないにしても、たとえば5年なり10年持っていて、売るときに同じ額で売れれば儲けものぐらいの感じで買う可能性はあるかもです。これはやっぱりインフレに対する恐怖があるから。そして住む場所の確保って大事で、世の中がどうなっても住む場所があればどうにかなるということでもあります。もし賃貸していて、マレーシアに、あるいは世界的な大インフレになったとき、家賃が払えなくなる可能性もあるかもしれず、それを考えるとぞっとしますから。でもそれもいつ出るかわからないお化けを怖がるのと同じかもしれず、どうなんでしょうねぇ。

それと私の場合は、いつも頭にあるのが「逸失利益」です。言葉を代えると「得べかりし利益」です。これは、本来入るはずの利益のこと。

お金を使わずにそれを投資に回した場合にいくらの収入があるかということを私は常に計算する癖がついています。まぁ、これを考えるとケチになってお金を使うのが嫌になってくるわけですが、かと言って、これを計算するのとしないのとでは大きな差が出てくるのでやっぱり気にしています。

で、不動産ですが、まぁ、自宅だから値上がりしなくてもいいやぐらいの感じで買ったとしますよね。最低額が100万RMになるとすれば、大雑把にいって3000万円。私としては死守したい利回りというのが年間7%なのですが、それから計算すると年間210万円です。まずこの数字を基本として、投資する価値があるか、買う価値があるかを判断します。

3000万円で不動産を購入した場合、毎年210万円の収入が減るということです。だからもし投資用として購入した場合、210万円をアウトパフォームできるようじゃないと買わないほうがいいことになります。実はそもそも不動産投資に興味が出ない理由の第一はこれで、不動産を投資目的で買ったとして、それを賃貸に出したとして、また値上がり益も入れても、諸経費、税金などを計算すると7%で回すのはかなり難しいという私の試算があります。マレーシア不動産を投資対象として見れないのはここが本当の理由です。

では自宅用で買ったとしてどうか考えても、毎年210万円の収入がなくなるってどんなもんでしょうか。また年間210万円で借りられる物件ってどういうのがあるのか。

今の時点は今の時点で将来はわかりませんが、今年間210万円の家賃で借りられるコンドってそこそこ良いコンドだと思うのですが、この額のコンドそのものはまさに上に書いた実需ではないコンドが多く見受けられます。つまり賃貸に出してもなかなか埋まらないコンド。つまり、格安で借りられるってことなんですね。この辺も調べて見ると面白いですが、売買価格は150万RMだ200万RMだというそこそこのコンドが安く借りられるってこと。これは投資家にしてみたら最悪のコンドで、5000万円とか7000万円とかそういうレベルのコンドなのに賃貸に出しても借り手がいない、安くしても難しい、そんなコンドがKLにはゴロゴロあるのが見受けられます。

こういうコンドのオーナーって一体何を考えて買ったのかわかりませんが、多分、お金が有り余っているのか、あるいは自国と比較して安いから思わず買ってしまったのか、まぁどちらにしても不幸なオーナーですが借りるほうとしてはラッキーなわけで、私としてはその借り手としての恩恵を得たいと考えています。

でもそれがいつか駄目になる時期もあるかもしれませんね。

ゴールドコーストがそうでした。私たちがまずゴールドコーストにきた21年前ですが、サーファーズパラダイスのど真ん中のこれ以上のロケーションはないというコンドに賃貸で入りました。下はショッピングモールになっていて大きなスーパーが地下にあるという、ゴールドコーストでも珍しいタイプのコンドです。クアラルンプールにたとえてみればPavilion Residences(パビリオンの上のコンド)みたいな感じでしょうか。ただゴールドコーストのそのコンドは海岸まで歩いて数十メートルという生活に便利な上に遊びでも完璧に近いロケーションです。

そんなコンドですが、2BRの家賃が月に12万円でした。買えば40万ドルぐらいでしょうか。だから家賃は異常な安さだと思いました。だから買うより借りたほうが得。

ところがですね、その後、私は家を買いましたが、そのコンドの家賃もどんどん値上がりして今では3倍はします。36万円程度。家賃だけで36万円って結構な額でそれなりの収入が無いと住めないと思うのですが、安かったコンドもそんな家賃になっていくのを見ていました。

これってつまり、自分の家が無い場合、値上がりと共に当然支出が大きくなるし、それに耐えられない場合、どんどん下のクラスへ引越ししていかなくてはならないという当たり前のことが起きるんですね。これって理屈ではわかっても現実としては受け入れたくないことで、やっぱり買っておけばよかった・・・ってことになる。

マレーシアは安い。確かにそれに間違いは無いのだけれど、その感覚的な安さがいつまで続くのかはわからない。ここが問題ですよね。これはマレーシアの物価の値上がり、リンギットの為替としての値上がり、あるいは自分の収入が減る、自分の収入がある通貨の為替としての値下がり。この4つのどれが起きたとしても実質的には家賃の値上がりという結果になる。

ま、それを考えると、自宅用には不動産を買うのは良いかもしれないと思うわけです。

買うとしたらどこのどんなコンドがいいのか。

ま、それを考えるのはまだまだ先ですね。まだKLにも住んでいないのですから。

そもそもマレーシアに何年住むのか、住めるのか、それさえもわかりません。3年もしないうちにやっぱり駄目だと帰る事になるのか、あるいは他の国が良くてまたお国替えをすることになるのか。日本に帰るのか、オーストラリアに帰るのか、全く想像もつきません。

ただ、ヨメさんは私より6歳年下なのですが、まぁ、普通に長生きしたにしても私が死んだ後10年以上はヨメさんが長生きするわけですが、また平均寿命を全うできるとしたとしても、一人でヨメさんがマレーシアで生きていけるとは思えません。まだオーストラリアの方が良いと思います。一番良いのは日本に帰ることでしょう。

で、私自身、このブログにいつも書いていますが、私は日本で死にたいといつも思っています。移民としてオーストラリアに渡ってきましたが、オーストラリア人になろうとも思いませんし死ぬときは我が祖国で死にたいという思いが捨てきれません。また、なんでも私任せで英語もいまだに駄目なヨメさんにとっても生活しやすいのは日本のはず。

そういう意味で、不動産を考えた場合、いつの時点で日本のどこのどういう不動産を手に入れるかを考えるほうが私としては現実的で、そして真剣です。

私の理想としては70になる前に、日本のシニア向けのマンションがありますよね。もし寝たきりになってもそのまま住んで介護を受けられるようなところ。まぁ、値段も毎月の支払いもかなり高いですが、そういうところへいつどんなタイミングで入るか、そんなことも今から考えています。

で、そういう場所を本拠地として、あとはどこで野垂れ死んでも良い様にして勝手気ままに生きようと思っています。

その為にもそれなりの資産が必要で、もう資産形成を狙う歳ではないのですが、もう一花咲かせようと虎視眈々と狙っています。

そういう意味でもマレーシアって良い国で、生活費は安くそして(私の場合は)無税となります。これほどお金をためるのに適した国はないわけで、どうにか5年ぐらいの間に資産は一切減らすことなく、それどころかしっかり溜め込みたいと思ってます。(笑)

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