ビットコインが急落中ですね。ドル建てのものは１万ドルを割り、９０００ドルも下回ってきた。
仮想通貨の一つである「ＮＥＭ（ネム）」がとんでもない額の流出（盗難）事件で大騒ぎしていますが、私はこれほど多くの人が仮想通貨を買っているとは知らなくて本当にびっくりしました。
仮想通貨そのものの是非に関してここでああじゃこうじゃ言うつもりはないのです。ただ、「投資対象」としてどうなのかってこと。
私が一番感じていることって「世の中の人達ってどうして【楽して一発当てよう】と考えるのか」ってことで、この欲望丸出しの人たちがいかに多いのかを知ってびっくりしています。
「ちゃんと真面目に働けよ」ってのは古今東西言われているのに、そんなの関係ね～～～みたいな一発狙いをする。真面目に働いたお金で投資しているんだよ、なんて声が出てくるのでしょうが、ああいうギャンブルみたいなものに１円たりとも投資する（Buy and Holdの意味）べきじゃないというのが私の基本的な考え方。
理由は簡単で、ギャンブル好きが買うならまだしも、トレーダーじゃ投資家じゃと自認する人が買うべきものとは思えない無いんですよ。「誰しもが持っている射幸心」を認めたら、投資なんかできないと思うから。常に心の奥底で「一発当てたい」「大儲けしたい」ってのは誰でもあるはずですが、その思いをいかに消すかってのが「必勝法その１」じゃないですかね。
素敵な異性に見つめられて「ニコッ」とされれば誰だってフラフラするのは当たり前で、それを見ない、知らん顔するってかなり難しんじゃないですかね。だから近づかないのが一番という理屈です。（笑）
そして「誰か素敵な人が自分に微笑んでくれないかなぁ」って思いを自分の中から消し去ること。これが大事だと思うんですよ。それが出来ずにその思いを持ちながら生きていたらまともな異性との付き合いって出来ないんじゃないですかね。
相場、投資も全く同じで、常に一発当てたい、儲けたいという貪欲さから解放される必要があると思うわけです。人間って弱くて、「自分で自分をコントロールしている」つもりでも実際にはそうではないというのが私の持論。だから常日頃、自分の生き方さえも考えないとスキがトレードに出てくると思っています。
ビットコインにしても株にしても、「大きく上がるのがないかなぁ」って考えている人ってドツボにハマりやすいと思ったほうが良いと思っています。それでうまくいくんですかね。これって「仕手株好き」と同じで（私もそうだった 笑）、こんなのを追い求めるべきじゃないと思うんですよ。遊びでも手を出すべきじゃないと。
ここで困るのはそれで大儲けした人がいるってこと。だから自分も・・・って思うわけですが、こういう考え方を持っていると「儲かることもある」のと同時に「損することもある」わけで、そういう考え方を持っていると「勝ったり負けたり」が延々続くだけじゃないですかね。
株式、先物、債券、オプションにしても「プロ」って大勢いるわけですが、彼らもそんな考え方で投資をしているんですかね？ここはしっかり考えるべきところ。
「一発狙いなんかしないで、真面目にコツコツ働け！！」ってのは相場の世界も同じだと思うんですよ。
余暇のギャンブルのつもりで・・ってのもわかりますが、異性関係と同じで「ちょっと火遊びのつもりだったのが・・・」ってのが人間の本性だと私は思うわけです。
そしてこういうギャンブル好きってのは「買う」ことしか考えないのね。ここも大きな問題だと思うんです。
それは「勝ち馬に乗る」って考え方で、馬券を買うのも、株を買うのも、利回りの良い金融商品を買うのも同じで、「買うことが投資」だと考えている人が大多数じゃないですかね。
これってボクシングを片手で戦うのと同じだと私はいつも書いていますが、なぜ「売って儲ける」という発想が出てこないんでしょうか。世の中には「空売り」というシステムがあって、「自分が持ってないものでも売れる」わけですね。最初に売って、あとで買い戻すという方法がある。
相場の世界には「負け馬に乗る」という方法もちゃんと用意してあるんですね。
株式だとすれば「信用売買」をするわけですが、なぜかこれは「非常に危険だ」と考える人が多い。古いですよね～。株って上昇していれば「すべての人がハッピー」なわけで、「下げた方が儲かる」という話はタブーに近いのね。だから「空売りを推奨することは無い」と言っても良いくらい。
でも今の若い人たちはFXから入る人も多く、「買いも売りも同じ」だってのが理解できているのね。例えば「日本円の上昇は米ドルの下降であって、円の下降はドルの上昇」ですから、上がるのが良いも何もないわけです。このことを理解しているって凄いアドバンテージだと思うんですよ。でも古い人にはこの感覚を持っている人は少ない。
だから、株でもなんでも「売って利益を出す」というのは「買って利益を出す」のとイコールだということを理解するのが「必勝法その２」じゃないでしょうか。
つまりですね、例えば株式でも上昇中は世の中の投資家はニコニコしていますが、下落相場になると皆さん落ち込みますよね。これって大変おかしなことだという理解が大事だということ。
今、ビットコインが大きく下落して真っ青になっている人は多くいるわけですが、なぜここで大笑いする人がいないの？売っている人はウハウハしているはずですが・・。
これって世の中の人達は「買う」のが当たり前だと思っているからなんですね。
株でもなんでも投資対象を見た時に、「さて買いから入るのか、売りから入るのか」と考える自分じゃないとダメだってことなんですよ。でも売りから入れないもの、空売りが出来ないものってあるわけですが、それって例えば不動産投資も同じですが、空売りが出来ないにしても「空売りできるとしたらどうなのか？」と視点を変えて見ることが重要なんですね。
もしビットコインなどの急落で悩んでいる人は、「どうして自分はこの下げで儲けられないんだろう」って考えてみる必要があるんじゃないでしょうか。ビットコインにはFXがありますし、CMEで先物も上場されていますから、「売りから入る」ことも可能なんですね。
ビットコインの値動きを見ながら、「どの辺で買おうか」と考えている人は多くいるんでしょう。でもどうして自分は売ろうと思わないのか。そこをしっかり考えてみて欲しいのです。今は間違いなく下げトレンドなんですから、「売ること」を考えるのが王道のはず。
買いたいと思った時には「売る側はどう考えているんだろう」と想像するのは非常に大事だということ。そしてこれは、「自分がすでに買っていようと売っていようと、常に考えなくてはならないこと」なんです。これは非常に難しくて、「自分の立場しか考えない」人がほとんど。これで勝てると思います？相場の世界では「買っていれば、上がれ上がれと目をつぶって祈る」「売っていれば下がれ下がれと目をつぶって祈る」ことが普通なのね。
そういう意味でFXって良い訓練になると思っています。買いも売りも考え方は同じですから。そして「買いなのか売りなのか」は常に考えるべきことなんですね。ただ「買い（売り）」と言っても「撤退」という意味じゃなくて、「新規買い（売り）ができるかどうか」と見ないと駄目なんですよ。「撤退と新規」って似ているようで全く違いますから。
株式投資をする人は、「空売りしかしない」と決めて数ヶ月やってみたら良いと思います。それで自分が持っていた固定観念をぶち壊すことが出来るはずですから。
今は株式市場は上昇トレンドだぜ？なんて思うかもしれませんが、それもおかしなもんでしょう。日本のバブルが弾けてからの長い下落相場の中で「上がるものはないか」って探していたのは誰？日本が駄目だから海外の株にシフトした？そうやって「上がるものばかり探す投資」ってなんかおかしいと考える必要があるんじゃない？何百何千億円という巨額の資金を動かしているのならわかりますが、我々雑魚には雑魚のアドバンテージがあることを忘れないほうが良いと思います。
私がなぜ「自分は投資をしている」と言わないのかおわかりになると思います。投資って「買って保持する」ことだと一般的に考えられていますが、私は「売る」ことも「買い」と同じにやるわけですから、投資じゃないんですね。「私は投資家です。今、空売りしてます。市場が崩れるほうがうれしいです。」っておかしいでしょ？（笑）
そして、そして、そして、非常に大事なのが「損切り」ですね。自分の予想と違う動きをしたり、予想が壊れるある基準を超えたら、文句なしに撤退する。実はこれが何よりも難しいのね。何十年相場を経験してもうまくはなれない。それどころか、「まだまだ大丈夫、このままポジションは保持だ」と当初は全く予想もしない動き、値になっても拘るのが人間の普通の心理なんですね。それどころか、買い増し、売り増しまでしてしまう。だから大損する時には恐ろしいことになるわけです。
ですから「出撃時に損切りのオーダーも同時に入れる」ことを「絶対のお約束」として実行する。これが「必勝法その３」だと思っています。
もし損切りした後に値動きが最初に自分が予想していた方向に戻って動き出したら、そこから「リベンジだ～～～」と再出撃すれば良いだけの話なんですね。
人は誰でも「自分の負けを認めるのが大嫌い」ですから、ここは重要なところだと思います。
「俺は投資家だ」なんて下手なプライドを持つとそれが理由で負けることもありますから、「俺はただのトレード職人だ」「マーケットのコバンザメだ」ぐらいに思ったほうが身動きが軽くなるはず。利ざやを求めるのではなくて、企業なり産業なり国なり、それが良い方向へ動くように「出資者として参加している」というのなら話は別ですが。