とうとう「本物の和牛」がオーストラリアから入ってきた

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世界は和牛ブームに沸いていますが、和牛やWagyuは決して日本だけで生産されているわけじゃない。

今の日本では「日本の和牛を守ろう」ということで「繁殖に使える和牛そのもの」は輸出されておらず、「精子のみ」のはず。この精子を使って世界は「地元の牛」と掛け合わせ、それぞれ「Wagyu」の規格をこしらえて輸出している。日本ではA4とかA5とかの規格がありますが、例えばオーストラリアだとM6とかM8/9とか「数字が多いほうが霜降り状態」になっている。

でもこれらのWagyuは雑種なんですね。地元の牛、それがホルスタインであったりアンガス牛であったりいろいろ。つまり、日本では「和牛」とは認められない。

ちなみに和牛の定義ですが以下の通り。

和牛とは日本の国産牛の中でも4種類の

◯ 黒毛和種
◯ 褐毛和種
◯ 日本短角種
◯ 無角和種

これらの牛の間に生まれた牛だけを和牛と呼ぶ。

日本でもこれらの和牛ではない牛、例えばホルスタインと掛け合わせた牛は存在するわけですが、それらは単に「国産牛」と呼ばれるだけで「和牛」と呼ばれることはないし、A4だのA5だのいう規格もない。

つまり海外のWagyuとは日本で言う国産牛で、和牛とかけ合わせた「ハイブリッド牛」なんですね。要は「雑種」。

ところが最近のニュースでやっていましたが、「和牛の受精卵」を他の牛に着床させて育てれば「本物の和牛」ができるわけで、それを中国に密輸しようとした人が捕まりましたよね。これって隠して海外に持ち出されたらアウトで、それはかなり広がっているのかもしれない。

また今は輸出禁止ですが、かつて「アメリカに和牛の成牛」が輸出されていた時期がある。このほんの少ない和牛を親として、他の牛とかけ合わせた50%のWagyuではなくて、100%の和牛が広がっている。

この和牛がですね、アメリカからオーストラリア、そして他国にも渡って、「本物の和牛がすでに生産されている」ことが起きている。

日本がそれを止めようとしても、すでに「和牛のアダムとイブ」は海外に渡り、どんどん子孫を増やしているんですね。

この牛は「Wagyu」なのはもちろん、それプラス「和牛」なのは間違いがない。でも海外産だから和牛として登録されないし、A4A5などの「日本の基準」は使われていない。

こういう100%純粋の和牛が出てくると、「海外のWagyuはハーフで純血種じゃないし・・」なんてことが言えなくなる。

そしてその「種」は世界中の生産者が欲しがるわけで、アメリカ-オーストラリアと渡ったのと同じ様に、カナダ、スコットランドでも100%の純血種が育てられている。中国や台湾にもすでに流れていて生産が始まっているらしい。

マレーシアに入っている和牛は、日本で認定され、なおかつ「ハラル認証」を取ったものが「正規」に輸入されている。(でもシンガポール経由とかで「ノンハラル」も多く入っている様子)

そしてスーパーなどで売っている「Wagyu」は多くはオーストラリア産でこれはハイブリッドと呼ばれる雑種であって100%純血種ではない。あるいは「日本産インチキWagyu」であり、しかし本物の「和牛」も「Wagyu」として売られていて、知識が乏しい消費者には何がなんだかわからない状態でしょう。だからといって「高いものが美味しいはず」というのもハズレる。

どちらにしても和牛ではないのにWagyuとして売るのは問題がない。だってWagyuの定義がマレーシアにはないのだから。

ここに大問題があって、日本にも多くいる「和牛ではない国産牛」をWagyuとして売る業者がマレーシアには多いんですね。これに関しては何回かに渡って詳細な証拠も付けてブログに書いたけれど、なんとLot10の地下にある「田丸屋」でさえも「国産牛」を「Wagyu」として売っていた(今は知らない)。でもこれは犯罪にはならない。倫理上の問題があるだけ。

ところが、今回、とうとうオーストラリアから100%純血のWagyuがマレーシアに入ってきた。

売っているのはいつも紹介しているWmart。

Wmartのフェイスブックはここをクリック。

ここに「Mayura Platinum Wagyu Beef just arrived our store !」と書いてありますが、この「Mayura Platinum Wagyu Beef」ってのは「オーストラリアで育てられた100%純血のWagyu」です。「100%の純血種は英語では Full Blood」という。

Mayuraのホームページはここ(Full-blood Wagyu Products) 

日本生まれの和牛は、それこそ長い年月、手塩にかけて育ててどうにか美味しい肉の評判を獲得した。

でもそれは今、海外に流出し、掛け合わされ、どんな育て方をしているかどうかもはっきりわからないのに「Wagyu」として世界中に広まっている。日本では「和牛」は「和牛」なのに間違いはないけれど、海外では全てひっくるめて「Wagyu」。これじゃ違いはわからない。

マレーシアで売っている和牛(Wagyu)は美味しくないと言う人は多いようだけれど、オーストラリア産の「Wagyu」は掛け合わせた牛で純血種ではないし、育て方も日本の和牛とは違う。また「日本の和牛」として売っているWagyuも多くは本物の和牛ではなくて、日本では「国産牛」「ハイブリッド」と呼ばれる牛。そして育て方もいろいろで、これじゃ美味しいほうがおかしいじゃないですか。

でも本物の和牛も間違いなく売っているのは何度も書いているとおりで、WmartのWagyuは日本の間違のない本物の和牛。でもA5だから美味しいってわけでもなくて、日本の高級和牛(例えば松阪牛)とは違って当たり前。

そして今、とうとうオーストラリアが「本物の100%純血種のWagyu」を世界に売り出した。そしてマレーシアにも入ってきた。当然「ハラル認証」も取れている。

どんな肉なんでしょうね。

そのうち、入手してみようと思いますが、私としてはこういう肉の存在そのものが悲しい。日本生まれの和牛が世界的に有名になったからこそ、糞も味噌も一緒になってしまい貶められていると感じます。

美味しければいいじゃないかって消費者としてはその通りなんですが、私には日本の生産者の怒りや悲しみが伝わってくるし、なんとも言えない無念さが広がるばかりです。

しかし、この世界の動きを逆手に取って「商機と捉える日本の畜産業者」もいるらしい。積極的にWagyuを海外で育てようという考え方。やっぱり「和牛だから美味しい」「A5だから美味しい」ってことはないわけで、かけ合わせたハイブリッドでもあるいは純血種でも「種の良し悪し」や「育て方」でまるで違う牛肉ができるわけだから、乱立する世界のWagyu業界で「Wagyuってのはこうやって育てるんだ!」という日本の和牛を育てるノウハウを持った人たちが「世界に挑戦する」ってのは凄いと思ったり。

「コピーされたらもう終わり」という考え方もあるけれど、「コピーされてもOK。どうせ同じものは作れやしない」という考え方の、業種は違うけれど精密機械を作る会社の社長の意気込みを聞いたことがある。

いつの日か、世界で生産されるWagyuは「日系企業がシェア70%を獲得」なんて日が来たら良いなぁ。

頑張れ!日本!!

ちなみに、和牛だろうがWagyuだろうが、本当に美味しい牛肉はどこで売っているのか。

これって美味しさを感じる個人差もあるし、「どこそこの店」とか「宮崎産(マレーシアは多い)」のA5が良いと言っても「ロットによってまるで違う」のが常識ですよね。日本の高級店、有名店みたいに「美味しいのを確認してから仕入れて店頭に並べている」わけじゃないんですから。

牛肉にはかなり五月蝿い私の父ですが、「マレーシアで食べた牛肉で一番美味しかったのは、バンサショッピングセンターのJason’sで売っていた【ニュージーランド産のWagyu】だ」と言っていました。ニュージーランド産ですよ!

そうか、ニュージーランド産が美味しいのか、なんて考えては駄目で、たまたまそのロットが大当たりだっただけだと思います。

美味しい牛肉探しって難しいですよね。ましてや私の場合はケチですから、コスパが良くなければ駄目となれば尚更。 (笑)

 
 
 

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