詐欺ともいえる外貨預金

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日本では詐欺といっても良い位の外貨預金が横行しています。これは名前も知らない銀行がやっているのではなくて、大手の銀行が堂々とそれをやっています。

この件はこのブログで何度か話題にしたことがありますが、定期的にこれを書いていこうと思っています。

まず今日の例で出すのは三菱東京UFJ銀行です。一口に外貨預金といっても各行内容が違いますので一まとめにして言うことはできないのですが、良心的なところから詐欺丸出しのところまでいろいろあるようです。三菱東京UFJ銀行がどういうやりかたであるか、大手中の大手ですので一つの標準となるのではないかと思います。

まず、豪ドルで見ていきたいと思います。

UFJの外貨預金  ←クリック

オーストラリアドルで年率10%、税引き後8%というのがあります。いいですねぇ。ところが条件があるのがわかります。

? 上記は外貨定期の初回3ヵ月の適用利率となります。ご継続後は満期日の外貨定期3ヵ月物の店頭表示利率を適用します。
? 円貨からのお預け入れに限ります。
? 預入・引出時には手数料分を含んだ為替レートである当行所定のTTSレート・TTBレートをそれぞれ適用します。

まぁ、大体どこでもこんな感じでしょうか。中身を一つずつ見て行きます。

? 3ヶ月で10%ですが、それを過ぎると店頭表示利率とのこと。ではその店頭表示利率は?

店頭表示利率    ←クリック

オーストラリアドル(AUD) 景気良く10万ドル以上の利率だけを見ます。(笑)
1ヵ月  3.160%
3ヵ月  3.340%
6ヵ月  3.400%
1年   3.880%

全く魅力に欠ける金利です。オーストラリア国内の銀行では5%以上が当たり前で6.5%は結構あります。何でオーストラリアと日本と金利がこんなに違うのでしょうか。これに関してはあとで書きます。

? 円で入れて円で出すのが大原則。私はこれを詐欺だといつも言うんです。今時外貨を持っている人はいくらでもいるんですから、自分が持っている外貨をそのまま定期にできるようにするのが今の時代当たり前だと思うんです。あるいは、ユーロなり香港ドルなりその時その時自由に替えて投資対象も変えるのができて当たり前で、必ず円を通すというのは絶対変。そしてその為替交換手数料が安くないとあれじゃこれじゃと乗り換えながらの投資なんかできるわけがない。そうじゃなければ交換するたびに目減りして投資どころの話じゃなくなります。つまり、ここが彼ら銀行の儲けを出す中心で、外貨定期預金と言う名の「為替交換で利益を出すビジネスモデル」であるのがはっきりします。

? 問題はここです。円で入れて円で出すのにどのくらいの為替交換手数料がかかるのか。当行所定のTTS,TTBであるとあります。

UFJのTTS、TTBレート    ←クリック

豪ドル  TTS 84.89  TTB 80.89

TTSとTTBの差は4円でそれはTTSの0.0471198、4.71%であることがわかります。これはだまっていても銀行に取られる%ですね。とんでもない%だと思います。これは観光客が観光地の土産物屋で買い物をするときの交換レートみたいなもんで、投資だ資産運用だと真剣な客に対して出すレートじゃないと思います。バカにしていると思います。お前はカモだといわれているような気がします。

円の普通の定期を考えてみても、銀行はその預かった円を運用して利益を出すの普通。ところが外貨預金の場合は為替交換が大きな儲けの柱になっているってこと。本来は定期にする場合は特別な交換レートが示されてしかるべきだと思います。でもそれはしない。

ここで一つの結論がでます。本来の店頭表示利率の1年もの、それも10万ドル以上入れたとしても利息は3.880%であるということは、もしこれで定期を組んだ場合、1年後に為替に全く変化が無いとしても 4.71%-3.880%の0.83%の損となります。お話になりませんよね。これじゃ誰も定期なんか組みませんから、最初の3ヶ月は10%付けると広告を打つわけです。でも実際には利息を10%つけるのではなくて、為替手数料の値引きと考えたほうが合っているわけです。

○ 10万ドルを替えると、4.71%の4710ドルの為替交換手数料がかかります。
○ 10万ドルを10%で3ヶ月預けると、年間10000ドルの4分の1ですから2500ドルの利息。
○ 本来の店頭表示利率は3ヶ月で3.340%ですから年間3340ドルの利息。3ヶ月ですからそれの4分の1で835ドルの利息。2500ドル-835ドルは1665ドル。

つまり、本来なら835ドルの利息ですが、2500ドル付けることによって4710ドルの為替手数料が入る計算。利息の差は1665ドルですから、4710ドル-1665ドル。10%の利息を付けるというびっくりするような話でも、実は4710ドルの手数料を3045ドルに値引きしますという話でしかないわけです。手数料を約35%引いたのと同じ。

わかりますよね?

10万ドルを預けてくれれば3ヶ月で10%つけますというのは、言葉を変えれば、今回手数料を35%引きしますので、通常の利率で定期にしませんか?と言うのと同じってこと。もちろん3ヶ月じゃ客は赤字ですから、もっと長いタームの定期にするわけですが、それこそ彼らの思う壺で、安い金利を付けてがっぽり儲かっちゃう。

銀行でお金を替えると必ず手数料がつきますが、彼らのその原価はほぼゼロであって手数料は丸儲けです。1年定期だとしても原価ゼロの4.71%もの手数料収入が転がり込みます。またどういうわけかオーストラリア本国と比べるとかなり低い利息ですから、日本で集めた豪ドルをそのままオーストラリアの銀行に入れたとしても彼らは利益が出てしまう。いかにダブルパンチで儲けるあくどい商売かというのがわかります。

それともう一つ。単に外国通貨で資産運用をするなら良いですが、我々としてはいつかその通貨を使いたい、キャッシュで出したいということがある。その面でもUFJを調べて見ましょう。なんとこんな事が書いてあります。

「外貨現金での引出時手数料:1米ドルあたり1円80銭、1ユーロあたり2円50銭、1オーストラリアドルあたり7円70銭。」

オーストラリアドルを現金で出すと、1ドル当たり7円70銭ですと。大爆笑です。これってTTSの9%以上に相当します。こんな銀行を使っていて資産運用だとか、外貨による投資だとか、そんなのは絵物語、笑い話の世界であることがすぐにわかります。これが普通だと思ったら絶対に駄目で、この世の中で世界中を動き回っている膨大な資金がこういう条件で動いているわけがないなんてことは簡単に想像できますよね?

こういう銀行の商売を見るときに、普通は彼らがどういう儲け方をしているかというのは考えないですよね?一般的には彼らがどう儲けようと我々には関係ないのだから、その決まっている条件範囲の中でどうしたら自分には得なのか考えようとする傾向があると思います。でも私がこのブログを通じていつも言ってるのは、そういう末端消費者、搾取される小作人、カモ的思考方法から出ましょうよ、ってことなんです。彼らがどういう儲け方をしているのかわかれば、良い条件を引き出すために、彼らとどう取り引き、交渉をすべきがわかります。またどういうところを探せばもっと利益が出る方法が見つかるのかがわかるはずなんです。

ここでまず誰しも思う事は、たかだか数パーセントしかつかない定期なのに、為替手数料が高すぎるんじゃない?安いところは無いの?ってこと。そして10%の特別金利は客引き用のまやかしであって、実際の%は店頭に出ているものが本物。ではこの%の高いところは他にないの?と探してみるとか、次々にやるべきことが考えられると思うんです。そういう考えなしにこの手の銀行の売り文句に乗っていたらいつになっても資産なんか増えませんよね。

で、まず為替手数料の安いところを探してみる。するとSBI住信ネット銀行が見つかる。これはかつて野村證券にいてソフトバンクの孫さんと組んであの手この手を駆使しソフトバンクを大企業にした立役者である北尾氏。ホリエモンがニッポン放送を買収しようとしたときに間に入ろうと出てきたあの人。半端でないやり手ですが、彼が率いるSBIの銀行です。さすが彼がやることですから普通じゃないと思いました。この銀行の外貨預金の為替手数料ですが、1豪ドルあたりなんと40銭。米ドルはたったの9銭です。そして金利ですが1年ものには5%を付けて他行より競争力がある。さすが風雲児と呼ばれた北尾氏のやりかただと思いました。

この辺で妥協してみるのも良いですが、もっと安く為替交換する方法が無いのか探すのは良い事だと思います。それにはFXの会社を使う方法があるのがわかる。現引きという方法でお金を引き出す。ただし、安く交換できても円からの預入じゃなければ駄目だという定期じゃどうしようもありません。では、手持ちの外貨をそのまま定期に出来る銀行がないか探してみる。手持ちの通貨が使えるという事は引出時もそのまま受け取れるでしょうから、これは絶対に見つけたいですよね。

でも私の日本国内での銀行探しはここで終わりです。そもそもこういう条件が悪い事をやっているのは世界の銀行も全部同じなの?っていう疑問が出てくるはずです。またこのブログを読んでいる人の大半は海外となんらかの繋がりがある人ですから、もうこういう面倒なわけのわからない日本の銀行とはさよならしようとう考えが出てきても当然だと思うのですがいかがでしょうか?海外の銀行、証券会社は普通こんなめちゃくちゃな条件は出しません。

オーストラリアの銀行では6%ぐらいなのはいくらでもあると書きました。じゃぁ、オーストラリアの銀行は?とどんどん調べてみてください。金利は母国の銀行が一番高いの?という疑問も出るでしょう。そうしたら香港、シンガポール、アメリカ、スイス、マレーシアどこでもいいですから調べてみてください。ありとあらゆる通貨が世界中を動き回っていますし、当然その中心にいるのは銀行ですし、面白いものがいくらでも見つかると思います。海外の投資家は日本人みたいにお人よしではないですから、上に書いたUFJみたいな商売をしているところは皆無と言って良いと思います。日本では3%台しか出さないのに海外では同じ銀行が6%出している嘘みたいなケースがあるのもわかるはずです。

自分が末端消費者であり、常に搾取される小作人であり、またカモであるという自覚を持ってみましょう。銀行の金利はどこがいいとか、通貨は何がいいとか考える前に、何か根本的におかしいということに気がついて欲しいです。我々は小売店でいつも物を買います。そして消費します。末端消費者はそうやって川の流れでいれば一番川下にいて、一番高いものを買っている事を自覚しましょうよ。だから世の中が動いているわけですが、では物を転売してお小遣いを稼ごうと想像してみてください。どこで買います?やっぱり小売店、スーパーで買います?それを転売して利益を出そうなんて無理でしょ?我々は常にそういうポジションにいて、それになんの不思議も感じていない、要は囲いに入れられた羊みたいなもんだと思うんですよ。お前たちはここから外へ出てはいけない。外には危険が待っている。お前たちにはどうしようもないほど難しい問題が柵の外には山積みだと。そういう言葉をずーっと聞かされ続けると柵の中にいることに何の疑問も持たなくなるんですね。

でも我々は様々な仕事を通して、その柵の外で働くこともあるわけです。そして柵の中のお客様に物品なりサービスを売って利益を出す事があるはずです。だから柵の中にいながら柵の外も本当は知っているんですね。ただ、自分の知らない分野、方向へは行ってはいけないと、やっぱり柵の中の羊と同じ考え方を持っている。これを打開しましょうよ。

つまり、そもそも銀行にお金を預けようという発想が間違っているってことだと思うのです。高利貸しに金を借りたら大変な事になるのは誰でも知ってます。それと同じで、銀行に金を預けてもろくなことがないってのはイコールだと私は思うんです。借りても預けてもカモにされるのは同じ。

定期預金は末端の消費と全く変わらない事に気がついてください。それは柵の中にいる羊に用意されたもの。我々は羊から定期預金を預かった柵の外の連中が何をやっているかをじっと見て勉強する必要があると思うんです。定期預金は世の中で一番安い金利だといってもいいわけですよね。そのお金を運用して銀行は利益を出す。銀行からそれを借りた人たちはそれでもっと大きな利益を出す。そういうサイクルがあるから世の中が回っているわけで、常に自分が末端の金利が一番安いお金の提供者のままでいいのかどうか。

日本の銀行の外貨預金、それも高い為替手数料を往復びんたで支払って、なおかつもらっている金利は市場最低の金利。バカらしいと思いませんか?それでも安心できるのが一番というならもちろんそれでOK。

まず定期預金はやめましょうよ。あるいは、定期預金金利で自分はお金を借りていると想像してください。そのお金をどう運用したらいいのか考えてみてください。私は資産運用とはここがスタートだと思うんです。

柵を出たら常に考える事はいかに儲けるかじゃなくて、いかにリスクコントロールをするか。これに尽きると思います。定期預金とはハイヤーの後部座先に乗って街を走るのに似てると思います。でも自分でハンドルを握って自分の好きなように運転したいと思いませんか?そこに危険があるのは当然。でもその中でみんな運転してるんじゃないんでしょうか?

どう思います?

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日本の銀行や証券会社がどうして日本だと不利な条件を提示するのかですが、私はその根源に日本の国債があると思っています。世界でも飛びぬけた額の国債を発行している日本ですが、それを買い支えているのはまさに日本の国民ですよね。郵貯がそうであり、銀行が国民の金で国債を買い支えている。もし、日本人が本来の外貨預金の為替交換をしても高い最終利回りで回る事実を知ったとしたら大変な事になります。ましてやそれを銀行や証券会社が国民に自ら売るなんて事はできないんじゃないでしょうか。

我々が普通に銀行の窓口で簡単に5%6%で回る外貨預金ができるならそれこそ何百兆円という金が外貨に流れてしまうかもしれません。

ですから銀行はそういう外貨預金を提供出来たとしてもそれを客に紹介することなく、それどころか外貨預金は高い交換手数料が掛かるから「損」であり、「為替変動によるリスクがある」と思わせなければならない立場にあるんじゃないでしょうか。

それでも外貨預金をすると言う客にはそれを提供するしかなく、私の言う「銀行の儲け過ぎ」は彼らとしても本来はやりたくないのかもしれません。政府がそれを主導しているとは思えませんが、暗黙の了解みたいなものが存在するような気がします。

もしかしたら上に出したSBIのような銀行は政府の意向を考えたり、日本の国債を守るという考えが無い、あるいはそういう指導、あるいは圧力も受ける立場にないアウトロー的な銀行なのかもしれませんね。

オーストラリアオセアニア地区の銀行であるANZやウエストパックが本国より安い金利を日本で出しているのも、単にそれでも客が来るからということではなく、政府からの圧力があるんじゃないかと勘繰ってしまいます。

国債の大きな受け皿である郵貯ですが、外貨預金は扱ってない様子です。やっぱり我々にはわからない何らかの思惑が動いている感じがします。

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