消費税増税

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消費税は上げるという方向に決まったようだけれど、なんだかなぁ、すっきりしません。

大体、安倍さんが何も言わないのに世の中は増税決定と言う報道に溢れていたこの1ヶ月。これって本当に異常。

有識者を招いて意見を聞いたけれどほとんどが増税賛成ってのも不思議でした。そもそも60人集めて意見を聞くということ自体変。これって何も聞かないのと同じだと思うんですよね。

私は「今は」増税するべきじゃないと思うのだけれど、どうもそれは少数意見らしい。本当?

今回、どうも納得がいかないのは、そもそも国がどうあるべきかなんてのはいろいろな意見があって、真っ向からぶつかる意見だってあるのは普通。でも世の中は「増税ありき」で動いてきたこと。そして私としていらつくのは、普通反対意見がいろいろあっても、どうしてそう思うのかってのは賛同はできないにしても、そう思う理屈ってのは大体理解できることが多い。でも今回の場合は、その理屈が私には全く理解できないこと。

これって私がバカなんだろうと思うしかない。

でもやっぱりおかしいと思ってネットでいろいろ調べたり、テレビの対談、討論会を聞いてみたのだけれど、どうも論理のすり替えがあるのがわかる。

増税に反対しているんじゃなくて(そういう人もいるけれど)、「先送り」した方が良いんじゃないの?という意見を「増税反対派」としてやりこめる場面が多いのね。また賛成派も増税しなければならない理由を並べる。そんなことはもうみんなわかってるっつーーーの。

やっとエンジンが掛かって動き出しそうな感じを多くの人が感じているはずで、でもまだスタートを切ったと言えるほどじゃないのに、ここで増税したらその芽も摘んでしまうというのが「先送り派」の考え方。これって筋が通っていると思うのだけれど、いやいや、今増税しなければならないと言う。でもその理由を聞いても私にはさっぱり理解できず。

私が腹が立ったのは「世界との公約である」という意見。そしてそれを破ったら日本に対する失望感が広がって、国債は売られ、株式も暴落するであるという。これはそこらのジジババが言うんじゃなくて、大手銀行やシンクタンクのエコノミストがそれを言う。

本当ですかねぇ。たった一年ずらしたぐらいで売ってくるなら私はそれに買い向かうべきだと思ってます。良いチャンス。だって次の年にはお望みの通りに増税するんですから。また実際に、ここで増税しなければ売りだという投資家もいるとは思いますが、そういう人たちって目先筋じゃないですかね。こういう人たちは毎日ネタを探しては買いだの売りだの煽っては利を追う人たちで、そういう人たちの言い分を真に受けるとしたら相場の素人としかいえないと私は思います。

世界が見ているのは「日本の復活」であって、またそれは「税の増収」「支出の削減」であって、「税率が上がる」ことじゃないでしょう。そもそも増収の目的があって、税率を上げるのは手段でしかないのに、その手段だけ見て世界がガタガタいうとは私には思えないんですよ。もしかすると世界(この言葉が何を意味するかも良くわからないけど)は表面的なものを見る傾向があるのかもしれない。これってこの10年以上、あちこちのファンドが日本の国債売りを仕掛けたり呼びかけたりしているのと同じで、日本政府の(日本国では無い)の、それも借金だけの大きさを見て判断するケースが多いのは事実。バランスシートは見ていないのね。ましてや国そのものの力も見ていない。ただ、政府の借金だけ。

また利益を増やすには値上げして利益率を上げれば良いと、本当にそういう風に考えている人が世の中には結構多そうなこと。これって机上の空論以下のレベルだと思うんだけどなぁ。こういうことを言う人って、お金を刷るとハイパーインフレになると言うタイプに多い。

ま、それもアリだとしましょう。では、去年まで円高、国債高が維持されたのはなぜ?

世界情勢がおかしくなるとなぜ日本円に世界の資金は逃げてきた?

国債暴落論は以前からあちこちで出ていたけれど、どうしてそうならなかった?

こういうことの説明無しに、「今回の増税を見送ると世界は日本売りに走る」と言う。バカ言えっつーーの。でもま、世界は「日本がデフレ政策」を取るバカな国だとちゃんと知っていて、それがあるから去年までは日本買いが出来たんでしょうね。

目先の話としては、増税しなくても増収が見込めるとさえ言われていて、本来ならそれで日本復活が出来るのならそれこそ世界は日本を絶賛することになるんでしょう。増税しないから日本は駄目だなんて思うはずが無い。

でもそれって目先の話でしかなくて、増税は必至。でも今は「ちょっと様子を見ましょう」って言っているだけで、増税そのものを止めようなんて意見は極、極、少数派でしかない。

でもその先延ばし論に反対する意見が私にはよく見えないし、理解できない。ましてや増税推進派も増税すればほぼ間違いなくその悪影響はあるという点で一致しているのに、それでも強行せよとはどういうことなのか?悪影響への対策としてお金のばら撒きなんて話も出ているけれど、そんなことをするなら先延ばししても良いんじゃない?

税率を上げると言うのは多くの処方箋の中の一つでしかないのに、そこに議論が集中するのもおかしいと思うんですよ。増収という目的があるなら、本来歳入庁を真っ先に作るべきだし、国民総背番号制にするのも税の取りこぼしが減るわけだから、まずそれをやるのが先だと思うんですよ。

でも消費税率を上げることの方が、歳入庁を作ったり、背番号制より簡単ってことなんでしょうね。あるいは、それらは次のレベルのカードとして温存しておくつもりなのか。財務省としては歳入庁が出来た場合、自分達の権限が及ばなくなるので絶対反対だとか?

それと私が勘ぐっているのは、一般的に言われているより、今の日本経済の動きって良いのかもしれないってこと。この辺の見方は一般と経済界と大きく隔たりがあるはずで、経済界はこのまま行けば、そして法人税減税があれば良い線行くと踏んでるのかもしれない。でも一般国民は経済が好転した実感はないというのが大多数。でもアベノミクスだろうがなんだろうが、これがうまく動いていたにしても一般国民まで浸透して好転したと感じるまでにはそれなりの時間的ズレがあるのは当たり前で、それを待たなくても大丈夫と言う判断が出ているのか。

私が一番危惧しているのは、所詮格差の拡大は避けられない、もっと広がる。それどころか労働市場の自由化も視野に入っているはずで、もう低所得者や弱者は眼中に無く、アメリカ式新自由主義に完全に舵を切ったのかもしれないってこと。つまり、一般の家計がどうであろうと生き残れる力を持っている企業や個人を最優先して後押しするべきだと言う考え方。弱者は勝てない規制緩和、市場主義が進むのも見えているけれど、ま、弱肉強食の世界ではそうするべきなのはわかり切った話で、セイフティネットにしても弱者救済はただのお題目、見せ掛けでしかなくて、「働かざるもの、食うべからず」の考え方が拡大して弱者切捨ての方向へ動いているのは間違いがなさそう。

でもま、国や自治体、あるいは企業におんぶに抱っこで生きようとする国民が多いのも間違いなくて、弱者は助けられて当たり前と言う考え方も私はおかしいと思うわけです。落としどころが重要ってことなんでしょうが、これからは一般国民が当たり前に考え、あるいは望んでいる落としどころに落ちることはないってことなのか。

どうも歳を取ってくると弱者の目線で世の中を見るようになってくるけれど、世の中って決してそういう方向には動かないってことなんでしょうか。

実はですね。私が思う日本の危機って今じゃないんです。アベノミクスが成功したと言われるころにやってくると思ってます。つまり、デフレからも脱却して、インフレ率も2-4%程度になって好況感が世の中に蔓延して来た頃。

つまりこういう状態になれば絶対に、間違いなく長期金利も上がってくるわけで、インフレ率が2-4%になっても金利が低いままに抑えられるとは私は思わないんです。つまり国債も値下がりして利回りは上がる。

でもこの時点でも日本は赤字国債を発行し続けるわけですよね。そして国債を大量に保有している金融機関は莫大な含み損を抱える。政府としては既発債は関係ないにしても新発、乗り換えの国債の金利は上がるわけで、その負担は無視できなくなる。

そして景気が良くなれば、つまり企業は投資に資金を向けるはずで、金融機関も国債を買っておけば良いという時代じゃなくなる。そして、日本を支えていた個人の1400兆円と言われる金融資産も他に目が行くだろうし、また続々と出てくる国債を買うだけの余裕はなくなる。

ではその時、発行され続ける赤字国債を誰が買うのか?まぁ、海外に買ってもらうことになるのでしょうが、これは非常にうまくないし、日銀の国債買いオペレーションももう限度でしょう。日銀が国債を買うというのは、日本という親会社が日銀という子会社から金を借りるのと似ていて、どんなに額が増えても関係ないという経済評論家もいますが、日銀の国債買いオペレーションというのは日本円を刷ることに他なりませんよね。つまり、まさに多くの人が危惧していたハイパーインフレへの序章ということに繋がっていく。

ま、私の予想なんか当たったことはありませんから、こうなる確率はゼロに等しいんでしょう。(笑)

自分も子供達も、国や特定の企業に将来をゆだねる生き方をしていませんし、今後国に頼りたいなんてことも考えていませんが、普通の人が普通に生きられる日本であって欲しいと願っています。

そういう点でこのオーストラリアって不思議な国で、もう22年の滞在になりますが、どうして国民がこれほど恵まれているのか、それで国が成り立つのか、私には全く理解できません。

普通の人が普通に生きてる。弱者もちゃんと生きている。ブラック企業でも我慢して働くなんて事は多分有り得ない。それどころか、くだらないことを理由にしてすぐに会社を辞めちゃうし、それでも食えてる。不思議だ・・・・

日本の将来を考えるに当たって、オーストラリアを徹底的に研究してみるってのも無駄じゃないと思うなぁ。

それとも資源国だってのが大きく関係しているんだろうか。子供たちが中学生の頃、学校でこういう風に言われたらしい。「日本人は世界に例のない大金持ちで、それが国そのものを支えている。しかし我々オーストラリア人にはそれがない。でも君達の足の下、土の中には莫大な資産を持つ中央銀行があるのだ」と。

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