国の評価がわかるCDSをたまにはチェックしてみる【備忘録】

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何日か前に、韓国のCDSが上昇し「破綻リスク」が高くなったという報道がありましたね。

韓国経済の見通しが悪いというニュースが結構出てくるようになりましたが、CDSをチェックするといろいろ見えてくるのを思い出しました。CDSって我々一般には関係ないというイメージを私は持っていて、リーマンショックの頃には良く見ていましたが、いつの頃からか全くその存在すら忘れていました。

CDSとは簡単にいうと「債権の保険」。ある国の国債を買ったとして、もし破綻、デフォルトでもされたら大変なわけですが、そのための「保険」があるということ。

ということで韓国国債のCDS推移を見てみました。

KOREA CDS USD SR 5Y Chart。5年間の推移(クリック)。

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ん?破綻リスクが高まった?このチャートからそれが読み取れますかね?1年のを見てみましょう。

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まぁ、確かに直近は上昇傾向があったというだけで、数値的に大騒ぎするほどとは私には思えません。トレンドとしては上昇ですから注意ってところでしょうか。このニュースは日本でも数社が報道していましたが、出処は韓国のメディアで、国内向けに注意を喚起したのを大げさにとらえたとしか思えませんね。そしてニュースには「破綻リスクが・・」なんて書いているけれど、どこもチャートを載せていないのですから、これもプロパガンダの一つでしょう。

では日本は?5年の推移(クリック)。

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あらあらあら、他人のことを言っている時じゃありませんねぇ。過去には150を超える時があったなんて知りませんでした。

ではこの1年間は?

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韓国の心配をするどころの話じゃありませんが、去年はかなり低かったのが意外に感じます。9月が底。

ちょっと時間がある方は、このCDSのチャートを見ながら時系列で世の中に何があったか見て欲しいんです。

面白いとおもいませんか?

国債の価格そのものに関しては「日銀の存在」がありますから、自然な動きだとは言えませんよね。仕手株みたいな、常時介入しているみたいな、それと同じ。

では株式市場は?ここは世界中から海千山千が集まってババ抜きをする賭博場みたいなもので、評論家は動きをいろいろ解説したり、将来の予想に理由をつけますが、それと競馬場の予想屋と私は全く同じだと考えています。プロの人達を馬鹿にするわけではありませんが、「株主となって企業を支え、経済発展に貢献する」なんて考えている投資家は極々少数派で「誰しもが配当と値上がりだけを目的」としているのですから、競馬場と同じだと私は思っています。(でも投資とギャンブルは違う)

ではCDSは?

そういうのとちょっと違う感じを私は受けるんですよ。

CDS市場は海千山千の博打打ちが入ってくる市場だとは私は考えていなくて、やっぱり主流は「莫大な金を動かす機関投資家」ではないでしょうか。勘違いですか?

つまり、CDS市場は【比較的】純粋な読みの存在を見ることが出来るような気がするんです。これこそが「投資家の本音」じゃなかろうかと。

細かいことは書きませんが、日本のCDSの推移を見ているとそれを感じるのです。これは株式市場や債券市場を見ていてはわからないことじゃないでしょうか。

考え過ぎかなぁ・・・。

でもま、格付けがどうの、政府が何を言った、評論家が、有名なアナリストが何を言ったなんてことに注目するより、このCDSの動きこそが「事実」であるような気がするのです。少なくとも我々がいつも目にし、耳にする情報というのは「プロパガンダ」だと思って間違いがないと思っていて、でも世の中の動きをきっちり見て分析しているプロ中のプロの考えはCDSの動きになって表れるような気がします。

「増税しても影響は限定的」だと言っていたプロたちが、実はCDSを買っていたりとか、建前とか立場とかとは違う本音が私はCDSに見えるような気がするのです。

またそれとは逆に「株は高いし国債も売られていないし安全だ、これが日本の評価だ」という学者や評論家のいうのも極論、あるいはプロパガンダで、この昨今のCDSの値上がりには「プロの本音」が見えるように思えます。

CDSはBloombergで見ています。ここ(クリック)

オマケ。値動きだけじゃなくて、X軸の数値をしっかり見ます。

ロシアの5年間。(クリック)

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ギリシャの1年間。(クリック)

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ギリシャの5年間。(クリック)ギリシャがまた注目されていますが、あの当時とは様相が違うのははっきりわかりますね。

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危ない危ないと言われている中国の5年間。(クリック)巷で言われていることとプロの評価には大きなギャップがある様子。

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