兵庫県知事であった斎藤元彦氏が「パワハラじゃ、おねだりじゃ、キックバックじゃ」と噂を立てられて、そのあげくに二人の県の職員が自殺したと大騒ぎ。
きっかけは県の職員の「内部告発」で、その犯人探しをして当人に行き着き、県から支給されていた当人のパソコンを調べてみたら(これは合法)「斎藤知事を追い落とすクーデター案」「10年に渡る複数の県の女性職員との不倫の膨大な量の文書、映像・画像」が見つかった。そこで内部告発の内容も「ウソ」なので知事は当人に3ヶ月の停職処分。で、自殺したという流れなわけですが、なぜ自殺したのかの直接の原因は誰にもわからない。
ただ不倫問題は「プライベートなこと」と反知事派やマスコミは徹底的に隠そうとしたので、「パワハラ、おねだり、キックバック」「部下が自殺」の話だけが広まった。
私も酷い知事がいる。辞めさせるべきだと思いました。
ところがそんな知事の肩を持つ人達は大勢いて、そして「パワハラもおねだりもキックバック」もそれらの証拠は一切出てこない。
なんか変だよなぁと多くの人が思うようになってきたけれど、知事の責任を問う議員ばかりで、真相を解明するべきだと「百条委員会」が開かれた。でもここでも「パワハラなどの証拠」が出てこない。そして「不倫」に関しては徹底的に隠した。
そこで反知事勢力は百条委員会が終わっていないのに、「知事を罷免すべき」と不信任決議に動き、知事は辞めさせられた。
そして選挙となるわけですが、辞めさせられた知事は立候補。
なんなんだコイツはと多くの人は考えただろうし、私も同じ。
元知事は選挙運動を始めたけれど、街頭演説で耳を傾ける人も殆どおらず、一人だけで頭を下げ演説する姿が報道された。
でも「知事は悪くない。反知事派の謀略だ」という声も出てきた。そしてその声がかなり大きいのに違和感を感じました。
そして一体どんな知事なのかと調べてみたら、稀に見る「公約を実行してきた知事」で、1000億円の県庁が入るビルの改修案を潰したり、古い慣習による天下りを止めたり、50年間放置された学校の旧式便所を新しくしたり、大学の無償化を進めたり。こんなやる気満々、実行力がある知事っているのか?というような知事なのがわかってきた。
でもそれだけ「早急な改革」をすれば既得利権を持つ勢力は黙っていないわけで、彼の周りはアンチばかりだったのは想像できるし、彼はなんと「自宅の住所」も隠し通していたらしい。県の車の運転手にもわからないようにしてきた。つまり、彼は彼自身はもとより家族にもなにかあるかもしれないのを想定していたということ。
で、出てきたのが「内部告発」の文書。そして自殺もあって、悪行だらけの知事の話は全国に広まり、百条委員会も開かれ、その途中に百条委員会の結果も出ていないのに「知事罷免決議」「選挙」へと続く。
「これっておかしいだろう」と動き出してそれが広まったきっかけは、私は「ReHacQ−リハック」というネット番組だと思っていて、その中心人物は元テレビ東京所属のテレビプロデューサー、ディレクターの「高橋弘樹氏」。彼は敏腕で数々の番組をヒットさせて、特に「日経テレ東大学」というネット番組は面白く、あの「ひろゆき氏」や「成田悠輔氏」が出て、様々な問題に切り込んでいく本当に良い番組だと私も思っていたし、視聴者も鰻登り。ところが突然の「休止宣言」。これの背景はテレ東の親会社でもある日経新聞の意向があったからだと言われていて、髙橋氏はそれをキッカケに退職。そして「ReHacQ−リハック」というネット番組を続けている。
このリハックで兵庫県知事選を取り上げたのね。立候補者、関係者が出てきて討論。そしてそこにNHKをぶっ壊せ~の「NHK党党首の立花孝志氏も立候補者として参加。
やっぱり「高橋弘樹氏」は凄いと思ったし、どちら側に肩入れするわけではないものの「何が起きているのか」がわかるような進行をするのね。大した男だと思いますわ。
全くこの問題に興味もなかったNHK党の立花氏も「これは放置できない」と動き出し、なんと自らが知事選に立候補したのも私はこの番組で知りました。
なんなんだこの動きはと誰しもが思ったはずだけれど、彼は立候補しなければ「誰もこの話に耳を傾けない。真実を伝えることは出来ない」という判断だったのね。彼はどれほど声を上げて主張してもそれをメディアが無視することを経験上良くわかっていたから。でも知事候補として立候補すれば「NHKでの政見放送」ができるわけで、その場で彼は全国民に「おかしなことが起きている。看過できない」と言った。
そしてあちこちのネット番組や街頭演説で「何が起きているのか」を喋りまくった。
この効果は絶大で「街頭演説にはとんでもない数の有権者が集まりだした」のね。そして彼の言う「メディアは大事なことを隠している。それは議員たちも百条委員会も同じ」という主張にとんでもない数の人達が大フィーバー。
この影で私が驚いたのは、斎藤元彦氏の知事選を助けようと「彼の学生時代の仲間が80人も集まってボランティア活動をした」ということ。これも異常なことで、それほど「多くの人たちに信頼されている男」なのも珍しい。また立花氏に「情報提供する心ある議員」もいた。
立花氏の街頭演説に、私が信頼しているジャーナリストの「須田慎一郎氏」も出て、「自分は(斎藤氏はひどい男だと)誤解していた。そしてそういう発信もしてしまった。大変申し訳なかった」と大勢の前で陳謝。これは勇気がないと出来ないことだと思ったし、ましてや立花氏の街宣の場に立つということは、須田慎一郎氏は今後NHKに出演することはなくなることを意味する。でもそれだけに「彼の株は上がった」と思うし、私も彼の中の「男」を見たと思いました。
また選挙の数日前に兵庫県の多くの市長が集まって齋藤氏の対抗馬である稲村和美氏の支持を表明。
これは選挙法に違反している可能性もあると思うのだけれど、この動きにNHK党の「立花氏」がブチ切れた。絶対に彼らを許さないと言い出して、「兵庫県に地域政党を立ち上げ、この市長たちの選挙には対抗馬を立てて、必ず落とす」と宣言。これにもまた観衆は大喝采。
私としては立花氏は過激すぎると思う面があって、証拠が希薄なことでも「間違いない」という傾向があるし、要注意人物だとは思っているのだけれど、応援演説で彼が流した涙には心揺らされることがありました。やっぱり彼は「必要な人」なのだろうと思う。
ただ「煽りすぎ」なのも間違いがなくて、賛同者は盛り上がるだろうけれど、反対から見れば「大嘘憑き」「危険人物」に映るし、彼の言う事全てが正しいわけじゃないと思う。
今回の選挙では「斎藤元彦氏の圧勝」で終わって、返り咲いてよかったと私も思うのだけれど、世の中で言われている「ネットとテレビ・新聞の戦いでネットが勝った」というのはやっぱり問題を孕んでいると思っています。テレビや新聞が偏向報道をする、切り抜き報道をする、報道しないことを行使する事が多いとは思っていますが、でもそれを全て「悪」とは言えなくて、「不確かなことは報道できない」「国民に対する影響を考える」のは当たり前のことで、それを単に「隠している」というのは間違いだと思う。
でもネットの中は言いたい放題やりたい放題で、まさにこのブログがそうであるように、ありもしないことをあると書いてしまったり、誤解もあれば、いわゆる陰謀論もありで、書いている本人も「こんな事を書いて大丈夫か?」なんて思うこともよくあること。
でも書かずにいられないことは書くし、「証拠を出せ」と言われても「気になるなら自分で調べてみてください」としか言いようがないことも多いのね。
NHK党の立花氏に問題があるとすれば、こういうブログに好き勝手に書くのと同じような発言も中にはあるという点。
だから「ネットの勝利」とは「社会の混乱」という意味でもあると私は思っていて、伝聞が伝聞を生み、広がる途中で大事なところが抜けたり、尾鰭がついたりするのは当然で、「ネットの情報は信じない」という人も少なくないのは「正解」かもしれない。
でも大手メディアが信用できないのは私は間違いがないと思っていて、個人個人の「リテラシー」が問われる時代なのだろうと思うけれど、何が正しくて何が間違いと断定するのは簡単にはいかない。
私は「そもそも真実を知ることは不可能」で、その理由は「真実はそれを観察する人の数だけ存在する」と思っているから。いわゆる目の不自由な人7人が【象】を触って、「象とはどんな生物か説明する」喩えがありますが、それと全く同じことが常に起きていると思っています。真実はどこにあるのかわからない。
でもまさにそのたとえのように「全てが真実」なのかもしれない。
私が重要だと思うのは「発言の自由の確保」であり、それが真実とは違っていても本人がそれは真実だと思うのなら「発言する権利はある」と思うし、それを止めさせてはらないと言う考え方です。
そういう意味で、イーロン・マスクが旧ツイッターを買収して「自由な場にしなければならない」と思ったのは素晴らしいことで良くぞやったと思っています。
でもその「自由を利用する勢力」もあるわけで、プロパガンダや巧みなストーリーの組み方で、「ウソを信じてしまう人はかなりの数になってしまう」のも間違いがない。そこに「善意や誠意を求めても無駄」なのは明らかで、実際にまさかと思うようなことを信じている人も多く、しかしそれは思想や宗教も同じで、「それは違うだろう」「やめろ」ということは出来ない。
そして今、AIの時代に入ったわけで、写真の合成なんて簡単で、今では動画までAIが無から作ってしまう時代に入った。文章以上に目や耳から入る情報を私達は信じる傾向があるわけで、これからどれほど私達は騙されるようになるのかを考えるとゾッとします。
だから「自分の頭と心がどう反応するか」を見るしか無くて、でも今の時代は「倫理観、道徳観念が崩壊している時代」とも言えるわけで、これからどんな世界になるのか心配です。
最後に、返り咲いた「斎藤元彦知事」に私が感じることを書きますが、一言でいうと「変人」だと思いました。
頭も良くて仕事もできるのでしょう。でも「人間らしさ」を彼から感じないのね。選挙戦でも彼は「相手を悪く言わない」「言い訳しない」「淡々と自分がやりたいことを訴える」ような誠実さを感じましたが、なんだか「出来過ぎ」というか「ロボット」みたいな印象も受けるんですよ。感情が顔に出ることも稀だし、「変人」という言葉が合っていると思います。
そんな彼だから「正しいと思うと突っ走る」人であって、「周りの人たちの感情を軽視する傾向がある」ように見えるのね。それは「内部告発者を探す」「停職処分にする」事も含めて「根回しをしない人」に見えるし、知事としての仕事でもそれは同じで、「決定事項を伝える」にしても「相手が何を感じ考えるのかを無視してきた」のかもしれないと想像します。それがどんなに正しいことだとしても「人の心」を軽視したら反発が起きるのは当たり前で、特に年寄り相手の場合は「根回しをするのが常識」なのが日本の文化であって、彼に敵が多いのはそれが理由だと思っています。
ひろゆき氏の言う斎藤元彦知事や今回の出来事に関するまとめは「ポイントを突いている」ような気もしてきます。「斎藤知事はサイコパスだ」という。(笑)
またあの「橋下徹氏」が斎藤知事には問題があるという主張には賛同できる部分もある。
これから斎藤知事がどうなるのか。兵庫の議会もどう動くのか、各議員、市長はどうなるのか。百条委員会も継続中でどうなるのか。
そして「斎藤知事を貶めようとする市長達を許さない」「地域政党を立ち上げて、彼らを落とす」と宣言したNHK党の立花氏が何をするのか。
選挙民を巻き込んで何が起きるのかを見ていきたいと思っています。
大きな波乱があるのだろうと思うし、そういう波乱がなければ日本各地に存在する「古い慣習を持ち続けて居座る政治家」の影響を減らし、新しい時代に向けた改革は進まないだろうとも思ってます。
でもあの小沢一郎氏が未だに現役で頑張っているのが「日本の姿を表している」と思っていて、彼を追い落とすことが出来ない、追い落とそうともしない日本が歯がゆいです。彼が「裏金自民党」を攻撃しても、「じゃぁ、お前は今まで何をしてきたのか」という政治家もメディアもいない。
そういう意味では「人間のしがらみを無視する斎藤元彦氏みたいな政治家」が増えるのが良いのかもね。「根回しは側近がきっちりすれば良いこと」のような気もします。
それとやっぱりしっかり見ていこうと思うのは「恥をさらしたメディア」がこれからどうこの問題を扱っていくのか。
左派メディアばかりの日本ですから、だいたい想像はできますが、益々「オールドメディアから人が離れていく」のだろうと思うものの、「ネットへの過重依存も問題」だと思っています。
しかし変な世の中になったもんだ。
でも私が若い頃は、新聞が中心でテレビのチャンネルも数えるほどしかなかったし、地方に行くとNHKとNHK教育、そして地方のテレビ局の3局しかない時代があったのを振り返ると、良い時代になったもんだとも思う。
上に書いた「ReHacQ−リハック」というネット番組(ビジネス重視)、「高橋弘樹氏」に注目するのは良いと思います。彼もいわゆる「変人」で、どちら側につくという感じがない珍しい人。でもかなり何に対しても事前に勉強もして深く突っ込む人なのがわかる。もしかすると「公平に真実を伝える稀有な存在」となるかもしれない。
運営会社は「株式会社tonari」で高橋弘樹氏が代表取締役。私は大いに彼の、彼の事業の将来に期待しています。
経済動画メディア「ReHacQ」を中心に、動画メディア運営、番組コンテンツの企画・制作などコンテンツを軸にさまざまな事業…
私が最も信頼しているジャーナリストの一人である長谷川氏の今回の件に関する解説。
彼は「ネットの勝利」ではないという。ネットの中には反斎藤派の情報も出ていたわけで、その中で「情報を自分で探し、自分の頭で考えて、そして結論を自分で出して行動したネット民の勝利だ」という。つまり「ネット民は賢くなった」ということだと。なるほどねぇ。
【自爆したマスコミ、ネット民の勝利】『情報の選別力と兵庫県知事選挙』
須田慎一郎氏の解説。