私が３０歳前後の頃だったろうか、モラトリアム人間という言葉が流行った。簡単に言えば大人になれない子供のこと。大人になることを拒否したというべきなのかな。
そのことを書いてある本を読んだ時に、ああ、私はモラトリアム人間なんだと気がついた。
それから２０年以上の年月が経つけれど、私の本質はなんら変わっていない。子供のまんま。普通なら孫がいてもおかしくない歳なのに、意外に若いですねぇ、とか、少年の様な心を持っているんですね、なんて言われたりする。これって、お前はまだガキだと言われているのと同じ。
つい最近、自分でもやっぱり子供だなぁ、って思うことがあった。
詳細を書きたいけれど、書けば問題が起きるのでここには書けない。と、書いただけで勘のいい人は大体想像着くと思うけれど、ハイ、その通りです。あそこで問題を起こしてます。 ｗｗｗ
ずるくなるのが大人になることだ、なんて中学高校の若い子が言うけれど、私はこの歳になってもそういう風にいまだに考えているわけで、まさにガキそのものです。
長いものには巻かれろ。見ざる聞かざる言わざる。これらがどうしても私には出来ない。損得を考えれば、どうすればいいのかわかるのだけれど、どうもそれができない。
でもそれが出来るのが大人っていうのも、本当は違うんですよね。巻かれているようで巻かれない。見ざる聞かざる言わざるの様に見えてもちゃんと自分が狙う方向へ物事が動くように行動することを諦めない。きっとそれが本当の大人なのだろうけれど、私にはもちろんそれもできない。
で、そういうことが出来ないことが実は格好いい生き方なんだと思ってるフシがあることにも気がついている。これが俺の美学だ、なんてね。そこがまたガキである証拠。ただのナルシストなんでしょうねぇ。
そしてなおかつ、俺はガキだと書いて、自虐的になって見せて、実は自分を正当化したり、言いたいことを言うだけ言って逃げるという汚い手を使うところもある。これもまたガキである証拠。我が儘ですねぇ。
どうしてこうなんだろう。とっても不思議。苦労が足りないのかな？それともやっぱり頭が悪いんだろうか。
生きていることを楽しいと思ったことがほとんど無い私。私の生き様を見てうらやましいよ、という人はいるけれど、自分ではこれが良いなんてことを思ったことがない。
欲が深すぎるのだろうか・・・・
もしそうだとしても、一体私が何を求めているのかも私にはわからない。宗教好きな人は言うだろう。感謝の気持ちを持ちなさいと。でもねぇ、私が宗教から得た答えは違ったものでした。人間の本質はパソコンと同じ。何のプログラムもデータも入っていないパソコン。結局自分の本質は無であることしかわからなかった。そしてその無であることに感謝するまでの心境には私は到達できていない。
昔、私が産まれる前に藤村操という男がいた。彼は華厳の滝から身を投じたのだけれど、人生は不可解だ。自分にわかったことはただ一つ、人生が不可解であること、みたいな遺書を残していた。そのことを知ったのは私が１０代の頃だけれど、彼に強い共感を抱いたものだった。そしてその頃、太宰治にも傾倒して彼の著書を読みあさっていたっけ。
あれから４０年経った今、何も変わっていない自分を感じる。
私にとってこの世の中で一番不可解な物。それは自分自身。損得だけを考えて生きて行けたら簡単なのになぁ・・・・・
とりあえず、どんな理由があろうと人様を傷つけるのだけは止めようかな。ただのお節介だしね。真実なんて人の数だけ存在するわけだし、あえて私が思う真実を口に出すこともないよね。黙っているのも愛情かな。
要は私は暇すぎるってことかもね。こんな事をここに書いてるってことはそういうことなのかもしれない。うん、そうだ。きっと暇すぎるんだわ。
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