経済はババ抜き

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商品の価格構造を考えてみませんかという前の日記で、賛同してくれる方がいらっしゃったのは本当に嬉しいです。

そこで調子に乗って、またそのことを書かせて頂きますし、これを切っ掛けに皆さんにも何かハッとするアイデアが浮かんだら良いし、私も自分に言い聞かせ続けたいと思っています。

私は常日頃思ってるんですよ。我々消費者とは無知で、バカで、カモでしかないと。世の中には物を作るメーカーがあり、卸・商社があって、小売り店がある。そのシステムの一番下に消費者がいる。

メーカーはコストに利益を乗せて世の中に出す。それを買った卸はまたそれに利益を乗せて世に出す。小売店はそれを買って利益を乗せて世に出す。そしてそれを最終的な我々消費者が買う事によって、世界は丸く収まるわけですね。

それぞれが儲けを乗せて世に出した商品を、ババ抜きの様に最後にそれを手にしてくれる消費者がいないと世の中の経済は成り立たない。

我々消費者とは柵の中に入れられた豚の様にも思えてきます。ブヒブヒ言いながら食べ物を探し求めて、外から投げ込まれた餌に飛びついて食い散らかす豚。それを見ながら餌を投げ込んだ連中は儲けた儲けたと喜んでいる。

前の日記に書きましたが、HSBCも同じです。彼らは彼らの為に仕事をしているわけで、我々顧客の為にやってるわけではない。貴方の為にはこれが良いですよと奨める投資案件でも、それを奨めて儲かるのは彼らだから奨めるわけで、我々が儲かるから奨めているのではない。

商売の基本は客を喜ばす事である。これは本当でしょう。そうしなければ客はいつか離れていく。でもこれは決して、我が社が儲からなくても客に儲けさせろという意味ではないはず。いや、損して得取れという言葉があるように、最初は利益を考えないというやり方もある。ただそれは種まきであって、いつか取り戻すという前提が間違いなくそこに存在するわけで、会社の聞こえの良いポリシーを鵜呑みにしてはならないと思うわけです。

客に満足を与えて、なおかつそれを利益に結びつけるのが仕事であって、利益無しの仕事は存在しない。

ではどっちにしても利益を取られるなら、消費者は常にそれを払うしかない状態じゃないかと言う人もいる。でもこれも間違いなんですね。

安い物を探すときに、どこで安い物を売っているか私たちは探します。A店、B店、C店、D店、それぞれ値段が違う。で、どこにするか決定する。しかし私が不思議だと思うのは、このようなどの店舗から買っても値段はさほど代わりがないのにどうしてそういうことをするのかということなんです。

ABCD各店は小売り屋。つまりどこかの卸屋から仕入れているわけで、卸価格、小売価格にそんな大きな差があるわけがないでしょう。世の中の人はどうして彼らが買っている卸から買おう、あるいはメーカーから買おうとしないのか、そこが私にはわからないわけです。

数年前ですが、私は健康食品とか健康グッズが好きなのですが、機械に乗ったままスイッチを入れるとその底に当たる部分が上下して体中に振動をあたえ、乗っているだけで何時間も歩いた効果があると宣伝されていた物をご存じですか?この機械はブームになって日本各地のジムやフィットネスルームに設置されたり、500円で10分間それを使えるという専門ショップが街に出来たりしました。

宣伝の効果の真偽は別にしてもそれを欲しいと思ったのです。で、調べてみると結構高いんですね。7,80万もするんです。これを仕入れて開業したらいくら儲かるなんて新事業のお奨めHPもありました。似たような機種もいくつか出回っていましたが、安くても40万。

これって業務用に販売していますが、要は末端価格なんですね。

で、メーカーを調べました。最近はインターネットのおかげでそういうのもすぐにわかります。で、中国のメーカーが作っている事を発見。写真で見た限り同じ物でした。ただロゴが違う。これは30台だったか、それ以上注文するとOEM生産という事で好きなロゴ、説明書をつけてくれるわけですが、そこに連絡を取ってみました。まずサンプルを一台欲しいと。

すぐメールで返事が来ました。そのサンプルの価格はなんと一台15000円也。かなり大きくて重い機械ですので、DHLで送ってもらいましたが送料だけで同じく15000円かかりました。でも小売りで買う値段の10分の1以下。

こんな事はいくらでも存在しますね。前に、吸うと煙がでるエレクトリックタバコのことをここに書きましたがあれも同じ。

それを書いた日記 ←クリック

だから、安い物を見付けるときには、小売店を歩いて探すのではなくて、その業界の流通経路の上流を探すというのが一つの方法であるのがわかります。

そんなことは当たり前でしょうがという人は多いですが、実際にやっているのは前にも書きました様に、「卸価格と書かれている小売価格」あるいは、メーカー直販と言いつつ、メーカーが直販用の値段、つまり小売価格を提示しているところで買うケースが結構多いんですよね。産地直送なんてもそう。海産物の有名な観光地に行って安い物を買おうと思って、網元なんていう店に行っても無理。安くは買えないのはご存じの通り。

安いような気がするだけの店から買うのではなくて、流通経路をちゃんと把握して上流にて本当の卸価格で買わなければ意味がない。

話が変わりますが、HSBCにも頭に来ています。良い案件を紹介しますと言って提示してきたのがこの手の物です。例えばという事で内容をちょっと変えてありますが、以下の通り。

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豪ドル、日本円に対する投資。
現在の豪ドル円の為替レートが79円25銭
1カ月のレート(strike price)を82円80銭に置きます。
1カ月後、82円80銭より円高の場合、ご投資元本と8%(年利)の金利は期日に豪ドルにて償還致します。
1カ月後、82円80銭より円安の場合、ご投資元本と8%(年利)の金利の合計が期日に82円80銭にて円に交換され償還致します。
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これをどう思います?今後の豪ドルの行方を考えている人もいると思いますが、その読み(一ヶ月後には82円80銭にはならないだろう)と、この投資法が合致し、なおかつ8%の利子(年換算)が魅力だと思ってる人は飛びつくかもしれませんよね。

ここで考えるべき事は、この商品を売って、銀行はどうやって儲けるのだろうかということです。

で、私はメールで返事を書きました。この手の投資家からぼったくるような投資案件を今後は紹介しないでくれと。これは、要は日本円/豪ドルを原資産とする先物の、82円80銭をストライクプライス(権利行使価格)とする豪ドルのコールオプションのショート(売り)でしかないじゃないかと。こんな商品を買うくらいなら、自分でオプション取引をやります。と返事を書きました。

つまりこのからくりは、銀行は豪ドルのコールオプションを売って、プレミアムを手にする。そしてその中から年利8%に相当する物を顧客に払う。SQ時に、豪ドルが権利行使価格に達しなければそのまま銀行はプレミアムと支払い金利の差額が儲かり、もし豪ドルが権利行使価格を超えてインザマネーになったとしてもその被害は顧客が被るだけで、銀行に損はないという銀行が絶対に儲かるビジネスモデルです。(プレミアムが8%相当以下になることもあるかもしれないですね)

違いますか?というか、実際にそうやっているのかどうかはわかりません。私の想像です。(もし違うとしてプレミアムの方が安ければ面白い事が出来ます。彼らからこれを大量に買って、それと同数のオプションを買うんです。そうすればアビトラージ(裁定取引)が出来て、その差額が我々の儲けになります)

結局この手のように、銀行は絶対に損をしない状態を保ちつつ、リスクは客に持たせて、銀行の儲けは確保するのでしょう。

物を買うにしても、消費者は流通経路に存在する全ての会社、人間の経費、儲けを負担しなければならないのと同様に、投資に関しても、消費者とは銀行を儲けさす無知な豚ぐらいにしか彼らは考えていないのだろうと思えてきます。

貴方の利益の確保は任せてくださいとか、間違いない商品をお届けしますと笑顔で寄ってくる人達は、我々から儲けるためにそうしているのだということを忘れてはならないと思います。

話はまた変わりますが、安くあげるためには上流で買うというのが一つ。それと相手がどうやって儲けているかを考えれば、彼らが儲けを出さない部分で取引をすると良いということもわかります。

たとえば、我々外国に住んでいたり、為替交換の機会が多いケースの悩みの種は交換手数料ですよね?この為替手数料というのはかなり大きくて、銀行のドル箱でもあるわけです。ですから、前にも書いたように、金利で釣って為替で儲けたり(外貨預金がそれの典型)するビジネスが大盛況。

今ではFXで交換すると安くなると言う手がありますが、以前はそれが無く、各銀行を回っては安い手数料の所を探していました。ところがこれでは安い小売店を探すのと同じで、卸価格にはアクセス出来ていないわけですね。

そこで考えたのが、為替手数料で儲けを出さないで良い部門があることを見付けるという事です。で、見付けました。

それはある銀行の国際金融部というところでした。今は取引がありませんが、その部門はいわゆる航空機を買って飛行機会社にリースをするとか、債権売買なども担当する部署だったのです。つまり為替交換がメインのビジネスじゃないんですね。彼らはリース業なり、債権売買手数料で儲けを出す部門です。で、考えてみてもください。各国のありとあらゆる債権が世の中に存在するわけで、それを売買する度に普通の為替交換手数料を取られたらどうなるか。債権の儲けなんか為替交換手数料で飛んじゃうわけです。そんな部門に債権売買を依頼する客はいませんね。

で、その部門では為替交換手数料は無料だったのです。つまり、上田ハーローとか実際に為替を売買している会社がありますが、そういうところで売買されたそのままの為替が適用されました。つまり豪ドルー円ー米ドルースイスフランー円ー豪ドルとか頻繁に為替を交換しても、手数料による損はほんとどゼロに近いという事。当然、為替変動はモロに受けるのは同じこと。

おもしろいでしょ?探せばこういうところもあるってことなんですね。

で、タイムシェアも同じです。業界の現状、構造を考えて一番安く買うにはどうしたらいいのか。この答えを見付けるのは簡単でした。

タイムシェアはこの20数年右肩上がりで伸び続けてきた業界です。2008年は初めてマイナス成長だったそうです。この右肩上がりを助けてきたのは、お人好しの消費者です。

ある日リゾートに出かけた。そこで身なりもきちっとした綺麗な女性が声を掛けてきた。どちらからおいでですか?このリゾートを気に入っていただけましたでしょうか?とかなんとか声を掛けてきて、あるいは貴方にディナー券をプレゼントするからちょっとお話を聞いていただけませんでしょうかとか、あるいは、無料(格安)宿泊券をもらって彼らの話を聞く約束をしてリゾートに行く人もいる。

彼らは販売のプロ。彼らのうまい話を聞いているうちに、リゾートの権利を買いたくなってくる。52分の1とは言え、オーナーである。別荘のオーナー!!これにうっとり夢を感じちゃう人も少なくない。また、実際に良い場所のリゾートにある特定の時期(正月だとか)に行きたい人は自分の部屋が確実に毎年確保できる事にメリットを感じてしまう。

でも高いなぁ、と思う。

そこですかさずセールスがインセンティブを提示する。もし、今日ここで決めてくれればこれだけの物をお付けしますと。

で、サインをする。最初に支払う額はたとえば450万。毎年14万のメンテナンスフィーを一生支払う契約。

これも良いと思います。自分に子供や孫がいて、毎年一週間、年末年始に必ずみんなでハワイに行こうなんて計画は素晴らしいと思います。この年末年始に6人でハワイに行ったら宿泊代だけでいくら掛かるか計算してみますと、このリゾート権利も決して高くない計算になりますし、「おじーちゃん有り難う、またハワイに連れてってね」という孫の言葉は何百万円のお金を払っても聞きたいくらいの価値があります。ましてやこの権利は一生ですから、いつかそれを子供に譲り、そして孫へと伝える事も出来る。そしていつか孫も大きくなって一緒に旅行しないような時期が来たら、このリゾートの権利を半分にして(ロックオフ)して二部屋分の権利として交換に出し、夫婦で1ベッドルームを使うとか、違う時期にタイのプーケットに行くとか出来るわけです。

こんな感じで、タイムシェアをほとんど調べることなくその場で契約してしまう人が大半だと言われています。そしてほとんどの人がローンを組むそうです(80%以上とアメリカでは言われている)。

ところが家に帰って考えるとやっぱり止めた方がいいかな、なんて気がする人も多いわけですね。でクーリングオフの日にちの内に解約する人もいる。ところが一度契約した物を解約するなんてことが出来ない人もいる。使いこなせばいいじゃないかと自分に言い聞かせる人もいる。

そしてそんなある日、中古市場に気がつくんですね。なんと中古市場では半額以下の値段が当たり前。一体これはなんなんだと気がついたときにはもう遅い。また、セールスもいつか顧客がそれに気がつく事も知っていますから、直接デベロッパーから買った場合のインセンティブもちゃんと用意してあるわけです。で、顧客はこのインセンティブもかなり使えるから、これはこれで良かったと納得する。

しかし現実は、前の日記に書きましたように、このインセンティブも細かく見てみると何百万の価値はないのはすぐにわかるわけです。当たり前ですよね。何百万の価値があるインセンティブなんか付けたら、会社が儲かるわけないんですから。

でもリゾートは高い安いで価値を決める物ではなくて、それをどう使いこなすかが大事。高く買ってもうまく使いこなしてみんなで満足すればそれは決して高い買い物でもなんでもないわけです。でも、これから買うとするなら、直接買う値段の半額以下で買えるのはわかっているわけですから、さぁどうしましょう?やっぱり直接買いますか?

この辺は話しても合意が出る話じゃないですね。自分で決めれば良いだけの事です。あるいはそもそも、前の日記に書いたように、百貨店の外商サロンで優雅に買い物をするのが好きな人もいれば、ブランド高級店で大事に扱ってくれるところで買うのが好きな人もいる。そういう人は安いも高いも無く、デベロッパーから買う事でしょう。私だって、お金が無尽蔵にあれば面倒な事はしたくないですから、デベロッパーから買うと思います。

で、話はここからです。

最初の数年は使っていても、そのうち状況が変わってくる。孫もオジーチャン達と旅行に行くより友達と遊ぶのが良いようになってくる。息子夫婦も休みがうまくとれずスケジュールが合わない。おばーちゃんの具合も悪くなってきて飛行機に乗るのが苦痛。あるいは、もうハワイは飽きたとか、違う時期に行きたいとか、で、世界中3700カ所のリゾートと交換できますと聞いていたものの、実際にやろうとすると思ったような交換はできないのにがっかりする。そうこうしている内、毎年払うメンテナンスフィーがどんどん値上がりして面白くない。自分がそのリゾートを使わないときにはその権利を売りに出せるけれど(レントという)、その値段は毎年払うメンテナンスフィーとほとんど同等で、売るのも簡単でない事に気がつく。大体、リゾート権利を持っている事自体が面倒になってくる。

そして権利を売る事を決意する。売り値は半分以下になるけれど、今まで楽しんだからいいやと諦める。

あるいは、ローンで買う人が80%を越えると書きましたが、そのほとんどはアメリカ人だそうです。で、アメリカで今何が起きているのか?住宅でさえボロボロになるほどの下落。タイムシェアは?不動産と同じように登記されているものの、不動産としての価値はゼロに等しい。ですから手放す人が大量に出てきた。またローン破産も多く、そのタイムシェアは競売に掛けられてしまう。

競売会社がそれを売るときには、彼らは競売手数料が利益であって、タイムシェアがいくらで売れるかは関係ないわけです。だから売れる値段で売ってしまう。安く売れた分はそれはタイムシェアの持ち主がその分損するだけのこと。

今、そのような状態でタイムシェアが中古市場に氾濫しています。中には1ドルどころか、マイナス、つまり買ってくれれば名義変更の費用は売り主が出すとか、オマケに500ドルつけますとか、しかしそれでも売れないというような悲惨な状態です。

ですから、やっぱりタイムシェアなんて買う物じゃないという考えが益々広がってきています。だからこそ、買うなら今だと私は思うわけです。

で、次の課題ですが

1 タイムシェアのコスト計算。
2 どういうところの権利をいくらで買うべきか。
3 交換パワーがあるのかないのか。
4 どうやって交換するのか。
5 交換以外に他のリゾートに安く泊まれる方法があるのか。
6 やっぱり有名どころを一つ(ヒルトン、マリオット等)は持っていたい。
7 ホテルのFSP(フリークエントステイヤー顧客囲い込みプログラム)との効果的な併用。
8 短期旅行(ツアーが安い)でない場合の安い航空券の探し方。
9 タイムシェアから抜け出す(止める)にはどうしたらいいのか。
10 そもそも安く買ったのにそれを転売なんかできるのか。

これが延々続きます。そして最終的に、にっこりしながら安い料金で年間2,3ヶ月は世界を歩き回る生活が可能になると・・。そんなにうまい具合に行きますかね。

私は出来ると読んでいます。というか、そうやっている人が少なく無いということです。一年の内に1ヶ月程度あちこちに行く人ならいくらでもいます。私でさえ、今年の前半だけで7週間遊び回りました(安く遊べているとは思っていませんが)。それと半年世界を遊び回っている退職者(タイムシェア利用)も見付けたと書きましたよね。

彼らがやっていることをきっちり調べて、それをそのまま真似すれば良いだけの事です。

また追って、ボチボチ書かせてもらいます。

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