子ども達がマレーシアから帰ってくるのを迎えに行き、そのまま新居の方へ直行、みんなで歓談しているときにセキュリティ会社から携帯に電話。
今、自宅のセキュリティがONになって、反応したゾーンはジムだとのこと。二度動きを関知したと。
慌てて自宅に戻った。その時点でサイレンは鳴っていなかったので泥棒はいないか、隠れて動かないかのどちらか。次男坊がガレージにあった棒っきれを握りしめ(笑)、家の中に入った。
泥棒がいる雰囲気、荒らされた感じは無し。階段を下りてセンサーが反応したジムへ。引っ越しのごちゃごちゃ状態だけれど、取られた物はなさそう。で、どこから出入りしたか調べてみたところ、ジムからプールに抜けるドアの鍵が掛かっていなかった。でもドアは閉まってる。
泥棒が入ってサイレンが鳴ったので慌てて逃げたか。でもそういうときにわざわざドアを閉めて出るのか疑問。
あるいは良くあるパターンで、センサーの前をゴキブリかヤモリが横切ったか。ただ、センサーが二度反応したというのでこの可能性は低い。
やっぱり泥棒でしょうねぇ。我々が来たときにはサイレンはもうなっていなかったので逃げた後か、今でもどこかの部屋に隠れて様子を見ているかもしれない。(笑)
今回のアラームが動いたのは実は何年ぶりで、知らない間にシステムが変わっていた。前は一度サイレンがなると、1分鳴って、1分休み、そしてまた1分鳴って1分休みと、システムをリセットしない限りサイレンが鳴り続けていたのだけれど、今のシステムは、2分鳴ってシステムはまたモニター状態になり、動きが無ければそのまま。動きがあるとまた2分鳴るというように変わっていた。これの方が良いですよねぇ。泥棒は居ないのに、あるいはゴキブリが横切っただけでリセットしない限り鳴りっぱなしじゃうるさくてしょうがない。
実はこのサイレンは非常に大きな音がして、静かな夜だと何キロ先でも聞こえるぐらい。もちろん隣の家で鳴ったら寝るなんて不可能。だから鳴り続けていると嫌でも近所の人が出てくる。
もう15年ぐらい前だけれど、出かけているときにこれが鳴り、その時はゴキブリだろうと思うのだけど、夜中から朝の8時まで延々鳴らしてしまったことがある。近所の人はその日は眠れなかったと思う。(その時、セキュリティ会社の人が調べに来たのだけれど、そいつがタコで家にはいる鍵が合わず、鳴ったまま放置)
我が家に泥棒が入ったのがはっきりしているのは、この19年間で5回。しっかり盗まれてしまったのはその内の2回。一度は洗濯場から侵入し、洗濯場に隠してあったヨメさんのハンドバッグが盗まれた。これは洗濯物の奥の方に隠してあったものなので、それを知ってる者の関係者の犯行だと思う。当時、直前まで掃除のオバサンを頼んでいた。ある日、その旦那が手伝いとして一緒に来たことがあった。その時に家中調べていたのではあるまいか。
2回目は凄かった。完璧なプロの犯行。長男が試験勉強をして夜中ずーっと起きていた。でも朝方ほんの1時間寝た間に入られた。この間、セキュリティは掛けておらず、泥棒は私の書斎に隠してあった大事な物だけが入ったセカンドバック、引き出しの奥の方へ隠してあった宝石、指輪類、極めつけは、私が寝ている部屋のベッドの横に脱ぎ捨ててあるズボンからサイフを抜き取ったこと。そしてヨメさんが寝ている部屋の枕元に置いてあったハンドバックを持っていったこと。
この時は総額ン百万やられた。パスポートから運転免許、カード類、全部。あと貴金属、キャッシュ。しかし我々が寝ているすぐ横まで来て金目のものを漁るなんて大した度胸だし凄い技術だと思った。まるで気がつかなかった。またもし気がついたらどうなっていたのかと思うとゾッとする。この時も洗濯場から侵入され、網戸はナイフで切られており、泥棒は間違いなくナイフは持っていたはず。
取られた物はなくても入られたのが確実なケースが3度ある。窓ガラスが割られていたりするのでわかる。
一度は私が夜中に書斎でPCをやっているときにドアの外に人影が見えた。息子だろうと思って次の日聞いたら違うとのこと。調べたらこの時も洗濯場からの侵入跡があり、出るときはドアを開けて出ていったらしい。鍵が開いていた。
もう一度は、ヨメさんが家に居たときに、居間からは下の階にあたるジムがある部屋で物音が聞こえたらしい。ヨメさんは階段の上から下の様子を伺ったところ、ハァハァハァという息遣いが聞こえ、ヨメさんはキャーーーーーーーー、泥棒ーーーーと叫んだところ泥棒は逃げた。もしそれがなかったら泥棒が上に上がってきてヨメさんとはち合わせなんてことも起きたかも。
まぁ、ゴールドコーストに限らずオーストラリアは泥棒が多い。そしてちょっと我々からすると考えられないのが、泥棒は凶悪犯として見ていないフシがある。かつての泥棒は若い子が多く、金目のものは取らずに冷蔵庫から食べる物だけ持っていったとか、手口もやることも可愛いものがあったらしい。つまり食えない子どもも可哀想だね、じゃないけれど多めに見るケースが多かったような話しも聞いた。実際に泥棒は多くても凶悪犯のケースはほとんど聞いたことがない。
だから警官も慣れたもので呼んだところで何をするわけでもないし、世話話をして帰ってしまう。ごっそり取られたときだけは鑑識も来て指紋を取ったりしていたけれどその後なんの連絡もなし。
セキュリティを入れていても、普段、誰か家に居るときにはセキュリティーを切るのが普通。泥棒はそれを知っていて、あえて誰かがいるときに入ってくるプロもいる。パーティをやっている最中に入られたというケースは非常に多い。
我が家のセキュリティはブロックに分けられていて、主に、一階(ジム)、二階(玄関がある階)、三階(寝室)とわけて、寝るときには三階以外はオンにするとか、普通に居るときでも一階だけはオンにするとかしている。それでもホンのちょっと切った隙間を着いてプロは入ってくる。
結局、狙われたらいつか絶対にやられるということだと理解することにした。守りを強固にすればするほど何かあるだろうと思われるし、入られたら簡単に見つかりそうなところに囮のサイフにお金を入れておいておくとか、大事な物は完璧に隠すなりしない限りは無理。
我が家にはピストル競技をやっていた関係で、それの保管のための厳重な金庫がある。これは安全かというと逆で、こんな金庫を見た泥棒はさぞかし凄い物があると思うのが普通で、住民が寝ていたら起こして脅かして、開けろというようになる。だから下手に金庫なんかない方が良い。
アメリカでいつか服部君という青年が不法侵入でそこの主人に銃殺された事件があった。こちらではあれは起こり得ない。過剰防衛になる。かつてある老人の家に泥棒が入った。その老人は不法ではあるものの拳銃を持っていた。彼はその銃で泥棒の足を撃った。そして警察に連絡。めでたく捕まったのはその老人の方。その後その老人は新聞に大きな写真入りで出ていて、冗談じゃない、泥棒が来たら紅茶にするか?コーヒーにするか?と聞けと言うのか、この国は狂っていると文句を言ってたっけ。
また日本でも良く見られるように、家の回りの塀にガラスのカケラを埋め込んだり、小さな矢尻みたいのがあったり、凄いところは鉄条網みたいなものがあったりする。もしこちらで泥棒が家に入ろうとして、塀を乗り越えるときにそれで怪我をしたとする。するとその家の主人は訴えられるという国。
だから、泥棒に狙われないようにする。狙われたらアウトだと諦める。入ってきたら命だけは助けてもらうようにして、大事な物は家におかない、多少のお土産を持って帰れるように準備しておく、そういう心構えが必要。
変な国だけれど、慣れてしまえばそれが道理のような気がしてくるから面白い。
あ、そうそう。一階のジムに侵入したであろう泥棒だけれど、要はドアの鍵が開いていたと言うこと。今現在、家の改装中で、職人さんがドアの鍵を閉め忘れていたのが原因。でももし鍵が開いていなかったら窓をブチ破って入ったろうから、その方が被害が大きくなる。もうこの家は売るつもりでつい最近更新時期になった保険は更新していない。
この家は改装中で業者が出入りしているのは泥棒も知っているはず。でも今日は休みでいない。そしていつもはガレージの前に車が二台止めてあったのに今日は一台も止めていない。そして玄関に貼ってあるセキュリティの注意の看板も取り外してあった。そして雨。気配が消せる。
これはどう見ても、引っ越しの準備が終わり、車も無いから誰もいない、セキュリティの看板も取り外されたから契約解除したのだろうと判断するのが妥当。泥棒からしたら、準備OK、いつでもどうぞというように見えるのだろう。
家に着いて確かめている時に、家の前を空のタクシーがゆっくり走っていったと次男坊が言う。そしてガレージの中にいた次男坊と目があったと言う。この家の通りには家が10軒ほどしかなく、通り抜けは出来ない。居住者以外入ってこない道。だから空のタクシーが来るはずがない。来るとすれば呼ばれてくるわけで、止まらずにそのまま行ってしまうこともあり得ない。また、タクシーだったらどんな場所に行ったとしても怪しまれないし、きっとあのタクシー運転手の副業が空き巣狙いなのだろうと次男坊と話をしていた。いや、タクシーが副業なのか。家族で旅行へ行く客を乗せたら、いつ帰ってくるのかとかきっと聞くのだろう。
セキュリティだけれど、センサーが反応した場合すぐにけたたましい音のサイレンがなる。そしてセキュリティ会社から自宅に電話が入る。そこで問題があるのかないのか聞かれる。まだわからないというと、待ちますので今調べてみてくださいと言われる。そして問題がなければ、暗証番号を言って終わり。
自宅の電話に出ないと登録してある携帯電話に連絡が来る。今日はそのケース。そして自分が帰ってチェックするのか、それともセキュリティ会社の人に行って調べてもらうか決める。もし携帯に誰も出ないとセキュリティ会社の人が来て、預けてある鍵で家の中に入ってチェックしてくれるようになっている。
セキュリティ会社から電話があった時にとんちんかんな答えをしたり、暗証番号を間違えると、彼らは何も言わずに電話を切った後、警察に連絡して一緒に自宅に急行する。これは泥棒のなりすましと、泥棒に脅かされている事を想定しているため。また、セキュリティのコントロールパッドが家の各所についているのだけれど、それの特定のボタンを押すとサイレンが鳴り続ける。あるいはまた別のボタンを押すと何も起きない代わりに、警察がすっ飛んでくるというのもある。
気をつけないといけないのは子どもがいる場合。自分の家だと子どもは安心していて、セキュリティを鳴らしてしまうことがある。それをすぐ解除したとしてもセキュリティ会社からは電話が掛かってくる。その時、暗証番号を覚えていなかったり間違えたりすると警察がすっ飛んでくる。そしてその子どもは手錠を掛けられ留置所送り。俺はこの家の子どもだーーーなんて泣いて叫んでも駄目。家主がその子どもの素性を証明しない限り檻の中。(笑)