日本のテレビを見る方法として、ソニーのロケーションフリーやテレビPCを日本に置き、放映データをインターネット経由でライブ転送あるいは録画して転送する方式を取っている方は多いと思います。
それらの機械を日本の自宅や友人宅に預けている場合は問題がないのですが、ハウジングサービスを行っている業者に預けている場合、うまくないことになりました。
これの合法性に関しては5、6年前から裁判沙汰になっており、今まで勝ったり負けたりしておりましたが、今回最高裁にて敗訴という結果が出ました。つまり、ハウジングサービスは違法という形で決着が付きました。
従いまして、多くのハウジングサービス会社がサービスを中止する方向に動いています。
もしそういう業者をお使いでまだ連絡が来ていない方は至急連絡を取った方が良いと思います。
また与太話ですが、この手のサービスが始まってから6年ぐらい経つでしょうか。我が家も出始めに飛びつきまして、ずーっと使っていますが、これに関してはかなり大きなビジネスになると思っていました。
海外に出ると、特に子どもがいる家庭は子ども番組を子どもに見せたいし、我々でも見たい番組はいくらでもある。で、昔からあるサービスは日本のビデオレンタル屋さんだったんですね。テレビで放映された物をビデオテープに録画してレンタルしていた。これは世界中で行われていて、市場規模としては凄いと思うんですよ。海外の何十万人という日本人が利用していただろうし、ビデオレンタル店だけでも何千件ってあったんじゃなかろうか。
でもこのインターネットを通して視聴する方法が出来たら、私はビデオレンタル店のテレビ番組のレンタルは全てこれに置き換わると思いました。こんな凄いことができるなんてびっくりしましたもの。ライブ放送で見ることも出来るし、普通に予約録画してあとでデータをダウンロードして見ることも出来る。日本にいるのと全く同じことができるわけですから。
で、私もこの商売に参入しようと思ったんです。個人客は別にしても、まず海外のビデオレンタル屋がこれを使うだろうと踏んだんです。彼らも日本で録画したやつを送ってもらい(有料で)、それをダビングしてレンタルしているわけですが、まずレンタル屋が自分で自分の場所でその日にデータを入手できるようになるんですから、これだけでも世界中の需要は大きいと思いました。
で、日本に行き会社を設立し、弁護士と相談しながら進めていました。なんで弁護士かというと、やっぱりこのサービスって微妙なんですね。著作権法に抵触する可能性がある。でも弁護士はOKと言っていましたのでそのまま話を進めていました。
そんな時、日本から一報が入りました。先行していた同業者が裁判で負けて業務停止命令が出たとのこと。
慌てましたね~~~。こりゃ大変だと、慌てて私の方の話はストップ。
でも助かりました。まだ会社を設立しただけで何も動き出していませんでしたから。もしもスタッフも雇い、何百台PCが置けるような場所を確保して・・・なんて始まっていたら大変な損害でしたから。
でもその後、上告して今度は勝訴したんですよ。やっぱり合法なのかということになって、では私も始めようかと思ったのですが、虫の知らせというわけでもありませんが、その時には熱も冷めていたし、あまり妙味を感じないようになっていました。で、そのまま放置。
その後、この手のサービスがどんどん大きくなるのを自分はあくまでユーザーとして横目で見ていたわけです。で、今頃になって最高裁で負けが決定。
もしあの時、強引に進めていたらどうなっていたんだろう、なんて考えました。きっと業者連中も裁判費用だなんじゃと大変だったろうと思います。また業務停止となれば止める費用も半端じゃなくかかる。きっと儲けなんかでなかったかもしれません。
運というのを感じます。私もスケベ根性が強いですから、昔からおもしろそうなビジネスがあると飛びついてやっていましたが、今まで大損したことはありません。危ないことはいくらでもあったけれど、どういうわけかいつもギリギリセーフみたいな感じ。
オーストラリアへ渡ってきたのも実はオーストラリア初の商用パソコン通信事業を興すということで永住ビザをもらって渡ってきていたんです。でもやろうかやっぱりやめようかとウジウジしているときに、突然インターネットの時代になった。その時も思いましたっけ。運に助けられたって。下手にパソ通でもやっていたら大変なことになりましたから。
ま、単にテレビPCのハウジングサービスが違法ということに決まっただけの話ですが、これを聞いて、自分はいつもラッキーだ、誰かに守られているのかな、なんてことを感じました。