新居のベランダから海を眺めていると、多くの船が行き来している中に漁船がいるのがわかります。潮に合わせて出漁するのでしょうが、大体毎日夕方出て行き、朝の7時頃に帰ってきます。
何を獲るか?エビですね。でもトロール船ですので他の物も入るようです。でもエビが主体。
漁船の行き来を見ている内に、やっぱり見てみたくなってきます。
で、行ってきました。
場所はこの辺。赤い円で囲った辺りです。
その漁港(?)のすぐ横には販売所があるのは知っていましたが、もう10年以上前に一度行ったきりです。茹ですぎのエビやどこにでも売っている魚を販売しているだけで、日本の市場のイメージとはかけ離れています。いわゆる町のどこにでもあるフィッシュ&チップス屋と同じ。
それでも行ってみることにしました。漁船が7,8隻並んでいるのですが、各船が店開きをしているのを初めて知りました。で、売っている物はエビ、イカ、たまに獲れちゃう魚の類。トロールで入ってくる物ですね。それと別に一隻、カニ専門の船がありました。これはトロール船ではなくてカニ籠をたくさん積んだ船。
で、カニを買うことにしました。もちろん生きているカニ。
こちらではカニと言えばマッドクラブ、スパナクラブ、ブルースイマー、この3種が有名ですが、船で沖に出て獲るとなるとスパナクラブが主となります。これは日本ではアサヒガニと言うカニで、多分、四国や九州にはいるはず。東京では見た事がありませんが、非常に淡泊な味で私は大好きです。このカニの特徴は爪がスパナみたいなのでスパナクラブ。また足は細いので動体の肉を食べるのが主で、そこが他のカニと違うところでしょうか。
で、びっくりしたのはメスもあるとのこと。普通店ではメスを売っていません。これはこちらの規則でカニならメス、魚ならそれぞれの種類で獲って良い大きさとかかなり五月蝿く分類されていて、もちろんそれの捕獲も販売も違法。これはかなり厳しくて個人で捕まえた、釣った魚でも見つかると大事になります。ところがここでは捕まえてはいけないメスも売っていました。見たのも初めて。食べるのも初めてです。
左の小さいのがメス。これは子どもだから小さいのではなくてメスは小さい。日本のズワイガニも同じですね。で、ハサミが小さい。
これを開けてみました。
ちゃんと赤い卵を持っているのが見えます。またミソの色も濃厚。大きなオスと比べるとこんな感じ。
食べてみましたが、メスのミソと卵は美味しかったです。初めてのスパナクラブのメスですが、これは本当にラッキーでした。オスの方はミソの色が薄いですが、味としてはオスの方が美味しかったかな。というか慣れている味。
肉ですが、オスの方が美味しかった。でもこれは個体差かもしれません。
この写真は台所で撮った写真ですが、この状態のまま食べました。綺麗にさばいて食卓で食べるより、私は台所で立ったまま頬張るのが好きです。出刃包丁でざくざく切りながら、そしてあの耳掻きみたいな道具は使わず、手で食べます。あるいは竹の箸、つまり細い箸を使う。
それとカニを食べた後の後始末が面倒なんですね。カニの汁でもそこらに飛ばそうものなら怖ろしいことになります。半端じゃない匂いになる。だから台所で立ったまま貪り食うのが一番。そして食べたカスは速攻でゴミ箱に捨てます。コンドミニアムは各階にゴミ捨て用のシュートがあるので、ゴミは袋に入れてそのままポイでOK。
美味しかった~~~~~。
このアサヒガニですが、マレーシアでもいるのを確認しています。またマッドクラブも結構豊富なようで、楽しみです。いや、それ以上に楽しみなのが上海蟹。日本でも同じ種類のモクズガニ。これがマレーシアにいるのも確認しました。毛が生えているので英語ではHairly Crabと言うようです。
これに関して書かれたブログを見た覚えがないのですが、みなさん気がついていないのかもしれませんね。上海蟹は中国から来る高級なカニというイメージがありますが、いわゆるモクズガニは日本でも昔から各地にいるカニで、これがいるならあえて高い上海蟹を食べる必要はないというのが私の持論です。だからマレーシアの中華料理屋で上海蟹フェアなんてやっていてもその高い上海蟹を食べるのではなくて、ローカルで普通に扱っているヘアリークラブを食べればOK。
というか、日本でもモクズガニを使って上海蟹として売る店もあるそうで、マレーシアも同じかもしれませんね。そもそも上海蟹も英語で言えばシャンハイヘアリークラブですし。
うちのヨメさんも子どもの頃に良く食べたなんて言っていますし、田舎出身の人なら誰でも知っている川ガニなんだろうと思います。小型ですが(沢ガニとは違う)、爪に毛が生えていてミソの味が濃厚。食べるのはちょっと面倒ですが、このカニも大好きです。私が狙っているのはこのヘアリークラブを売っているところをマレーシアで見付けて自分で調理すること。全部潰して味噌汁にしたり、日本風に調理して食べてみたいです。
あ、そうそう。漁船ですが、トロールなのでイカも獲れます。こちらの店で売っているイカって水に浸しすぎて水を吸ってブヨブヨになったのしか売っていません。刺身にしても美味しくない。ところが船で獲れたばかりのイカを買うことが出来ればかなり違うだろうと思いました。私が行ったときにはイカはありませんでしたが、これから何度かチェックしてみたいと思います。
またイカといってもこちらはスクイッドとカトルフィッシュと二種類ありまして、カトルフィッシュってのがコウイカとか寸詰まりのイカを言うようです。アオリイカも同じ。これが面白いところで、こちらではアオリイカだから高いってことがないんです。だから見付けたらラッキー。
それも楽しみだ~~~~。