TPPが理解できない

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世の中はTPP推進論者ばっかり。政府もマスコミも学者も。

これがどうしても理解できないんです。みんながおかしいというより、どうしてみんなが推進するべきだというのか自分に理解できない。自分はそれほどバカなのか、それがどうもわかりません。

TPPは自由貿易の推進であると簡単に言うことが出来るようですが、これのメリットがまずわかりません。関税障壁が撤廃されれば貿易は活発になるのはわかります。ではそれで日本の輸出が増える?輸出が増えると狙っているのは我が日本じゃなくて他の国じゃないですか?

日本に輸入されるものが安くなり、そして増える。これは消費者から見れば確かにうれしいこと。でも国内産業は大丈夫なんでしょうか。また同時に輸出も増えるなら良いのですが、そう簡単に問屋がおろしてくれるとは思えません。

TPP反対論者の多くは農業関係者ですね。安い農作物がどんどん入ってきたら日本の農業は壊滅的打撃を受ける。私には単純な考え方しかできませんから、それはその通りだと思います。ただ、今のままだと放っておいても駄目になるのが日本の農業だと私は考えていて、大規模な政策転換が必要だと思っています。農業の企業化、大規模化もそうですし。でもそれは今までも言われていたものの進んでないように思います。

でもTPPに参加すればいやおうなしにやらざるを得ない。私はここに政府の狙いがあるような気がするわけです。昔から言われているように日本は外圧がないと変容できない。だからそれを利用する政治手法が昔からあるように思うのです。それしか出来ないのならそれも仕方が無いのかもしれませんが、そういう変化の仕方というのは大事な問題を先送りするばかりで、そのときは良くても、そうすることの代償が大きいってことも忘れちゃいけないと思うんですよ。だからやっぱり自分が変わるのは自分でやるしかないという大原則から離れるべきではないとここでも思うわけです。

TPPをきっかけに農業も変わるでしょう。企業化され大規模化もされ価格も下がってくるかもしれない。でもその時は、輸入農作物と競争になるのと同時に、その企業化も外国企業との戦いになるってことで、農家自体が外国企業になる可能性が大きいということを忘れちゃいけないと思うんですよ。メリットは海外に持っていかれる。

自由貿易が良いという理屈を知るためにわかりやすいHPを紹介してもらいました。

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経済学として自由貿易が良いというのはわかります。ただ私が気になったのは、打撃を受けるのは国内生産者であるが消費者は得をするので国内再分配が行われればOKという考え方。まず日本は国内再分配がちゃんとできる国なのかどうかというのが一点。そして損をする国内生産者とは消費者そのもののはずなんですね。国内生産者が海外からの輸入でやられたとしたらそれは消費者そのものが生きていけないことを意味するはずです。違いますでしょうか。

これはここでは自由貿易だけが論じられていますが、TPPは貿易だけでなくサービス、人的交流にも範囲が広がっているとのこと。つまり海外から安い商品が入ってくるだけじゃなくて、安いサービスが入り、そして雇用の面でも競争が激しくなると思うんです。制度や資格にも変更が行われるはずですから。

今以上に競争が激しくなって物価が下がったとしてもそれは消費者がそれを享受できないと思うんですよ。結果的に国内産業がやられるだけのように思います。

つまりこのTPPでいうメリットとは、消費も増えつつ物価も上がりだして、これから伸びるときには良いってことだと思うんですよ。海外販路も増え、輸入品も増えて、なおかつ物価は抑えられるんですから。でも消費は冷え切って深刻なデフレ状態の日本に、新たに商品やサービス、企業が入り込んできて、それが日本のメリットになるとはどうしても思えないのです。

メリットがあるのは日本じゃなくて相手国。TPP参加国をみてくださいよ。マレーシアが入ってる。マレーシアをバカにするんじゃありませんよ。でも参加国のGDPで比べて見てください。まるで比較になりませんよね。大きいのはアメリカと日本だけ。この2国だけで参加国全体のGDPの90%以上。つまりTPP参加国が多くても実際には消費量・生産量・貿易量を考えても、TPPとはアメリカ対日本だと考えるのがあっていると思うわけです。

アメリカは国内で盛り上げようと頑張ってますが頭打ち。そしてドル安に誘導して輸出を増やそうとしている。こういうときにTPPが動いたら万々歳だと思いませんか?輸出は増えるし、日本の制度、つまり資格や免許の扱いもTPPによって変わるらしいですからアメリカ企業が日本市場に参入しやすくなる。今の時点でもアメリカが日本の大きな簡易保険業界参入を狙っているといわれています。

当然、資格にも関係してきますから、たとえば看護師にしても簡単に働けるようにしようとかそういう意味での自由化も含まれているわけです。

1980年代。バブルの時代だったらTPPも面白いと思うんですよ。インフレ抑制にはなるし、日本はますます海外に出やすくなるし日本製品が売れる。でもそういうときには日本に有利な話なんか誰も持ってこないんですね。

では、なぜ今TPPなのか。そりゃ今なら日本を食い物に出来ると踏んでるからだと私は思うわけです。

ま、これはきっとうがった考え方でしょう。でも素直に自由化はいいことだとしても、そうするには準備が必要だってことですよね。突然門戸開放して好きにやれなんて言ったら、準備が出来ていない日本企業も市場も散々な目にあうでしょう。だからTPPをやるにしても時期尚早であって決して今ではないと思うんです。外圧がないと日本は変われないなんてことじゃなくて、やっぱり自ら変わって方向性が見えて、企業も民衆も力をつけてそれからTPPで勝負しようというなら話は別です。

自由化はいいことだと思います。それは間違いなくストレスになりますが、そのストレスを超えることによって力も付け、発展し、そして双方が豊かになるんだろうと思います。保護貿易主義で良いことはないと思います。

ただストレスを与えるにしても、それはストレスを超えられる体力があるからストレスに意味があるのであって、若者が身体を鍛えるためにウエイトトレーニングをするのも良い。でも、今寝たきり状態の日本にウエイトトレーニングをやらせてどうなるのか?ってことなんです。

それと日本の今の苦境を脱するにはTPPをどうするか考えるより、円高対策を考えるべき。円安に誘導できればTPPで言われる利益は簡単に出るんじゃないかと私は思うんです。でも円安にはできないからTPP?これってとんでもない話で、じゃぁTPPで輸出も増えて利益が出たとしてもまた今までのように円高に持っていかれたらどうなります?TPPのメリットなんかすぐに飛んでしまうでしょ?

つまり、円高を是正するには円高をどうするか考える必要があって、他の方法でそれを補おうというのは本末転倒だと思うんですよ。では円安にするにはどうするのか?私は評論家でもないし学者でもないですから難しいことはわかりません。ただ、日銀がやっていることは納得ができなくて、もっと金融緩和をするべきだと思います。お金をもっと市中に出すべき。お金を印刷するとハイパーインフレになるといわれますが、それはそういう時期にやればそうなるということで、デフレで真っ青の日本にとってはその危険な薬を打てば劇的な回復をするかもしれません。

お金のばら撒き政策には私は反対ですが、デフレ、円高対策には良いと思っています。近年、日銀に任せずに、政府には紙幣を発行できる権利があるのだから何十兆円かお金を刷ってばらまけという意見があります。私もこれは筋が通っていると思っていて、国民一人に20万でも30万。50万でもいいです。一家族に100-200万円プレゼント。でもこれは使ってくれないと困るので期限付きの金券にするとか。

そんなことをしたらまた日本の借金が増えて・・・と思う方もいらっしゃいますが、国債を発行してその原資を確保すればそうなりますが、そうじゃなくて政府としてお金を刷る分には単にお金が増えるだけで国の借金にはならないんですね。極端な話、明日にでも800兆円政府がお金を発行してしまえば、それで赤字国債も帳消しに出来る。ただそんなことをすればまさにハイパーインフレが起き、円もガタガタに暴落し、世界からは非難ごうごうとなるでしょうが、アメリカをはじめ、各国がリーマンショック後にお金をどんどん刷ってばらまいているから世界はどうにかなっているし、またそれがあるから各国の通貨安にもなって輸出に貢献しているはず。日本がやられている分、他の国は良いってことですから。

日本も意地を張らずにお金を刷れば良いと私は思っています。そのお金で国民は一息つくし、消費は上がり、そしてデフレは止まり、円安に為替は間違いなく動く。

まぁ、書きながらバカな妄想のような気がしますが、各国がお金を刷りまくってきたのは事実ですし、日本だけが聖人君子の原理原則を固辞し、お金をばら撒かないってのは変だと思います。目の前の円高、そしてデフレはお金をばら撒けば必ず変わるのが分かっているんですから。日本としてどうするかを考えるときに、日本の国内ばかり見て判断するんじゃなくて、海外は一体なにをしているのかを考えた場合、お金を刷ることの妥当性、重要性が分かると思うんですけどねぇ。

政府が政府紙幣発行の検討に入った、なんて噂が流れただけで円は90円台になるんだろうに・・・

やっぱりTPPはやるべきだというHPを読んでも私の疑問は解消されません。どこかこれぞという説明をしているHP、書籍を紹介してもらえませんでしょうか。

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