円はどうなる?

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円高になる理由がわからないとよく言われます。でもドルが安くなる事に関しては大量の通貨を出して、景気回復も遅れているのだからドルは売られて当たり前だとも言われる。

でも日本は今こんな状態。また政府の債務は莫大だけれど国家としては債権国でまだまだ優良国。だから日本が買われるとも言われる。まぁ日本が良いと言うより減点法で日本が残ったみたいな感じなんでしょうが、こんなニュース。

日本円は「最悪」の通貨になる恐れ===モルガンスタンレー

サーチナ 3月6日(日)16時38分配信
 モルガン・スタンレーが3日に発表した報告によると、デフレ脱却のため、日本銀行は追加的な金融緩和策を講じる可能性が高く、これによりキャリー・トレードが活発化し、日本円は「最悪」の通貨になる恐れがある。また、政界の行き詰まりも円下落の可能性を強めているという。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

 日本銀行の白川方明総裁は2日、「トレンドとしての成長率の低下がデフレの原因である。物価下落への対処で金融政策が果たすべき役割は大きい」と語った。米有力格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが2月22日に日本国債の格付けを引き下げたのは、日本政府の債務がまもなく経済規模の2 倍に達し、さらに、政界の行き詰まりも対応の妨げとなることを考慮したためだ。

 モルガン・スタンレーの為替ストラテジスト、エマ・ローソン氏(香港在勤)は2日に開かれた会議で、「日銀による年内の緩和が予想され、市場で再び円が資金調達通貨として使われる可能性が高い」との見方を示した。

 またローソン氏は、「どの通貨の騰落率が最低になるかといえば、それは円に違いない」と述べた。(編集担当:米原裕子)

日本が金融緩和をして円を大量に市場に出せば、かつてかなり行われた円キャリートレードが再び行われるようになるだろうということ。つまり、豊富で金利の安い円が簡単に手に入るのなら、それを手に入れて例えば米ドル、例えばユーロ、あるいは豪ドルと交換し、それぞれの資金調達を行うことができる。だから円は売られると。これはリーマンショック以前に行われていて、簡単に言えば、円を年率1%で借りて、それを豪ドルの6%に投資すれば5%の利益が上がることになる。

わかりますよね?円を手に入れてそれを豪ドルに替えて運用するんですから、円は売られる(豪ドルは買われる)ということ。これがリーマンショック前の動き。この流れが活発化すると円安が進むということ。でも借りたものはいつか返さないとならないわけです。その時には豪ドルを売って(円を買って)返す。

リーマンショック後はみんなが資金回収に動いたので、豪ドルに投資されてていた資金は急激に引き上げられ円に戻される。つまり豪ドルは売られ(円は買われ)、あの確率的には40億年に一度といわれるほどの豪ドルの暴落が起きた。まぁ、円キャリートレードはそのように説明されるわけです。(金キャリートレードも前に書きました。金の地金を安く借りて、それを市場で売って現金化して資金調達をする。だからあの不思議な金が安いという事がおきた。でも返すときには金を買い戻さねばならず、その時金価格は上昇する。金を保有している政府が金を貸し出せばお札を印刷せずに資金供給できるということ。アメリカは両方やったんですね)

ま、そういうことで、円の金融緩和があればまたそれが起きるだろうということ。そしてこのレポートの最後の言葉。「どの通貨の騰落率が最低になるかといえば、それは円に違いない」これの理解がややこしいですが、騰落率は変動率じゃないんですね。上がればプラス、下がればマイナスで表示されるのが騰落率。

つまり、騰落率が最低になるということは、円の下落率がどの通貨よりも大きくなるだろうということ。100円を超えちゃうのでしょうか。それなら嬉しいんだけど。(笑)

まぁどちらにしても、あれやこれやと為替を動かす要因が多すぎて結局我々が何を想像しようと将来の動きはわからないでしょう。アメリカも駄目。日本も駄目。じゃぁ駄目同士の勝負でどっちがより駄目なのかと為替を読むのは馬鹿げていると思います。

ただし、少なくとも過去と今現在の結果はわかるわけです。そしてチャートを見れば、今どういう力関係で動いているのかは誰でもわかる。ま、その辺から方向性を考えるしかないと思ってます。

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