来ましたね。良かった良かった。
これで今後どうなるかですが、最近の介入の傾向では「介入失敗」ですが、今回は昔の介入と同じで「協調介入」であるのが大きな違いだと思いました。日本が勝手にやる介入は失敗して当たり前でしょうが、各国がそれを支持している場合は結果も変わってくるのでしょう。安心は全くしていませんが・・・
これは米ドル/円の日足チャート。
これは豪ドル/円の日足チャート。
しかしこういう動きの中で、泣く泣く投げた人も多いだろうし、マージンコールが掛かって売らざるを得なかったり、あるいは自動的にポジション解消で売られちゃったり。戻ったのは嬉しいですが、地団駄踏んで悔しがってる人もこれまた山のようにいるんでしょうね。
プロもこの数日間は大騒ぎだろうと思います。アマは見ているだけで済むし、損したら損したであーーあと思うだけですが、プロがもしアマの様にこの動きでなんら対応もせずに見ていたら能無しということになりますし、大きなポジション変更したのに、その後突然為替は元に戻ったなんてことになったら、また大騒ぎなのでしょうね。
G7の協調介入、日本の支援と円高抑制が目的=仏経済相 (ロイター)
[パリ 18日 ロイター] ラガルド経済・財政・産業相は18日、主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁が緊急電話会議で、為替市場で協調介入の実施を決めたことについて、日本を支援し円高を食い止めるための措置だった、と語った。
同相はフランスのラジオ、ヨーロッパ1に対して「(介入の)目的は明らかに日本を支援し、われわれの団結を表明し、円高を阻止するものだった」と語った。
でもねぇ。協調にもいろいろあると思うんです。協調する国々が、昔で言えば日米ですが、両国に「利益」があるから協調するわけで、今回は「日本を支援」という名目。でも現実的には日本が円高で困っている間に漁夫の利でがっぽり儲けられる国々があるのは間違いが無いわけで、本音のところはどうなんでしょう。そこがちょっと心配です。
また昨日のニュースではレパトリ、つまり海外に出している日本の資産を日本に呼び戻す動き(外貨から円に替えるから円は急騰する)はないと報じられていました。ヘッジファンド達が流したデマだと言わんばかりでした。
でも今日のロイター伝。
[東京 ロイター 18日] 日銀は18日、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁の声明を受け、協調行動の一環として、為替市場でドル買い/円売り介入を実施した。介入はドル/円相場を3円以上押し上げると同時に、最近の円高の主因である海外勢の「円資金調達難(円クランチ)」を解消する効果をあげた。
介入規模は現時点では正確に把握できないが、一部では2兆円規模になったとの見方もある。市場筋によると、81円半ばから下ではまとまった規模での円売り介入が実施され、「円クランチ」に苦しむ海外勢にとっては十分な円の流動性が供給された。日銀の介入を受け、ドルは朝方の安値78.83円から81.90円と3円以上急伸した。
<海外勢に円資金確保の機会>
「円売り介入を通して円の流動性が市場に放出されたことで、海外勢に円資金が行きわたり、海外勢の円資産の投げ売りも止まるだろう」と外資系金融機関の資金担当者は言う。「(通貨スワップなど)裁定取引を通じて大量の円資金を調達していた海外金融機関は、震災の影響で、突然、円の資金繰り困難に陥っていた」(同)。
海外金融機関や証券会社は、円調達ができないことで、保有円資産の投げ売りに追い込まれ、株価の大幅下落と一段の円高を招いた。日経平均<.N225>は震災後約2日間で2000円を超える下げを記録し、ドルは17日に過去最安値となる76.25円まで下落した。
日銀は、東日本大震災以降、過去最大規模の流動性供給を続けているが、日銀の資金供給オペは、円資金と日本国債(JGB)などの円資産の交換するもので、オペに差し入れる担保(円資産)を十分に保有しない海外金融機関や証券会社は、引き続き必要十分な円の流動性が確保できなかった。
しかし、介入はドルと円の交換であり、ドル資金を潤沢に保有する海外勢にとっては、介入を通じて、ドルと円を交換し、円資金を確保する機会が開かれたことになる。
<通貨フォワード、ドルプレミアムが解消>
海外勢の主な円調達経路はドル/円スワップだった。しかし、震災で資金の出しが急速に細ったことや、円相場の急騰で追加証拠金の差し入れが必要になるなど、円資金を確保する事が一気に困難になっていた。この間、1日物の円調達コストは2%に上昇し、一時5%まで急騰した。
日銀はオペを通じて0.100%で短期の円資金を短期金融市場に供給していたが、担保不足の海外勢は、安価な円資金に手が届かなかった。
ドル/円フォワード・レートは、今週に入ってドル・プレミアムが拡大し、円金利がドル金利よりコスト高になる現象が起きていた。介入後の18日の取引では、ドル・プレミアムが解消し、1週間物でドル・ディスカウントの0.5/0.25銭となり、ドル金利が円金利より高い状態に戻った。
(ロイター 森佳子記者 編集:北松克朗)
[ 2011年3月18日16時13分 ]この記事を読んで、なるほどそういうことかとピンと来た人は凄いですね。私は2,3回読んでも???でした。(笑)
今でもなんだか不明な点があるのですが、まぁ、ここには「円キャリートレード」と言う言葉さえ出ていませんが、それをやっている連中がどんどん円高になると円の調達が出来なくなるということは理解できました。またここには書いていませんが、多分、円キャリートレードを解消した場合、その時点で大幅な円高になっていれば円を返すときに莫大な損害が出るってことですよね。
つまり例えば1ドルが100円だとして、100円借りてきて、それを1ドルに替えて、20%儲けたとしても、その100円を返す時に1ドルが50円になっていたら、2ドルないと最初の元本も返せない事になってしまう。これって非常にうまくなくて、実際に解消しなくても帳簿上は「含み損」としてはっきり出ちゃうわけでうまくない。
そういうことがあるから危ないと思った投資家は円キャリートレードを即刻解消しようとして投げてくる(円の買い戻し)のだろうし、また他から円を調達しようとすれば手持ちの日本株式を売ると言うことなんだろうと理解しました。
で、介入、つまり円を豊富に市場に出す事によって円が必要な投資家には行き渡るし、円高傾向は治まる。なおかつ円が下がれば円キャリートレードをしている投資家の含み損は減って、皆がハピーということでしょうか。
この流れを作るとするなら、今後円高傾向になってきたら容赦なく介入してくると思いますし、そうじゃないとなめられちゃう。かつてはイギリスでさえもヘッジファンドにやられたし今でもその流れはあるし、東南アジア通貨危機もそうでしたが、まさか金持ちの日本に続けて仕掛けて来るとは思えません。それともまだ諦めてないかな?
介入の仕方ってのもノウハウがあるんでしょうね。ある日ある時一気に仕掛けて大きく値を動かせばレバレッジを効かせているヘッジファンドは大変な事になりますもんね。そうやって大損させないと意味が無いわけで、チビチビ介入してたらやられちゃう。でもその介入もやりすぎると、今回「日本を支援」と言っていた各国も本音を出してくるんでしょうし、まぁ、世の中簡単な話はないと・・。
しかしこう考えてみると、まともな仕事をしている連中の足を引っ張るのはいつもヘッジファンドという図式がはっきり見えてきますね。
我々零細投資家としてはどちらにつくべきか?心情的にはまともな連中に付きたいですが、その世界は我々が入れる世界じゃないし、その世界に投資しても微々たるおすそ分けしかもらえないのは、我々がカモであり、常に搾取される小作人の立場は同じってことだと思います。まともな方へ我々が着きたくても彼から見れば我々はただのお客さん。金儲けの対象でしかない。
だから私としては着くべき方はヘッジファンド側だと思っています。
つまり、まともな仕事としては昨日書いたプロと同じことで、例えば株は買うものである。この大原則があるから株式市場の存在意義があるわけですよね。株投資という行為があるから会社は資金を市場から調達できる。これは現代社会の基本中の基本で株投資をしてくれる人がいなくなったら世界経済は崩壊してしまう。
株は常に右肩上がりで上がっていけば会社も投資家も嬉しいわけで、新規の投資も増える。でも世の中そう簡単にいかないわけで、ありとあらゆる要因で株価は動き、大きく下げるときもある。そういう時にまともな投資家はヘッジをしたりするわけですが、ヘッジファンドはお構いなしにその下げで儲けようとするし、その下げを演出することさえある。
ヘッジファンドって現代の金融システムの申し子というか、異端児であるとは思います。もともと空売りも悪ではなくて、それがあるから株価が一方向へ極端に動くことはなくなって調整の役目もするわけですし、先物も同じで、これによって適正価格が保たれるということがあると思うんです。
でも最近は実需じゃなくてその調整、予備システムの方に流れる金の方が多くなってしまった。これが世界を駆け巡る6000兆円、8000兆円といわれるゲームマネーなんでしょう。この金融システムが発達する事によって、今までの投資方法より効率の良い投資方法が開発されちゃったわけですから、我々もそれを利用するしかないと思うんです。
また、まともな投資家もそれは同じで、例えば銀行は高利貸しはしないけれど高利貸しに資金提供はするわけで、ヘッジファンドも同じで今までの投資家とヘッジファンドは市場では敵対する事はあっても、裏では持ちつ持たれつでヘッジファンドへ資金提供している。そういう図式じゃないんでしょうか。
今回の地震で、「国難に向かい全国民が一致団結し万難を排し・・」なんてかつてどこかで聞いたような言葉をこの現代で聞くことになるとは思わなかったですが、日本人のメンタリティーは昔と全く変わってないんですね。
でも昔ならこういう時には皆で株を買い支え、日本企業を守ろうとかそういうプロパガンダも出たんですね。市場が下がるからって空売りでもしようものなら国賊、非国民扱い。もちろん今回の円高で儲けたなんてのも非国民。(爆)
でも戦前と同じような事を今でもいう国民ですが、相場に関しては馬鹿なことは言わくなりました。
いやいや、そうでもないかな。今回の株式の急落で、空売りでごっそり儲かったなんて人がいたら後ろ指を差されるんでしょう。私はそういうメンタリティーは嫌いじゃないし、感情の動きとしては当たり前だと思います。でもそんなメンタリティを一切持っていない外国勢と戦うには、センチメンタルな感情は極力排除したいと思っています。