円の介入に関して

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異常とも言える円高が続いていますが、日本政府はそれを放置しているだけに思えます。どうにか円高是正の術はないのでしょうか。

今の状態が続くとなれば大企業の半数が海外移転を考えるなんていうアンケートを見てびっくりです。下請けはどうするんでしょうか。海外移転についていける下請けはまだいいのかもしれませんが、残された従業員はどうなるのか。空洞化がどんどん進む日本を考えただけでぞっとします。

しかしまぁ、8月の円売り介入はお粗末でした。ちょっとチャートを見ます。

介入したその日にはもう頭を叩かれ、4日後には介入時より円高になってしまうという悲惨さ。

これを5分足で見てみます。

1分足の方が見やすいかな。

介入って一気に行って、円を買っている連中を驚かせ、一般投資家は勿論、レバレッジを使っているヘッジファンドにも一泡吹かせてやら無いと意味が無いわけですが、その為にはそれこそ素早い介入が必要ですよね。で、できることならマージンコールの状態まで持って行きたい。

もっとはっきり見えるようにしましょう。1分足の介入直後を見てください。赤丸のところです。

一気に持っていかなくてはならないのに、介入時の次の足にはもうすでに買い方(ドルの売り方)が攻勢に出ているのが見て取れます。78円03銭まで円を売ったのにすぐに77円90銭まで頭を押さえつけられ、3分後にはなんと陰線。77円30銭まで押さえつけられ、それに反発するもその足は陰線。始値を下回る弱さ。

その後は市場の提灯もつき、円を買っていた連中の手仕舞いもあるのでしょう円安に段々と移っていきますが、これって介入の力の弱さがはっきりわかると思いませんか?

最終的には80円超えまで円安になりましたが、本来なら最初の1,2分でこのレベルに持っていかないと駄目なんじゃないでしょうかねぇ。介入時の勢いなんて1分ちょっとで1円持ち上げただけですもの。

このチャートを見て私が考えることは、介入も中途半端であったということです。でも介入に使った額は史上最高だと聞きました。そして円を買う勢力の半端じゃない強さ。日本が国の威信を掛けて円高是正をしようとしているのに、それに向かって買い進む強さ、したたかさ、怖さを感じます。

この時の介入には4兆円以上のお金をつぎ込んだらしいですが、結局4日目には元の木阿弥で、円を買う勢力の圧勝と言ってもいいはず。どこの誰がこれほどまでに円を買い進むのかわかりませんが、介入に対して正面から挑むとは大変な度胸、自信、そして財力があるんでしょう。

テレビで見ましたが、世界のヘッジファンドもそれぞれ読みが違うわけですが、もし10社の思惑が同じになると世界はその方向へ動くと言っていました。

円高に関しては、それこそ世界中が円高になる。円高にすると決めているような気がしてきます。そして介入もそれがあるのは十分想定内で、その時の戦略もすでに練っていただろうとチャートを見るだけで想像できます。で、円買い勢力の圧勝。

介入が国のどういう部署でどう決められているのか私は一切知りませんが、この抵抗力には彼らもびっくりしたのではないでしょうか。4兆円以上のお金を使っても跳ね返されてしまうんですから。

今の円高水準はあのときの介入時よりも円高なのに、日本政府は何もしようとしません。しょうもねぇなぁ、とは思うものの、あの介入時の抵抗勢力を考えるとうかつに動けないのかもしれないとも思います。

あの介入、たった5日の間に日本政府の数千億円が消えてしまったわけですが、それの責任を問う話も聞かないし、どうしてそうなったのか、もっと効果を出すやり方が無かったのかそんな議論も聞いたことがありません。これもなんか変だなぁと思うのは私だけ?

ただ、手の内を公表するバカはいないわけで、おおっぴらに話せないことがあるのは当然ですが、では今の政権が何をするかというと、円高対策として受け皿を作るような話。それって円高是正ではなくて対策。

これを聞いた円を買っている連中は安心するんじゃないでしょうか。円が高くなれば日本の国がその「円高の影響」を軽くするための対策を行うとなれば、じゃぁ、まだ円を買ってもいいだろうと考えるのが普通だと私は思うわけです。対策じゃなくて、円高そのものを許さないという態度、行動を取るのは不可能なのでしょうか。

できるならやってる?

そうなんでしょうね。かつてミスター円といわれた元大蔵官僚の榊原さんならどうするのだろうか。

このままだと円高がより進んでもおかしくないし、うまくないと思うけどなぁ。日本は大丈夫なのだろうか。

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