もう一つ気になるカメラが出た

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何日か前の日記に、今までミラーレスを出さずに沈黙していたキャノンが新しく大きなセンサーを積んだコンパクトデジカメを出したと書きました。そのカメラに関して。

キャノンG1x。

このカメラの最大の特徴はセンサーが大きいこと。それは今売れに売れていてミラーレスカメラ市場を牽引してきたパナソニック、オリンパスが出しているマイクロフォーサーズという規格よりセンサーが大きいということ。でもソニーのNEXよりは小さい。当然、今までのコンデジとは一線を画するセンサー。

センサーが大きいということはそれすなわち余裕があるということで、高感度に強いカメラにでもできるし、高感度特性を控えめにすれば画素数を増やして細密な写真を撮ることができるカメラにもできるということ。(ボケが大きくなるのも利点の一つ)

早速このキャノンG1xの高感度特性を比べて見てみましょう。

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キャノンG1x。コンデジにしては高感度に非常に強いのがわかります。ISO3200でも十分使えそうです。

私の気に入っているフジのX10。上のキャノンに比べたら惨敗。フジのISO1600とキャノンのISO12800が同じ程度。3段分も違います。

パナソニックの最新機。GX1。フジのX10と似たり寄ったりでこれもキャノンの圧勝。2段階は違います。

高感度に非常に強いと言われているソニーのNEX-5N。これは良い勝負でソニーが若干良い程度でしょうか。

キャノンはかなり高感度特性に注目してその性能を上げてきたように思われます。この辺だけを見てみると、コンデジより上のクラスと言われているミラーレスが負けているわけで、ミラーレスの良さって何?みたいな感じになりますね。これならコンデジで十分だと思う人は少なく無いと思います。またキャノンはその辺を狙ってきたように感じます。

ただ、カメラの良し悪しは高感度特性だけじゃないわけで、また写真の良し悪しは、私はレンズが決めると考えていますので、高感度特性が良いカメラ=良い写真ではないと思っています。

ということで次に写りの違いを見てみます。まずはキャノンG1xですが、大きな写真の4隅(左下)を見るとこんな感じ。文字がボケて判別できませんし見ていると目がチカチカしてきます。でも中心部は非常に鮮明です。


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これはパナソニックのGX1です。レンズは14-42 mm Vario X PowerZoom f/3,5-5,6ですが、キャノンとの違いがわかりますでしょうか。細かい文字が判別できます。


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この違いがわからない、あるいはたいしたことが無いと思う人にはこのキャノンのG1xは良いカメラだと思います。ただ、私はこの違いってとんでもなく大きく感じますし、こういうカメラは使いたくありません。ここで大事なところは、キャノンG1xはレンズ交換が出来ないこと。そしてキャノンより写りが良いパナソニックGX1はレンズ交換式であること。そしてもっとも重要なのは、パナソニックのこの写真に使われているレンズはキットについてくる汎用ズームレンズであって、決してそんなに良いレンズではないというところ。つまりこれ以上良く写るレンズは他にいくらでもあってそれを使うこともできるってことなんです。

私は子供の頃から写真・カメラが好きでしたが、残念ながら良い機種+良いレンズを持っていませんでした。ですから写真の枚数はいくらでもあるものの、今になって見てみますとクズばかりです。これぞというのがありません。もちろんシャッターチャンスや構図が良いとか、あるいは思い出の写真はありますが、写真として問題があるものばかりなんです。

歳を取ってきますと思い出を今まで以上に大事に感じるようになりますが、昔の写真を見たときに、ろくでもないものばかりがあるのに気が付くのは本当に悲しいことだと思います。ですから、将来もちゃんととって置きたい写真、あるいは4隅もきっちり解像していないと変になる風景写真、あるいは大きく引き伸ばして例えばパネルにして飾っておきたいとか、そういう場合にはそれなりのカメラ+レンズが必要だというのを今になって痛感します。特に子供の成長記録は家の宝であるわけですが、それが全てスナップ写真みたいなものばかりだとなんだか申し訳ないような気さえしてきます。なんでもっとちゃんとした機材を使わなかったのか今になって反省をしていますが今更どうにもならず。

また最近、素人でも自分で写した写真を登録してそれを販売できるシステムが広がり、家庭のおくさんでもそんなので小遣い稼ぎをしているなんて話がありますが、そういう写真の場合は、このキャノンG1xの写真レベルでは私は難しいと思います。もちろん中心の画質はそこそこですし、4隅はボカした構図なり撮り方があるわけですから、このカメラの欠点を隠すこともできるでしょう。でもそれはそれなりにカメラやレンズのことが分かる人の話であって、余計面倒なことにもなりかねません。

ま、そんなこんなでやっぱり良いカメラ、良いレンズは欲しいと思うわけで、いくらコンデジが良くなったとは言ってもまだまだ交換レンズ式のカメラにはかなわないのが実情では無いでしょうか。

このキャノンのG1xの欠点はレンズだというのは簡単にわかりました(ただ中心部は非常に鮮明で悪くない)が、今、凄い勢いで売れているソニーのNEXシリーズも同じ欠点を持っていると思います。カメラ本体は良いのに交換レンズが本当に少ないので宝の持ち腐れ。最近、良さそうなレンズもボチボチ出てきましたが、多くの中から選べるほどでは無いし、ソニーはセンサーが大きいだけにレンズの小型化が難しいというディスアドバンテージがあります。これって大問題で、何のためのミラーレスなのか。カメラ本体は小型で軽くても、レンズだけは大きく重たいんじゃ意味がありませんもの。実際にそんなに良いレンズでもないのに大きくて、ソニーの場合はレンズを装着すると頭でっかちになってバランスが悪いのが簡単にわかります。無理やり小さく作ったと思われるパンケーキレンズもありますが(16mm F2.8)、これはカメラ好きからは非難轟々の写り。

でもそれは時間が解決することかもしれませんし、この数年の内にはシステムのトータルとしての性能ではソニーがミラーレスの中でトップを走る可能性は大きいと思っています。でも今の時点ではどうも面白くなく、その点ではパナソニック、オリンパスのマイクロフォーサーズ陣営の方が先に走っていただけあってレンズは充実して揃っています。でもセンサーはマイクロフォーサーズは小さく余力もなさそうで、今のままでは他社において行かれてしまう可能性大。

最後に、上に出した写真比較のフジX10のを出しておきます。高感度特性では全く歯が立ちませんでしたが、ズームレンズでありながらこの比較写真の鮮明さではずば抜けて良いのがわかります(中心部はキャノンが良い)。家電メーカーが作るカメラと違ってちゃんと押さえる所を押さえているように感じます。こういうところがフジがカメラ好きには評判が良く売れている理由でもあるのでしょう。私にはフジが今一番光っている会社に見えます。そしてこれから発売になるミラーレス。どれほど凄いカメラなのか想像しただけでもワクワクしてきます。


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高感度特性が良いということはそれだけ室内などの暗い場所でも使えるし、シャッタースピードが稼げるわけで、これはこれで素晴らしいことだと思います。

ただ、レンズを通して写すわけですから、レンズが暗かったらまるで意味が無いことになります。

つまり、高感度特性では負けているマイクロフォーサーズですが、レンズは明るいものが揃っています。どれほどソニーのNEXの高感度特性が良かろうとレンズが暗ければ、高感度特性が低い+明るいレンズの組み合わせと同じことになるんですね。(高感度特性が低いフジのX10はレンズが明るい)

マイクロフォーサーズの様にセンサーが小さければ小さなレンズを作ることが出来る。でもソニーはセンサーが大きいので明るいレンズを作ると大きく重くなってしまうので、携帯性を考えるとどうしてもソニーのレンズはマイクロフォーサーズより暗くなる傾向がある。

それを考えますと、決してソニーの方が圧倒的に有利だとは言えないってこと。

ニュースですが、ラスベガスで開かれているCES/PMA2012において、ペンタックスがミラーレスらしきものを展示しているとのこと。ただ詳細はなんら明らかにされていない様子。

楽しみだ~~。

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