イージーマネーを追う人々

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トラリピって面白いと思うし、何か良いアイデアと組み合わせればかなり有効な手段になるんじゃないかと思って市場ウォッチングと研究は続けています。

で、この数ヶ月でもネットの中で変化が見える。

これはトラリピの裾野が広がっているからだろうと思うのだけれど、片や従来の手法と組み合わせてリスクを下げる手法を追い求める人が増えているのと同時に、片やあまりにも無謀なやり方で何も考えずに参入しカモになる人が増えているのも見えてきます。

ここでも二極化ってあるんだなぁ、と思う今日この頃。

自分としてもトラリピが使えるようになる何かブレイクスルーはあるような「気」はするのですが、でもトラリピって「逆張り」「ナンピン」「塩漬け」の融合したシステムでしかないのははっきりしていて、この3つの手法は難しい手法の代表で、そして特に初心者はやってはいけないこととして覚えるべき最初の3つであると昔から言われていること。

でもそれはトラリピという手法の出現によって、その3つのリスクが変ったと考えるべき時代になったのか、それともその3つの難しさをいまだに引きずっていて、しかしそれが表面上はっきり見えてこないだけのことなのか、だからそもそもブレイクスルーなんかなくてトラリピの難しさとは結局「逆張り」「ナンピン」「塩漬け」の難しさというか呪縛からは逃げられないものなのか。

私としては、トラリピはその呪縛からは逃れられないシステムだと思っていて、でもそういう先入観があると新しいことを取り入れることが出来なくなるので、まぁ、いろいろ考えているのですがやっぱり出口は見つかりません。これが今の私の現状。いくらあの手この手を考えてもまるで先に進まず。裁量を抜きにしての放置じゃとてもじゃないけれど利益を積み上げるのは難しくて、いわゆる楽が出来るシステムではないってこと。

でも、これなら行けるようだというトラリピの変形とか他の手法との融合形も出てきているのだけれど、よくよく調べたら、「逆張り」「ナンピン」「塩漬け」を使いこなせる人がそれをやっているだけなのがわかったり。それではトラリピの面白って私はないと思うわけで、やる人の技量が大きく関係するのであるならば、他のシステムとなんら変りはないってことですから。それなら自分が得意とする手法でやっていたほうが良いし、浮気する価値もなくなります。(笑)

またそんな中で、今までと違う動きとして、細かい仕掛け幅で仕掛ける人たちが出てきたのが散見できるようになったのは驚きです。今までは30銭幅とか50銭幅。そして利益幅もそれと同じ、なんて本当にシンプルだったのが、利益幅は大きくした方が回転は少なくなっても利益は乗るというのに気が付いた人は増えてきた。で、問題は仕掛け幅。10銭なんていう幅で始める人がチラホラ見えてきたのにはびっくり。5銭なんて人もいた。

この仕掛け幅は、トラリピのデイトレが出来たら面白いと思って私も随分シミュレーションはやったのですが、確かに回転は凄くて、一日に200ピップスぐらいは楽に抜ける。でもトレンドが逆の動きだと恐ろしいことになるのね。狭い幅に仕掛け玉がごっそり残ってしまう。そんなことさえわからないでこれを始める人が出てきたのが昨今の動き。

これって業者の思う壺でしょうねぇ。

1千万の証拠金を使って売買する客を見つけるより、10万の客を100人見つけるほうが簡単だし、1千万が半分になったら心穏やかじゃないけれど、10万円が5万円になってもヘラヘラしている人はいくらでもいるわけで、こういう人たちが増えるのは業者としては大歓迎なのでしょう。というかFX業界自体がその線を狙っているのは明らかで、海外のレバレッジ何百倍の取引が出来るところは小額で一攫千金を狙う人たちで大賑わい。

これを後押しするのが世の中で言うカリスマトレーダーと言う人たちで、本当にその存在は事実なのか、作られた偽りのヒーローでしかないのかがはっきり見えないこともあるから面白いと思います。そういう人たちを持ち上げ、皆さんにも出来ます的なセミナーを開いてその気にさせて、そしてトーナメントみたいなことも始めて盛り上げる。これはデモ口座で良いわけで、誰でも簡単に参加できるし、俺ってもしかしたら天才かも?なんて思うトレーダーはいくらでもいて、そういう人や自分もFXぐらいやってみようなんて人がどんどん参加する。

で、このトーナメントが面白いのは、やっぱりトップクラスってそれなりに凄くて、嘘だろ?みたいな成績を出す人もいるんですね。こういうトーナメントから出てきて世界的に有名になったラリーウィリアムズみたいな投資家もいるし、やっぱり天才って間違いなくいるんだけれど、これがまた良い宣伝になって、あの人の手法を学べば自分もそうなるような気がするからどんどん参加者が増える。

で、とりあえず10万円でやってみようか、なんてね。

これで業界は潤うわけですが、昔からアフェリエイトってシステムがネットでは発達しているわけで、FXもそれを有効に使うようになってきた。当初は、自分のブログに設置してあるバナーを誰かがクリックして、そのクリックそのものあるいはその人が契約をすれば一件あたり何がしかの報酬が入るようなシステムだったのが、最近はその新規顧客が買い物をしたらバックマージンが入るのと同じように、その客が売買して落とす手数料の%がバックとして入るようになって来た。

これって凄いわけで、買い物ならその時だけの報酬だけれど、FXは売買が継続するわけで、トラリピみたいに(あるいはその他の自動売買みたいに)放置して毎日毎日せっせと売買するシステムを利用した場合には莫大な手数料が生まれる。つまりアフェリエイトの利益も半端じゃなくて、それがその本人のFXで得る利益よりはるかに大きくなるような時代に入ってきた。

面白いですねぇ。

そして、自分には売買で利益を出すのは無理だ、なんて思う投資家もごっそりいて、私の真似をしてくださいとか、うまい人と同じ売買ができますなんていうフォローとかコピー売買システムも開発されて、自分は誰のコピーをするのか選べば良いだけみたいな投資も可能になってきた。zulutradeなんかまさにそれ。

これは面白いと飛びつく人が増えて、私もそのうちの一人で、でもあっというまに30万円ぐらい消えてしまった。(笑)

どういうシステムなのか、本当にうまい人がいるのか、ちゃんとコピーできるのか、まずはその調査の為にやってみたのにあっという間に調査費にしては大きすぎるお金が消えた。まぁ、そんな人が世界中にゴマンといるわけで、楽して儲けたい人を食おうとするビジネスモデルがどんどん出て、それが複雑化し、多様化し、凄いことになっているのが現状。

でも業者だけが儲けるシステムじゃないってのが面白いところで、このシステムを考え出した連中の中にはネットワークビジネスのプロ、仕掛け屋もかんでいるんじゃないかと思うくらいうまく出来ていて、何気なく始めた人にちょっと儲けさせて、その後、虜にするようなシステムになっているんですね。

これは私も実験してみました。自分がアフェリエイトになって自分を紹介した形を取ってみたんです。で、そのFX業者のスプレッドはユーロ・米ドルで2-2.5Pips。これって良くないけれど、決して酷いってほどでもなくて、まぁ、他人のコピーをさせてもらうのだから多少スプレッドが高くてもしょうがないか、ぐらいに客は思うわけです。で、実際にはこのスプレッドの40%という大きな部分が紹介者にバックされ、コピーさせる人には0.4PiPぐらいとか。

それじゃ業者の取り分がかなり小さいわけで、でも客に儲けさすことによってどんどん広がれば良いのかなんて思うわけですが、実はここに前にも書いたfx業界の摩訶不思議な錬金術が隠れているんだろうと思ってます。我々が売買している値は本当の値ではなくて、操作された値である可能性が高いこと。特にメタトレーダーを使う場合はこういうインチキがなされている可能性があるというのはあちこちで言われていて(これに関しては日記にも書きました)、そもそもこういう業者は取引所を通して為替の売買をしているわけじゃなくて、業者と客との相対取引なんですね。だから値がちょっと動いているときにはスプレッドを大きくしたり、上げているときには上の方にスプレッドをずらしたり、成り行き注文の約定をちょっと遅くしたわざとスリッページを大きくしたり、そんなことも自由自在。極論を言えばマーケットメーカーと同じで自分で値を決めても良い訳です。CFDがそうでしょ?本来の投資対象の取引所が開いていないのにどうしてCFDで取引が出来るんです?bid&askは買い手売り手がそれぞれ出した値でしょうよと思うのは勝手ですが、私はそうではなくて業者が出している値でしかないと言って良いと思っています。

ま、こういう業界だから、スワップみたいに業者が多く出したり少なくしたり、本来の金利差とは別に業者が好きなように増減出来るわけで、そしてそれをまた集客の餌にしたり。

まぁ、こういうカモを食い荒らすシステムが出きていて、そしてそれに客も参加できるようになっていて、その客がまた違う客を呼び込み儲けることが出来て、皆で利益を吸い上げるという全員参加型のババ抜きみたいな、ネットワークビジネスの変形みたいなものが存在するんですね。

そんなこんなで危険がいっぱいなわけで、君子危うきに近寄らずを決め込むのも良いですが、それじゃ面白くないわけで、彼らの手の内を調べ上げて逆に利用してやろうと思うのが「平民の逆襲」をしたい私の考え方です。(笑)

楽して儲けたいと願うのは万民の願いだとは思うのですが、楽して儲かることは絶対に無いとまず確信することが全ての始まりではないかと思っています。どこかにうまい話があるんじゃないか、誰か儲けている人の真似をすれば自分もどうにかなるんじゃないか、そういう気持ちがあるから付けこまれるわけですよね。私の勝ちパターンを皆さんに公開しますからやってみてくださいなんていうのが一番危ないかもしれません。このソフトを使えとか(私はそれを言いますねぇ)、この業者が良いですよとか(これも言いますねぇ 笑)、そこに何か隠されていないかしっかり調べないと駄目ですよね。バナーなんか張ってあったら裏に何かあると思ったほうが良いかもしれない。

バナーの調べ方を皆さんご存知ですか?

普通のバナーはそのURLに飛ぶだけでしょ?業者なら業者のページに飛ぶだけ。でもそのURLに紹介者の番号が隠されていることが多くあります。URLにしては変な番号がくっついてるなと思うのがそれ。あるいはそれがなくてもブラウザのクッキーを利用するケースもあります。つまり、紹介者が誰かってのが業者サイドでわかるようになっている。もしバナーにそれを見つけたら、この人は私から利益を出そうとしているんだな、というのがわかりますよね。

だからなんだって言うんじゃないんですよ。今はそういう時代で、相手が友達だろうと親兄弟だろうと利益が出るのなら出そうという時代。でも少なくともその人はそうしようとしていることだけは知っておいても良いと思うんです。

そもそも情報が無料だと思うほうがおかしいわけで、情報提供をしているサイトでこれほど情報を集め整理し提供するのって大変だなぁって思うことは良くあって、だからこのサイトを維持するためにドネーションをして欲しいとか、商品を買うならこの業者が安くて信頼できるからここをクリックしてこの業者から買ってくれるとあり難いとか書いてあるサイトもかなり多い(海外には多い)ので、こちらもそれに協力しようと思うことはいくらでもある。でも明らかにそれで利益を出そうとしているのが見えた場合、こちら側の人なのか業者側の人だかわかりませんよね。商品の口コミブログなんてそれの典型ですが、FXの世界でもそれと全く同じだと私は考えています。

楽をしたい。これを願うのは普通のことですが、やっぱり自分で一から勉強するしかないのだろうと思います。で、勉強しようと思ってネットの中を調べまくるってのが一番最悪で、それこそ「楽をして勉強する」ことを選んでるだけですよね。私もそうすることが多いのですが、ネットの中はガセネタが氾濫していますし、ありとあらゆるレベルの情報があって、決して間違えてはいないけれどちょっとはずれてるなんてのが普通。そしてそれらは散乱していて系統立てて学ぶことは不可能。幼稚園の絵本と高校の教科書、大学院博士課程の論文をそれぞれごちゃまぜにしてちょっとづつ見ているのと同じだと思うんです。投資や相場も同じで、ネットの中で勉強なんかできないと思ってます。やっぱり基礎からしっかり学んでこそ、ネットの中に散乱する情報を収拾選択できるのだろうと思います。これは私自身、自分の知識が断片化してしまっているのに気が付いていて、これはネット社会の依存度が高くなった証拠であり、便利ではあるけれどネット社会の弊害だろうと思っています。

ま、楽はしたいけれど楽はできない、でも楽を追い求めて忙しくする、みたいな感じでみんな生きているのでしょうね。(笑)

とにかくイージーマネーなんか存在し無いし、イージーマネーを追いかけるから誰かのカモになるわけだし、ネットの中を見ていても小さな小鳥に狐が忍び寄ってガブリと噛み付く様があちこちで見れるし、そういうカモを捕まえる仕掛けだらけだし、楽をしてイージーマネーを追うのを止めない限りその世界から離れることはできないのだろうなと思います。

今日もネットを見ていてそんなことを感じました。

このブログの読者も一体何を考えて見に来ているのだろうと思うことがあります。楽して情報を得る?イージーマネーを得るチャンスがあるかもしれない?単なる暇つぶし?変人が何を書くか興味がある?私は私で皆さんの心の中をのぞいてみたいと思うことがあります。(笑)

でもま、それはそれで置いといて、私にはちょっとやってみたい計画がありまして、将来が楽しみです。どうにか常識をぶち壊したいです。

「平民の逆襲」

この言葉、かなり気に入っています。(笑)

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