JALへの想い

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飛行機会社には好き嫌いがあるのが普通ですが、私はJALが大好きです。でもどうしてこれほどまでJALが好きなのか自分で意識したことはありませんでした。

でもコメントでJALのことを書いているうちにフト気がついたことがあります。

まずですね、私はANAが嫌いです。別にどうでも良いという感じじゃなくて、はっきりした「嫌い」という感情を持っています。これもどうしてそうなのかはっきりした理由がありません。理由も何もそもそも大嫌いですから乗ったこともないし、乗ろうと思ったこともありません。

どうしてそこまで毛嫌いするんだろうと考えたときに、思い当たることがありました。それはあのANAの色。ブルーですが、どうにもあの色に絶えられない嫌悪感を感じてしまうことがわかりました。

色なんてどうでもいいじゃないかと思いますが、私は真っ赤な口紅が大好きで、どんな○○でも真っ赤な口紅だけで気持ちがフラフラしてしまいます。(笑)

あのANAのブルーに感じるのは、軽薄、安物、中身のなさ、ドン臭い、そんな感じでしょうか。ブルーそのものが嫌いなんじゃなくて、ちょうどあのANAの色合いが駄目なんです。特に薄いほうのブルー。私が所有する物品であの色のものは皆無です。またあの色を使うことも絶対にありません。でもほんのちょっとグリーンが混ざっている薄いブルーはかなり好きだったりします。

まぁ、たかが飛行機や会社のカラーで良いの悪いの言われたらANAも可愛そうだと思いますし、またそんな理由ですからANAかJALかという論争に私は入ることもないのですが、こういう色とかイメージってかなり重要だと思っています。

その大嫌いな色のANAに比べてJALは大好きな真っ赤を使っています。そしてそのデザインはこれまた大好きな日の丸を連想させるデザイン。飛行場で飛行機が並んでいるのを見ても、やっぱりJALって良いなぁって思います。

そしてそれプラス、今まで生きてきた中でJALには思い出があったということ。

グアムにいたころですが、自分の生き方に本当に悩んでいました。そのままグアムにとどまることも可能でしたが日本に帰るべきかどうするべきか、日本が恋しい、そんな思いがあるときに良く行ったのがグアムの飛行場です。何をするわけでもなく、飛行機を眺めるだけです。

当時は大きなジャンボを飛ばしていたのはパンナムとJALだけだったような気がします。インターコンチネンタルは中型機だったかな。で、そのJALを見ると日本が心の中で広がってくるわけです。そしてJALを見ていると飛行機が話しかけてくるんですよ。いつでも帰っておいでって。帰りたければいつでも私に乗って帰ればよいって。

JALは私にとって日本、故郷そのものだったんですね。

こういう感覚って珍しくないようで、私のブラジルにいた叔父も全く同じだったと聞いたことがあります。あの日の丸を見ては涙していたと叔父は言っていました。それと街中にある味の素の広告。これを見るたびに帰りたいと思ったそうです。

こうやって書いているとあの感覚を思い出します。空を見上げると大きなジャンボジェットが飛んでいて、真っ赤な日の丸が見えるわけです。その飛行機が私にとっては日本そのものだし、また母の様にも感じました。あれに乗っていけば日本に帰れるんだ・・・・・、どうしよう・・・・、そんなことを考えていた日々を思い出します。

ま、そういうことがありましたので、JALってのは私にとってただの飛行機会社とわけが違うって事。年老いた母のような感覚もあって、JALが駄目だといわれればいわれるほど、どうにかしてJALを助けたいという気持ちが沸いてきます。

JALの株が急激に下落して100円台のあるとき、変な感覚になりました。買わねばならないという感覚。これって今でも良くわからないのですが、JALが無くなるかも知れないと思えば思うほど買わなければと思ったのを思い出します。もし潰れたら当然大損することになりますが、瀕死の母を今まで見て見ぬ振りをしていたような罪悪感、そんなものもあって、今だからこそJALとつながりを持たねばならないという感覚がありました。それまでは一度もJAL株は持ったことは無し。

また、JALは潰さない、潰してはいけないという感覚も当然強く持っていまして、政府も絶対に救うはずだという信念に近いものがありました。だからこそ見ているだけではいられなかったです。こういう感覚って変かなぁ。

でもある日、銀行の担当から電話が入りました。上場廃止が決まってこのままだとうまくないから売りましょうという連絡。この電話は本当に助かりました。では、売ってください、任せますと返事をしましたが、次の日は大暴落。全株売ることはできず、でも7割ぐらいを30円台で売り抜けました。残りは10円台。まぁ、大損なんてもんじゃありませんでしたが、でも不思議なもので、JALの最期を看取ったみたいな変な満足感があったのを覚えています。

新生JALはうまくいっているようで黒字も出て再上場するらしいですが、今のJALは前のJALの子供、親戚みたいなもので、以前のJALに対する思い入れはかなり薄れてきました。私とJALとの関係ってあの上場廃止で終わったような気がします。

で、黒字が出ているとのことですが、私としてはJALのオセアニア戦略しかわからないものの、私の目に映るJALが本当に黒字が出せるような良い会社になったようには見えないのです。簡単に言えば、不採算路線を大胆に切り、リストラし、赤字をどうにか減らしたということでしかなく、戦略的に強い会社になったとは思えません。また、政府も含めてしがらみのある会社ですから、どうにか再生させないとならないという面子を持った人たちの塊りのように思えます。だから何が何でも、たとえツジツマ合わせでも黒字化、再生に成功という形を作らなければならない。そんな感じがしますので、黒字だなんて言っても良かったね、なんて言えません。

今のオセアニア戦略を見ても、馬鹿じゃないかと思うことがあります。それは前にも書きましたが、たとえばブリスベン=日本にしてもカンタスを使ってシドニーまで飛ばし、シドニー=成田線を使うという路線。この料金がゴールドコースト=成田を飛ばすJetstarと同じか、下手をすればあれじゃこれじゃと料金がプラスされるJetstarより安い料金のときがあります。

これって誰が考えても異常で、まずブリスベンからシドニーに飛ばす便が本来ならプラスされなければならないのに、直行便のJetstarより安いってどういことよ?国内線が自社便ならまだしもカンタスを使うって事はかなりコスト高になるはず。普通で買ってもカンタスの国内線は非常に高いですから。

そんなことを考えているときに、ではこの便の燃費サーチャージやその他もろもろはいくらなのか調べて見たことがあります。それが大体6万円ぐらい。つまりですね。シドニー=成田便のJALの取り分は4万円程度の計算なんですね。こんなのありですか?往復ですよ。

まぁ、燃費サーチャージやTAXと言ってもあれっていろいろあるようで、決して外部に支払う金じゃないみたいですね。だから詳しいことは素人が想像しても何もわからないわけですが、LCCに対抗するためにそういう馬鹿なことをやっているのがJAL。まぁ、こんなのは氷山の一角で、そういうめちゃくちゃなことをやりつつ、どうにか体裁を保っているのがJALのような気がしてならないのです。

そういう意味でたいしたもんだと思うのがカンタスです。カンタスはJALと同じワンワールドで共同運航便を出す仲間同士。かつてはブリスベン便もそれぞれ飛ばしていた時期があった記憶があるのですが、でもカンタスとJALと手を組んで一緒に儲けていた蜜月時代は長くあったように思います。(今でも共同運航便を飛ばしている)

でも世界にLCC旋風が巻き起こり、オセアニアにもそれが来るのは誰にでもわかったこと。そんなときに動いたのがカンタスだったんですね。どこかのLCCにぐちゃぐちゃにされるくらいなら自分でLCCを作ろうとJetstarを作ってしまった。この動きは早かったです。

で、そのJetstarはどんどん大きくなりオセアニアの市場を食っていった。カンタスにしてみれば子会社ですから、カンタスは儲ける時は儲けて他社との競争にはJetstarをぶつけるみたいな戦略をとっているのが見えたような気がします。で、その餌食になったのがJAL。オセアニア=日本の路線にJetstarがしっかり食い込んできたわけです。で、カンタスはカンタスでJALとの共同運航便を持ったままでした。ここが面白いと思う点でもあります。カンタス陣営は片手で握手しながら、しっかりJALを食っていた。

そんな時期でもボーーっとしていたのがJALなんですね。ジャンボジェットをガラガラのまま飛ばすのは止めて中型機にしましたが、それも駄目。結局どうにもならずにブリスベン=成田路線から撤退。この辺の動きが凄くノロく感じました。後手後手に回ってやられ放題。で、結局今はシドニー経由という形でブリスベン=成田という線があるのだけれど、直行便のLCCであるJetstarと料金を合わせていますのでどうみてもこれはかなりヒドイ採算割れにしか見えない。

これってJALの一部分でしかありませんが、これがJALなんだろうと私には思えるわけです。だから黒字化したと聞いても、数字だけどうにか合わせたのだろうぐらいにしか思えないし、将来的な楽しみがあるかというとそれは無い。それどころかツジツマ合わせ、極端なリストラの悪影響が今後出てくる可能性もあるんじゃないかと思うくらい。

しっかり食われてしまったJetstarとジョイントベンチャーで新たな会社を立ち上げたりしていますが、どうなんでしょうね。育ちの良いボンボンが敵であったしたたかな連中と手を組んで何ができるのか。私はカンタス連合のほうがはるかに商売がうまそうに思えます。

JALだからこそ、日本のフラッグシップだからこそ、自らLCCを立ち上げるなんて発想が必要だと思っていましたが、結局は敵と手を繋いだ。

私には細かいことはわかりませんが、彼らの発想がそもそも貧弱に見えるし、そしてそれが国策会社でもあったJALの体質だと思うし、新生JALもそれをしっかり受け継いでいるあろうと考えるのが妥当のような気がしています。

そういえば随分前ですが、今後のJALの方向性として高級ツアーに力を入れるなんてテレビで見たことがあります。全社一丸となってなんて言葉を使っていて、その時も馬鹿じゃないかと思いました。そんな高級ツアーなんてJAL自体が考えることじゃなくて、JALパックだかツアーを売る別組織があるじゃないですか、そういう一部門が言うのならわかりますが、JALが全社一丸となってって自信満々に言う姿を見て、こりゃJALは駄目だと思いました。

ま、どちらにしてもJALの再生って簡単にはいかないと思ってます。カルロスゴーンみたいなのがいれば面白いのですが、あのJALのボンボン体質が外からも見え隠れするようではああいう強攻策を取れる人が育たないだろうし、また排除する動きが強いように感じています。

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