またカメラの話ですいません。書くネタがないのだ~~~。
今、ドイツのケルンでフォトキナという大きなカメラ業界のイベントが開かれています。二年に一回ね。
やっぱり各社これに合わせて新製品を出してきますので、カメラ好きにはワクワクドキドキです。
今回、各社いろいろ出してきたわけですが、その中で気になる製品、また話題の製品を紹介したいと思います。
私として一番インパクトがあったのは前の日記にも書いたソニーのRX-1という、大きなフルフレームセンサーを積んだ小さな小さなコンパクトカメラです。フルフレームセンサーカメラって主にプロが使うことが多く、あるいはハイアマチュアの世界の話で、ごく一般に広まっている一眼レフのセンサー(APS-S)より面積で言うと約2.3倍ぐらい。
大きいとどう違うのかって話ですが、私に取ってはボケが大きいという特徴が一番大事。その他、高感度特性が良いとか、センサーそのものが大きいことによって、1800万ピクセルだとしてもピクセル単位が大きいことによる恩恵がいろいろある。ダイナミックレンジが広いとか。ただそういう機種は大きい、重い、高いの三重苦。またレンズも当然大きくなる。
センサーの大きさの違い。
この大きなセンサーを積んだ小型のカメラの登場を多くの人が待ち望んでいたと思うのですが、どこかのメーカーがレンズ交換可能なミラーレスカメラとして出すだろうと想像していたわけです。ところがなんとコンデジというコンパクトサイズでソニーが出してきた。これはかなり衝撃的だと思います。大きさとしては私が好んで使っているFujiX10とさほど変わりません。レンズは大きいですが。
ただねぇ、値段が・・・・・。まだ発売されていませんが日本では25万ぐらいだろうといわれています。でもアメリカでは2700ドルくらいで予約がスタートしていますので、日本でも落ち着いてくれば10万円台になる可能性は高い。
でもそれでも高いですよね。でもカールツァイスのレンズであること、またフルフレームであることを考えると、まぁ、高いにしてもそれほどびっくりするほどでもないといえるのかもしれません。
その他、私が嬉しく思った新しい製品ですが、オリンパスのE-PL5があります。これはマイクロフォーサーズのミラーレスとしては大ヒットしたペンタイプの流れを汲んだ製品で、前に発売され大ヒット中のOM-D E-M5という一眼レフらしい形(でも小型軽量)と同じセンサーを積んでいる製品。このセンサーはソニー製ですが、今までのマイクロフォーサーズカメラとは次元が違うと言われている性能で、これを積んだ普及タイプのカメラが出たのは非常に嬉しいことだと思います。これは買うことになりそう。
E-PL5
またコンデジとしてはちょっと面白そうなのが出てきました。私がFujiX10というコンデジを気に入っているのは何度もここに書いていますが、一般的なコンデジよりセンサーも大きく、したがってボケも多少は期待できるし、非常に写りの良いカメラです。ところがコンデジと言いながら、やっぱりちょっと大きいんですね。ポケットには入らない。
そこで出てきたのがこれ。XF1という機種。
レンズが沈胴式なので薄くなる。これのセンサーはX10と同じでコンデジとしてはかなり良い部類。性能としてはX10とほぼ同じですが、レンズが小さいためにボケ味はX10には負けてしまう。でもポケットに入る大きさのアドバンテージはかなり高いと思います。カラーバリエーションもあって、デザイン的にはシンプルで良いと思います。
でもソニーの薄型1インチコンデジのRX-100とどちらがいいかとなれば、私はソニーを選びます。
その他ですが、やった~~と思ったのがパナソニックのGH3という製品。これはマイクロフォーサーズカメラですが、動画性能はかなり高く、タイムラプスやHDR好きには嬉しい機能が満載。
見た目は大きく見えますが、一般的なAPS-Cの一眼レフに比べると二周りは小さく、軽いです。私はこれの初代のカメラGH1を使っていますが、できることなら買い替えたい。
この時期の新製品の発表で一番のインパクトは各社がフルフレームセンサーを積んだ普及型の、そして今までよりは小型軽量の一眼レフを出してきたことかもしれません。ニコンのD600、キャノンのEos 6D、そしてソニーのα99と一応出揃いました。
でもねぇ、私としては小型軽量と言ってもまだまだ駄目で、やっぱりミラーレスで出して欲しい。そういう意味では期待を裏切られました。でも一番最初に紹介したソニーのRX-1というフルフレームセンサー搭載のコンデジが出ましたので、心はそちらに傾いています。
あとカメラ好きにとってのニュースとしては、あのライカが新製品を出したこと。ライカのM9というカメラはいつか自分のものにしたいという夢を持つ人は多いと思いますが、非常に高い(70-80万円)、そしてレンジファインダーカメラといういわゆる昔のタイプのカメラであってオートフォーカスではない。この辺は意見の分かれるところで、これを好きな人は好きなわけですが、そこにこだわりを持っておらず単に写りの良さだけが気になる私みたいなタイプは、オートフォーカスだったらもっと良いじゃないかと思うわけです。
またレンズも高価。しかしライカは素晴らしい写りをすると思っています。
で、そのライカが新製品を出した。まず、今までのM9を置き換える新型で、M-Eというのが出ました。これの価格はM9の6掛けくらいでしょうか。かなり安い。とは言っても50万円前後でしょう。もちろん本体だけの値段で、レンズは別。
ライカ M-E
それとこれがM9の後継機と言っていいのだろうと思いますが、Mというのが出ました。今まではM8とかM9とか番号がついていたのですが、今後はそれを止めるらしく、単なるMとして出てきました。アップルみたいなネーミングですね。新しいのが出たら新型Mという呼び名になるのでしょうか。(笑)
これは今までのライカの流れを大きく変えるカメラだと思います。まず、今まで使っていたコダックのCCDセンサーではなくて、他の多くのカメラと同じようにCMOSセンサーを載せてきた。これによる恩恵はあるにしても、私としてはCCDとCMOSには性格的に大きな違いがあると思っていまして、果たして今までのライカの写りをちゃんと継承できるのか気になります。
ライカ M
ここで改めて一つ上のM-Eの写真を見てください。装着しているレンズは35ミリのズミクロンというレンズ。35mmf2.0です。この35mmf2.0ってソニーのRX-1のレンズと同じ画角、明るさ。
結局、私がもしライカを手に入れたとしてもまず欲しいレンズはこの辺りなわけです。ポイントシュートには最適だと思うから。
で、ソニーのRX-1はCMOSセンサーの2400万画素で、それってライカの新型Mと似てる。さぁて、ライカの新型Mに35ミリのズミクロンを装着した場合とソニーのRX-1とどういう違いがあるのか。これが私としては楽しみですし、世界中のオタクがまずその比較を始めるだろうと思っています。
価格的には4倍近い差があるわけですが、写りはどうでしょうか。私はもしかするとソニーに軍配が上がる可能性すらあると思っています。それはレンズ固定式だから。
レンズ交換式がいいのか、固定式がいいのかって難しいところがあると思います。そりゃ多くの一眼レフ、ミラーレスがそうであるように交換式ならいろいろ付け替えられるわけですから様々なシチュエーションに対応できる。
ところがですね。それぞれの写りに拘った場合、一般的に言われる写りの良さの順位はズーム<単焦点<単焦点固定式なんですね。固定式の場合はレンズとセンサーの最適化ができるってことなのでしょう。早く写真のサンプルを見てみたいもんです。
ただこういう高額な製品を見ていて思うことは、写りの良さもさることながら、趣味性とか芸術性とか持って嬉しいという部分が大きいということ。以前ならカメラと言えば機械式ですからきっちり整備していれば10年、20年は楽に使えるわけですよね。ところが今のカメラってデジタル製品ですから、どんどん良いものが出るし、また古くなった場合、電気的にある部品がおかしくなればもう修理も出来ないということになりかねない。
つまり製品の寿命が機械式の時代とは比べ物にならないくらい短くなったわけで、はたしてそういう製品に何十万ものお金をつぎ込むってどういうことなのか、それを考えさせられる時代になったように思います。デジタル製品ってPCがまさにそうですが、消耗品であり、数年で取り替えるのが普通。その時には値段はゼロ同然であって価値は無い。
カメラもそうなる可能性がありますよね。
そういう意味で、レンズ交換式の方が有利であると思います。カメラ本体は消耗品で数年に一度取り替えることになっても、レンズって10年20年、全く問題なく使えるのが普通ですから。うーーむ、そうでもないかなぁ。レンズだって電子部品を使っているのが最近は普通ですから。
ま、今はなんだかんだ言っても過渡期なのかもしてませんね。その内、10万円も出せば今のライカ+35ミリズミルックス程度の写りはどんなカメラでも当たり前の時代がくるかもしれない。なおかつもっと小型軽量のレンズ交換式で・・・なんてね。
その頃に自分はこの世にいないであろうことが残念ですわ。(笑)
あ、そうそう、もう一つ面白い新製品を見つけました。
ハッセルブラッドというカメラメーカーをご存知でしょうか。スウェーデンのカメラメーカーですが170年ぐらいの歴史があります。また中版の6X6の一眼レフを世界で始めて売り出した。
このメーカーって私にしてみると、車で言えばロールスロイスみたいな感じで、ちょっとやそっとじゃ手が出ない。ベンツやBMWとは格が違うみたいな。だから一度は持ってみたいカメラだなんてことも考えませんでした。
そのハッセルブラッドがなんとソニーのEマウント対応のカメラを発表したんです。
グリップは木で出来ている様子。ところがこれってソニーのNEX-7そのもので、外装を変えただけにしか見えません。性能はもちろんNEX-7そのもの。レンズは発表されておらず、他社におんぶに抱っこ。
そっくりでしょ?外装を変えたにしても、基本的なパーツの位置はほとんど同じで、これって着替えただけみたいな感じですよねぇ。
で、価格はソニーNEX-7の4倍ぐらい。
これが売れるのかどうか。まぁ、世の中にはオタクなる人種が一杯いますからそれなりに売れるのかもしれませんが、私がこれを見て思ったのは世界の頂点に立っていたことさえある企業がこういうことをしないとならない時代になったのかってこと。
これってライカも同じで、ライカには様々な機種がありますが、実は中身はパナソニックなんてのもあるわけですね。
まぁ、カメラってチューニングを変えるだけで出てくる写真はかなり変わるのでしょうから、ハッセルでもライカでも、わが社が責任を持ってお奨めできる(他社の)カメラですみたいな感じで、なんだかなぁ、って思いませんか?
まぁ、OEMってのはそんなもんだと言えばそうなのでしょうが、自社で競争力のある製品の開発、製品化が出来ないって悲しいことだと思いました。
日本もいい時代があったんだよ、なんていうことになるんだろうか・・・・・・。