昨今の為替と金利

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円安に振れてからそれなりの月日が経ちますが皆さんどんな風に受け止めているのでしょうか。また為替による生活への影響、将来の計画に変更などはありますか?

私はというとただボンヤリたまにチャートを見るだけ。値動きによる喜怒哀楽は無し。(笑)

なーんて気楽なことを言っていられるのは円安は私に取っては\(^_^)/であるからでしかなく、逆に動いていたら真っ青です。と言っても円は一切持っていませんから実質的な影響はまるでないのですが、将来的には日本に帰りたいと思っていますので円安は歓迎です。ただねぇ、問題は日本のインフレ。それがどうなりますか。2%目標達成するときがあればその分、金利から差し引いて考えなくてはならないので、やっぱり大事なのは実質金利。これの動向が気になります。

と言っても円建ての金利収入もないので関係ないといえば関係ないのですが、一応世界の主要通貨ですから無視はできず。

円建ての収入を得ている方々はこのブログの読者に多いわけですが、円高で困っているほどではないけれど愚痴はあちこちから聞こえてきます。

推移はこんな感じ。

MYR/JPY

円の最高値から見ると現在値は25%以上下落しているわけですから、生活に実質的な影響が出ているとしてもおかしくないし、大きな買い物をする場合は頭の痛いところだと思います。とは言うものの最高値を頭に入れて考えるのは無意味で、長い歴史で考えると基に戻りつつあるだけと言って良い場所。それどころかまだ円高が急激に始まった過去の値にもまだ届いていないと見る見方も出来る場所。

対米ドルでは?

米ドルに関してはリーマンショック後に今まで以上に大量にお札を刷り続ける国になりましたから常にドル安の圧力が掛かっていると思っていますし、それがアメリカが狙っている世界戦略だとも思うし、リンギットの為替はバスケット制ですので世界の主要通貨の動きが鈍化された形で現れるはず。また私の見方ではやっぱり米ドルの比重が高く、米ドルとの協調を狙っているように感じます。かつマレーシアの主要貿易相手国として中国が首位(?)になってきていますし、我々にはちょっと縁がない中国元の比重も多いかもしれませんね。で中国元は米ドルと動きを合わせていますから、結果的にリンギットは米ドルとの関連が一番強い通貨といえるのかもしれません。

自分が持っている通貨が一番気になるわけですが、為替を見るときには、私はやっぱり米ドルが世界の中心だと思っていて、対米ドルを中心に見ることによって、自分の気になる通貨が世界的に今どういうポジションにつけているのかがわかるような気がします。

ということでリンギットにはなんら問題は見れず。ただ単に昨今の円安が大きく影響している。しかしリンギットのバスケット制には日本円も組み込まれているはずですので、円の独歩安がそのままリンギットの動きに出ずに緩和された状態が今なのかもしれず。

まぁ、どちらにしましても私は豪ドルと心中すると決めていますので、基本的に為替の動きはさほど気にならないと言っても良いかもです。日本円を中心に生きている方は、今リンギットに両替したらいくらだから損した得したとか考えずに、頭の中では円中心に考えて生きるのが結果的に心の平穏が得られるんじゃないでしょうか。実際にマレーシアで使うのはリンギットですから円安は気になるはずですが、「自分の資産、あるいは収入主体である通貨で考え、支出に増減は無い状態を維持するのが海外で生きるコツ」だと私は思うのです。

つまり円安になればリンギットでの支出を減らすという考え方です。これをやらずに、必要な金は必要なのだとリンギット建てで生活を構築してしまうと、それこそある日ある時、資金、資産の目減りにびっくりするなんてことが起きるのだろうと思っています。自分の通貨である円で考えて生活に無理があると思う様になればそれは引き上げる時なのでしょう。

また逆に円高の時には収入が増えたと喜ぶのではなくて、その時にはしっかり溜め込まないとうまくないんでしょうね。

まぁ、4-5年なら現状維持でどうにかなると思いますが、もっと長いスパンで海外生活を考える場合にはまず基本通貨で考えることが重要、そして現地通貨での収入を得る手立てを考えなくてはならないのは当たり前の事だと思います。

結局突き詰めると「収入確保を常に考える」しかないという結論に達します。

マレーシアでジジババが仕事をするのはビザの制約もありますし、まぁ、昨今の一般的なロングステイを考えますと現地での就労は無理だと思います。ただオーストラリアでは国民と同じように就労の権利がある永住権保持者の場合、アルバイト的に仕事をして家計を助ける家はかなり多くありました。この手が使えないというのがロングステイ、あるいはマレーシアの最大の問題点かもしれませんね。だから長期で考えるのは難しいということになる。

それと常に問題になるのは為替動向以上に金利動向ではないでしょうか。ジジババは金利収入がある世代なわけですが、為替うんぬんの前に金利収入が大きく変動するのは非常にうまくありません。これも為替のように2割とか3割の変動ならまだしも、半分以下になったなんてことが普通に起きますから非常に困る。

これもロングステイという短期滞在(変な言い方だなぁ)の考え方ですと、目先の金利で計画を練ってしまいますから長期滞在の場合には破綻する傾向があるのは仕方の無いことだと思います。

何度か書いていますが、オーストラリアの場合、私が渡ってくる20数年前にはなんと年率16%の定期があったそうです。私が来た当時は1991年には12%というのがありました。長期金利でも10%です。凄いですよね。これだけあればどうにかなっちゃうなんて思っても不思議ではないし、あの時代にオーストラリアへ渡る人が多かったのは背景に金利高があったからではないでしょうか。

しかしそんな状態も長く続くことはなく、金利はどんどん低下し、なおかつ為替も40%安になるような時代に動いていったわけです。あれはいつ頃でしたでしょうか。金利は下がる、為替も安く、もう自分は日本に帰れないと思ったころがありました。

これってリーマンショックの話じゃないです。もっともっと前の話。その後またオーストラリアドルの金利は上がり、為替も上がってきました。この期間が結構長かったんですね。おりしも世界的にFXが広がり、FXのスワップ狙いで豪ドルを買おうなんて話が広がった時代。実際にあの頃、豪ドルの値上がり+スワップで一財産作った人が多く現れて注目されましたね。

で、リーマンショック。この時の豪ドルの値下がりは凄いなんてもんじゃありませんでした。どんなジェットコースターもこれほどの恐怖はないだろうという状態で何ヶ月か過ごしたのが忘れられません。当然、この時ももう日本には帰れないだろうな、なんて思いました。

ところが安倍さんの再登場で円安。豪ドルはまた100円を目指して上昇中。

結局こんな感じで長い間には、恐怖のどん底と天国を何度も何度も行ったり来たりするように世の中が動くのは当たり前だと思うしかないんですね。それが何度と無く起きる。これは家計を直接攻撃されているのと全く同じで、これにいかに耐えるか、それも何度も何度も同じようなことが起きるわけでそれに常に対処できるのか、ここが長期での海外生活の成功失敗の分かれ道になるのだろうと思います。

余裕があるかないか、ここが大きなポイントでもありますが、資産が多くあったとしても私は駄目だと思うんですよ。これは何度と無くこのブログでも書いてますが、普通の投資に回して金利を稼いでも長い間にはインフレにやられる。また収入には税金も掛かる。そして金利が安い時代もあるわけですから、かなりの額があっても自分の生活インフレもプラスするとあれだけの資産があったのに・・・なんてことが10年ー20年では普通に起こるんですね。金利は一切使わないとしてもその資産価値を維持するのは簡単ではないかもしれないのに、金利を喜んで使っていたら長い間には予期せぬ支出も加わって気が付いたら当初の資産(価値)が半分以下になっていたなんてことも起こるのでしょう。

結局、ここでもわかることは、要はどんな時代にでも稼ぐ能力、これを狙うしかないって事なんですね。でも難しい?当然です。でもそれが出来ないのであれば、いつか表舞台からひっそり姿を消すという、まぁ、世の中の常ですが、ロングステイとて同じで意思に反して帰国、日本に帰ってからは以前の生活水準も確保できないなんてことが起きるのでしょう。

今のオーストラリアドルはまぁまぁ好調に上がってはいますが、金利は記録的な低水準。これは本当に困ります。金利が低いからじゃぁインフレ率も低いかというとそうでもなく、毎日お金は出て行くわけですから、こんな時期が長く続くと種籾さえも食べなくてはならない状態にすぐになってしまいます。で、種籾に手を付けたら家計の崩壊まで一直線。ジジババの年齢になると死ぬまでに自分の資産をうまい具合に使い切る試算をする人が多いようですが、私はこれはかなり危険な賭けだと思っています。

また、自分が作った資産だから自分が全て食いつぶしても良いという考え方を私は持っていません。この辺は良い悪いではなくて生き方の問題ですから何ともいえませんが、私はこれからの今まで以上に不透明な時代、なんらかの物を子孫に残すことは大事だと思うのです。それは教育であり、帝王学でもあり、また食うための技術、ノウハウ、そして種籾、種銭。

じゃぁ、どうやって収入を確保するのか?って話ですが、今更再就職、あるいは事業を興すなんてのもしたくない。となればやっぱり相場しかないのだろうと思うのです。これは決して簡単ではありませんが世の中で言われているほど難しいとも思わないのです。80%以上の人が損をする世界だなんて言われますが、私に言わせればそれは当たり前で、相場参加者の90%はなんの勉強もせずに、それこそ競馬でもやるような感覚で気軽に参入するからだと思っています。FXもそうで、相場なんかまるでわからない人が証券会社が提供する道具や資料だけでどうにか勝てるんじゃないかと思って参入する。

それでもし勝てるなら、全世界の人が相場をやりますよね。

世の中のどんな仕事でも、思いつくまま初めてそれで失敗する確率は相場と同じか、私はもっと多いと思うくらいです。相場で覚えなければならないことは、普通どんな仕事でも覚えなくてはならないこと、それは経験も含めてですが、それは普通の仕事より少ないかもしれない。楽かもしれない。そんな風に思います。

まぁ、何でも得て不得手、向き不向きがありますから何とも言えませんが、まぁ、どんな世界でも不退転の気持ちで向き合えばブレークスルーは必ずあると思っています。

ちなみに豪ドルですが、順調に上がってきたものの、この1-2週間、動きが止まっています。一服ということならいいのですが、これからどうなりますか。世界的に資源や鉱物の価格が下がると豪ドルは下がるのですが、また上にも書きましたように記録的な低金利状態ですので、買いあがる大きな理由はないのかもしれませんね。米ドルに比べても今年に入ってから力がないのが気になります。

AUD/JPY 日足です。調整段階か?

USD/JPY 米ドルの方が強い。

ちなみに豪ドルと米ドル。AUD/USD。長く続いていた対米ドルに対する強さもかなりかげりが見えてきています。

もうすでに外貨を持っている人はまぁ新たな行動に出る場所じゃないとは思うのですが、さてこれから外貨を持とうとする人はどうしたらいいんでしょうね。本当に難しいと思います。ましてや円からの両替だとすれば円安の今はどうも食指が動かず。またどの通貨に換えたところでこの世界的な金利安ですから投資効率は非常に悪い。

でもま、やっぱりマレーシアに住むのならばリンギットを持たないリスクを回避するためにもリンギット建ての投資を模索しなくてはなりませんね。ただ不動産への直接投資に関しては私は懐疑的ですし、REITの方が興味があります。

私はやっぱり皆さんに超短期売買をお勧めしたいと思います。結局、大きな資金を移動しても大きな利益を見込むのは難しく、またそれを狙うのは大きな賭けになると思います。では小さな額を動かしてああじゃこうじゃとやるのは頭の体操にはいいかもしれませんが、全体的にはプラス効果は少ない。

だからやっぱり相場に短期売買で参加するのが面白いと思います。当然、これに専念すればこれで資産形成は十分狙えますが、私が良いと思っているのは、金利が低い時代の補填、あるいは為替差損の補填、そういう狙いで気軽に参加する方法です。一回の売買での利益は少ないですが、1年を通すとかなりの額になりますし、大きな額のお金を一度動かすより小まめに何百回と小さな利を積み上げるほうが良いと思います。

リスクは投資金額と投資時間に大きく左右されますが、超短期売買の場合は一度の投資金額は小さく、投資時間も10分以内ですから、失敗してもリスクは無いに等しいです。あえて言うなら、利益が出せなければ止めれば損はほとんど無し。これは大きな額を動かすよりはるかに精神的にも楽。

何よりもいいのは、やりたいときにやればいいということ。やる気が起きなければ何日でもやらなくてOK。これに比べ長期投資は額が大きいですし、常にポジションを持っていることから、毎日毎日為替の動きで一喜一憂することになります。私としては長期投資ほど難しいものはないと思うくらいです。

ただ、超短期売買で小銭を積み上げてもそれの集合体はやっぱり長期投資に回すしかなく、私の頭の痛いのはここなんですが、超短期売買でプラスアルファが作れるという心理的安堵感は強大で、大きな額、長期投資の難しさを超短期売買でカバーすれば良いと思えばかなり楽に引退生活を送れると思っています。 (笑)

私はファンダメンタルズは無視してチャートだけで売買決定をしますが、チャートの見方そのものは1分足でも日足でも全く同じなんですね。でも超短期売買は勝てても1分足で見る中長期売買は難しい。

なぜか?

相場の難しさは人間の心理の影響が非常に大きいからだと思うのですが、長期で、しかも額が大きくなると欲と恐怖の狭間で苦労することになると思っています。でも超短期売買はゲーム感覚で気楽。ここが大事なポイントだと思っています。

相場は難しいという一つの括り方で括るのではなくて、簡単な手法、そして心理的プレッシャーの無い方法、それも自分に合った方法を探すアプローチをすれば必ず答えは見つかると思います。

難しいね、で最初から諦めたら何も始まりません。

また、もう歳だからと諦めるのもうまくない。

老後生活とは経済的にはサバイバル生活であると考えるのは止めたいです。

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