また北朝鮮の話。(笑)
あまり世間では注目されていないようですが、15日の金日成生誕日って半端じゃなく大事だと思うんですよ。かなりの外貨や金塊を使って大きな祭りを計画しているようで、だから戦争どころじゃないって話が出てくるんだけれど、まぁ、戦争をやりたくないのはどこも同じで、何のための挑発を繰り返しているのか考えれば、答えはいくつかに絞られるはずですよね。
○ 国内の掌握。権力維持。
○ 原爆保有国としての認知。
○ 海外からの援助の引き出し。
こんなところですかね。まさか統一とか米韓相手の全面戦争ではないのは動きを見ていてもわかる。
で、15日ですが、どうしたって神格化した祖父の墓前に良いことを報告しなくちゃならない。日本風に言えばの話ですが、墓前に膝まずいて、民族、国家の悲願だった原爆を持ち、それを使える形の弾道ミサイルを持ち、そして、宿敵はとうとう我々に譲歩してきた。なんてことを頭を垂れて報告すれば、民衆は拍手喝采。三代目は無能だとバカにする国民は間違いなく減る。
これって二代目もそうだし、三代目となれば、自分には立国する能力は無いにしても、後継者としてこれ以上の者はいないと告知徹底したいのは第一番の願望のはず。そしてのその場として神格化した祖父の生誕日となれば、これ以上のタイミングは無い。
だから北朝鮮が何かやるとしたら、これからの3日間じゃなかろうか。あるいはこの3日間の間に米韓の対北朝鮮妥協が行われるか。
あるいは何もなかったとして、つまり見合ったまま今の状態が続いたらどうか。
私はこれも北朝鮮にしてみれば成功の内じゃないかと思うんですよ。「やつらは手も足も出せない」と言っても間違いじゃないんですから。これは小国から見れば勝ちの内。ミサイルをどこかの海域に撃って、それを米韓日が落とさなければやっぱり北の勝ち。
韓国は対話を言い出すし、オバマ氏は初めて対話を・・なんて言いだすし、アメリカからはケリー国務長官が来て対応を協議するし、日にち的にはかなり煮詰まってきた。私はまさかの妥協が出てくる可能性もあると思うんですよ。中国にしても、もうコントロールできないみたいな感じですが、私はこんなのも大嘘だと思っていまして、話は付いているか、あるいは計画通りの動きか。どちらに転んでも中国の勢力下には間違いないんですから、余計なことをする必要もない。
怖いのは後者で、それはアメリカも同じで、我々には信じられない次世代の朝鮮半島の絵図がもう描かれている可能性もあるような気がするんです。つまり戦争で政権打倒か、統一。
中国としては韓国を手中に収められれば北朝鮮は必要ないし、今まさにそういう方向へ動いているわけですし、アメリカの東アジアでの影響力は弱くなることはあっても強くなることはありえない。アメリカとしては北朝鮮の核の脅威がなくなれば朝鮮半島がどういう形に落ち着いても良いのかもしれない。これは中国も同じ。朝鮮半島はもうすでに中国のものと断定しても良い時代なのかも。
もし今回、大きな問題も起きずに一件落着となってもこの問題は解決しないし、また必ず起こる。だから決着をつけられるならつけたい。そして北朝鮮問題って、突き詰めれば中国の庭の中の問題であって、注目すべきはやっぱり中国そのものじゃないかと私は思うんです。つまり、アメリカの本音は、北を叩くとするならばそれは中国の仕事だと言いたいんじゃないでしょうか。だからこそ、中国は蚊帳の外を決め込む。
防衛の要としてのアメリカ的考え方に、第一列島線、第二列島線がありますが、あれももしかしたら過去の遺物でしかないのかもしれない。そもそも、中国の封じ込め作戦そのものに大きな変更があるのかもしれないのは、アメリカの対中政策を見ればわかることで、我々日本人には信じられないようなことはもうすでに言われているわけですよね。アメリカにとって大事なのは米中関係だと。
中国が小さい頃の世界戦略が今も続くと思うほうがおかしいのであって、世界が米、中、EUと三極化するのであれば、そしてアメリカが覇権主義を捨てなければならない時期がせまっているのを自覚していれば、中国大陸の端っこにある朝鮮半島というお荷物を手放す可能性すらある。というか流れとしてはそうなるのが必然だと私は思うんです。
そして日本が最前線に立つことになる。
これから先はまだ未知の話で、その後どうなるかはアメリカ、中国、そして日本の行く末に掛かっていて、今、理想論を言ってもどうにもならないほどアメリカは弱体化しているし、中国は強いのだろうと私は思うんです。
最終的にはアメリカとしてはアラスカ-ハワイラインを国防ラインとし、中国とは対話を続けて共に生きるという道を選ぶんじゃなかろうか。冷戦時代にアメリカが学んだことは大きいと思うわけで、ソ連が崩壊したのを我々は喜ぶけれど、アメリカだって、時間の問題で、たまたまソ連の崩壊が早かっただけかもしれない。それと同じ轍をアメリカが踏むとはどうしても私には考えられないんです。
中国とは対話を通して均衡を図る。
その時、当然朝鮮半島は中国の勢力下であって、北朝鮮そのものがどういう形になっていてもアメリカにしてみれば大した問題では無い。(そのどうでも良い北朝鮮と戦争をして自国の兵隊を危険にさらすなんてことは今、やりたくない。でも挑発は無視できないというジレンマがある。)
さて、その時に日本はどうする?
こんなことを考えていると、かつての大東亜共栄圏が頭に浮かんでくるんですが、当時の西欧列強と対抗するというのが、「西欧」→「中国」に置き換わっただけの状態かも。
でももちろん日本は勢力図を大きくするなんてことは二度と考えないし、今の時点でも親中派、あるいは中国を怖れる人たちは多い中、今の韓国の様に、中国の勢力図に飲み込まれていくんだろうと思います。これは地政学的には多分そうなると考えるほうが自然なんじゃないでしょうか。
でも日本は歴史的に奇跡を何度も起こした国で、保守や右翼は間違いなく、核武装を言い出す時期が来る。
恐ろしいですねぇ。
もう戦争も侵略も嫌だと声を大にする人は、是非北朝鮮や中国へ行って、考え方を変えてくれと頼んできて欲しいなぁ。それとも中国の傘下に入って、命だけはご勘弁を・・・と手をすり合わせながら生きるのか。