日本で食べた物

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日本は天国だ~~~~~~

日本食に飢えている私としてはマレーシアに行っても天国なんだけれど、やっぱり日本は凄い。流石、和食の本場。(笑)

何を食べたかって名前を上げればどこにでもあるもの。でもモノが違うんですね~。

今回は高級店には一切行きませんでした。そもそも我々にはその必要はなくて、中レベルならひっくり返るほど美味しいと思いますから。

昔から私が日本に帰ると、必ず、絶対に行く店があります。それは成田の第二ターミナルにある「寿司田」というお寿司屋さん。到着したらすぐに出発フロアーに上がり、あの商店街の左奥にある店に行きます。この店は「写楽」だとかレベルによって店の名前が違うチェーン店で、私の昔からのお気に入りです。というか、この店ならどの程度のものがいくらぐらいであるのかわかっているんでどこの街にあっても安心して入れるから。

で、昔は赤坂にあった「写楽」という店に赤ん坊だった長男を連れて良く行っていましたし、他の街の「写楽」や「寿司田」に行っても板さんが移動して顔見知りだったりするので面白いんです。成田の店はもう20年以上通っていまして、私は「常連」。でも月に一回行くわけでもなく、年に一度か二度しか行かない常連。(笑)

でもこの店の板さん連中とはなぜかツーカーで、私の好みも覚えているし、注文をしなくても美味しいところを選んで出してくれます。またメニューには乗らない、あるいは捨ててしまう美味しい部位があるじゃないですか。それはハマチの腹の骨を削いだ肉であったり、そんなのを炙って出してくれたり。私は穴子が大好物なんですが、穴キューをツマミで食べる場合、シャリを超薄くして巻いてもらうのが好きなんです。で、この店の板さんも年に一度かそこらしか来ない私のそれを覚えてくれていて、穴キューというとちゃんと私好みに作ってくれるような店。

この店の店長とは何年の付き合いでしょうか。昔は彼も私も30代でしたが、今じゃお互いにジジー。彼は一度店を退職して2年半のブランクがありましたが、今回彼が返り咲いているので本当に嬉しかったです。でも聞いてみると店長ではなくて、ただの「平」の板前。いわゆる企業の高齢者の再雇用ってやつですね。今の店長はその元店長が面接して入れた若者が育って、今じゃ立派な店長。そんな店の歴史もわかるから、この店に行くと安心します。

そしてこの店に一歩入ると、

「おかえりなさーーい」

と声をかけてくれるんです。これがなんとも言えず嬉しい。成田の出発ロビーにあるような店ですから、客のほとんどは出発客で、帰国客はまずここには来ない。また、常連らしい常連なんていないわけですよ。いても成田で働いている人とか旅行関係の人ぐらい。でも通りすがりの一客でしかない私が日本に帰ってくると必ずこの店に来るのを覚えてくれていて声をかけてくれるのが本当に嬉しい。そして私の好みもちゃんと覚えていてくれるんですから。

この店に行って、食べたくてウズウズしていたものを食べて、一杯飲んで、やっと日本に帰ってきたという実感がわきます。また成田を発つときも必ず最後の最後の和食を食べるためにこの店に寄るのですが、それで日本の一時帰国が終了するという、儀式みたいなものにもなっています。

その元店長がいろいろ美味しい物を出してくれたり、特別な日本酒を出してくれたりで、調子に乗って酔っぱらい、もう少しで飛行機に乗り遅れることになりそうになったことも数度ありました。アナウンスで名前を呼ばれてゲートまで走ったり。で、飛行機に乗り込むとすでに着席している乗客の冷たい視線を受けたり。馬鹿なオヤジです。(笑)

今回この店で食べたものと言えば、なんてことのないものばかりなんですが、全てが恐ろしいほど美味しく感じました。私は貝類が好きで、まず一番最初に貝類の刺し身をいろいろ頼むのですが、今回の石垣貝は世の中にこんな旨い貝がいるのかという位美味しかった。また私が頼むとすでに捌いて並べてあるネタじゃなくて、新しく貝を捌いてくれるのね。ここにも大きな違いがあると思います。で、メニューには乗っていない、その石垣貝のヒモを串焼きにしてもらう。これが絶品で、長男もこんな美味しい貝を生まれて初めて食べたと驚いていました。

それとツブ貝も美味しかった。ツブなんてのは安い回転寿司のネタでもあるけれど、生きている貝から捌いて、パチンとまな板に叩くとグニャ~と動く生きの良さ。このヒモを焼いてもらうのも好きなんですが、今回は特製ということで、アワビの肝を潰したものとそのツブ貝を合わせたものが出てきました。多分これが今回の日本旅行で食べた一番美味しかったものかも。

本当にこの店にはお世話になって、良くしてくれるんですが、では支払いは驚くほどかというとそんなこともなくて、クアラルンプールの「蔵」や「楽膳」で食べるより安いはず。でも内容は天と地の差。

やっぱり日本は凄いわ~~~。

あと、街の中で入った寿司屋は「すしざんまい」。この十数年で大きくなった寿司チェーンですが、ここも安心して入れる店。でも池袋の東口にあった店は、築地にあるすしざんまいより下の感じがしました。食べたいから食べるというより、「日本の和食調査」(笑)が私の主な目的ですから、次から次へと食べくりましたが、殆どがAffordableと言うべきレベルで、これといって特筆すべき良さ、凄さはないのね。でも広告で出てくるすしざんまいの社長がマグロに凝っているだけあって、マグロに関して言えば他のネタより上なのは間違いなし。

板さんとも話をしていたのですが、これがすしざんまいの肝なんでしょうね。寿司屋業界に大手が参入してきて、チェーン店も増えて街の寿司屋が駆逐されて行った歴史があるわけですが、もう飽和状態だろうと思うことがこの20年の中でも何度もありましたよね。でもちゃんと次の時代の担い手が出てくるのね。すしざんまいもそれで、良くぞ過当競争を乗り越えて大きくなったと不思議にさえ思います。でも、そこそこのネタを揃えて、マグロで満足させるというビジネスモデルが当たったんでしょう。築地でも池袋でも24時間営業の店舗を持つ寿司屋って本当に不思議ですが、客を見ると普通の若者たちで賑わっていて、昔の寿司屋のイメージじゃないのね。どちらかというと居酒屋のイメージ。でも食べたいだけ食べて、調子に乗って飲んだら成田の寿司田より支払いは多かった(KLの蔵より高い)。でも一人一万円を超えるほどじゃなくて、寿司屋としては安い方なんでしょう。

日本に住んでいない私としてはこの辺の見極めが出来ないんですね。この店は居酒屋タイプなのか、本物の専門店なのかがわからないんです。これは池袋の街を歩いていてもそうですが、本物の鮮魚専門店なのか、それを売りにしている居酒屋なのかがわからない。

今回、長男が日本に遊びに来た時に入れ込んでいた焼き鳥が美味しいという店に行きました。店の名は鳥貴族。メニューは焼き鳥だけと言っても良いくらいであれじゃこれじゃないのね。そして食べ物も飲み物も全て280円均一。まぁ、そこそこ美味しいとは思いましたが二十代の若者で大繁盛している居酒屋で、本当に美味しい新橋にあるような焼き鳥屋とはやっぱり違う。でもこの店で宴会をすれば食べ放題飲み放題で2800円ポッキリってやっぱり凄い。池袋だけで6店舗もある凄い店。

というかこういうタイプの店が多いのに気が付きました。それぞれが特徴を全面に出していて、中には「干し魚専門店」なる店もあるんだけれど、実態は居酒屋。こういう店ばかりなのは池袋という若者が集まる街の特色で、ちょっと歳の行ったジジー連中が好むような店は見つかりませんでした。

かと言って、通が行くような店は、焼き鳥屋で言えば一人1万円。寿司屋で言えば最低25000円の世界で、私としてはそこまでのレベルは必要なし。というか良い物を食べ慣れていない私には違いがわからないかもしれない。マグロだって、(日本で)オーストラリア産の蓄養マグロ(背中にまで脂が回っている)を食べて美味しいとヒーヒー言うわけで、真冬の大間のマグロがどれだけ美味しいかなんて全く知らないし、きっと違いがわからないかもしれない。いや、わかったとしても私はそういうものに近寄らないほうが良いと思っていて、やっぱり本マグロは大間じゃなけりゃ・・・なんて思うようになったら悲劇としか言いようがないと思います。

ちょっと脂の乗った活きの良いアジでもあれば私は最高に幸せ。活イカなんてあったら気絶するほど嬉しい。(笑)

高級店には一切近寄らなかった今回の日本一時帰国ですが、中華に関しては面白い体験をしました。

ホテルに桂林という中華の店が入っていて、そこでランチを食べたんです。2800円かな。これが美味しくてびっくり。

私は中華料理は日本が一番美味しいと思っていて、実際に、天安門事件の後、腕の良い中華シェフたちの多くが中国本土や香港から海外に出て、中華でカネになるのは日本だと、日本が世界一の中華料理国になったという話をプロから聞いたことがあります。昔から新橋から田村町、あるいは虎ノ門にかけて、あるいは赤坂銀座にも老舗中の老舗が多いですが、私は本場中国より彼らの中華のほうが美味しいと思っています。

で、メトロポリタンの桂林という店ですが、それを思い出させる味でした。本当に美味しかった。で、結果的に二泊三日のコスモポリタン滞在ですが、ヨメサンはヨメサンの友達との会食も含めて3回、私と次男は二回この店に行きました。2泊3日の旅程で同じ店に3度行くなんて異常ですが、ヨメサンもかなり入れ込んでいた様子。

でもやっぱり良い店は高いんですね。メニューを見るとちょっと高い程度にしか感じないのですが、量が極端に少ない。例えばこの「アワビとナマコ」ですが、2500円ぐらいかな。でも量は二人分ぐらいしかありません。アワビもスライスが二枚入っているだけ。たか~~~~~。(笑)

でも美味しかった~~~。日本を出てから20数年、オーストラリアはもちろん、香港でもこれだけ美味しいものは食べたことがありません。味はオイスターソース味なわけですが、深みがまるで違う。そして強火で煽ってあるんでしょう。微かにオイスターソースの焼けた香ばしい味が残っている。なるほどなぁと思いましたっけ。こういう素人には絶対にできない味の料理を食べると、自分で作ってみるなんて馬鹿なことは考えなくなります。(笑)

日本の中華料理が大好きな私ですが、ではこの桂林という店が今日本の中華料理界でどんなポジションなのかは全くわからず。きっと新橋や赤坂の老舗に行ったらもっと驚くべき料理が出てくるのかも。

こういう楽しみが日本にはあるわけですが、逆にこういう店がいくらでもあるのは非常にうまくなくて、食べてみたいなぁなんて思いながら普通のラーメンを啜るのは残酷すぎます。でもま、しょっちゅう行くわけでもないし、年に一度は贅沢をしてみようと思う店がいくらでもあるのはやっぱり凄いことだと思います。オーストラリアには「もうこの店には来なくていいね」なんてところはいくらでもありますが。

そういう点でも私はマレーシアは楽しみにしていまして、マレーシアにどれほどの中華があるのか、それがどのくらいリーズナブルな料金で食べられるのかが気になっています。今のところはリッツカールトンの麗苑が美味しかったと思うし、マンダリンのライポーヒンも良かったし、ヒルトンのChynnaも二人で行ってもいろいろ食べられる工夫がしてあったし、ハラル(豚は無い)なのに十分美味しいと思いました。でもチャイナは最近はまるで駄目になったと聞きますし、他の店も味がどんどん変わるようでクアラルンプールで美味しい店探しも難しそうに感じています。

B級グルメというか普段食べる物に関しては全く問題がなくて、美味しい店がゴロゴロありますのであえてどこがどうだと探そうという気はあまりありません。私達にとってクアラルンプールの食事の平均値は非常に高いと思っていまして、ハズレの少ない都市だと思っています。でもそれはそれで、記念日やここは一発勝負じゃありませんが、本物のプロの凄い腕を堪能できる店を探したいです。

ところで、美味しいとびっくりした池袋はメトロポリタンホテルの中の中華ですが、最後に私の大好きな担々麺と小籠包を食べてみました。

担々麺。1500円だったかな?

小籠包。二個で600円。(笑)

担々麺はしょっぱくてスープなんて飲めたもんじゃありません。また小籠包は味がお上品というかさっぱりしていて、なんだかなぁ、って感じ。この担々麺と小籠包に関して言えば、私の好きなマレーシアのドラゴンアイ(鼎泰豊より好き)の方がはるかに美味しい。まるで勝負にならないと思いました。そして料金も。ここが大事ですね~~。

ま、そんなこんなでやっぱり日本は凄いというのを再確認した旅でした。しかし良い物を得るにはそれなりの対価を支払わなければらないという当たり前のことを痛感したし、その為にもしっかり頑張ろうと思いました。

さてさて、宝の山に住むのが良いことなのか、それとも宝の山にはたまに遊びに行けば良いのか、その辺の見極めもこれからの余生をどう生きるかという点で真剣に考えないとならないと思いました。今の私には日本とは遊びに行くべき場所なのか、それとも住むべき場所なのか、その辺がわからないでいます。

食べ物はさておき、頭も身体も駄目になる近い将来を考えて、安全安心を重視すればやっぱり日本かなぁ・・・・・

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