雨が降っている

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雨が降っているのが珍しいのか?と日本やマレーシアにお住まいの方は思うかもしれませんが、はい、その通り、珍しいです。

サーーっと降るスコールはしょっちゅう時々ありますが、ザーザー降りの雨って本当に珍しい。今、まさにそういう雨。

こういう雨って冬場には全くなくて、夏になるとやっぱり雨が多くなり、こういう雨も降るようになる。

あああ、夏が来たんだ・・・・

そんな感じ。

でもねぇ、私は大雨が降るとソワソワしてくるんですよ。我が家(実家の方)は大丈夫かと。ちょっと雨が降ると雨漏りする家ですし、もし万が一大雨になると浸水する恐怖があるんです。それが完全にトラウマになっています。

いつの頃かもう忘れましたが、凄い雨が降り続きまして、それがまた大潮と重なったんですよ。我が家の前の川は、かつて上流にダムが無かった頃は二階の高さまで水が溢れたことがありますし、ダムがあるからといって安心できないんです。どういうわけか我が家は海抜が周りの家より低いから。

あれはある夏の日でした。何日も何日も雨が振り続け、家の前の川はかなり増水しています。その川は川と言っても塩水で、運河と言っても良いような川。ですから潮の満ち引きがあります。もし今にも溢れんばかりに増水した時と、大潮で一番の上げ潮の時と重なったらどうなるか。

これが何よりも心配だったのですが、とうとうその時が来たんです。怖かったですよ~。川の水は庭にどんどん入ってくるわけですよ。

川に出ているジェッティー(桟橋)は完全に水没しましたし、プールにも川の水が迫っていました。高さで言えばあと数センチってところ。

プールに泥水が流れこむとかなり悲惨なことになるんです。それを綺麗にするにはとんでも無いお金が掛かる。でもそれは覚悟しました。それどころか心配しないとならないのは家の方で、プールに川の水が入るということは家の一階も浸水すると考えていいわけですから。

一階と言ってもそれは裏庭から見ると一階で、我が家では地下と呼んでいました。表玄関がある道路側から見ると地下になりますから。その地下にあるのは遊び部屋だけでしたから生活用品らしいものはたいしておいていなかったのですが、水没すればパーになりますからせっせせっせと上に運びだしたわけです。半分、泣きべそをかきながら運びました。

そんな時にですね、潮見表を確認したんですよ。そうしたら大潮のピークはまだ1時間以上先なんですね。ということはほぼ100%水没確定です。

人間って面白いもんだと思います。覚悟が決まるともう平気になるんですね。しょうがない、なるようになれと。だから写真なんか撮ってる余裕も出来たわけですが、

その時です

雨がピタリと止んだんです。不思議ですね~~。何日も振り続けた雨が突然止まったんですから。その後は、あれよあれよと見ている間に水は引いていき、水没の危険はなくなりました。

神様はいると思いましたよ、マジで。我々は何かに守られていると本当に思いましたもの。

と、まぁ、雨が降るとあの恐怖が戻ってきます。そして雨漏りが気になります。

早いところあの家を売ってマレーシアに行かなくちゃ。そんなことを思い続けて4年間。なぜか今は見晴らしの良いコンドミニアムに住んでいる。これは家を売りに掛けると、見たい人はいつでも家に招き入れないとならないんですね。でも明日の何時とかアポなんかなくて「今、お客さんが見たいと言っているんですが」と言われれば朝だろうと夜だろうと招き入れないとならないじゃないですか。これは私もヨメサンも嫌だったので、家を空けることにしたわけです。だから今住んでいるコンドを最短の6ヶ月の契約で借りたという話。

でももうとっくに売れていなくてはならない家はあの時のまま放置。

異常でしょ?

やっぱりマレーシアには本音としては行きたくないってのがあるんだろうと思います。我が家の場合はご褒美人生でもなければ、夢の実現とかそんなこともなくて、物価も高く、税金も高く、こんなに住むのが難しいオーストラリアから逃げて楽をしたいからマレーシア行きを選びました。マレーシアは物価も安く税金もゼロになるのと同じですから、今とは雲泥の差になります。つまり我が家のマレーシア行きは経済難民だということです。難民です、難民。

でも最初からヨメサンはマレーシアには行きたくないと言い続けたまま。それでも「行かなくてはならない」のは覚悟したのでしょうが、そのストレスが原因でしょう。乾癬というアトピーみたいなわけのわからん病気に掛かってしまいました。酷い時には乾癬が足の裏に出来るわけで、そうなると皮膚が割れて出血もしますから歩くことさえ出来ないんですよ。そして乾癬って皮膚がどういうふうになるかここで写真を出すこともないと思いますが、普通の人がそれを見るとびっくりするはず。

ヨメサンの場合はその乾癬が顔に出来ないのが不幸中の幸いで、でも見えないところは凄いことになります。だから外出もしないようになりましたし、人とも会わなくなりました。会うのは本当に近い友人だけ。当然、我が家にお客を呼ぶなんてとんでもないことです。だから私がいつも買い物にも出るわけです。おかしいと思ったでしょ?いつもオヤジが一人で家の買い物に出るなんて。そういう理由があるからです。

ヨメサンも買い物に出ることはありますが、まず知っている人には会わない場所にしか行きません。日本食材店も一番遠いゴーゴーマートまでわざわざ行く。一番近いフジマートには絶対に行きません。たいてい誰か知り合いと会いますから。これはスーパーも同じで、大きなスーパーはまず行きません。辺鄙なところにある中途半端なスーパーにしかヨメサンはいかない。

乾癬って皮膚病だと言われますが、実は皮膚病ではなくて免疫不全症で、それが皮膚に出るということ。皮膚は新陳代謝で常に新しい細胞に交換されますよね。乾癬はそのスピードが早くなりすぎるという病気です。ですから皮膚が皮膚となる前に次の皮膚が出てきちゃうんですね。だから見た目は恐ろしいことになります。

ヨメサンも可愛そうですが、世の中にはこの乾癬で悩んでいる人はかなり存在するのがわかりました。見た目がナニですから、怖がる人も出てくるわけで会社勤めもできないとか、サービス業だったら尚更。若い人だと結婚さえ諦める、自殺しようとする人さえいる病気。でも皮膚がそうなるだけで、他には何も悪いところがない健常人と全く同じ。

きっと、マレーシア行きは中止にすると決めればヨメサンの乾癬は治るのかもしれません。でもそれは誰にもわからず。ただ専門家に相談すると、マレーシア行きがストレスになっている可能性は高いと言いますし、私もそう思います。もちろんヨメサンもそう思っていて、マレーシアには行きたくないとはもう言いませんが、マレーシアの話題が出てもヨメサンはサーッと逃げます。

そして、実は私も本音としては同じなのかもしれない。行かないで済むことなら行きたくないというのが私の本音かもしれません。でもそれが自分でもわからないんですよ。理性で考えれば一日でも早くマレーシアに行くべきなのですが、どうも自分自身を観察していると、マレーシア行きから逃げているようにしか思えません。でもその意識はないんです。

オマケにですね、我々がマレーシアに行こうと思うと言い出した時に、なんとアメリカ在住だった姉夫婦が一足先にマレーシアに渡ったんです。これは全くの偶然で、事前に何の相談もしておらず、彼らは彼らだけでそれを決めていち早く実行した。それもロングステイという軽い気持ちではなくて、姉はアメリカの永住権を返納し、アメリカ国籍を持っていた日系人の旦那は日本人に帰化するということまでやった。つまりアメリカにはもう帰らないつもりでマレーシアに渡ったわけです。

そして我々もマーシアに渡ることを聞いた我らが年老いた両親は、それだったら俺達もマレーシアに行ってみんなで合流しようってことになったんですよ。今まで家族は日本、アメリカ、オーストラリアとバラバラに住んでいたのが、マレーシアで合流できる。この時の両親の心境は、子を持った私としては良くわかります。かなり舞い上がってワクワクしていたと思います。

この時の両親の素早さたるや凄かったです。あっという間にマンションも売り、MM2Hも取ってマレーシアに渡ってしまいました。そして私達が行くのをまだかまだかと待っているわけです。そして両親はマレーシアを気に入っていて、もう日本に帰るつもりはないと言っています。マレーシアで死ぬ気でいます。今、もう彼らはもうすぐ90。

そんな老い先短い両親がマレーシアで待っているのに、私達は動こうともしない。行く行くと言うだけで何もしない。こうやって馬鹿みたいにブログを書いているだけ。でも今更、マレーシアには行かないなんてことも言えないんですよ。というかそれを考えることも出来ない。もし我々がマレーシアには行かないことにしたなんて言ったら、両親はきっと寝込んでそのままになってもおかしくない。

行くなら家をサッサと売って早く行けばいいのに、料理がどうじゃ、低糖質食がどうじゃ、趣味がどうじゃとどうでもよいことばかりに逃げている自分が存在するのがわかります。マレーシアのことを考えるのが嫌だから、新しい趣味も作り、わざと忙しいようにしている自分がいる。

そこまで自己分析できているのに、動けない、動かない。自分が自分じゃないみたいです。

でもね、そんな調子じゃマレーシアに行ってもどうにもなるまいとか、それは思わないんです。行ったら行ったでどうにでもなると思ってます。今までゴールドコーストでやってきたことに比べればマレーシアでのロングステイは楽勝です。遊びに行くだけなんですから。

といつも自分に言い聞かせているんですが・・・・・・・

実はマレーシアに行くということは将来的にオーストラリアの永住権も捨てることになると思います。永住権ってどの国も同じですが、住みたいという人に出すんですね。永住権は持っていたいけれど、他の国に住みたいという人に出す理由はないんですから。だから長期間オーストラリアを離れるともう旅行者としてしか入国できなくなります。当然、恐ろしいほどに分厚い社会保障も一切受ける権利がなくなります。医療保険もオーストラリアの年金もパー。観光客と同じ。

それも良いかと覚悟はしているんですが、でもそれって「じゃぁ、俺達の今までの努力って一体なんだったの?」ってことになるんですね。子供たちはオーストラリアで育ち、次男はシドニーに生活の拠点を作っていますし、長男は親のワガママでマレーシアに連れて行くことになりましたが、彼とてマレーシアを永住の地とは全く考えておらず、日本に住みたいとは思わないと言いますから、じゃぁ、オーストラリアしかないじゃないですか。でもマレーシアに長く住んでいるとオーストラリアに住む権利がなくなってしまう。それを維持するには5年間の内、2年はオーストラリに住む必要があります。

日本の人に例えれば、マレーシアも良いね~とマレーシアで数年遊んでいる間に、日本人の国籍を剥奪されるのと同じようなもんです。帰りたくても帰れなくなるんですから。じゃぁ、3年ぐらいしたらオーストラリアに戻ればいいじゃないかとなりますが、そんなことが確定しているのならわざわざマレーシアに住む必要なんてないんですね。気が向いたら旅行に行けば良いということになる。

ですからマレーシアにロングステイという言い方をしつつ、我が家にとってはロングステイではなくて完全なる「お国替え」になるということ。そしてマレーシアで永住するのではないとなれば、日本にしか帰ることができなくなる。日本は大好きだけれど日本に住む不安が色々あります。旅行で行くには最高。でも住めるのか?それもわからない。そもそも日本に住んでいたら息が詰まると思って海外に出たんですから。ヨメサンも日本には住みたくないという。長男も日本では住めないと言う。でも日本に帰るしかない状態になるとしたら、我が家の今までの生き方を全否定することになるわけです。

一体、私達にとって本当に大切な国ってどこなのか、永住権とか国籍とかそれも含めてもっと真剣に考えないとならないと思います。でもそれを考えるとするなら、答えは大体見えてしまうんですね。オーストラリアに骨を埋めろ。そういうことになります。

物価が高い?税金が高い?じゃぁその分稼げばいいじゃないか。相場がどうじゃこうじゃと偉そうなことばかり書いている奴は一体どこのどいつだ?

ま、確かにその通りで、私は努力をせずに楽をしようとしているだけ。でもそういう自分を認めたくないからいろいろ理由をつけているのも分かる。

困ったもんだ。自分を自分でコントロールできません。自分が真に望むのは何か。どうするべきなのか、そんなこともわからない。

ただ一つだけ解決方法があります。それは日本国籍を捨ててオーストラリア人になること。その条件を我々は満たしていますが、そうすればオーストラリア人としてマレーシアに渡っても、いつでも帰ってこれる。そしてもし日本に帰るとなれば、日本の永住権を取るのは難しくない様子。でも国籍を変えるなんてそう簡単に決められることじゃないわけです。

もし日本が二重国籍を認めるのならそれで即、解決。でも法律上、自ら望んで外国籍を取るとその瞬間、日本国籍はなくなることになっています。

マレーシアに行くには日本国籍を捨てなければならない。なんだかわけがわからくなりますが、我々にとってのマレーシア行きとはそういうことになります。そこまでして普通行くかぁ?

だから結局、今のように、ダラダラしている生活が一番良いってことになるんでしょう。

雨が降るとイヤ~~~な感覚に襲われるんですが、こんなことを書いている内に雨もやんでしまった・・・・・・

 

 
    

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