老後をどこで生きるか?

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マレーシアにMM2Hで住む人達はそれなりの数いらっしゃいますが、二種類あると思うんです。それはある時期、楽しもうというグループAと、マレーシアを最後の地にしようとするグループB。

ブログを書いているジジババMM2Hって結構いますが、私の知っている限り、全てがAグループです。つまりいつか日本に帰るのを前提としている人たち。でも最後の地としてマレーシアを選んだという人もいることはいるんですね。でもブロガーでは私は知らないのですが、このブログでも何度か紹介している(有名な)S夫妻が主催している「ご褒美人生の泉」という大きなグループがあり、その中にはBグループもチラホラいらっしゃる様子。泉SNSと言われるSNSがあり情報交換をしていますし、ここの読者でも加入している方は多いと思います。

でもそういうBグループの方々が一体何を考えているのか、どんな計画を持っているのかが私には良く見えてこないんです。どうするつもりなんですかね。

なぜ私がそんなことが気になるかというと、私にとってのマレーシアってAでもないし、Bでもないし、Bを期待しているグループというべきでしょうか。

私はマレーシアでは永住しない、いつか日本に帰るつもりだといつも書いていますが、それは「日本に帰るしかない」からなんです。でももしマレーシアで最後を迎えられるような環境があればそれも良いかもしれないと思っています。でもそれが全く見えて来ない。

泉SNSを主催しているS氏もかなり前から「最後を迎えるためのマレーシア」の環境整備に尽力なさっているのはわかるのですが、なかなか進まないのが現状。またいろいろあってゴチャゴチャしているのですが、S氏とは別に「老後」「介護」に対応できるようなサービス提供の仕事に尽力なさっている方もいらっしゃる。

でも、いわゆるわざわざマレーシアで・・・と考える程のサービス環境が整備されているわけでもなく、そちらを向いてはいるものの進捗は決して将来に期待できるほどでもない。そして私としてマレーシアに問題があると思うのは、マレーシア政府はジジババを積極的に受け入れようとはしていないってことなんです。上に書いた「一時期を遊ぼう」というAグループ。つまりロングステイヤーをマレーシアは欲しいだけで、マレーシアを最後の地にしてくださいという考えはないと私は思っています。

これはフィリピンのケースとはかなり違っていて、フィリピンの場合は「最後の地として来てください」と政府も力を入れている。でもセブ市の例を見るとわかるように、金持ちの日本人がごっそりくるような期待をフィリピンは持っていたようだけれど、それはすぐに壊れた。でも日本人向け介護施設はあちこちで立ち上がったけれど、2年前の時点で、崩壊の危機にあるという報道もあった。

政府が力を入れているフィリピンでさえもそんな感じで、マレーシア政府はその点に関しては知らん顔なわけで、遊びに来て金だけ使ってくれという、ある意味正直な国(笑)。そんな中でいくら日本人グループが頑張ったところで、私はたかがしれていると(大変申し訳無いけれど)考えています。まず難しいと私が思う理由の2番目の理由として、フィリピンには「働くフィリピン人」がいくらでもいるんですね。でもマレーシアはそうじゃない。インドネシア人、フィリピン人、あるいはミャンマー人などの外国人を使うのが前提の国。だから政府が力を入れるはずもない。

また日系企業にも期待をしたいけれど、金にならなければ出てこない。でもマレーシアに進出(を決定)した企業もあるのだけれど、対象は金持ち現地人相手であって、日本人を主要客として考えているわけじゃない。

つまり、我々の選択肢としてはかなり遠い将来だとしても「マレーシア人の中で生きていく」という選択しか無いと思うんです。

私が気になるのはその点であって、結局、現地人の中で歳をとって死んでいくしかないことを考えた場合、そんなことが出来るのか?って思うわけ。

それもまだ夫婦ともども元気だとか、子供たちがいるっていうのなら話は別です。実際に、親御さんをマレーシアに連れてきて介護を経験した方は何人か知っています。でも自分が介護を受ける立場になったら?ここが問題なんですよね。子供もいない外国でたった一人で外人の中に入って生きていけるのか?

そういう年齢になるMM2Hも増える時期に来ていますので、お互いに助けあおうと一部では盛り上がっていますが、それってどんなもんなんでしょうね。年寄り同士、あるいはロングステイヤーと共同生活するトライアルももう動き出してはいますが、私としてはそれが広がるとは思えません。

大体ですね、歳もとって海外に出ようなんて人たちはやっぱり変わってる人が多いと思うんですよ。良く言えば行動力があるってことなんでしょうが、それだけワガママ、頑固、一徹オヤジみたいな人が多い。そういう仲間と遊ぶのは良いにしろ、同じ屋根の下で一緒に生活するなんて、想像しただけでぞっとするんですよ。

また日本人は「必ず」村社会を作る。そしてその中で生きる限り、親分の言うことに服従するしかないんですね。どんなに仲が良くても、長い年月の間には何が起こるかは簡単に想像できます。そして争い事、仲間割れと言っても良いようなことがマレーシアでも過去にも現在にも実際に何度も何度も起きているじゃないですか。

そんな中で一緒に暮らそうとか、安心して介護を受けて・・・なんて考える人の方がどこかおかしいと私は思うくらいで、長続きがするとは思えないんです。で、何かが起きれば、親分の鶴の一声で全てが決まって、民主主義なんかないし、要望を言えば「ワガママ」と断定されるのが関の山。

サービス提供会社とそれを受ける側がはっきりしていてお金が介在しているから世の中ってどうにかなるわけで、仲間同士の運営ほどあてにならないものは無いというのが私の考え方です。

もしそういう組織がうまく動き出したところで、選ぶほどの広がりは無いわけで、つまり「我慢するか」「日本に帰るか」の二者一択になる。「毎日が楽しい」なんてのは幻想にしか過ぎなのは断言できます。これってかなり辛い生き方で、日本でそういう状態だったらどうか考えればどんなに恐ろしいことか簡単にわかりますよね。日本で、自分が気に入った施設を見つけて入所するのは良いにして、時が経つ間に要望を言ったら煙たがれて、下手をすれば日本国外に追い出されるのを想像してみればすぐわかります。海外で住むということはそれと同じことが起きるってことですよね。

ま、そんなことですから私は日本に帰るしか無いと考えているんですが、でも日本にはもう親戚も友人も知り合いもほとんどいない、もちろん家も資産も何もないわけで、私達にとってはもう外国と同じ。だから「何かあったら日本に帰る」という考え方はないんです。もしそういう風に考えるとしたら、まだオーストラリアで最後を迎えるほうが将来を想像できます。

ま、そんな感じで、ハッキリ言えば「根無し草」。帰る国も無い、帰りたい国もない。だからこそ、もしマレーシアの環境が良ければマレーシアでも良いという考えもあるんです。ですから一番最初に書いたBグループではないけれど、予備軍みたいな状態でもあります。

また私の年老いた両親が今KLに住んでおりまして、彼らはもう日本に帰らないと言っていますし、きっとそのとおりになるんでしょう。でも今は元気とは言えないけれど、病気で寝こむこともなければ通院するべき病気もなく、どうにかまだ元気の内。でもそれも時間の問題で、実際に何が起きるのか、どうなるのか、そんなことも自分の親のこととして見るのと共に、自分の将来として見つめて行こうと思っています。

前回KLに行きました時に、斎場とかその時にはどうするべきかいろいろ調べてきましたが、「介護」に関してはまだ未知数ばかりです。その必要が出てくるであろう将来も、あるいは現在でも私の姉が同居していますからどうにかなるものの、夫婦だけならどうにもならないのははっきりしています。

そんな時に、アメリカはロサンジェルスに住んでいる友人の話を聞くと、やっぱりアメリカは凄いと思いますわ。なんせ日系人がごっそりいますから、そういう施設も充実しているんですね。またキリスト教徒も多く、教会がらみ、あるいはそれとは関係がないにしろボランティア活動が活発なんですね。そしてやっぱりアメリカですから、日本みたいに老人を「モノ」扱いしたり人権を無視した介護なんてないわけですよ。だから凄く幸せな老後を過ごしているように(私には)見えます。

でもどうしようもないですよね。海外生活では命の次に大事な(アメリカの)「滞在ビザ」がないんですから、そんな所に行きたくても行けない。

当然、金銭的な問題もあるわけで、マレーシアで最後を迎えたほうが安く上がるであろうことは想像できますが、私は61ですから20年、30年と生きた場合、マレーシアがどうなるかなんて全くわからない。それは昔の台湾、韓国、香港でも思い出せばすぐにわかるわけで、30年前なんてそれらの国々の物価も人件費も安かったなんてもんじゃないんですね。まさかここまで発展するなんて想像もしませんでした。

今のマレーシアの物価の上がり方だって、住んでいない私だって恐ろしいと思うくらいで、またマレーシア人のブログを見ているとわかるのは、たった数年で彼らの生活が大きく変化しているってこと。それこそ5年前は普通の中華料理屋とかホーカーズの話題が多かったような人が、当然彼らの生活も向上しているからでしょうが、ブログに紹介する店の内容がまるで違うんですよ。日本と変わらないどころか、これって日本より高いんじゃない?なんて思うような店に、今の30代でも平気で行くようになったんですね。

ですから最近はマレーシアの人たちのブログを見ても参考にならないんですよ。食べ物とかお店の情報を主に見ているんですが、洋風のコジャレた店に行って、洋風みたいな和食や中華に一人5000円程度使うのは普通。5年後10年後を想像したらゾッとしますよ。

そういえば、あるブログにデータが出ていましたよね。マレーシア人の1家庭の収入の額が日本人の一般的な年金世代の家庭と並んだんですね。ああ、そのデータも転載させてもらいましょう。

出典:マレーシアの今を見る! ソーシャルナビ 2014

5年後10年後はどうなるんでしょうか。またマレーシアと言っても広いですから、全国平均でこれということは、KLで言えばもう間違いなく逆転しているんでしょう。

ま、わからないことは考えてもしょうがないという生き方を私はしてきませんでしたから、想定できることは想定して、その対処方法も考えないとならないと思っています。

だから60過ぎたからって遊んでいるわけにはいきません。マジでもう一花咲かせないとうまくないと思っています。(笑)

2年前だったでしょうか。テレビでやっていた「老後を海外で過ごす問題点」をテーマにした番組がありました。それをまたここに紹介しますが、私はこういう情報をもっと掘り下げて欲しいと願っています。マレーシアは楽しいだの、なんじゃのと、浮足立った話はもうお腹いっぱいです。でも実際にそういうAグループが大多数の様ですからそれで良いんでしょう。またこれからマレーシアに渡る人も、まさかマレーシアで最後を・・・なんて考える人は少数派でしょうから、楽しいことだけ追い求めていれば良いのかもしれませんね。

でも私としては、そういうAグループの人たちも、いつか日本に帰ってどんな生活をするのか非常に興味があります。日本を出たということはやっぱりしがらみがない人たちが多いのだろうし、逆を言えば、日本には縁が薄い人たちかもしれない。だからすんなり海外に出られるんでしょう。

そういう人たちが日本に帰ってどう生きるのか、その内、夫婦も一人になる時が来たらどうするのか、介護が必要な時になったらどうするつもりなのか、細かいことを聞いてもしょうがないですが、どういう方針なのか是非聞いてみたい。

あるいはマレーシアで最後を迎えて良いと思っている人は一体どう考えているのか。

でもそういう個人的なところを書く人は皆無。

ま、ブログでこんなことを書く私がそもそもおかしいのかもしれませんね。

 

 
    

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