MM2Hが免税で車を輸入できるという情報は嘘?

古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください

MM2Hを取ってマレーシアに入るときに、一台だけ免税で車を持ち込める特典があると皆さん言いますし、そのようにどこでも書かれています。

でも免税で持ち込めるというのは嘘と言っても良いくらいの間違いなんですね。

実は先月だったか、あるブログに「免税で日本から車を持ってくれば大儲けできる」ような記述があったので、それは違うのではないでしょうかとコメントしたことがありました。

実際のシステムは決して免税ではなくて「保税」という方があたっていると思います。

正確なことは忘れましたが(笑)、持ち込んでから2年過ぎるとその車を売却できるはずですが、その時に、その時点の自動車の価値から計算した税金を支払わないと売却、廃車ができないんですね。ですから免税という言い方は外れていると思います。そしてその税金は決して安くない。

ただ、あるブログで、かなり古い日本車(MM2Hで持ち込んだ)を売却するときに、かなり高額な税金を払わなければならなかったと書いてあるのを読みました。でもこういう情報に尾ひれ背びれがついて広まるのは良くないことだと思います。

車はなんという車種の何年型で、輸入時には何年落ちだったのか、そしてそれを転売するまでに何年の期間乗っていたのか、そして転売時には何年落ちになっていて、その時の当局の査定がいくらで、そしてその結果としての税金がいくらだったのかという詳細がわからないと全く何もわからないのと同じなんですね。

とにかく税金は払わなければならないし、それはかなり高いらしいという「雰囲気」が広まるだけ。

マレーシアにおいて中古車を輸入したり、あるいはMM2H相手に自動車関連のサービスをしているプロはちゃんとした情報を持っていますので、そこから得た情報でないと意味が無いと思います。またこの税金に関しては、私がマレーシアウォッチングをしているこの7年の間でもいろいろと変わってきていまして、過去のことは過去のことで、さて現在はどうなのか、来年はどうなのかは全くわからないんですね。だからやっぱりプロに聞かないとどうにもなりません。

私が信頼をおいている業者さんでStep1という会社があります。今ではMM2Hの申請代理店もやっていますが、元々はマレーシアで長年企業家として手広くやられていた中村さんが社長。建設重機などの輸入も長らくやっている様子。

この中村さんは「日本人に対して日本的なサービスをする」という確固たる信念を持っている人で、「マレーシアだからマレーシア風のサービス」ではないところが素晴らしいと思っています。またブログもやっていますが、「何か問題が起きたらとにかく連絡をください」と書いていて、それこそ日常の生活で困ったことがあったときの「駆け込み寺」として考えても良いと思っています。ただしその問題が複雑で解決するのに手間暇が掛かるような内容で、その解決を中村さんにお願いすれば当然、料金が発生するのは当たり前の話で、なんでもかんでも無料でやってくれると考えてはダメだと思います。でも実際に彼がどんなことをしているか見ていると、そこまでボランティアでやるかぁ?と私は思うくらい。

免税輸入 – STEP1Malaysia.com

ただし、中村さんは忙しい方だと思うのですが、ホームページに多くの情報が乗っているかというとそうではないんですね。(笑)

だからちょっと調べたい、程度でいちいち連絡するのもはばかれます。

また、マレーシア在住の日本人向けに様々なサービスをしている「厚木インフォテック」という夫婦で経営なさっている会社があります。こちらも業務内容は手広いと言いますか、結局、日本人相手に仕事をするとあれもこれもやらなくてはならなくなるのでしょう。自動車に関しても情報をかなり持っておりまして、MM2Hで持ち込んだ車の売却のお手伝いも何度かした経験があるようで、そのことに関する記述もブログの過去ログを見るとわかります。

マレーぐまの業務日誌@厚木インフォテック

またペナン在住でMM2Hの申請代理エージェントをしているリカさんも自動車関連の仕事は引き受けていますから、情報はかなりもっているはず。実は私はリカさんに頼んでMM2Hビザを取りましたが、その時点では自動車をオーストラリアから持って入ることのサポートもお願いしていました。でも結局はマレーシアには行けずにウダウダしている間に、輸入可能期限が過ぎてしまいました。

ロングステイ & MM2H イン トロピカルマレーシア

とにかく、MM2Hで自動車を持ち込んで、その時点では税金を払う必要がないけれど、売却時・廃車時にはその時点の価値から計算された税金を払わなければならない。ここだけはゆるぎのない事実。でもその査定額、税額などは当然その車によって、グレードによって、年式によって違うわけで、そしてこのシステムも頻繁に内容が変わるようで、他人のケースが自分に当てはまるかはわからないんですね。ましてや将来のことは全くわからない。

この売却・廃車時の納税は、MM2Hで持ち込んだ車だけではなくて、マレーシア産の自動車を免税で買った場合も同じである点を忘れてはならないと思います。

また自動車関係ですが、このブログをキッカケにして、マレーシアで中古車の輸入販売を専業としている日本人の方と知り合いました。何度かメールでやりとりをしましたが、こういう方だと、なんていう車の何年型はどのくらいの税金かというのがわかるはず。ただし、一般的な中古車の輸入はAPという輸入許可が必要で、それがないと輸入はできませんし、輸入できる車は「1年以上5年以内」の車に限定されているとのこと。

ですから、我々が日本の(世界のどこでも)自動車を輸入することは可能で、APを買い(3万リンギットぐらい)、こういう業者さんにお願いすればOKということ。もちろん税金は払わなければなりませんが、どんな車を輸入したらどのくらいの経費が掛かるのかもこういうプロに聞くとわかるわけです。この方の会社や業務内容を私は詳しく知らないのですが、何か我々でシェアできる有益情報があれば、いつかブログ上で紹介したいと思っています。

この方式で輸入した車は、当然輸入時に(多額の)税金を払うわけですから、後の転売・廃車時に納税する必要なないとのこと。

ちなみにAPと呼ばれる輸入許可ですが、これはブミプトラ政策の一環で、マレー系の人が持つ特権とのこと。99社がマレー系で、1社だけは違うと読んだ覚えがあります。では彼らが輸入業者かというとそうでもないようで、輸入業者が彼らからAPを買うのが普通で、彼らは何もせずにその権利を売るだけで一台に付き、100万円ぐらいの利益を出しているとのこと。

でもこのAPを廃止しようという話は随分前から出ていまして、2015年には廃絶するような話もありましたが、マハティールさんはこれを止めたら中古車業界が大打撃を受けるなんて発言しているようで、どうなるかはわからないそうです。

でもこういう差別的システムを持ち、とんでもない税金を車にかけるマレーシアがTPPに加入するなんてどういうことなんでしょうね。またどう変化するんでしょうか。

もしTPPが正式に発足して、私がマレーシアで自動車の輸入販売をしていたとしたら、速攻でマレーシア政府を訴えようと思います。もちろんこのAPの存在で不利益を得たということで。ISD条項ですね。外国資本の会社でも内国民待遇をしないとならないんですから。

またTPPでは非関税障壁も問題になりますから、「関税は安くなっても物品税、贅沢品税などの名目で課税」すればこれまた問題になるはずで、マレーシアの自動車業界は大きく変貌する可能性もありますね。

もしマレーシアの自動車価格がオーストラリア程度まで下がれば嬉しいなぁ・・・・。

しかし、マレーシアのメチャクチャな自動車価格を知ると、日本より高いと長年悩み続けたオーストラリアの自動車が安く感じるから面白いです。

どちらにしても売却・廃車時に税金を払いたくなければそれなりの年数経たないとだめなわけで、「乗りつぶす」覚悟も必要かもしれませんね。でもマレーシアを引き上げるとか、あるいは修理・維持にカネがかかりすぎる車なので廃車したいと思ってもそう簡単にはいかないということ。中にはマレーシアを引き上げるときに車を持ち帰る人もいる様子。またあるブログで読みましたが、売却時には「名義変更をしないで売ろうと思います」なんてとんでもないことを考えている人もいる様子。

 
 
 

「にほんブログ村」のランキングに参加しております。是非、応援のクリックをお願いします。