安保法案:賛成でも考えないとならないこと

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安保法案が成立して、賛成派の私としては「これで良し」と言いたいところですが、そうは言えないことがあります。

あの法案には「足りないところ」と「危ないところ」が残っていると私は感じていて、随分急いだなぁという印象を持っています。では何が足りなくて何が危ないのかを私がこのブログできっちり説明する必要もないし、またうまく説明するほど私の頭も良くないわけで、興味がある方は調べればわかることですから是非調べていただきたい。

それと可決に至るまでの動きを見ていますと、野党もだらしがないと思ったし、代議士なのに一市民のように国会内でデモやシュプレヒコールを行うような行動にも呆れました。では私として支持している安倍政権ですが、ちゃんとやることをやったかというとこれも疑問。自分が賛成する法案が通ればそれでいいじゃないかというわけにはいかない。結果的には「議会制民主主義」なんだ、「俺達は選ばれたんだ」とその上に胡座をかいて政治家は何をしてもよいのか。もしそれに文句があるなら「次の選挙で落とせ」ということで良いのかどうか。

きっと日本ってのはせいぜいそのレベルでしか無いのだろうと思ってはいるのですが、本来どうあるべきかはやっぱり考えるべきだし、そうやって一歩一歩進んできたから今があるわけで、「願った結果が出ればそれで良い」というんじゃ非文明人だとしか言いようがないと思っています。

だからこそ、今だからこそ、リベラルの言い分を聞いてみたいと思いました。

結構、大事な指摘をしていると思います。これは安倍政権に対する批判であって、では民主党はどうなんだ?と言いたいところですが、それはちょっと横に置いといて、安保法案賛成派、あるいは安倍政権、自民党支持だとしても、ここのところは「自己反省」の意味も含めて考えるポイントだと思いました。

私は右寄りの思想を持っていますし、左寄りの人たちを「左巻き」だの「反日」、「売国奴」だなんて思うことも実はあるんですが(笑)、でもそれは間違えていて「日本の愛し方が違う」のだろうとも思っています。でも腹が立つと「こいつら・・」って思うわけですが、そういう感情は横に置いといてやっぱり聞く耳を持ち続けたい。

上の動画の最後の方の、たとえ賛成派でもこの法案には反対して欲しいという彼らの言い分もわからなくはなくて、でも全然そうしようとは思わないのですが(笑)、大事なことを言っているのは間違いがないと思いました。

逆に、保守派には非常にわかりやすい意見をいうのがあの辛抱氏。そこまで言って委員会のMCで、あのヨットが転覆して自衛隊に助けられた彼ですが、私はあまり彼のことが好きではありません。断定的な言い方をして人の話を抑えこもうとするから。そしてかなり軽い男だと思ってます。(笑)

だから彼の番組って見ない、聞かないことが多いのですが、今回たまたま聞いたラジオ番組では「良いこと言ってるなぁ」と思いました。非常にわかりやすいし、保守の多くの代表的な考え方を簡潔に表していると感じました。さすがメディアの人間だと思いました。でもリベラルの話とくらべてみますと、こういう保守派のわかりやすい話も底が浅い部分があるのがわかるし、一見、論理的な話の中に隠された危険を見逃すとも思ったのです。今までの私なら、こういう辛抱氏の意見を聞いて、間違いなく軽さがあるのは感じても「そうそう、その通り」なんて思ったはずですが、あまりにもわかりやすい論理こそ疑うべきだし、賛成派としては「勝って兜の緒を締めよ」ではないですが、本当にこれでいいのか、もっと良い法案、決め方はなかったのか考えることをやめてしまってはならないと思いました。

ふと満州事変のことが頭をよぎりました。国民軍にチクチクやられていてとうとう盧溝橋事件で堪忍袋の緒が切れた自衛の戦争という右派は多い。ま、そういう一面もあるとは思うものの、その後、戦闘はどんどん拡大し全面戦争になり、結局、首都南京まで攻め込んだ。これって今で言う個別的自衛権の範疇と言えるのかもしれませんが、今の日本の法律では同じことをやろうと思えばやれるってことじゃないですかね。どこかの国に駐屯していた治安維持隊が攻撃を受ければそれに反撃できるわけで、でもその反撃をどこで止めるか明確な規定は今回の法律にはないはず。

でも私はそれでも良いと思っていて、そこまで日本はやるかもしれないというのが抑止力になるはずで、ここまではやる、そこから先はやらないというような明確な線引きが戦争や紛争にはあり得ないと思うんですよ。はっきりした規定があればそれこそが弱点となると私は考えていて、マッカーサーが日本を骨抜きにしないと大変なことになると思ったのはまさに「日本の戦いぶり」を見てきたからだと思っています。だから今でも日本に潜在的恐怖を持つ国が存在するし、アメリカが日本と同盟を結ぶことはアメリカこそアメリカにとって安全と考えているのかもしれない。日本はアメリカにとって絶対に戦いたくない国。

安倍さんは「戦後レジュームからの脱却」は今は口に出さずともしっかり考えていると私は思うし、「戦える日本」、つまり普通の国にしたいという思いは間違いなくあると思っています。これって危険思想かもしれないし、今の保守派の中に「安保法案で戦争になるわけがないじゃないか」とはいうものの、戦うときには「日本の意志で」戦う国にしたいと考える人は決して少なく無いと思っています。私もそれ。

でもここで大事なのは戦うか戦わないかではなくて「日本の意志」が大事であって、それは国民の総意でなければならないという点。もちろん憲法が~~なんてことでもなく、選択権を持った上で、戦わないという選択が出来る国であって欲しいし、それがなければ抑止力にもならないと思っています。そして自分の国の将来に国民が責任をもつというのはそういうことだと思うんです。国民に政治をコントロールする自信がないから憲法や法律でがんじがらめに歯止めをかけるのだとしたら、なんて情けない国民かとしか私には思えないのです。

これって危険思想なんでしょうね。

でも憲法や法律があっても、やろうと思えばやれる法案が成立してしまった。

さて、次の選挙でどうなるのか。本当に憲法が大事、戦争は絶対にダメというのならシールズの青年たちが言うように次の選挙で自公民、賛成した野党三党の議員を落として共産党でも民主党でも政権をとって、この法律を止めることは可能。反対派がそこまでやる根性と力があるのか、しっかり見てみたいと思っています。

まさか民主党の岡田党首みたいに、過去には「集団的自衛権は必要」と言っていたのがいつのまにか「集団的自衛権は認めない」なんてコロッと変わったように、また変わるのか?

でもま、それはそれとして、民主主義がどうあるべきかは、国会の中で何が審議されようとその法案が気に入る気に入らないは別にして、そして「建前と本音」があるにしても建前を守っていくのは大事だと思った今回の出来事。

 
 
 

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