稼げる能力があってマレーシアに行くという選択

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マレーシアに住むためのMM2Hを取ってからいつのまにやら7年という年月を無駄にダラダラ過ごしたダボ家ですが、マレーシアウォッチングをしていてあちこちから入ってくる話を統合するとMM2Hの中にも変化があるのがわかります。

以前はMM2Hというと「退職者」が圧倒的に多く、若い世代は若干混じっているという感じで、その若い世代も原発とか日本の生活環境から逃れるため、あるいは子供の教育のためというケースが多いと感じていました。

ただいつの頃からか、「退職者」というイメージではなくて「世界のどこでも稼げるスキルを持った人たち」が増えているのを感じるようになりました。これはマレーシアで起業し資産形成を狙おうという「これからの人」ではなくて、すでに資産運用などで食える人たち。あるいは日本、世界にクライアントを持っていて自分のスキルで稼げる人たち。不動産投資業もそうですし、ネットを介して儲けるスキルを持っている人たち。そしてマレーシアに新規投資するつもりでMM2Hで来る人達。

これはブログを見ていてもわかるし、SNSやビザ申請代行業者からMM2H動向を聞いても感じること。MM2Hというとイコール「退職者」「年金生活者」みたいなイメージがありますが、現役の人も増えているのを感じます。

つまり、マレーシアでゼロからチャレンジしようって事じゃなくて、「今までの仕事をマレーシアでやる」人たち。ま、私もそのカテゴリーに入るわけですが、やっぱりネット時代なんでしょうね~。税制は素晴らしいなんてもんじゃないし、生活費は抑えられるし、アジアを楽しむというオマケ付きで、世界のどこに住んでいても大丈夫な人は「日本に住む意味」ってどんどん薄れていくんでしょうね。

これは決してマレーシアである必要はなくて、でもビザの取得が難しければ駄目なわけで、近場で言えばフィリピンやサイパンにもそういう人たちが渡るような時代になったのかもしれませんね。

ただ当然稼ぎやすい環境、もちろん税制がそれの筆頭ですが、それがなければ「趣味のロングステイ」にしかならない。

どこの国、地域に行きたいという確固たる目標がない場合、つまり「どこなら行けるのか」と考えると、私にはマレーシアしか浮かびません。それは税制はもちろんのこと、言語、習慣、成熟度、治安、日本からの距離、その他諸々を考え、「滞在ビザが取れそうな場所」を羅列して、そこから減点方式で見てみるとやっぱりマレーシアしかないと私は思うのです。

フィリピンやサイパンなんてのも南国が好きな人には良いと思いますが(ちなみに私が世界で一番好きなのはグアム)、まず優遇税制がないのでは意味が無いし、問題の無い国なんか存在しないにしても不便であって生活そのものに不安を感じるような場所に行くわけにいきませんよねぇ。

ただかなり長い時間を掛けた滞在で、子育てとか老後のことを考えますといつも書いている通り、永住権はない、(高齢者用の保険も含めた)セイフティネットもないとお話しにならないと思ってはいるのですが、「問題が起きるまではそこに住もう」という「腰掛け」が前提であるならばどこでも構わないですよね。

で、そういうMM2Hがあちこちに見えるようになってきたと感じます。(起業家が増えたという意味ではない)

このブログの読者の80%は日本からのアクセスで、海外在住者は決して多くはなくて「将来は海外でと考える人」がほとんどだと思っています。

私がいつも辛口なのは「その地で永住を考える場合は・・」という前提で書いているのであって、「腰掛け」「ある時期だけの限定的な海外での子育て」「何かあったら引き上げよう」というロングステイが前提なら全く問題ないし、好きなように生きることが出来る。ま、それでも何十年も経つと日本がいつのまにか外国になってしまうわけで、「何かあれば日本に帰るさ」なんて思っていても「日本に帰って生きていけるのか」みたいに、自分がかつて外国に感じた不安を日本に対して持つようになるんですね。それが我が家の状態。

これは子供も同様で、日本に不安を持つどころか、日本に住んだり日本で仕事もしたくないという強い意志を持った「日本のパスポートを持ち、他国での居住権、就業権利、永住権もない難民」になる可能性が非常に高いんですね。この危険性を認識していない、あるいは子供が自分で考えれば良いだろうと思う親もいるのかもしれませんが、親が当たり前に持っているアイデンティティを子供は持つことが出来ず、帰るところもない、自分が誰でどこに行くのかもわからない人間の悲しさを親はしっかり考えるべきだろうと私は思っています。だから子供のためにも永住権の取得はMustだと私はいつも書くわけです。永住権さえあれば、少なくとも子どもたちは自分が育ったその地で学び、大人になり、好きな仕事につき、家庭を作って歳を重ねることができるのですから。結果的に海外に出ることになっても「海外を選ぶ」のと「海外に追い出される」のには大きな違いがある。

でも昔のように横浜から船に乗って移住し「今生の別れ」みたいなことは今の時代はあり得ませんし、日本との関わりをしっかり保っていれば何も問題はないのかもしれませんね。

私は結構頻繁に日本に一時帰国していましたが、ヨメさんはこの24年間に数回だけ。息子たちも同様。これじゃ日本に行くと目がぐるぐる回るだけで異国のように感じるのは当たり前ですが、日本と深い繋がりを持ちつつ年に数度帰るような生活を保てるのであれば問題は無さそうな気がします。もちろん期間限定のロングステイなら何の問題もなし。

私がこれから増えるであろうと想像しているMM2Hは、相続・贈与税対策で渡ってくる人たち。これって自分から「相続・贈与税対策で来ました」なんていう人は居ませんからなかなか見えてこないと思いますが、付き合っているうちにわかってくるんですね。オーストラリアでもそういう人たちに多くは無いですが複数会ったことがあります。

この海外を利用した相続・贈与対策って古くから行われていて、若い頃から「節税マニア」だった私としては「海外を利用する」のが究極の相続・贈与対策だと思っています。

これを支援する完璧なサービスを日本の大手銀行がやっていたなんてことをこのブログに書いたこともありますし、私は会いませんでしたがある超有名な政治家の秘書がこれを裏ビジネスにしているという話もありました。

「裏金を海外に隠す」なんてのも良くある話で、パソコン通信時代でもそんな話題で盛り上がって実行している「一般人」も多く存在していたし、オーストラリアに毎年遊びに来る医者の夫婦と知り合って、「毎年1千万持って来て貯金している」なんて話もありましたし、もっと昔は「キャッシュを腹巻きにいれて」香港の銀行の貸し金庫に隠す人も少なからずいた時代があったと銀行マンの友人に聞いたこともあった。

そしてそれは個人が勝手にあの手この手を考えるのではなくて、そういう手助けをするサービスがちゃんと存在したんですね。いや、過去形ではなくて現在形かも知りませんが、近年のその手のサービスのことを私は知りません。ま、ネットに胡散臭いことを書いている公認会計士や海外投資サービスはありますが、近年の実態はわかりません。

そういうことをする人たちは日本に拠点があって、日本から出ることが出来ないからいろいろ考えたのでしょうが、いつの頃からか海外に自ら出てしまうケースが増えたと思います。そういう意味での昔の移民とは違う、個人資産家の「節税を目的としたグローバル化」の歴史は40年以上あるんじゃないでしょうかね。

そして過去には相続・贈与に「5年縛りのルール」がありませんでしたから、「数年間、海外に家族で出る」だけで贈与を完了出来る時代もあったんですね。あるいは「海外に住む外国籍の子供に贈与」するのは課税されなかったり。だから子供を海外に出して、財産の一部も海外に出して、頃合いを見て「孫に贈与」するなんていうケースもあった。

でも今ではそういう抜け道も塞がれ、特に5年縛りのルールは我々一般的な海外在住者にも当然適用されるわけで、「日本の非居住者」になっても5年間は日本に相続・贈与の申告義務がある。これに関しては何度かこのブログに書いていますし、興味があるかたは検索してみればわかりますが、「マレーシアは相続税も贈与税も無いんだよね?」なんて単純に考えて、ヨメさんや子供の銀行口座にまとまったお金を入れたり、同じように買った不動産の名義をヨメさんや子供にしちゃうとうまくない。

また残念なことに相続が発生して、相続税はないんだよね?なんて思っていると大変なことになる。

当然それを日本の当局が把握すれば、「贈与(相続)の申告は?」となるわけで、証拠がはっきりしちゃいますから「知りませんでした」「元に戻します」「名義は変えます」ってわけにはいかない。

バレたら修正申告をするだけだと考えている人もいるのかもしれませんが、どんなもんでしょうねぇ。小さな金額ならそれでも良いのかもしれませんが、ペナン在住だった日本人が申告をせずに問題になった話は有名ですし(メディアにも出る)、罪悪感がまるで無いってのが不思議です。それとも「知らなかった」で押し通すつもりなんでしょうか。

日本ではしっかり課税できるように随分変化してきた様に思います。税制も変わってきましたし、その5年縛りもそうだし、(日本の居住者が持つ)海外資産が5千万以上ある場合は申告しなければならないし、また出国税のような株式などを持って海外に出る場合には「みなし課税」がなされるようになった。そしてマイナンバー制が次に待っているわけで、インチキはできない。

海外の金融機関に持っている資産も、各国が情報交換をするような正式な取り決めが去年出来て、それに向かって実際に動いている様子があるのはこのブログに書いています。またマレーシアでは非居住者は銀行口座を開けないことになっていますが、これが年々厳しくなっているのはこのブログの読者はすでに御存知の通り。

こういうのは一国の動きではないんですね。今までは簡単に口座を持てた国でも厳しくなっていますし、私の場合でも海外の銀行なのに全く関係ないであろうオーストラリアのタックスファイルナンバー(日本で言うマイナンバーみたいなもの)を教えてくれと言われてびっくりしたことが今年ありました。

つまり間違いなく国境を超えてそういう個人の資産を把握して、その情報交換をする時代になったということでしょう。

それでも「どこの銀行は大丈夫だ」なんて情報が飛び回っていますが、私には悪あがきにしか思えません。

またそういうことを口に出すということは「納税しない」確信犯だというのを自ら公表しているようなもんだと思うんです。MM2Hの中でも「気をつけないとね」なんて言葉を聞いたことがありますが、一体何に気をつけるんでしょうねぇ。(笑)

もう今の時代は八百屋が売上金をザルに入れてどんぶり勘定をするとか、商店が「売上除外」をするとか、そういう時代ではなくなったと思うし、それを許さないという国家の強い意志を感じます。そんなのは今頃何を言ってるんだ?と真面目な人は思うはずで、今まで野放しとは言わないにしても海外を使ったあの手この手は抜け穴だらけで放置されていた面があるのは間違いがなく、納税は国民の善意に任せるみたいなバカな話があって良いわけがない。

だから近年いろいろと厳しくなってきましたし、それは今後も続くのでしょうが、それがあるべき姿だと思うわけです。

でもできるだけ税金は払いたくない。(笑)

当たり前ですよね。だから節税をすれば良いし、優遇税制を受けられるようにする、あるいはそもそも課税されない、あるいは税率の低い所得を得られるように自分の稼ぎ方、生き方、そして住む場所を考えれば良いだけのことなんですね。私は20代の頃からそういう考え方を持って人生設計をしてきました。でも母に笑われましたよ。「儲けてもいないのになんで節税ばかり考えるのか」って。(笑)

税金って普通後から考えるもので、まずは儲けるのが大事。これは当たり前の話ですが、では儲けてから税金をどうしよう・・なんて考えても遅いんですね。今の時代、どんな企業でも税制に合わせて事業展開を考えるのが常識で、私は個人とて同じだと思っています。

さて、マレーシア。

天国だと私は思うわけです。

余計なことを考える必要もなく、マレーシアに住むだけで多くの問題から開放される。これって凄いことだと思います。

そしてマレーシアに住むには取得ハードルが低いMM2Hを取れば良いだけ。最近いろいろと変更があり厳しくなった面もありますが、世界的に見るとこんな楽勝な長期滞在ビザは稀なんですね。しかも一度そのビザを取れば維持する制約も無いに等しい。これは永住権より良い部分があって、一般的には永住権はそこに住む意志があるから出されるわけで、住まない人には出さない。あるいは住むことをやめれば消滅するようなルールになっているのが普通。

例えばオーストラリアですが(簡単に言うと)5年の内2年オーストラリアに滞在していないと、再入国ビザが取れないんですね。ちょっとややこしいのですが、永住権はあっても海外に長年住んでいてそろそろオーストラリアに帰ろうかと思っても駄目ってこと。

でもMM2Hにはそんな制約もない。私はMM2Hを取ってから7年経ちますが、その間、何度か旅行で行っただけで、住んだこともないし、滞在期間を全て足しても1ヶ月にも満たない。でもMM2Hというビザが失効するわけでもなく、10年毎の更新は簡単に出来る。ま、「退職者用ビザ」を設定している国は他にもあって、その場合は似たようなものですが、MM2Hのハードルは低い部類で、20代でも取れてしまうというわけのわからないビザ。(笑)

ただこれは永住権ではなく、マレーシアもちゃんと永住権の設定はあるわけで、MM2Hの権利は非常に狭く限定的。だからこれで永住しようなんてのは無謀だとしか私は思えないのですが、「自分で自分の面倒をみれる間はこれで十分」ってことですね。

ただここで押させておかないとならないのは、マレーシアにもちゃんと永住権が存在し、でもその取得ハードルは異常なほど高いってこと。つまりマレーシアの本音は外人に永住なんかしてもらいたくないし、国が面倒を見るのも嫌だし、でも「お金を持って遊びに来てくれるのはOKですよ~~~」だということ。これを自分勝手にいろいろ解釈するのはズレている感じが私にはします。このブログの読者にはほとんど関係ない話だろうとは思いますが・・。

でもマレーシアに行かなくちゃ損、みたいな気さえしてくるわけです。(笑)

日本では不動産等を売却した利益に住民税が掛かりますが、同じ年に海外に出てしまうと住民税は掛からない。これだけでも結構大きな恩恵があると私は思っていて、資産家なら資産の売却をして本来払うべき住民税の分だけでマレーシアで数年は遊んで暮らせるなんてことも起きるんですね。

そしてその資産を海外のどこに置いてどのように運用してもマレーシアでは基本的に課税されることはない(これはMM2Hの特典ではなくてマレーシアの税制がそうなってる)。当然、その稼ぎ方によってはその国で税金を払わなければならないわけですが、収入の種類によっては完全な無税となって、下手に日本で資産運用をするより良い計算も成り立ちますよね。資産売却時にごっそり所得税をとられるようでは困りますが、その資産にかじりついたり日本で運用方法を変えることを考えるくらいなら、あるいは新規に投資をするなら、この際、マレーシアに行く?なんてのも面白いはず。

ま、世の中そう簡単には行きませんが、もし今の時点で「海外のどこでも収入を得られる仕事」をしているのなら問題らしい問題はないはず。これはコンサルタント業、執筆業などは取引先が日本だとしても自分が日本に住む必要は無いケースがあるでしょうし、ネットの中で収入を得るタイプ、これは金融商品に投資する場合はまさにそれですが、基本的にはチベットの山奥でも南極でも問題がない。(笑)

日産自動車のゴーン社長でさえも日本の居住者じゃないんですね。

もし世界展開するビジネスの大きな野望をもっているにしても、全てを統括する持ち株会社をマレーシアのオフショアに設立し、儲けはそこで吸い上げて、自分はマレーシアの居住者として経営をすることは可能ですよね。ついこの間ですが、パナソニックがマレーシアのオフショアに会社を作り、そこから全世界のパナソニック関連会社の資金の集中管理をすることになったそうですが、小規模のビジネスでも考え方は全く同じで、各地のそれぞれの子会社、あるいは店舗が儲けを出してから「さてどうしよう」なんて考えても節税を含めて簡単には行かないんですね。

儲ける前に儲けることを想定した計画、準備が必要だと上に書いたのはそういうことでもあって、マレーシアが持つポテンシャルは、退職者、自営業、企業家、そして将来に大きな野望を持つ人達にもかなりの利用価値があるんじゃないでしょうか。

マレーシアが日本で有名になったのは「ご褒美人生」であり「退職者」が発端だと私は思うのですが、それがキッカケでマレーシアの面白さに気がついたありとあらゆる分野の人たちがマレーシアに向いて大きく動き出す時が来るような予感がします。

そしてそれが始まったのを何となく感じる今日このごろ。

 
 
 

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