オーストラリアの時給・給料が高い

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オーストラリアの物価は凄いことになっていますが、働く人の給料も良いのね。まともな会社に勤めれば若い人でも4~500万円はもらえるし、特殊技能があれば7~800万の年収にはなる。また給料が良いという職種は20代でも1000万超え。凄いですねぇ。共働きが普通だから、30代でそこそこの仕事を夫婦でしていれば2000万は超えちゃう。小型のベンツだBMWだなんてのは日本で言うカローラみたいに普通になっているのもよく分かる。

逆を言えばそういう時代に取り残された世代は真っ青。(笑)

ところで売却の話が進んでいる自宅ですが、キッチンの排水管に庭の椰子の木の根っこが入り込んで詰まっていた話を前に書きました。それの修理が終わり請求書が来たんです。

まず仕事の内容ですが、

◯ 排水管を切ってその中にカメラを入れて現状確認。
◯ 庭の砂利をどけてコンクリートを割り、排水管を見つけ出し、切断して根を取り除き、元に戻す。

これの請求内容ですが、

写真を数枚撮るだけで130ドル。コンクリートを割るのに120ドル。様々な修理用素材が136ドル75。

ここまではわかるんですよ。そんなもんだろうと。でもこれにLabourがあるんですね。労働ってことですが、1時間の単価が90ドルで7.5時間掛かったので675ドルですと。

ん?って思いませんか?写真代やコンクリートを割る代金に労働力は含まれていない?

それと1時間あたりのチャージが90ドル。

でもまぁ、このくらいチャージしないと年収1000万以上は無理ってことになるんでしょうが、ため息がでそうです。

でも職人さんでこれだけ稼げれば良いですよね。

昔オーストラリアに来てこちらの事情を聞いてびっくりしたのが、仕事による時給の差が日本みたいに大きくないのね。そもそもオーストラリアって今は全く違う国のようだけれど、昔は大学に行く人が非常に少なかった国。手に職をつけることのほうが大事で、職人になればそれなりに良い収入があって社会保障もばっちりだし結構楽に暮らせる国だと思いました。弁護士と水道屋と給料はさほど変わらないよって話を良く聞きました。

私の知人でかなり手広く保険の代理店をやっているのがいるんですよ。大きなリゾート地の保険を一手に引き受けたりしていてそれなりに儲けている。彼は彼の息子に跡を継がせたかったのだけれど出来が悪くて学校の勉強がまるで駄目。でもその息子は「下水専門の職人」になったんですよ。これが結構真面目でお客も持っていてしっかり食っている。親は「あいつはウンコを弄るのが好きなんだ」なんて言っていましたが、「(息子が保険代理店に勤めて)俺が出すであろう給料よりあいつは稼いでいる」とのこと。

こんな話はいくらでもあって、一時期「タイル張り」が儲かると言ってその道に転向する知人もいた。でもここがオーストラリアの面白いところで、その道の職人になるのに時間はかからないのね。大袈裟に言うと、「俺は今日からXXX職人」と宣言すればそれで通っちゃう。だから全くダメな職人、技術者なんてもいくらでもいて、我が家の電話が壊れて電話会社に連絡して技術者に来てもらったんですよ。で、配線がどうもおかしくなったのはわかった(ネズミがかじったか、経年劣化か)のだけれど、「自分には直せない」って帰っちゃったんですよ。

信じられます?

電話会社から来た技術者が直せないって、そんなことを言われた私はどうすりゃいいの?

まぁ電話会社が責任を持つ部分と持たない部分があるんだけれど、その修理はどこの責任、分野かもはっきりわからないまま放置されたんですわ。

我が家の家具類もオーダーメイドで作ってもらったものがあるんですが、その職人を良く知っているという人と後日知り合って、「え?あいつに頼んだの?あいつは家具職人じゃないよ」なんて言われてびっくりしたり。オーストラリア人で自分の家のことは自分でやるような人がいくらでもいるんですね。だからハンディマンと呼ばれる何でも屋さんがけっこういるんだけれど、ちょっと気が効いた連中は「XXXの職人だ」と自己宣言して何でも注文を受けちゃう。

そういう国だってのを知らないで仕事を頼むと本当に恐ろしいことになるんですね。まぁ、いろいろ経験させてもらいました。

で、腕が無いから安いかというとそういうこともないのね。なおかつ掛け持ちでいろいろやる人も多いから納期もメチャクチャ。「いつまでにできる?」と聞くと「Before Christmas」なんて言われたことが良くありましたっけ。日本で言う「今年中には終わらせます」みたいな感じ。ところがそれも守ってくれないこともあるのね。日本人はまさかと思うから任せちゃうわけですよ。だから彼らにしてみるとボーーッとしている日本人の仕事は後回しにするのね。

ではクリスマスが終わればちゃんとやってくれるかと思うと、彼らはなが~~~~い休暇を取るわけですよ。工場もそうだから、「どうなってんだ?」と聞くとサプライヤーが休暇に入っていてどうにもならないとか言われる。で、仕事が再開するのは2月に入ってからとか。

それがわかるようになってからは、納期が守れなければペナルティを課すとか場合によってはしっかり納期が守れればボーナスを出すようにするわけですよ。そうするとしっかりやってくれる。(笑)

本当に気楽な国ですわ。

それでいて時給は高い。仕事がなければ一生失業保険はもらえるし、65歳になれば老齢年金だし、働く人には良い国。それを思うと日本って本当に先進国なのか疑いたくなります。

でも雇う方からするととんでもないのね。まともに仕事のデキる人を探すのは難しいし、それでいて給料は高いし、スーパーアニュエーション(年金)分は上乗せで払わないとならないし、一年に4週間は有給休暇を小遣い付きでやらないとならないし、なおかつ仕事を覚えればすぐやめて他へ行っちゃうし。

こういう国がTPPなんかに参加すると、日本から死ぬ気で仕事をするようなのがごっそり入ってきて、全ての産業が日本人に乗っ取られちゃいますよ~~~。(笑)

 
 
 

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