マレーシアの物価はやっぱり3分の1以下

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マレーシアの物価は3分の1だという話は神話化していると思うのですが、いつも不思議だと思うのは、この話をするときに「税金」のことを合わせて話す人はいないんですね。私は聞いたことがありません。

マレーシアでロングステイと言ってもいろんな人がいるのはわかっていて、大半は「年金生活者(年金しか収入がないという意味)」であるという前提は極端だと思うんですよ。そういう人たちは間違いなくいるはずですが、マレーシアに住んでいる人たちの多くは(財布の中身を見せてもらったわけではないものの)年金だけで生活している人は少数派かもしれないと思っています。

良くあるパターンとしては日本には自宅も持っていて年に数回行ったり来たりする人たち。今まで何人か経費を事細かく書いて公表してくれた人(年金生活者)がいますが、月の経費は30万円台でした。でも日本の自宅維持経費、日本への旅行費は入っておらず、マレーシアだけの生活費がそれ。

つまり年間全て合わせると500万以上という人は多くいると私は感じるわけで、それって間違いなく年金以外の収入がある、あるいは貯金を切り崩しているってことですよね。ただその他の収入といってもそれは多岐に渡っていてまとめて話すことは不可能ですが、日本人で不動産収入がある人の話は良く聞いていますし、MM2H以外の定期を持っていたり、その他の金融商品に投資している人は少なくない。

特に金融商品から利益を出している場合は、マレーシアに住むだけで税金が掛からないわけで、そういうのを物価の計算をするときに考慮しないで話すってのはおかしいと思うんですよ。

まぁ、日本で不動産収入がある人もいれば、マレーシアで不動産収入がある人もいる、また子供に仕事を譲って給料をもらっている人もいますし、さて税率は?と言ってもこれまた千差万別で一概に言うことはできない。でもだからといって物価の話をするときにそれを無視するのもおかしいんじゃないかと。

せめて「物価安+税金が安いメリットがある」と言ってくれたほうがピンと来るはず。でも誰もそういう話し方はしない。

もしかすると日本でのマレーシア熱も、あれは年寄りのロングステイでしょ?なんて思っている人も多いかもしれず、税金が安い、あるいはゼロであるというメリットに気がついていない人も多いかもしないと思うんですよ。

そうでもないかなぁ・・・・

私の場合は物価が安い事以上に税金面でのメリットが大きくてマレーシアに行こうと考えた口ですからそう思うのかもしれませんし、特にオーストラリアはたとえ定期の金利でさえ総合課税で、日本のように20%の源泉で済むということもなく、オーストラリアからマレーシアへのお国替えは日本在住者以上のメリットがあるから税金面が気になるのかもしれません。

免税ってことは、これってマレーシア政府からその分をもらっているのと同じことなわけで、それを加味してマレーシアの物価を考えるととんでもなく安いと私は思うんですよ。

どこに住んでも「手取り収入は変わらない」という前提で多くの方は話をしていますが、実はそういう人は少数派かもしれない。毎年春には日本に帰って確定申告をする人も多くいるようですし、その方々は住民税は支払っていないはずですし、我が家のように金融関係からの収入しか無い場合はマレーシアに行くと完全に所得税がゼロになるわけで、それの恩恵は素晴らしいなんてもんじゃありませんね。税金がかからないというより、今まで払っていたものを「マレーシアに行けばマレーシア政府が支給してくれる」と考えても同じことなんですよね。

マレーシアって凄いと思いますわ。世界には多くのタックスヘイブンがありますが、英語圏で居住ビザが簡単に取れて、しかし世界の僻地ではない(笑)という意味ではマレーシアがダントツだと思います。オーストラリアからはバヌアツ(タックスヘイブンでニューカレドニアの近く)に移り住む人も少なくありませんが、日本人としてはバヌアツってどこ?って思うはずですし、またグランドケイマンだのマン島だのなんてお金をくれても住みたくないですよねぇ。

でもま、香港、シンガポール、モナコやリヒテンシュタインも似たような税制がありますが、居住ビザを取るのは簡単ではないし、また生活費がとんでもなくて年間億を超えるお金を稼げる人たちならまだしも、小金持ちが住める場所ではなく、どこかないか?と見渡すとやっぱりマレーシアしか無い。

ま、そんなことを考えると、私としては「やっぱりマレーシアの物価は3分の1以下と同じ」だと言いたい。

ただ、居住費関係は私はそれほど安いとは思っていなくて、もしかするとゴールドコーストより若干安い程度かもしれない。というか、家賃そのものは安くても、内装や家具を加味するとそれなりの額になってしまうような感じがしています。

そして問題は車ですよね。

ちょっとした車を買えば30万リンギットは簡単に超えてしまうし、そこそこの車は平気で50万リンギットもする。つまりそれだけ保険料も高くて初年度は40万円超えなんてことも起きるし、償却も考えると年間150万円を超える支出になってしまう。

でもま、所得税がゼロだと思えば、本来払うべき35%~50%がないわけだから、その分、家賃も車も維持費も安くなる計算になるんですね。そういう計算をすると、一般的な物価はオーストラリアの5分の1以下であり、家賃も半額、車もオーストラリアより安いことになる。

う~~む、やっぱり経済的にはマレーシアは天国としか言いよう無しってことになります。経済的なデメリットが何かあるか探しているんですが、見つかりません。

まぁ気になるのはインフレぐらいですし、為替に関してはどこに住んでも同じことですし、その辺の心配はさほどしていません。

何か見落としているところはありますかね?マレーシアに住むことによる経済的デメリットですが。

今、フト思い出したのですが、前の日記にあるマレーシア在住の日本人の話を書きました。その人はどこで何を食べるにしても「我慢したことがない」っていうんですよ。食べたいものを食べると。

なぜそんなことが出来るのか、やっぱり所得税がらみなんでしょうね~~~。

ただし、逆を言えば、「年金だけで生活できる」と大宣伝するのはどうかとも思うんですよ。ま、生活費を落とすのは日本でもオーストラリアでもやろうと思えばいくらでも出来ますから、それは間違いではありませんが、「それなりの生活が出来るのか否か」に関しては年ごとにどんどん変わっているはず。

これはクアラルンプールの物価高、インフレを嘆く人が多いことと、イポーのような地方都市に拠点を移す人が少なくないのもそれが理由だと思っています。

そして、何よりもマレーシアの統計にそれが出ていて、今ではKLの「平均世帯収入」は日本人の「高齢者の世帯収入」を超えたんですね。えーと、これのデータを過去に出したことがあったんですが・・・

これは月の平均世帯収入ですが、KLでは1万リンギットを超えて年間10%以上の率で増えている。(2014年度)

では日本はというと赤文字で書き入れましたが、高齢者の年収が約300万円。月収25万円。

この辺のことを詳しく書いた日記はこれです。最新情報もこの日記にあるリンクから調べれるはず。

マレーシアの世帯所得、物価の伸び | dabo_gc

つまり、家族構成にもよりますが、KLに住んでいると豊かだという感じはどんどん減っていくんじゃないでしょうか。ましてやロングステイヤーは毎日が日曜日で遊びにお金が掛かるのを考えれば、そしてこの年率でマレーシアの世帯所得が伸びることはないにしても平均でこの額ということは日本人の年金生活者より豊かな家庭はかなり多いと考えて良いはず。

つまりインフレというより、様々な物品、店やサービスが金持ち対象に移ってくるはずで、タダ同然だったゴルフもお金が掛かって来るとか、モールに行けばなかなか入れない店が増える、ホーカーズも値上がりするということが頻繁に起きるはず。

ま、そういう意味では日本の田舎暮らしのほうが豊かな生活が出来る時代は遠くはないと私は想像しています。

今までマレーシアに滞在していた人たちは良い思いが出来たかもしれませんが、それが今後も続くとは私には思えず、最初から地方都市を狙うとか対策を考えないとこれからの世代は大変かもしれませんね。ま、昔の台湾、韓国、香港、シンガポールを考えてもそういう歴史がありますし、オーストラリアも同じで、来た当時はなんでも安くて天国だと思いましたもの。(笑)

環境や状況に合わせて移動や撤退が簡単に出来る人ならまだしも、仕事や子供の学校の関係で動くに動けない環境になることを考えないとならないケースもあるでしょうし、なかなかマレーシア生活は今までのように簡単にはいかなくなるんでしょうね。

所得税がないという恩恵を受けられる人に取ってはマレーシアのアドバンテージはそう簡単には崩れないと思っています。でもいつかはシンガポールや香港と同じように生活は楽ではない時代が来るのかも。それはまさにシンガポールや香港が辿った道なんですね。

マレーシアの経済発展もそこそこで通貨安、デフレにでもなってくれれば・・・なんて想像は口に出さないお約束。(笑)

 
 
 

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