不動産投資に思うこと

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コメント欄で、私が不動産投資をどう考えているかというご質問がありましたので、また再び日記本文に書くことにしました。

この話題が出たのは「インフレに勝つためにはどうするべきか」という点からです。「物価上昇に伴い、それ自体の価格も賃貸収入もスライドして上がっていく不動産保有について、どのようにお考えでしょうか?」とのコメントを頂きました。

そのコメントにレスをつけたものをそのままここに出します。

私は不動産のことは全くわからないし、好きではないと何度も書いていますが、要点をまとめれば以下のとおりです。

◯ 引っ剥がして持って逃げられない。(笑)
◯ その日中に売買が出来ない。
◯ 買い増ししたり減らしたりが出来ない。
◯ 持っているだけで経費が掛かる。
◯ 値下がりのヘッジが出来ない。空売りが出来ない。(笑)
◯ 諸経費、税引き後の利回りはかなり低い。(キャピタルゲイン、家賃収入に対して無税ということは殆どの国であり得ない)
◯ 素人は「買うときは高く」「売るときは安い」が当たり前。(笑)

不動産投資って他の収入が多い人が税金対策も絡めて、借金をして他人の褌で大きくなるための手法だと理解しています。

不動産はインフレには強いと言われていますが、それは神話でしかなく、景気によって価格が動くのは全く同じで、家賃も金利と連動していて低金利時代になると不動産だけ突出して利回りが良いということはないと思っています。また今の時代、需要があるのに供給が少ないなんて時代遅れのことはどの国にもあり得なくて、需要が増えればそれを狙ってさらなる供給が増えるはずで、私にはどう考えてもメリットが見えないんです。

私が思うインフレに対処する方法は、インフレ以上に「収入を増やす」こと以外にないと思っていて、「資産防衛」は無理という考え方を持っています。

実際に、私が知っている限りでは「東京」「ゴールドコースト」「マレーシア」では資産防衛としての不動産投資は「多くの方が」失敗しているはずです。うまい時期に買った人は別ですが、さてこれからは?

マレーシアは近年注目されて大きく動く不動産もありましたが、結局、目利きでなければ勝てないのは株式投資と同じで、またタイミングが何よりも大事なのはやっぱり株式投資と同じで、「不動産」というくくりで何か神通力があるように考えるのは非常に危険だと思っています。私は「金融商品」と同じ目で不動産を見ていますが、全くメリットを感じないのです。放っておいても価値が上がり家賃も上がるような時代って「長い間の一時でしかない」んじゃないでしょうか。またそういう時には他にいくらでも利益を出せるものがあるんですね。不動産が良いというのは「定期預金」ぐらいしか資金運用法がわからない人の話だと思っています。

マレーシアで素人が不動産を購入し、賃貸にも出せず、値上がりもせず、泣いている人のほうが多いと思います(私がいつもチェックしているコンドの売値推移、レント、空き部屋率からの想像)。そういう人でもそれを口に出さず、「いやー、そこそこうまく行ってるよ」というのが普通のはずで(笑)、そもそも右も左もわからない海外で不動産投資が良いなんて、そういう発想がそもそもおかしいと思っています(プロは別)。

ゴールドコーストのすでに売った自宅ですが、維持経費が高すぎて賃貸に出しても全く採算が合いません。また賃貸需要が殆ど無いような家ですし、なおかつ所得税で半分持って行かれたら・・・・。

昔、母に教えてもらった格言を最近思い出すんですよ。「稼ぐに追いつく貧乏無し」と。(笑)

大事なのはどんな時代になっても「収入のみ」であって「資産」は幻と同じで、収入を生み出せない、あるいは効率が悪い資産は無いのも同じなんですよね。

私が不動産を考えるときには「攻めの投資」ではなくて「持たないリスクがあるのかないのか」っていう点だけです。つまり値上がりとか投資効率とは全く切り離した考え方。(自宅はまた全く別)

我々の世代は「日本の発展」を身を持って体験してきた世代ですから、何か勘違いしてしまう危険が非常に大きいと思うんです。今の世代は日本を見ていると「賃貸のほうが有利」という考え方が増えてきていますし、そういう時代に生きた世代は将来全く違う感覚で不動産を見るのだろうと思います。結局は不動産といえども「需給関係で動く」という呪縛からは逃れられず、その中で勝ち残るには「株式投資で利益を出す」のと全く同じ難しさがあるんじゃないですかね。

そういう意味からも不動産は非常に危険な投資対象となりうると思っていますし、もし株式投資でも「空売り」を知らない人はかなり危ないんじゃないですかね。

私がこのブログで短期売買を勧めているのはそれが原点にあります。相場の世界では「買う」「売る」は全く同じですし、「買う」からしか利益が出せないというのはボクシングで言うと片手で戦うのに似ていて、どうしても難しい場面がある。そして短期売買というのは、「波乱の時代」こそ有効なんですね。明日のことはわからない。だから今日中に利益を出そうと言う考え方。1ヶ月先はわからない。だから今週中に利益を出そうというのも同じ。

つまり、時代がどう大きう動こうが、上に行こうが下に行こうが利益を出せる技術が求められる様な時代にすでに突入したと思っています。でも自分ではそれが出来ないとするならば、「ヘッジファンド」を研究するべきではないかと。

時代の変化のスピードは科学技術の進歩のスピードと似ていて、どんどん早くなるんじゃないでしょうか。つまり過去の経験は全く役に立たない。でもその中で生き残れるのは「未来の予想が必要ない【短期トレード】」しかないというのが私の考え方です。当然「資産防衛」なんて難しい時代ですから、資産の目減りは「日銭で補う」ぐらいの考え方が必要になると思っています。そういう意味でも不動産投資というのは「お金を牢屋に閉じ込める」のと似ているとさえ感じるのです。ただ実需はいつの時代もありますから、不動産投資をするなら実需狙いをするべきで、しかしマレーシアに関してはそれができなくなっていますし(金額と件数に制限がある)難しいと思います。なおかつキャピタルゲインにも課税されるようになりましたし、プロじゃないと難しいだろうと思うのです。

ま、どんな分野でも素人が楽に儲かる話なんてないわけですが、ではどの分野の技術を伸ばすかを考えた場合、私には短期売買、当然、買いも売りもやる。これしか考えられないのです。

長期投資も考え方は「短期投資の連続」と考えるべきで、買って放っておけばどうにかなるなんて時代はとっくに終わった。長期投資は「草木の栽培」と同じで、毎日ちゃんと面倒を見て、水をやったり雑草も取り、時には枝を落とし、場合によっては植え替えをし、切り倒すことも必要なんでしょう。で、不動産投資というのはそれが出来ないんですね。私が不動産投資に魅力を感じない、それどころか危険であるとしか思えないのはそういうことなんです。

ああ、ついでに短期売買の良さを書いておこうと思います。

◯ いつでも休める
◯ 資金をリスクに晒す時間が短い

これって非常に大事な点だと思います。アルバイトとして出来るのも短期売買しかないんですね。

ただどうしても狙う利幅は小さくなりますから、ロットを大きくしないとなりません(FXの場合)。これに恐怖を感じたり、目の前の波動は小さいのに大きな利幅を取ろうとするとうまくいかない。ここが問題といえば問題。

ただし、先物の世界ですと、たとえばE-miniは1枚300ドルぐらいの証拠金でトレードできますし、1枚で1ポイント50ドルです。1ポイントは4ティックで、1ティックは12.5ドル。大体2ポイントから4ポイント狙いの波動が多いですし、売買は1枚だけで1日のノルマは700~1000ドルだなんていうトレーダーも結構いますし、市場規模がめちゃくちゃ大きいですから、10枚や20枚の成り行きを出してもびくともしません。

これはDAXも同じでDAXだと証拠金は3000ドルぐらいですが、1ポイント25ユーロ。1ポイントは2ティックで1ティック12.5ユーロ。で、DAXの場合は5ポイント、10ポイントは簡単に動きますのでスキャルはこちらのほうが楽。日経225で言えば1円刻みみたいな感じでしょうか。ただしDAXは刻み値が小さいので、近視眼的に見るとジェットコースターに乗っているような気になりますし、また刻み値が小さいだけに大きなロットを動かす場合には、ある一定の価格帯に注文を散らばさないと駄目なんですね。でも一日のノルマが10万ドルクラスじゃないかぎり心配無用のはず。

そして先物ですから入ってくるデータに「出来高」があるんですね。FXしか経験のない人は出来高の重要性がわからないかもしれませんが、これを見ていると「ビッグプレイヤー」が動き出した時がわかるんですね。また同じ10ティック上に、あるいは下に動いた時に、出来高の違いがわかると場の様子が見えてくるわけですよ。あるいは大きく動いたのに出来高が少ないとか。それを「読み」に加味できるのか出来ないのかの差ってヒジョーーーーーーに大きいわけです。

そして一番大事なのは、「全てのデータは実際に取引されたデータ」だという点。Bid&Askも本物のトレーダーが出しているんですね。FXみたいにわけのわからないものとは全く違う。当然、操作されているなんてことはあり得ないわけです。

ここでMT4好きの人は考えないとならないんですね。どうしてMT4は先物の世界にはないのか。どうしてMT4って無料なのか。FXというわけのわからない世界とMT4ってどうしてくっついているのか。MT4がなければ証券会社は儲けがでないのかもしれない。どうしてユーザーには無料で提供して、証券会社がMT4の会社に使用料を払う形態になっているのか。

ここが気になる人はいろいろ検索してみると面白いと思います。証券会社とMT4がどういう関係にあって「どういう仕様」になっていて「どういう証券会社用プラグイン」があるのか暴露する記事はいろいろありますから。そしてなんでスプレッドがメチャクチャ小さいのに売買手数料がなくて証券会社はなりたつのか。スワップポイントが大きい会社があるけれど彼らはどこからその原資を捻出してるのか。

でもそれを読むと、MT4で売買するなんて恐ろしくて、馬鹿らしくてやる気が一気に失せますからご注意を。(笑)

 
 
 

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