ウソと書いたのは釣りです。m(_ _)m
昨日書いた日記にコメントが付き、その中で「免税で自動車を買う(持ち込む)には注意したほうが良い」と自ら日本から車を持ち込み、KL在住も長い方からサジェスチョンがありました。
この件は私も過去に何度か書いたことがありますが、そもそも「MM2Hは免税で・・・」という言い方に間違いがあるんですね。普通、これを免税とは言わないはず。でも何故かほぼ全員が免税だという。私も面倒だからそういう言い方をしますが。(笑)
免税で買えるという意味は、まさにその言葉の通り免税であって、「後で払え」なんてことはないわけです。でも自動車の場合は「後で払え」が起きる。これを免税と呼ぶのはおかしいと私は考えています。あえて言うなら「保税」でしょう。
免税で買うなり輸入するなりした車を「未来永劫」乗るなら問題がありませんが、いつかは売る(下取り)、あるいは廃車する時が来る。その時に「納税義務」があるということなんですね。(注:廃車時には納税義務はないそうです)
だから「真の免税」だと思っていたらここでびっくりすることになる。それも大した額じゃなければ「しょうがない」となるんでしょうが、この額が大きいとショックも大きいはず。
もちろんその時の税額は当局の計算方法で算出されるわけですが、私が調べた限りではそれのベースになるものは「公表されていない」様で、エージェントを通して「個々のケース」を調べてもらうことになる様子。
ここでの問題点は、「中古車の値下がりと同率で税金分も下がる」のなら問題はないですよね。ところが「中古車はカス」なのに「税金分だけはしっかり取られる」場合。
特に日本から持ち込んだ場合は「見たこともない不人気車種」のケースもあるはずで、計算上では価値があっても市場価格は非常に低い。でも税金は市場価格とは関係なく容赦なく課されるってことじゃないですかね。特に「日本での価格」が頭にある場合、「日本ならこの車はほぼ価値が無い」と思うような車でも、税金を払えと言われれば「嘘だろ~~」と思う。でも払うしか無い。
これは持ち込みじゃなくても「現地で買う」場合も同じじゃないですかね。車種によって人気不人気があるわけで、それで市場価格は決まる。さて、税金はどういう計算になるのか。
逆を言えば、マレーシアには大量に中古車が各国から(主に日本、イギリス)から輸入されてそれが販売されている。つまり売れるから輸入するわけで、それと同じような車種なら中古車としての価格はそこそこ付くし、税金を払わされても「結局、徳だったね」で終わるのかもしれない。でも不人気車、年代もかなり古くなれば、それがマレーシアで買おうと日本からの持ち込みだろうと、税金分が高いと感じることになるんだろうと私は想像しています。
特に日本からの持ち込みの場合は、後々面倒になるのは「はっきりしている」んですね。
これは私もオーストラリアで3車種の中古輸入の認可を取り、中古車の輸入販売をしていましたからわかるんですが、故障をしたら「アウト」なんですね。特にオーストラリアの場合、すでに大手が正規に輸入している車種は「中古での輸入はできない」決まりがありますので、オーストラリアには無い車を輸入する。つまり部品もないわけですよ。
故障でも事故でも「部品が必要」になったらどうするか。当然、輸入するわけです。船便なんてちんたらやっていられませんからもちろん航空便。小物なら良いですが、エンジンブロックだのミッションだのとなったらどうなるか想像するのは簡単だと思います。
私はこれと同じことがマレーシアでも起きているはずだと思っていて、昨日コメントをくれた方は「部品は輸入」をしているとのこと。
それも良いんですよ。特別な愛着があるとか、特殊な車なら。ところが普通の車でもうポンコツになっていたら、「輸入する部品のほうが高い」なんてことも起きるんですね。私が中古車販売をしていてネックになるのは常にこの部分でした。販売者も困るし、客も困る。でもオーストラリアの場合は輸入する車がほぼ決まっていて、それを目当てに部品だけ輸入してストックする業者も出てきましたし、また輸入車の市場も大きくなって国内で手に入る部品も無くはないですからどうにかなりましたが、「個人の輸入枠」で全くオーストラリアに存在しない車を持ち込んだ場合、部品の入手は非常に困難で高いものにつくということ。
マレーシアも同じじゃないですかね。
ですから免税で買う場合、持ち込む場合は「現地での人気車種」であることが重要で、「MM2Hは免税」という言葉をそのまま受け取るとあとで「嘘だろ?」と思うようなことが起きるはず。(ただし日本国内と海外とは同じ車種でも中身がそうとう違うケースがある)
私が思う大事なことは「免税である」というのを忘れること。本来払うべきものを「先延ばし」してくれるだけだと考えるようにしています。そしてその額は「年月とともに減る」のでラッキーだと。
困るのは「廃車」のケースかもしれませんね。事故を起こした場合などで保険金がちゃんと降りれば良いですが、そうじゃない場合、車の価値はゼロ。ところが税金分はしっかり払わないとなりませんから。捨てて帰るわけにもいかない。俺の車はポンコツだから最後は「捨てて帰れば良い」というのも成り立たない。(注:廃車時には納税義務はないそうです。)
ま、そんなこともあって、持ち込んだ車を引き上げ時に持って帰る人もいれば、本人は帰ったのになぜか車だけ置いて帰る人も多い様子。売れたら売ってくれなんて業者に頼んでも、業者は売る義務もないし、保管代を頂戴すれば儲けが出る計算(売れなくても長期的に安定した収入となる)を間違いなくしているはず。
車のことに限らず、海外で暮らす場合、目に見えない経費はいろいろあると思います。言葉や習慣がわからないということだけで、いらん金も掛かる。でもそれが当たり前であって、自分が日本にいる場合と同じような感覚で細かく経費削減をしようと思っても、そうは問屋が卸さないんじゃないですかね。
ま、世の中の「良い話」をその気になって信じる人は必ずいつかしっぺ返しがあるってのは世の常だと思っています。
結局、「免税で買える」メリットは「新車時の税込み価格の税金分 - 売った時の税金分」、この差額しかないってことですね。これって実際に計算してみると大した額じゃないと私は思います(かなりの長期で乗るなら話は別)。それどころか売却時の税金分が「車両価格の落ち」ほど無いとしたら「損することもありうる」ってことじゃないですかね。当局が計算する税金が「市場価格を考慮」しているのなら問題ないのかもしれませんが、そこはわかりません。でも人気度(あるいは程度)によって計算を変えるなんて面倒なことはせずに、新車時の車両価格と経年で決まった係数を掛けて計算するだけだろうと「想像」しています。
「MM2Hは自動車を免税で買える、持ち込める」というのは「甘い汁」「呼び水」であり、聞こえの良い「MM2H販促のツールでしかない」と私は思っています。\(^o^)/って喜ぶほどのことではないんじゃないですかね。
昔からどの国でも「旅行者が車を持ち込んで、国外に出るときには車も持って出る」というシステムがありますよね。「カルネ」と呼ばれるもので日本でもそういう特殊なナンバーを付けた車が走っている。結局、マレーシアもこれが基本にあると考えれば良いと思うんですよ。だから「帰るときには持って帰れ」が基本で、でも「売ることも出来るよ。でも税金払ってね」みたいなもんだろうと。免税で買うのも、空港の免税店と同じだと考えれば良いんじゃないかと。あれって「海外に持ち出す」から免税なわけであって、国内で使うなら課税される。MM2Hの免税は「国内で使っても良いよ」という利点がある。でも転売する場合には税金を払えと。当たり前といえば当たり前ですよね。それが嫌なら、空港の免税店と同じように「国外に持って出てね」ってことになる。
この件に関してもそうですし、そもそもMM2Hというビザの設定、その条件、権利の範囲にしても「マレーシアってずる賢いと言ってよいほど頭が良い」と思います。
でも私がマレーシアの将来って面白いと思うのはまさにその部分で、誰が指揮を取っているのか知りませんが、あちこちに「計算しつくされたもの」を感じるからです。この辺は「場当たり的」で「整合性のない」ことを平気でやる日本とは大きく違う。経済規模だとか国民の民度、教育水準など、日本には劣るところが多々あると思いますが、この「マレーシアの賢さ」があれば、遠い将来日本に追いつき超える日が来るかもしれない、そんなことを考えています。(国民一人あたりのGDPという意味であって、技術力とかそういう意味じゃない)(日本人とは違う価値観の【豊かさ】をこの国は手に入れるかもしれない)
今は「ルックイースト」という言葉は無くなりましたが、これは単なる「真似しよう」「学ぼう」を超えたかなり計算された計画であったんじゃないですかね。マレーシアは歴史的に見ても「交易の拠点」として伸びてきて、「外国・外国人を利用する」ことに関しては年季が入っているプロ中のプロ。サウジアラビアやドバイに似ているわけで、ここが日本人にはなかなか理解できない点じゃないかと思うんですよ。ましてや「大国に統治される」という嫌な経験も「十分すぎるくらい」しているわけで、グローバル化した今の時代に、マレーシアの経験、ノウハウは必ず生きると思うし、日本的発想、ましてや「上から目線」でマレーシアを見ていると「読み間違える」だろうと私は思っています。
いろいろ問題点もあるマレーシアですが、「マレーシアから学ぼう」という視点を日本は持つべきじゃないですかね。彼らの賢さ、したたかさが日本にはない。そんなことが、この「MM2Hは免税で・・」というところにも見えるような気がするのです。
余談ですが、今は知りませんが、日本にも「海外在住者が帰国時に無税で車を持ち込める制度」がありました。1年を経過しないとその車は転売できず、でも1年経てば自由で「税金を払ってね」なんてこともない、ザル法。私が若いころに非常に安く買ったアメ車(ファイアーバードのエスプリ)が偶然その手の車で、ある日ある時、税関の人が我が家に来ました。「どこから買いましたか?」と聞かれただけだったんですが、その車は「個人輸入された車」で1年以内に転売されていたんですね。つまり1年経過しないと転売できないという法律を違反しているわけですが、それを名義変更時にチェックするシステムもないってことなんですね。日本って縦割り行政でメチャクチャだと思いましたわ。
ああ、それともう一つ。
オーストラリアで日本からの中古車輸入をしていた頃の話ですが、その車をこちらのオークションに出したことがあります。そのオークションはプロ、一般人が入るところですが、なんと、「値が付かず」でした。誰も一切手を挙げない。安くても無視です。
結局、輸入中古車はそういう車を手がけている業者同士、何も事情がわからない素人が買うものと言っても大げさじゃないかもしれません。中古車って見た目は良くても何が潜んでいるかわからないですし、同じトヨタ車だとしても「トヨタのディーラーは一切面倒を見てくれない。修理点検も受け付けない」のが普通で、そういう車は「超安値」だから売れるんですね。まともな価格なんかつかない。
日本で1972年でしたか、並行輸入が解禁になった時、すぐにアメリカからアメ車の新車並行輸入を始めたんですよ。その時も同じで、正規輸入車(ディーラー車)と「大きな価格差」が無い限り売れませんでした。正規代理店は故障や修理点検の面倒を見てくれないのだから当たり前ですね。今は日本は並行輸入車も市民権を得ていますが、そしてそれはマレーシアも同じでしょうが、「本家の長男坊」とは意味が違う◯◯◯の連れ子みたいな状況はあるんだろうと思っています。
ただひとつ朗報があります。トヨタ車に限ってですが、「MM2Hが個人で日本から持ち込んだ自動車」でも「トヨタの正規ディーラー」が面倒を見てくれるとのこと。その店舗には日本人がいるらしい。
ま、「MM2Hは無税で自動車を買える(持ち込める)」ってのはある一面、間違いはないですが、それが全てじゃないってことですね。でも「買うときには手数料を免除します」「でも売るときにはごっそり取りますよ」ってのと一緒で、まぁ商売がうまいというかなんというか・・・・
注:廃車時には納税義務はないそうです。廃車は名義変更ではなく、また日本に持って帰る場合にも廃車はするわけで、納税義務はないというのが正しいと思います。
大変申し訳ありませんでした。m(_ _)m
ただし疑問が残ります。例えば事故を起こしたり盗難にあい、全損扱いで保険がおりたとします。保険は「税込の市場価格」で入ることになっているはずですから、この場合、税込価格を手にすることが出来るわけですよね?税金は払っていないのに。
これっておかしくないですかね?
それとも・・・・・・。だとしたら良からぬアイデアが出てきてしまう・・・・(笑)