年金問題をおさらいしてみる【動画】&日本はどうなるのか

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私は「年金は貰わない」という考え方を若い頃から持っていまして、年金の受給資格はありますが、もらえる年金は微々たるもので子供の小遣い程度にしかなりません。ただオーストラリアの年金がもらえますが、オーストラリアの年金は日本で言う「生活保護」に似ていて、資産や収入のテストがあり、それによって減額、あるいはもらえないようになっています。で、正直に申告すれば私はもらえない。(オーストラリアでは資産を子供に贈与(無税)して、このテストを通す人もいる。ただ収入が生まれる資産を子供に贈与すれば子供が納税することになるわけで効率が良いとは言えない。でも子供が海外在住だったら・・)

ま、我が家はどちらにしても死ぬまで自分で収入を得るしかないのですが、それは横に置いときまして、日本の年金事情をいまあらためて知りたいと思いました。

私たちのこれから #老後危機 あなたの備えは大丈夫?/NHKスペシャル 2015年7月

またちょっと時期ずれますが、サミットが終わった頃にアゴラで年金基金が破綻するのは見えているというのを知りびっくりしたことがあります。

今現在で株価の変動によって5兆損したとかどうの言っていますが、2032年で年金基金はゼロになり、その後、年金だけで2050年には消費税を20%にしても600兆円のマイナスになるとのこと。これの計算根拠はわかりませんが、そういう試算がある。

この動画の後半、10:40あたりから。

社会保障は国民の保険料でやりくりするのが基本だと思いますが、年金も医療も政府の負担が大きく、さてどうするのか。保険料を上げ、政府の負担を下げ、目的税の消費税を大幅に上げ、なおかつ社会保障費を下げても今出ている案では大した改善にはならないと言われている様子。

政府の借金を増やさないとすれば痛み分けをしなければなりませんが、若者も高齢者も含めた弱者は今まで以上に酷いことになるのは明白で、弱者は足切することになるんじゃないですかね。下流老人どころの話じゃなくなり、一億総下流時代が来る。

あちこちの識者の案を聞いても、これぞ解決策というのは見えなくて、「経済成長すればどうにかなる」という夢を全面に出すしか無いのがわかります。では経済成長できなかったらどうなるのかは言わない。それが今の状態に思えます。

財務省主導で長い間行われてきた「日本の借金は1000兆円を超えた」というキャンペーン、プロパガンダは間違いではないにしても正しいとは私は思っておらず、それはバランスシートの見方一つで見え方が違う。今は日銀が国債を持っているということはバランスシート上はそれは資産となるはず。つまり、国がその分の紙幣を発行したのと同じ状態。そう考えると日本政府のバランスシート上のマイナスは200兆円以下になる(莫大な利息も収入となるのも忘れてはならない)。日本の円や国債が叩き売られないのはそれがあるからなはずで、借金は1000兆円以上あると騒ぐのは騒ぎすぎに思えるわけです。

でもこのプロパガンダの影響は大きく、国民の消費意欲も削ぎ、将来への不安を煽るばかりとなった。私はこれは財務省、識者、学者の「計ることが難しい人の心」を無視した大罪だと思っています。結局はそのキャンペーンが日本の凋落に拍車を掛ける。社長が全社員を鼓舞し夢を持たせて頑張らなければならない時に、経理部長が出てきて社長のマイクを取り上げて「皆さん、我が社は大変なことになっています」とやる気を削ぐのと同じ。顧客にも「我が社はこのままでは潰れます」と説明するのと同じ。

これを無くす方法はいくつか語られていて、日銀の買いオペは「買い切り」にしてしまう。国債は「無期限、無利息」とするという考え方がある。つまり、政府が紙幣を刷って市場に流すのと同じで、実質的に借金ではなくなる。一番わかり易いのは「政府の紙幣発行権を行使」して国債を日銀から買い戻して破いて捨てる(笑)、という方法があるし、これはいつか将来のある時点でやるんじゃないですかね。で、見かけの借金を減らす。私の信頼している元大蔵官僚の高橋洋一氏は何年も前からこれを提唱している。

これが出来るのはデフレの時にしか出来ず、今のようにお金が潤沢に出ているのにインフレになっていないから出来る離れ業じゃないですかね。

しかし、お金を市場に流し続ければいつかは皆が恐れるハイパーインフレになるのは当たり前で、白川前日銀総裁の頃から「ハイパーインフレになる」と金融緩和アレルギーは大きく、このブログでも何年か前に私が積極的に金融緩和をしない白川氏批判をした所、ハイパーインフレになるというコメントを頂いたのを思い出します。でも現実はハイパーインフレどころかデフレの脱却も出来ていない。

これはお金を出しても市場に回ってないからなだけで、水道の蛇口を開けてジャバジャバ水を出しても、それは溜池に溜まるばかりで、市場に出ていない。こんな時に更なる金融緩和をしても意味がないはずで、その溜水を使わないかぎり溜池の水が増えるばかり。この水を使えと号令を掛けても、大企業も中小企業も個人も自分のプールに水を溜め込んでいる状態で、その水さえ使おうとしていない状態。これじゃ金融緩和をしたことになっていないわけで、リフレ派がこれで大丈夫といったようにはなっていない。

じゃぁ、皆が水を使うように政府が主導して財政出動するしかないとなる。というか、金融緩和と財政出動は車の両輪だと思うのだけれど、安倍氏は何を考えたのか、(財務省勢力の)圧力に屈したのか、財政緊縮という全く逆のことをやった。第二の矢は放たれることはなかった。アベノミクスが失敗かどうか議論されますが、私にしてみるとアベノミクスは掛け声だけで放たれたのは一本の矢でしかないと思っています。アベノミクスは実施されていない。

財政出動は必要だとは思いますが、これもマッチポンプと同じですよねぇ。これが解決策になるわけでもなく、単なる刺激策でしかない。そしてそれを実行しても景気が回復しなかった時こそ、最大の恐怖、試練の時が来る。後ろは絶壁で下がる事ができずに打った手が失敗したらどうなるのか。

景気は今後良くならないという前提で考えるリベラル派は多く、それを前提にした場合、政府の支出は出来る限り抑え、金を持っている個人、企業からふんだくれとなるんでしょう。でもこれをやっても「稼ぐ力のあるもの」は海外へ逃げ、残ったものは「とりあえずどうにか生き延びる」ことができるだけで、国の整備も今あるものの維持も難しくなり、国民は貧しく、国は荒廃し、ただそこに生きているだけとなると私は思うわけです。

結局、いつかは成長戦略を持って伸びることなくして何も解決しないと思うんですが、私は日本の政治家・官僚の質、縦割り行政、利権構造、変化を嫌う日本そのものの体質を考えると、誰がどうやっても駄目だと思っています。これは景気が良くなっても変わらないはずで、それどころか景気が良くなっても今の体質が強化されるだけで、日本の根本的な問題はそのまま続く。そんな風に思っています。

だから日本はもう終わっている、と思うわけです。

青山繁晴氏が言う自前資源のメタンハイドレートが大きく実用化されるだけで日本経済はかなり変わると思っていますが、長い目で見れば、それは「点滴という良い手があった」程度のことでしか無く、日本そのものが変わらないかぎり駄目じゃないでしょうかね。いわゆる日本は青年期も過ぎて老化しているのと同じで、延命治療をいくらやっても駄目だと感じます。

国って人間と同じで「生まれ」「育ち」「伸びて」「老いる」というサイクルがあると私は思っていて、もちろん日本は老いている。世界の大国も同じ。でも「再び生まれ変わる」ことは出来るんですね。日本においてはそれは明治維新であり、第2次世界大戦であったと思います。こういう大きなキッカケがあれば生まれ変わることはできるけれど、それがない限りは無理で、今までの考え方、体質を維持しながら上を向いてももう伸びる力はないと思っています。

かつて世界を支配したイギリスがどんどん凋落していったのと同じ道を日本は歩くと私は思う。戦勝国が凋落していったのは変化するチャンスがなかったからかもしれない。でも日本にもその順番が来た。

どんな素晴らしい指導者が日本に現れようと、国民も政治家も官僚も企業も生き方を変えるのを嫌がるのが人間の本性であって、それを壊す外部からの力が働かないかぎり、自己改革はできない。残念だけれどこれが「生命の真実」じゃないかと思うんです。環境が大きく変わらない限り基本的な生き方、考え方は変わらない。変われない。日本はMS-DOSからWindowsには移行できた。でもWindows3.1のままで止まっているみたいな(笑)。基本のOSを変えないかぎり、どんな素晴らしいアプリもその上では動かない。

でも私には小さな夢があって、それの一つが「メタンハイドレート」。また日本が人類の夢である「核融合発電」を世界に先立って実用化できれば、日本は数百年単位で延命できる。延命できれば改革のチャンスもあるわけで、政治も官僚も世界を見れば学ぶべきところはいくらでもあるし、国民の変革意識も高まる可能性がある。

でも今のままで「経済成長を目指し」、財政出動じゃ、いや削減じゃ、増税じゃ、減税じゃ、延期だなんてやっていてもどうにもならず、「どのカンフル剤が効くか」の論争をしているのと同じで、延命治療からの脱却はできないと思っています。

そんな時に、フト、マレーシアを見ると、悪い点はいろいろあるでしょう。でもやっぱり若さがある。力がある。夢がある。私はこれが将来を作るのだと思うし、今はイマイチだとしても「明日がある」と感じます。我々は企業家ではないわけだから、東南アジアを見る時に、インフラがどうじゃとか、人件費がどうじゃ、技術力、教育程度、やる気、あるいは法整備がどうじゃとか考えるべきではなくて、また「民度」がどうじゃとかでもなくて、そこに「夢」があるのかどうか、これがすべての鍵になると考えています。それさえあればいつか国は伸びる。国民も育つ。

私が海外に出てわかったことはそれだけかもしれない。

マレーシア行きが楽しみです。

日本のことは遠くから案じることしか出来ない。日本には良い所が山のようにあるの土台に問題があってそれが生かし切れない。でもその土台があるから日本の良さが出来たのかと思ったり。

それとも日本の明るい将来が見える「何か」はあるんでしょうか。是非、教えていただきたい。私自身がこの自分の悲観的な考え方を変えたいと思っています。

まずは、その悲観的な性格を変えろってか?(笑)

 
 
 

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