まさかのまさかでしたね~。私も間違いなくヒラリー氏が勝つと思っていましたから。でもそれが面白くなかったんです。私は半端じゃないアンチヒラリーですから。でもトランプ氏が良いとは思っていなくて、ヒラリー氏よりは良いと思っていた程度。
あの暴言も半端じゃなかったですが、あれはアメリカ流、彼流の「ブラフ」だと私はずーっと思っていて、でも本音はどこにあるのか見せない。まさにビジネスマン的。ある意味、卑怯と言って良くて、自分の主義主張ははっきり言わず、一般大衆に受けることを言い続けた。
一般大衆受けする方針で今後貫けるはずもなく、でも本音がわからないってのに変わりはなくて、世界がどう変化していくのかさっぱりわからず。(笑)
でも彼はビジネスマン的に考えて、オバマ氏のように理想や心情で動く、あるいは動かないなんてことはしない人だと思っていて、「実利を求める人」であってそこに期待しています。
でも彼の考える利益と私が考える利益は同じじゃないわけで、またアメリカ中心の利益を考えるにしても「何が利益か」は考え方でガラッと変わる。日米同盟やアメリカのアジアでの軍の駐留、それはNATOも同じだろうけれど、「守ってやっている」という言い方は間違えているはずで、駐留することによる「アメリカの利益」があるはず。
逆に、日本が経費負担もしたくないから、この際、日本から出ていってくれと言ったら出ていくのか?韓国も同じで、その分、軍縮も出来てアメリカの利益になるのかと言えば大間違いのはず。アメリカはアメリカだけであの軍隊を維持できないし、日本と切れることは出来ない。そして当然、東アジアでの力はなくなるわけで、オーストラリアも含めたアジア諸国がどう変化していくかを考えれば、「守ってやっている」なんてのはチャンチャラおかしな理屈であって、結局あれも彼流のポピュリズムでしかないと思うわけです。
ではどうするつもりなのか?
相手の出方、様子を見ながら、そして周りの変化する環境も見ながらどうするのか臨機応変に対処するのだろうし、それがビジネスマン的な考え方だろうと思うわけです。
でもそれがトランプ氏の真の姿かどうかもわからず、目先の利益で動くアホかもわからない。
どちらにしても世界は変るのは間違いがないと私は思っていて、彼の動き、発言一つで世界はハラハラドキドキ、あっちに動きこっちに動くのだろうと。
昨日今日の為替、日経平均の動きを見ても面白いもんで、トランプ優勢色が出てきたら円は「暴騰」するし、日経平均は「暴落」。これが市場参加者による「トランプ評価」ってことなんでしょう。
では一日明けた今日どうなったかというと、「トランプ期待」で円も株も逆方向に大きく動いた。円なんか選挙前より安くなるほど。
トランプ効果って何?
誰も何もわかっちゃいないってことじゃないですかね。トランプ大統領は買いなんですか?売りなんですか?
トランプ大統領となれば円は買われ、株は売られるだろうことはまぁ簡単な読みだと思いますが、では今日の大幅な逆の動きまで読めたのか?ここが重要なんですね。結局これが読めなければ何もわからないのと同じってこと。そしてまた明日はどう動くのかもわからない。
でも市場参加者が何もわかっていないから世界の株式市場も為替市場(まあ今回「金(ゴールド)」が暴騰しましたが)こういう動きになるわけで、今後はボラティリティが高い時代、つまり値が上だ下だと大きく振れる動きになるだろうと思っています。
これって長期投資をする人たちには非常にやりずらい時代になるはずで、いつもジェットコースターに乗っていて、一体どこへ向かうのだろうという不安が常に残るんじゃないですかね。評論家、学者の言うことも開きが大きくなる時代になるんじゃないかと。
でもそれは短期トレーダーに言わすと、「良い時代になった」ことになります。来年、来月、来週どう動こうが、今日、大きく動いてくれていればそれが利益に結びつきますから。実際に、昨日今日の動きで振り回されたのは長期投資家であって、スキャルパー(超短期トレーダー)に取ってはお祭りみたいな状態だったはず。
一般的には先が見えない、読めないと何も出来ないのが世の中で、きっとやりずらい時代に入るんでしょう。
でももしトランプ氏ときっちりネゴができる力があれば、今までとは違う流れに乗ることが出来るかもしれない。これはロシアも中国もそう考えているからトランプ氏を歓迎しているはずで、「アメリカのお尻にくっついていれば良かった日本」もしっかり考えないと、海千山千の諸外国にやられっぱなしになるんじゃないですかね。
理想じゃ夢じゃと叫んでも世界はその方向には動かないわけで、日本の理想主義者も大きく変わっていかないと、日本はどんどん落ちぶれていくはず。でもどうも日本の理想主義者の中には本当に反日勢力が存在するようで、理想に聞こえるようなことでも、実は日本を陥れているのかもしれないという発想も大事になってくるのかも。
私みたいに中小企業の世界に長く、表舞台を歩いてきたわけじゃない者にとっては、「変化こそチャンス」。
そういう意味でワクワクしています。
それとこのブログでも私は「グローバル化」は馬鹿げている、安っぽいと書き続けていましたが、イギリスの動きも今回の大統領選にも「反グローバル化」がはっきり見えるのは良い傾向だと思っています。(でもボーダーレスはますます加速するんでしょう)
かつてアメリカが世界の半分近いGDPを持っていた時代は「世界の利益=アメリカの利益」であったはずですが、今ではアメリカのGDPは世界の18%程度ほどしかないとのことで、世界=アメリカではなくなってきたので、おのずとアメリカは自分の行く道を模索するはずで、TPP反対もその流れなんでしょう。
そもそも世界は多極化しているのは以前から言われていて、これからはそれが顕著になるんでしょうし、日本も「日本は日本のやりかたで自立する」ことを考えないとうまくないんでしょう。
もしかするとやっと「日本の戦後が終わる」時期に入ったような気がします。でもそれを日本人が望んでいるかというとそうではなくて、現実を見つめることなく、他力本願、幼稚園児の言うような理想主義、他国とネゴも出来ずなにかあるとあたふたする政府、そんなものが今後も続くとすれば「世界で一番長い歴史を持つ珍しい国、日本」が本当に終わることになると思っています。
日本は戦後、ある意味「留置所に入れられていた」ようなもんだと私は思っていて、それは「入れられた」のと同時に「国民もそれを選んだ」はずで、でももうあれから70年。そろそろ「世界という現実」に出ていかなくてはならないんじゃないですかね。
トランプ氏のあの物の言い方ですと、「安全保障」を盾にしていろいろ要求してくることもあるだろうし、それって今までの「日米構造協議」や「年次改革要望書」そして「拘束力があるTPP」へと流れてきたことの延長線上にあって、トランプ大統領誕生でこれだけ市場が動いたってことは、それだけトランプ氏の言動を気にしているわけで、もうこの時点で「トランプ氏は交渉の優位なポジションに居る」ってことだと思うんですよ。
今の安倍氏にはどういう日本にしたいかはっきりした展望があると思うのですが、トランプ氏がそれに沿った形で動けば良いものの、もし脅かさえれば市場も左翼も「大変だ~」と騒ぐであろうことは目に見えていると思うんです。「自ら自分の足を引っ張っていることに気が付かない、気の小さな子ども達」のままなら、トランプ氏の思うとおりに動かされてしまうはず。
別に良いんですよ。たとえ日本国民の総意が「自衛隊を解体」し、「軍備も放棄」して「平和を目指す」ということならそれもしょうがない。でも他の国々がそうであるように「普通の国」になることを選ぶチャンスがきたということでもあると思うのです。おとぎの国からの脱却ができるかもしれないチャンス。恐怖と不安を乗り越えて生きる大人の知恵を獲得するチャンス。
ああ、それとトランプ氏そのものも変わっていますが、副大統領も半端じゃない保守的な人らしいじゃないですか。またブレーンにどんな人達が着くんでしょうね。トランプ氏は政治の経験がまるでないらしいけれど、それだけに良い政治のプロを集められたら面白そう。
彼の「ビジネスマン的判断」ってのを早く見てみたいです。