「Xデイ」は間近か

古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください

かなり緊迫した状況になってきましたね。

アメリカは「北が核実験を行うなら先制攻撃をする」と。

<米軍>「先制攻撃の準備」 北朝鮮核実験強行なら 米報道 (ここをクリック)

しかしアメリカは「中国の動き」に期待している。

北朝鮮情勢 トランプ米大統領「問題は処理される」 習近平氏を「特別な男」と持ち上げ 中国の対北影響力行使に自信 (ここをクリック)

北では4月15日は太陽節(故・金日成主席の誕生日)で、今までの核実験やミサイル発射は常にそういう「意味のある日」に行われている。だから4月15日に何かするだろうという憶測が広がっている。

ところがこの祭典には各国のメディアが招待され、日本からも12社の記者が平壌入りしているらしい。(メディアの総数は60社100名と言われている)

北朝鮮 故金主席生誕記念日に海外メディアを招待=新兵器公開か (ここをクリック)

ここで我々が勘違いしてはならないのは、北朝鮮というと「世界で孤立した国」のイメージがあるけれど、北朝鮮と国交がある国の方が世界では多い。160ヵ国を超えると。もちろんマレーシアもそうだし、中国、ロシア、ドイツ、イギリスも国交がある。

緑色は北と国交がある国。赤は断絶した国。

ブルーの国々には北朝鮮の在外公館が存在する。

国交がある国からは「それなりの人物」が太陽節(故・金日成主席の誕生日)の祭典に招待されているだろうし、国交がない日本からもメディアが入っている。

ってことは「かなりの人数、それなりの人物」が【人質】【盾】になるってことじゃないですかね。

この日にもし核実験、ミサイル発射が行われたとしてもアメリカは攻撃できるんだろうか。

今の動きをまとめるとこんな感じ。

トランプ氏「北攻撃命令」秒読み、北が威嚇 日本は韓国渡航“警告” (ここをクリック)

ただしニュースを読む時に気をつけないとならないのは、この上のニュースがそうであるように「産経新聞」は「トランプは必ず動く」という前提に立っているということ。だからそういう風に思えるようなニュースを集め、そのように書く。

しかしこのニュースの中で恐ろしいと思うのは、「海外メディアの前で、ICBMに転用可能な長距離ロケットの打ち上げを実施する可能性があるという見方もある。」という点。あるいは核実験をして、「皆さん、祝ってください」なんてこともやるのかもしれない。

今、一番注目され、期待されているのは中国の動きで、トランプ=習近平会談でも「お前が説得しろ」と言われ、また「封じ込めもしっかりやれ」と言われている。今まで北を経済封鎖する話が出ても常に北へ物資を送り、北の産品を買っていたのが中国で、トランプは中国のどの企業がなにをしているのかも摑んでおり、中国が何もしないのならアメリカがその企業を制裁すると言っている。

ここでも我々が注意しないとならないのは、たとえば「アメリカ」「中国」とかそれぞれが一つで統一されたものと見てしまう傾向があるということ。

「アメリカ」もそうで、トランプが何を言おうと、それに反対する勢力は間違いなく存在している。ましてや今のトランプは内政的には四面楚歌で、メディアやインテリジェンス(FBI、CIA)ともうまく行っていない。議会対策でもオバマケア廃案でつまずき、政権のポジションもきっちり埋まっていない状況で果たして戦争ができるのかという声は大きい。

「中国」も同じで、習近平がやる気を出せばお坊ちゃまを説得するのは出来るだろう的な考え方が広まっているのは要注意。

中国は一枚板ではなくて、延々と習近平は「江沢民派」をやっつけてきたのは周知の事実。そして江沢民派こそが北と癒着してきた歴史があり、北との国境を含む北部は軍部も含め江沢民派のテリトリー。ミサイル技術も中国軍部を通して北へ流れているだろうと言われるぐらい。北の輸出品である「石炭」を買っているのは江沢民派の企業群で、それを習近平が潰しても潰しても雨後の筍の様に出てくると。

習近平が北部の軍区や江沢民派(中国と言っても朝鮮族が多い地域。朝鮮戦争時に北を助けたのは彼ら)を掌握できていないのはトランプも知っているはずで、「中国が北を説得すれば良い。出来るだろう」というのはかなり安直な考え方であるはず。だからアメリカは「中国が出来ないのならアメリカ単独で動く」と言い続けている。動く準備、あるいは単独での攻撃の可能性が排除できない「環境づくり」が出来ているのは間違い無し。

では習近平は北を説得したいのか、それともお坊ちゃまを排除したいのか。

私は「習近平もお坊ちゃまを排除したい側」であると思うし、今までの「北は中国の属国」という見方は間違えていると思うわけです。

その証拠に、お坊ちゃまは未だに習近平と会談も出来ていないし、お坊ちゃまが中国に送った特使を習近平はけんもほろろに扱い、親書を受け取った時も、そのまま見もしないで秘書に手渡したと。そしてあのクネさんも出席して顰蹙を買った北京での軍事パレードだけれど、当然、北からの代表も出席していたけれど、全く無視して目も合わせなかった。

つまり「北と仲が良い」のは江沢民派であって、習近平にしてみればお坊ちゃまはいないほうが良い存在であると。

そしてそして、北が開発したミサイルはノドンなら日本の主要都市、アメリカ軍基地は射程距離内にあると言われているが、それすなわち、北京も射程距離に入っているということ。そしてお坊ちゃまは中国さえも脅かしている。「北の命綱である北部の江沢民派と敵対する習近平はお坊ちゃまにとっては敵以外のなにものでもない。」

ここは今回の北朝鮮問題のキーとなるポイントで、ここを見逃すと今回の問題の全貌を読み違えてしまうはず。

だから「中国」という国を一つの固まりで考えたら全く真相は見えてこないということで、先日紹介した「河添恵子氏」の分析も頭においておく必要がある。

これが真実だとすれば、中国の本音として「アメリカの攻撃を容認する」考え方もあるはずで、ただ問題として「その後」に起こるであろう「韓国による統一を目指す動き」は絶対に阻止しないとならないし、当然、アメリカが半島に居座ることになったら大事となる。また数十万という難民が国境を接する中国に入るのは間違いがなく、それも頭痛の種となる。

今の時点では「アメリカが攻撃してもしょうがないだろう」という雰囲気に世界が傾きつつあるのを私ははっきりと感じるわけで、かなりうまくないと思います。でも今回何も起きないにしても、北の核ミサイル開発は進むわけで、「攻撃しない」ということは「問題の先送り」にしかならない。そして時が経てば経つほど、北は力をつけ脅威は大きくなる。

そしてこれまたややこしいのが「韓国の大統領選挙」で、もし「親北勢力」が実権を握ってしまう(かなり可能性は高い)とアメリカは手出しは出来なくなるし、北は益々力をつける。その選挙日は5月9日で、アメリカが行動するならこの日より前にしなければならないという論理が出て来る。

当事者そのものなのに「リーダーなき韓国」という状況はアメリカにとって行動を起こすなら最高のチャンスでしょう。中国も動きやすく、二国だけで重要事項を決められるはず。期限は5月9日。

理想のシナリオとしては北の軍部がクーデーターを起こし、それに呼応して人民軍が北へ入り北の全てを掌握するってところじゃないでしょうか。しかしそのときには使えるはずだった「正男君」はもうこの世にいない。習近平と仲の悪いお坊ちゃまはこういう展開、機が熟してきたのをしっかり感じ取っていたのかもしれない。

また異常なほどの強気なお坊ちゃまも、軍事的に北の動きを見ると「まるで戦争をしたいとは思っていない」のがわかるという軍事評論家の解説も気になります。

結局、戦いたくはない北朝鮮、北を動かせない習近平という「事実」をトランプ氏はわかった上で、「攻撃する正当性」を着実に築いているように見えます。こういう上手さ(汚さ)はアメリカの伝統芸なのかもしれませんが、では他にどんな解決方法があるのかと考えても「やっつけるしかないのか」という答えが出てきてしまう。

なんだか私にはお坊ちゃまがかつてのイラクのフセイン、リビアのカダフィとダブって見えるような気がします。アメリカが「潰す」と決めたら潰すんでしょう。かつての日本も同じ。

理想主義者がどう考え動いても「アメリカの意思」を変えることはできないような気がします。今までがそうであったように。

でもまた、「アメリカが攻撃なんか出来るわけがないじゃないか」という「キヤノングローバル戦略研究所の宮家邦彦氏」の解説に一理も二理もあるような気がします。

でも私たちはアメリカがゴリ押しして世界の歴史を作ってきたことはよく知っている。

トランプの大ぼらは、トランプが出てきたときには「馬鹿か?」と思ったけれど、昨今の動きを見ているとあのものの言い方、態度も含めて計算されたものであるのが見えてくるような気がします。

「恫喝と強要、そして煽て」がうまい、そして実行力があるのは習近平との会談前後でも見えたし、彼はそれを駆使してのし上がってきた男なんでしょうね。

そんなことを考えている時に「アメリカが世界最大の爆弾(非原爆型)をアフガニスタンで初めて使った」というニュースも入ってきた。「行動する男」のイメージは世界中に広まっている。でもなんでもかんでもやる様な単細胞でもないのもわかる。

ディーリングの天才。何を考え何をするのかがわからない。これってお坊ちゃまより怖い存在かも。でも強く豊かなアメリカは復活するのかもしれない。

 
 
 

「にほんブログ村」のランキングに参加しております。是非、応援のクリックをお願いします。