「加計学園」問題に思うこと。我々はマスコミを信じたらならないと改めて感じた。

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獣医学部の新設に関して「安倍さんがお友達に便宜を図り、関係部署に圧力を掛けた」ということになっていますね。

官邸は「そんなことはない」と言っていたのに、文部科学省からの内部文書が出てきた。「総理のご意向だ」ということになっていたらしい。

それに追い打ちをかけるように、同省の官僚トップだった前川喜平・前事務次官が25日、公の場で舞台裏を証言した。

「文科省の中で作成され、幹部の間で共有された文書で間違いない」

さぁて大変なことになりましたね。ところが、そもそもその文書を流したのがこの「前川氏」であると早くから言われていたんですね。この人は(天下り問題で)事務次官を止めさせられた人。だから真偽の程が疑われている。でもの噂は官邸側が流した可能性もあるわけで・・・・

ただ気になるのは彼のこの言葉。「行政のあり方がゆがめられた」と。これを聞けば「よっぽど強い圧力があったのか」と誰しもが思うけれど、それをなぜ自分は辞めてから言う?私はこういう神経が理解できないのであって、「勇気を持って今、これを言う」のではなくて「勇気を持ってその時に戦え」と私は思うわけです。これじゃただの「負け犬の遠吠え」。この人、トップだったんですよ。

またこういうことを言うやつのタイプってのも私はわかるような気がするわけで、「いつもは上を気遣って仕事をするタイプ」。当然、忖度、忖度の繰り返し。ところが何かあると忖度したのは自分のくせして「強いプレッシャーがあったから」と言い訳をする。プライドだけは凄いんでしょう。

時系列で考えてみてくださいな。彼は天下り問題で辞めるしかなかった人。そして今回、「加計学園」問題が出た。さてその時、「一体文科省は何をしていたのか?」って話になるじゃないですか。彼はその時のトップ。引責辞任した直後に、また何か責任を押し付けられるようなことは絶対にあってはならない。だから彼は「先手を打った」。悪かったのは官邸だと。だから怪文書のような物が出た時に、それは彼が出したのだろうと誰しもが思ったというのも筋は通っている。で、それを後に「本物だ」と名乗り出る。自作自演でしょう。

忖度は「勝手に相手のことを配慮して便宜を図る」からしょうが無いというか、世界中どこでも起きていること。

ところが「プレッシャーを掛けた」となると話は別。ただし、業者の選定に関しては駄目だけれど、「特区」での実績を早く作れというプレッシャーはあっても当然だと私は思う。トップが進捗状況に口をだすのも当たり前。

これで民進党も共産党もやる気満々でしょう。

ところがですね、ちょっと調べるとわかることがある。

それは日本において「獣医学部の新設」が50数年間、行われていなかったってこと。これっておかしくない?

誰がどう考えても「業界と関係省庁の癒着」があると思うわけです。いやいや、健全な業界を維持するためには当然なんだということなんでしょうが、私はそういうのは全く信じない。

いや、仮にそうだとしてもですよ、「規制緩和」って非常に大事だし、「改革」にしてもですよ、旗を振ったところで業界も関係省庁も動かないってのは日本人なら誰でも知っている。既得権を持っている連中の抵抗たるや半端じゃない。

安倍さんが消費税増税を延期するのにどれだけ苦労したかは、ウォッチングしていればわかるわけで、だからこそ「総選挙で国民の信を問う」というところまで行ったんですね。巷ではあんな選挙は必要じゃないという声が大きかったけれど、「消費税の増税はしないことに決めた」と安倍さんが言ったところで反対派の攻撃は緩まない。

財務省を頂点に、景気に敏感な経団連まで「増税に賛成」っておかしなもんだと思いましたよ。評論家も学者もマスコミも揃って増税派だったんですから。でも増税をすべきではないと声を上げていた評論家たちも多くいて、「彼らのどこが違うか」を見るとやっぱり背景が見えてくるんですね。

「権威のある人こそ増税派だった」と言えると私は感じました。いわゆる「紐付きの人たち」なんですね。そして財務省ほど力のある省庁は無いと私は思っていて、国のお金の「入り口、出口の両方」を抑えているんですから、これに反発できる人も企業も少ないでしょう。

誰だって叩けば煙が出るところはあるわけで、また逆に「言うことを聞いていれば甘い汁」が手に入るのかもしれない。

私は日本というのは「そういう風に出来ている」と東日本大震災の時に感じました。原発ですよ、原発。

あの時、「本当の事を言った人」はすぐに引きずり降ろされたのも忘れられません。東電も政府も、そして学者さえ「うまいことばかり並べていた」と思う。

消費税に関しても、財務省を親分とするそういう組織が出来上がっていると私は確信しています。

そしてですね、今回の「獣医学部」も同じだと思うんです。50数年間、アンタッチャブルだった業界。

これに風穴を開けようとすれば必ず抵抗に合う。

誰が抵抗する?

そりゃ今まで牛耳っていた官庁と、恩恵を受けていた業界。

民進党でこの加計学園に関して一生懸命な議員がいますよね。一見、ヒーローに見える。

ところが彼のバックグラウンドを調べてみると、「業界側の人」であるのがすぐわかる。

確かに安倍さんは「強行した」のでしょう。それをとんでもないと思う勢力と、その勢力をぶち壊し、規制緩和をするべきだと思う勢力(私はこちら側)とぶつかる。

マスコミは反安倍だし、民進党も共産党も安倍おろしが出来るならどんなことでも突っ込んでくる。そして安保関連でも「戦争法案」だとわけのわからないことを喧伝し、テロ対策に関しても「共謀罪」だと大騒ぎ。

確かに問題点はあると多くの人は思っているけれど、ではどこがおかしいのか、どこをどう変えるべきかという議論はなされずに、「国民の恐怖、不安を煽るだけ」にしか私には見えないのです。でもそれに乗せられる国民は少なくない。

支持率は高いけれど、その根本は「経済的に光が見えてきたから」であると言われていて、個別の政策に関しては話は別。

でも安倍さんは「高い支持率」を利用する。

でも当たり前じゃないですかね。正論が通じる世界じゃないんですから。規制緩和なんて本音は誰もやりたくないにきまっているじゃないですか。「今のままで良い」と既得権を持っている人たちは必ずそう思う。

共謀罪に関しても私は世の中の人って変わってるなぁと思いつつ見ていました。

「自由、人権」に強いこだわりがある人は受け入れることが出来ない様子。まさか筍を掘りに行こうと相談しただけで捕まるほどおかしな法律ではないにしても、そしてそういう低レベルな議論をする政治家は無視するにしても、大事なポイントは国会でも議論されていないし、不安が強い人は「冤罪が増える」とそこばかり気にする。

また政府もバカで「一般人は取り調べ対象にならない」なんて言ってしまうから余計ややこしくなる。

一般人だって調べられるに決まっているじゃないですか。巷の他の犯罪だって同じで、「関係があるかないか」は一般人も含めて調べられるし、職務質問だって普通にあるわけだから、「一般人は関係ないわけがない」と思うんです。(実は35年ぐらい前に、日本の私のオフィスに「捜査一課(殺人)の刑事」が来て驚いたことがありましたわ。私が犯人かもしれない可能性を彼は捨てていなくて根掘り葉掘り聞かれた。通っていたナイトクラブの女性が殺された事件ですが・・)

でもあんな法律は無い方が良いってのも「一般人の目線」としてはその通りだと思いますが、では「テロ集団」なり「犯罪集団」に対してどうするのか?ここの議論なくして「反対」ってのはおかしいんじゃないですかね。

先日、「ナマコの密漁」のニュースを見たのですが、それで何億も稼いだ親子が捕まった。近所では知らない人はいないのに誰もそれを口に出さなかった。インタビューも見たのですが「怖いから」ですと。

バックにヤクザが付いているってことじゃないんですかね。

でも密漁で捕まえてもかつては「6月以下の懲役・10万円以下の罰金」だったとのこと。でも密漁が増える、組織的に動いていて「暴力団の資金源」になっている様子もあるので、今では「3年以下の懲役又は200万円以下の罰金」になった様子。(要確認)

ではオーム真理教にしても、武装左翼グループにしても、彼らが資金稼ぎの為に密漁の相談をしていたのがわかった場合、それを検挙できるのかどうかという話。

実行に移すまで待つんですかね。

そして実行に移しても、彼らは「一般人と同じ罪」しか受けないとしたら何かおかしいと思うほうが正常だと私は思うんですよ。

単に釣りをしている人でも、あるいは漁業関係者に見える人でも、「貴方は何をしているのですか?」と聞かれることは当然あるし、漁業権があるのならそれを証明しないとならない。

あるいは交通の取締も同じじゃないですか。なーんも悪いことをしていない善良な一般人だって調べられる。

それを今回のテロ等準備罪では「一般人は100%捜査対象にならない」と政府は説明している。これに「それはおかしいだろう」と民進党も言っている。これって民進党にしては珍しい正論だと思うけれど、その通りじゃないんですかね。

話は加計学園に戻りますが、政府の対応もまずいと思うんですよ。これってもしかしたら安倍さんの性格かもしれないけれど、最初に「関係ない」と断言しちゃうのね。森友学園だってそうで、「関係していたら議員も辞める」なんてわざわざ餌を与えるようなことまで言った。

政治の世界なんか私にわかるわけもないけれど、「力で【白でも黒】と言う」ことで通用するのかもしれないし、それが実は大事なのかもしれないけれど、国民の視線を無視しているように感じます。

でも私は安倍さんがやろうとしていることは支持しているのですが、あんなやり方をしているといつか墓穴を掘って全て台無しになるんじゃないかと心配です。

安倍さんが良いとは思えない箇所っていろいろあるんですが、今は安倍さんしかいないと思うし(良いと思う政治家が総理大臣になる可能性はゼロ)、民進党なんて全く何の役にも立っていない。というか、ああいうバカなことばかりやっているってことは「安倍さんに協力しているのと同じ」だと思うくらい。

どちらにしても、私が常日頃感じているのは「既得権益を持っている人たちの抵抗は凄まじい」ということで、公務員制度改革もそうだけれど、どうにもならないことばかり。でも「力」を使って無理やり動かすと非難轟々。結局それで何も動かないってのが今の日本じゃないんですかね。

TPP参加に反対だった自民党はいつのまにか旗振り役になっていますが、私はこれの裏で「農業政策の転換」を考えているからだと思うんです。私は農協の良い点は間違いなくあると思うものの、硬直化してこのままでは駄目だとも思うんです。でもそれに手を付けられる政治家はいない。だから「TPPという外圧を使う」のだろうと想像しています。

巷に「バターが足りない」ってのが話題になることがありますよね。あれも農協の摩訶不思議なやり方があるからそうなっているわけで、「生産量を抑えている」のね。これに反発して動いた業界の若い経営者たちは酷い目にあった。農協には供給を止めると脅かされ、同業者も農協が怖いからそっぽを向き、バター生産工場は制裁を恐れてどこも相手にしてくれなかった。でも政府が援軍になったんですね。農協のシステムに介入することを言い出した。これで農協は態度を軟化した。でもそれは【日本として改革するべき】という理由ではなくて、TPPの時代に対応するためという外圧を逃げ道に使ったと私は見ていますし、そうしないと日本は動かない。変わらない。自己改革が出来ない社会になっていると思うのです。

そんな時にふと習近平氏が思い浮かぶんですよ。独裁政治って「早く動いて良いな」と。(笑)

民主主義って素晴らしいと思うけれど、皆が自分の権利ばかり主張すると崩壊するんでしょうね。崩壊しないまでも社会は硬直すると感じています。

私にしてみるとやっぱり民主主義社会でさえも「理論理屈でやってみる実験社会」だとしか思えなくて、日本が2600年も掛けて作り上げてきた「和」の精神がどんどん消えていくのが悲しいと感じます。和とは多数決とは違うんですよね。

 
 
 

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