加計学園問題は24日の「予算委員会閉会中審査でのやり取り」を聞けば全てがわかる

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24日、25日と続く予算委員会閉会中審査ですが、私は24日分も全てをチェックはしていません。でもこの自民党の小野田議員の質問とそれに答える安倍氏や他の関係者、そして当然「前川氏」、「元愛媛県知事の加古氏」も答えているわけですが、これを聞くだけで「一体何がどう動いたのか」がわかると思いました。

一番の焦点は「前川氏の発言」であって、安倍氏や他の関係者が「加計学園に決めろという圧力は掛けていない」と主張しても前川氏が「加計学園にしろという圧力があった」とするならこの閉会中審査も紛糾することになったのでしょうが、前川氏の発言からは「加計学園にしろというはっきりした話は聞いていない」とのこと。

ありゃりゃと思いましたよ。前と言っていることが違うじゃないか。

結局ですね、加計学園は15年前から申請を出しているものの門前払いで審議もされない。それが民主党鳩山政権になってやっと陽の目がでてきたのにそれも駄目、そして安倍政権でやっと動き出した。

これは「岩盤規制を打ち壊して規制緩和を進める」という強い意志が安倍政権にあったから進んだわけで、それまで「獣医学部新設の申請は掛け学園だけしか出していなかった」のは前川氏も認めた。つまり「官邸の関与」が言われた2016年9月の時点では「新設といえば加計学園」なのは【関係者全員の理解】だったってことじゃないですか。

で、官邸は「特区の規制緩和はスピーディーに行う」というのは安倍氏も何度も言っているわけで、またそれは「前川氏にも伝えられた」。

そこで、前川氏は「これは加計学園に決めろということだと思った」だけなんですね。それは前川氏が言っている。

そりゃそうだと思いますよ。「獣医学部新設を願い出ていたのは加計学園だけ」なんですから。

文科省の中でも「官邸からの圧力」を書いた文書がいくつかでてきましたが、ここには「加計学園に決めろと言われた」とは書いていないんですね。でも「急げ」と言われれば、それは「加計学園で進めろ」といわれたと聞いた方は受け取るんでしょう。他に競合は無かったわけですから。

今回の問題の根本はここだと思うんですよ。

そして前川氏は当初「加計学園ありきだった」なんて言ったもんだからメディアも民進党もこれに飛びついた。

しかし今日の発言では「加計学園しか無かった」と言い換えている。「行政が歪められた」とも言わない。

なんだか前川氏の「私怨を晴らす劇」に乗せられた感があります。

加計学園問題に関しては、「安倍氏が怪しい」という前提に立てば、「そうかもしれない」と思わす証拠は十分にあった。だからメディアもそれに乗ったのでしょう。でもその「確証はどこにもない」ままで推移した。

そして今日の前川氏の発言は、彼はハッキリ言わなかったものの「勘違い」がそこここにあるのがわかったわけですね。

でも彼はこの時をちゃんと考えていて、逃げ道は作ってあったってことだと思いました。

「早く決めろ」という官邸の意向は「特区での規制緩和を早めろ」ということだけれど、その時点で「加計学園しかいない」のだから「加計学園に決めろ」と同意語になる。だから前川氏が最初から言っていた「加計学園ありきだった」というのは嘘じゃない。でも正確ではなくて「加計学園しかいなかった」のが事実。

元愛媛県知事、加古氏の発言も重要で、前回の参考人の時には彼の話はほとんど報道されなかった。特に朝日毎日は最悪で、加古氏が出席したことさえ報道しない。

この1時間のやり取りだけで私は全貌が見えると思ったし、それは前からそうだと説明され続けていたのだけれど、その情報は「ネット内で、時間を掛けなければわからない」のね。大事な発言を無いことにしたり、色々喋った文章のキーワードを切り貼りすると全く違う意味になる。そんなことをメディアはやりつづけている。

でも国民も忙しいから、たとえこの1時間の動画を見ることさえしないわけで、ニュースやワイドショーの中の「数分」にまとめられたものしかみない。これじゃプロパガンダに簡単に乗せられてしまう。でもまさかNHKをはじめ、民放や新聞社が「ある特定の思惑を持って、事実を報道していない」なんてことは考えないわけだからどうしようもない。

私がずーっと加計学園問題なんて問題じゃないとこのブログに書き続けてきたのは、今回の予算委員会閉会中審査でのやり取りと同じようなことはとっくのとうにネット上ではっきりしていたからなんですね。議事録だって時系列を追って見ていけば安倍さんが加計学園をねじ込んだなんてのは作り話だというのは誰にでもわかったはず。

でもそんなことは普通の人はしない。

そしてこの大事なたった1時間の動画も見ようとしないんでしょう。

さてさて、明日からの新聞やテレビがどんな風に今日のことを報道するのか楽しみです。

それを見る時には「XXX新聞」とか「テレビ朝日」か「TBS」かと、どの新聞社、テレビ局かというをしっかり頭に置いておかないと駄目だと思います。一般的にはそういうふうには考えないのかもしれませんが、分けて見ていると「主張がそれぞれ違うし、それがニュースの内容、討論会の内容に大きく影響している」のがわかって面白いんですよね。

公平公正なんてどこにもない。

そして私が不思議に思うのは、安倍氏が怪しいという話には皆が興味をもつけれど、文科省が52年間も獣医学部の新設を認めないどころか、許認可権を持つのに申請さえも受けなかったと言う事実には関心がないように思えること。新設を認めないのはまだしも申請さえ受けないというのは法律違反じゃないんですかね。

また新設を許可しない理由はそりゃ「規制を守る側」はいくらでも持っていて、自分たちを正当化する。これは文科省に限らずどこでも同じ。でも、「規制を緩和するべき」という答申は前にも出ていたし、何度も何度も申請する地方自治体や事業体があるのに無視し続けるっておかしくないですかね。

それでいてどこの獣医学部も定員オーバーの水増しで学生を受け入れていたっておかしいじゃないですか。それをしつつ「新設は認めない」ってなんですか。どうしたって学校は足りない、でも新設はさせずに定員オーバーは認めて、既得権益を持つ者の間で調整を行ってきたってことでしょ。

こういうことを止めさせようってのが「岩盤規制を壊さないとならない最大の理由」だと私は思うんですよ。

そこに特区で風穴を開けようとしたけれど、当然規制を守る側は抵抗する。そこでなんども話合いが持たれたわけだけれど、結局文科省は「緩和の必要なし」と立証できなかったんですね。要は話合いで負けたわけで、それをグズグズやっていたわけですから、そりゃ「早くしろ」と言われるでしょう。

でも規制を守りたい側はすんなりそうは動かなかったってことでしょう。52年も岩盤規制を守り続けてきたのに、それを簡単に壊されてたまるかって思うのは普通で、そうじゃなければ「今での自分たちの存在意義がない」ってことになるんですから。

でもこういうことに関して「正解」ってないんだろうと思うんですよ。どちら側にも言い分ってのがあって、簡単には話合いだけでは決まらない。

TPPも同じじゃないですか。あれだけ揉めに揉めて自民党はTPP反対だったはずがいつの間にか推進派になったし、一体TPPが日本に取って良いのか悪いのかってのは人それぞれ、立場それぞれなんでしょう。

でも「決まらない」ってことは「規制緩和が出来ない」ことを意味するわけで、「緩和する」という強い意志と指導力がなければ激動する世の中に着いていけない。当然、なんでもかんでも規制緩和するべきじゃなくて、そのために話合いが持たれるプロセスはすでに出来ている。で、文科省は負けた。

当然、緩和すれば良いことが起きるわけでもなくて、加計学園が開校したとしても様々な問題が出てくるんじゃないですかね。それを先回りして言い出して「緩和の必要がない」という論者もいるのだけれど、私は前向きに動いてそこで問題が出ればそれを解決して更に前に進む事が重要だと思うんですよ。BSE,口蹄疫、鳥インフルエンザなどに十分対応できていないという実態はあきらかなんですから。

そもそもですね、もし本当に加計学園ありきだとしてもそれって加計学園にプラスなんですかね。加計学園も今治市との話合いでやる気を出したそうだけれど、「皆がやりたいと思っている」という前提はおかしいという発想が攻める側には全くないのね。「こんなことはやりたくないけれど一肌脱ぎましょう」というのが内情かもしれないのに。だから第二第三の新設もどうぞと言ったところで出てこない可能性は大きいし、反対派がいう「そもそも競争がないのがおかしい」というのも「じゃ何を競争させるのか」ってところがはっきりしない。建造物の入札とは訳が違うでしょう。加計学園ではなくて「四国の今治だから意味がある」ということを無視できないはずなのに。この辺は素人が何を考えても無駄ですが・・・・・。

どちらにしても安倍さんは岩盤規制を壊そうと指導力を発揮したわけで「賽は投げられた」と思うんですよ。でも強引に押し切られたように思う文科省は納得がいかないんでしょう。いままで52年間、守り続けきた規制なんですから。伝統を壊されたのと同じでただ黙っている訳にはいかない。(でもあとになってからガタガタいうのはルール違反じゃないんですかね)

これってまさにTPPの「農水省」の立場と同じじゃないんですかね。

どうしたって大きく動く時には「政治的判断」が介入するわけで、皆が皆、ニコニコ笑って納得して決まるなんてことはあり得ない。そして今回は「安倍の友人」ってことで騒ぎが大きくなっただけでしょう。

本当にくだらない問題だと思いますわ。

「疑念がある」というのはそれを感じるのは勝手。でもそれを主張するならそれを「証明」しないとならないのであって、「疑念があるのに無実だと言うならそれを証明しろ」というのは話が逆で、まさにそれこそが「村社会のリンチの構図」じゃないんですかね。ヨメさんに「あんたは怪しい。浮気しているんじゃない?してないなら証明してよ」といわれるのと全く同じ(笑)。これを「悪魔の証明」という。不可能。

でも民意はそれで動く。最悪だと思いますわ。

しかしまぁ、今の日本が面白いのは、こういう岩盤規制を壊そうとか、憲法改正にしても、「自民党はリベラルの改革派で、民進党共産党が変化を嫌う保守」に見えるってこと。(笑)

どちらにしても明日からの報道が楽しみです。

今日のこの1時間のやり取りを聞いた国民と、新聞テレビを見るだけの国民とは大きな違いが出るんでしょうね~。

でも「出る杭は打たれる」のは政治の世界でも同じで、ましてや「改憲」なんか言い出せば反対勢力は何が何でも追い落とし戦法に出てくる。だから朝日や毎日が安倍おろしに向かうのは目に見えているんですね。それなのに安倍氏も官邸も、その他もろもろもガードが甘かったってことじゃないんでしょうか。

メディアは印象操作をするのがわかりきっているんだから、それに対応策を考えるのが常識なんでしょう。そりゃ、言葉の揚げ足取りやたかが不倫ぐらいでギャーギャー騒ぐ「似非潔癖症」の風潮もおかしいとは思うけれど、それが現実なんだからしょうがない。

だからもしここで安倍氏が降板するようなことになったとしても、自業自得なんでしょうね。

その後のことを考えるとゾッとしますが(たとえば石破氏が次期総理)、それが皆が望む道ならしょうが無いと思う。

 
 
 

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