トランプ氏には頑張って欲しいなぁ

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トランプ氏のあの物言いを聞いていると、品がない、教養もない、ワガママ、気まぐれ、そんなイメージを抱くんじゃないですかね。

米中貿易戦争も「余計なことをして世界に混乱を招く」と考える人も多いはず。

でもねぇ、私はトランプ氏を応援したい。

彼のあの物言いは彼の個性であって、決してバカで教養も無く、ワガママ、気まぐれだとも思っていないどころか、あれは彼の「やり方」「作戦」なんだろうと思っています。今までの政治家にはいないタイプだから、政治家として見ると狂っているように見えますが、私には彼はアメリカ・ファーストどころか「あるべき世界の形」を考えているように思えるんですよ。

それは「中国の横暴を許さない」というところであるのですが、中間選挙では下院は民主党が多数を取ってねじれ現象が起きて、トランプ氏が動きづらいことになったらうまくないなと思っていました。でもどうも聞こえてくる話としては「対中強硬路線」は民主党も同じなようで、今後は今まで以上に強く出るんじゃないかなんて話も出ている。

今まで順調に仕事も大きくし収益を上げている企業にしてみれば「余計なことをしやがって」ってことになるんでしょうが、私は企業ってのは天下国家、あるいは世界がどうあるべきか考えないし、いや、考えても「まずは収益」が先に出るものだと思っています。ですからそういう意味では「トランプは邪魔」ってことになるんでしょうが、私が見ているトランプ氏は逆にもっと儲けることを模索しているように見えるんです。

そもそも米中貿易戦争ですが、分が悪いのは中国で、課税強化をやりあったところで「輸入量」が米中はまるで違いますから、中国が「全てのアメリカからの輸入品に高率の課税をしても足らない」ですよね。つまり撃てる弾がすくないわけですから、とことん喧嘩しても勝ち目はない。

トランプ氏は「アメリカの貿易赤字を減らす」ことに集中していますが、その方法として「中国から輸入をしない」なんてのは不可能ですよね。自国産業を育てようと言ってもそうは簡単にはいかない。そもそも貿易赤字が増えているってことは「内需が順調に拡大している」からであって決して悪いことじゃない。必要だから輸入しているのに、それを減らそうとするってことは「内需に水を差す」ことになって決して良いことではないと思うんです。

つまり、貿易赤字を減らすと言っても「中国からの輸入を減らす」と決してイコールではない。また「アメリカ製品を買え」と言ってもそもそもアメリカ国内で衰退した産業をまた盛り上げるのは簡単ではないし、自動車を見れば誰にでもわかるように「買えという前に、買いたいと思うような商品を作れ」ですよね。日本も各国も「需要があるのに障壁を作って輸入しない」わけじゃない。需要がそもそもない、買いたいものがないというのは真実で、それを無視したトランプ氏の言いようを聞くと、「やっぱりバカなのかな」なんて思ってしまう。(笑)

でも違うと思うんですよ。彼はそんなことは理解していて、相手国に対するプレッシャーとしてそう言っているだけのことで、たとえば日本へのアメリカ車の輸出が大きく増えるとは思っていないはず。でもプレッシャーを掛けて違う分野で譲歩を引き出すという考え方でしか無いんじゃないですかね。

では一体、中国に何を求めるのか。

これは前にも書きましたが、「市場開放」を視野に入れているんじゃないですかね。そして「資本の自由化」「為替の変動相場制への移行」とか。これらが出来れば万々歳ですが、そこまで出来ないにしろ方向性としてはそうだろうと私は想像しています。

そもそも中国は有り余る貿易黒字で得た金で世界中に投資していますよね。土地を含む不動産も凄い額で、日本でも北海道のかなりの土地が中国人の手に渡っているという。また他国でもその国の「主幹産業を買収する」なんてこともやる。もちろんIT関係は凄くて、中には軍事産業の範疇に入る企業まで中国は買収しようとする。オーストラリアでは資源開発や農業関連のトップの会社を買収するわけで、中国に取って大事な企業は他の国にとっても大事な企業でそれらがどんどん中国人の手に渡っていく。

ただそれも自由経済社会では売り手と買い手が納得すればとんでもない巨大企業でも売買できちゃうわけですが、問題は、中国国内では外国勢にそれが許されていないってことじゃないですか。

単に不動産にしてもそうで、北海道の半端じゃない広さの土地が中国の手に渡ったと言われていますが、では、我々が中国の北京でも上海でも不動産を買えるかと言うと買えない。中国の不動産は全て国有財産。

また中国で伸びている会社を買収しようとしても出来ない。

中国で起業するのにも制約が多い。

中国で儲けた金を国外に持ち出すにも制約がある。

これって酷いですよねぇ。中国は世界では好きなことをするのに、他国には中国国内で好きなようにさせないんですから。

でも私は、トランプ氏はここに焦点を当てているんじゃないかと思うんですよ。

中国が折れて、アメリカ輸出を減らします、アメリカからの輸入を増やしますと言ったところでそんなことで大きなアメリカの貿易赤字を減らす足しにはならないんじゃないですかね。

トランプ氏は様子を見ながら、「じゃぁ、市場開放しようよ」と言い出すタイミングを見ていると思うんですよ。市場を開放するということは資本も自由化しないと駄目ですから、今、私達日本人、アメリカ人が世界で普通にやっていることを、そして中国が世界でやっていることを「中国国内でもやらせろ」ってことじゃないかと。

でもそれは共産主義の崩壊を意味する。

それに習近平氏が乗るわけがなく、つまり、市場開放も資本の自由化も通貨の変動相場制への移行も「反共産主義」であるわけですから。

でもそこまでトランプ氏は中国を追い詰めようとしているんじゃないかと私は思うんです。

いつかトランプ氏がそれを口に出したとき、習近平氏はどう反応するんでしょうね。

「うちは共産主義だから勘弁してください」で済むわけがないし、もしそうだとしたら世界は「相互主義」なわけですから、じゃぁ不動産はもう買わせないよ、企業の買収も禁止、なんてことになったらどうするのか。今までに手に入れたものはX年以内に売却してね、なんてことになったらやっぱり中国は崩壊する。

その中国には出来ないことを今までの様に見て見ぬふりをするのではなくて、交渉のネタにする時が来ると思うんです。またそうせずに、中国だけには好きなようにさせて莫大な利益を積み上げるのを放置したままってわけにもいかない。

じゃぁどうなるかなんてのは全く想像もできませんが、トランプ氏はそこまで中国を追い詰めるつもりじゃないかと思うんですよ。

市場の全面開放はありえないにしても、中国国内に多国籍企業が簡単に進出できるようにしたり、あるいは利益も自由に本国に送れるようにするなんてのは「投資を呼び込みたい中国としては妥協できる範囲」かもしれない。当然、株式市場の透明化も必要だし、国営企業に寄る独占も許されない。もしそのように解禁となれば、それこそ怒涛の如く中国にアメリカ企業が投資を始めるかもしれない。今の中国だと「撤退」を考える企業が多いようだけれど、中国が開放路線に向かえば流れは突然変わるんじゃないですかね。あの巨大市場で自由に活動できるとなったら話は違うんじゃなかろうか。そしてそれら多国籍企業の運営が今のように共産党の支配下になく、自由に経済活動ができるようになれば、言葉を変えれば、「今度はアメリカが中国を食い物にする」ことも可能かもしれない。

つまり、貿易赤字なんてのはどうでもよくて、もっと大きな果実をアメリカは手に入れられることになるかもしれない。当然、市場開放、資本の自由化はアメリカだけってわけにもいかず、日本からもEUからも今までとは違う大きな資本が中国に入っていくんじゃないですかね。

そして共産主義体制は崩壊する。

てなことを習近平氏も簡単に想像できるわけで、市場開放、資本の自由化は絶対にできない。

ではどうやったらアメリカの執拗な攻撃をかわせるのか。

とりあえずは日本にすり寄って逃げ道を模索をするんでしょうが、根本的な解決にはならないわけで、きっと習近平氏は夜も眠れないほど悩んでいるんじゃないですかね。こういう状態だと以前にも増して暗殺の危険性は増えるし、党内の風当たり、責任論も出てくるわけで、習近平独裁政権は終わりを告げて新たな世界秩序に向き合う新政権が誕生するかもしれない。

でも習近平氏はそれも受け入れられるはずもなく、さて、どうするのか。

アメリカからの攻撃は休まるどころか、人権問題にまで発展してきて、中国にとっては四面楚歌の状態かもしれない。

やっとここまで来たのに、ここでトランプ氏が動きづらい状態になるとうまくないなと思っていたのですが民主党もやる気満々らしい。

楽しみだ~~~~~

 
 
 

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