【新MM2H】資産家にはマレーシア一択かもしれないなぁ

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新MM2Hには腹が立つばかりの私ですが、第三者的に、あるいはマレーシアの立場で考えてみるとこれもまた良いかもしれないと思います。

良いか悪いかは別にして、世界では格差がどんどん広がり「アッパーミドル層」も増えているのは間違いがない。日本も同じ。この10年、かなり大きな資産を稼ぎ出す若きトレーダーが雨後の筍のように出てきましたし、ビットコインでは「億り人」なる言葉もできて、また不動産で財を成した中年層も同じで、億単位の資産・収入を持つ人たちは増えてきた。

近年の日本の「年収1億円以上の人たち」がどういう人達、職業なのかをちょっと調べてみると、随分世の中は変わったと思います。年収1億でもこれだけの人数がいるということは数千万単位の人たちがどれほどいるかってことですよね。

こういう人たちの心配事は「税金」であり、家族がいれば「相続」あるいは「贈与」も気になるはず。

そういう場合、マレーシアの居住者となれば一気に解決しちゃうんですね。

海外での所得には課税されないのがマレーシアの税制(源泉国での納税は別の話)で、これは決してMM2Herの特典でもなんでも無くて、マレーシアの国民、居住者全てが同じマレーシア国内の所得でも利子所得のような所得にも課税されない。そしてマレーシアには「相続税、贈与税」もない

私は一般的な事業をしている頃から、「税込み収入」でいつも考えていました。そして「税金は経費」みたいな。だからどの企業、個人でも「経費節減」を考えるのと同じ様に「節税」を常に考えてきた。

こういう考え方だと、「常に税前利益(収入)が基本」と考えてしまうのね。私はこれが普通だと思っていたんですよ。

ところがですね、実際に実質的なタックスヘイブンみたいな国に住んだのは始めてで、「やっと税込み収入=手取り収入」になったわけですが、今までの考え方は違うんじゃないかと思うようにもなりました。

つまり、一般的にはどの国に住もうが「納税義務はある」わけで、実際に日本で住んでいたり私達みたいにオーストラリアに住んでいれば、当然、そこで納税をしている。

この税金を差し引いた手取り。これは様々な節税をしたところで、限度があって、つまり、その「手取りが本当の自分の収入」なんですよね。私は「税込み収入が本来の収入」だという風に考えていた。これが間違いだっと気がついたのはこの数年なんですよ。

どうしたって支払わなければならない税金があるのなら、それは最低限必要な衣食住に経費がかかるのと同じ様に、やっぱり「今の手取りを原点」として考えるべきかと。

こういう考え方でMM2Hを見てみると、全く違うものが見えてくるのね。

マレーシアの居住者になれば【税金が安くなる(なくなる)】のではなくて、【その分はマレーシアにもらったのと同じ】なんですよね。

こういう風に考えると、「マレーシアに来れば【毎年半端じゃない額のお金がもらえる】」ってこと。

アッパーミドル層に取っては新MM2Hの取得基準は驚くほどでは無いはずだし、「毎年何百万円払え」というわけでもない。

でもマレーシアに住んで税法上のマレーシアの居住者となれば、「毎年、何百万円、何千万円もらえる(人によっては億単位)」と考えることが出来る。なおかつ家族がいれば、贈与も無税で行える。

かつて「50%の税金」を収めていた人は、マレーシアに住むだけで、所得は2倍になるのと同じ。たとえ20%だとしても、その分が毎年手元にプラスアルファとして残るって凄いことですよね。なおかつそれを再び投資に回すことも出来るわけですから、10年でとんでもなく大きな差が出てくる。

この分を「本来なかったものとして溜め込む」のも一つの手で、それが万が一、自分が破綻した時の再出発の原資になる。

すでにMM2Hを持っている場合、新MM2Hには悩まされるばかりですが、これはあくまで(日本で言えば)「下から中流層までの考え方」でしかない。

でもその上の層になると「マレーシアに来れば、毎年数百万円~数千万円をあげます」というのが本来のMM2Hでもある。ましては資産家で「贈与」をしたい人は世の中ゴマンといるわけで、そういう人たちもマレーシアに来てから贈与すれば「億単位のお金をあげます」というのと同じことが起きる。(日本の贈与税は半端じゃない税率)

こういう人たちは一般の身近にはいないけれど、間違いなく「少なくない人たちがそれで悩んでいる」のは間違いがないですよね。

これは今MM2Hで滞在している日本人も同じで、自分は資産家だという意識がない、大きな収入があるわけでもないと思っていても【毎年、毎年ですよ、少なくとも数十万円はマレーシアにもらったのと同じこと】が起きている人は多いはず。ただし日本に住民票も置き、日本で納税している人は別。また収入の種類によっても違うのは当然。

マレーシアのそのような税制を持つ国はいくつかありますが、ビザ取得が難しかったり、生活費がかなり高かったり、家族で住む場合には様々な問題があったり、言語や生活習慣、食事、日本との距離など、結構デメリットも多い。

そうやって世界を見渡すと、やっぱり「マレーシア一択かもしれない」と思うんですよ。

マレーシアの内務省が持っている視点もそこにあるんじゃないですかね。「マレーシアの税法上の居住者となることによってとんでもないことが起きる」のをよくわかってるってことじゃないかと。

「生活費も安いマレーシアで老後を楽しみましょう」という時代は終わったということでしょう。

また「マレーシアでなければどの国が良いのか」と考える人も多いですが、その考え方の基準に【税制を考慮していない】ケースが多いと思います。いわゆる「海外ロングステイを楽しもう」という考え方ね。

これが悪いわけでもなんでも無くて、それはそれで良いのだけれど、マレーシアの立場で考えた場合、もうすでにマレーシアへ来る人達の中で「税制に惹かれて渡ってくる人も多い」のは忘れてはならない

結局マレーシア当局もそういう人たちがジワジワと増えているのを数字として把握しているんでしょう。

私自身、「税制に惹かれて来た部類」なわけですが。資産家でもなければ高収入でもないけれど、それだけに税率が低いところに住むのが重要になります。MM2Hビザを取得した2009年頃にそういう人が多かった印象はありませんが、この数年、増えているのは間違いない実感があります。エージェントからその手の話を聞いたことは何度もある。

MM2Hビザはマレーシアが自国の利益を考えて始めたプログラムであって、当初は「優雅なお金持ちの退職者に焦点を当てた」のは間違いがない。でも金銭感覚が違う日本から見るとお金持ちの退職者ではないわけですが、これは決して「資産や所得が少ないご老人でも是非マレーシアに来て生活を楽しんでください」という温情や人助けでマレーシアが始めたわけでもないのは明らか。そういう老人もマレーシアから見ればとんでもないお金持ちの部類だったんですから。

「資産や収入が少なくてもマレーシアで自由に生活できる」というのはその人の勝手な思い込みであって、マレーシアがそう説明したことは一度もないんじゃないですか。ここを私達は勘違いしているんじゃないですかね。

そして時代は変わった。マレーシアも古いMM2Hを再考した。それだけのことかもですね。

騒ぐのは「まさに既得利権者の我儘」でしかないという考え方も重要かと。

ま、これはそういう考え方もあるというだけのことで、私にしてみれば「バカヤロ~~~」という思いは変わらず。(笑)

ああ、それと非常に大事なことですし、前から何度もこのことに関しては書いていますが、「日本の居住者がマレーシアに渡っても、10年間は日本の居住者と同様に相続・贈与の納税義務が日本に残る」のを忘れてはならないってこと。

マレーシアには贈与税がないからと言って、マレーシアに来てすぐに自分の資産を相方なり子供の名義にするとそれは「日本で申告すべき課税対象となる」ってこと。また不幸なことに10年以内に相続が発生しても、日本に申告・納税しなければならない。

それともう多くの方の常識になっているとは思いますが、「日本の非居住者認定」は簡単に考えるとうまくないってこと。日本には183日ルールはありませんし、住民票を抜いただけで非居住者と認定されるわけでもない。

この辺を自己流で考えて適当なことをすると、「貴方は日本の居住者です」と日本の当局に言われる可能性もあるってこと。その時には修正申告をすれば良いなんて考えているとうまくなくて、当局の判断(計画的な脱税)によっては7年まで遡って課税され、重加算税じゃなんじゃとかなりややこしいことになる。また「海外ロングステーを利用した脱税」なんてスケープゴートにされてメディアに名前も写真も乗るかも。

日本にこの10年縛りが出来たのも(かつては5年だった)、それだけ「海外を利用した節税」が幅広く行われていた証拠ですよね。それをしている人たちが自分はそうしていると口に出すことはないはずですが(私はブログだから書いているだけ。日頃は絶対にそんなことは口には出しません)、「海外を利用した節税」はもとより「海外に資産を出すメリット」が一般の中でも話し合われ、研究される歴史ってもう何十年も前からあるのね。「香港の銀行に口座を作って・・」なんて話を聞いたことがある人は多いはず(この手は脱税確信犯)。

逆を言えば、昔は「家族みんなで海外で3~4年暮らし(たとえば贈与・相続税がないオーストラリア)、巨額の贈与をしてその後、日本に帰国して【無税の贈与が完了】」なんてのが全く問題なかった時代があった。それがとんでもなく長い間、放置されてきたわけです。

と同時に、かつてはグランドケイマンなどのタックスヘイブンに子会社を作り、海外との貿易にはその会社を通してそこに利益を落とし、それが全く課税されなかった時代も長かった。

ある時代には、「日本のほぼすべての銀行、かなりの数の大企業がグランドケイマンに子会社を持っていたと言われる時代」もあったのね。

1980年代にそれが問題だと新聞の一面に乗ったことがありました。「多くの大企業は日本に税金を収めていない」と。

私はそれを読んで、始めてタックスヘイブンという言葉を知り、海外を利用した節税に目覚めました。でもタックスヘイブンに詳しい税理士、公認会計士なんて私の周りにはおらず、関連書籍なんてなにもない時代で、コンサルタントを探して一時間数万円を払って勉強しに行ったこともありました。

今では当時のあの手この手は封じられるようになりましたが、未だに「次なる手」を多くの企業考えているのは御存知の通り。日本のアマゾンが日本に納税していなかったり、あのアップルの莫大な売上を上げている音楽配信のiTunesもアメリカに納税していないと大騒ぎになったのは記憶に新しい。

この手の「非居住者の認定」「10年縛り(かつては5年縛り)」、「三和銀行やシティーバンクが資産家向けに海外での節税を面倒見るスキームを持っていた」とか、「香港で2000億円の贈与をし、日本には申告納税しなかった武富士が日本の当局から駄目出しされた件。その顛末」とかいろいろこのブログに書いていますので、興味がある方は検索してみてください。

また若い人たちは「自分には関係のないことだ」と思いがちですが、節税は一生考えないとならないことですし、【お金ができてから出来ることは少ない】のね。だから資産形成中に節税を考えつつ大きくなる必要があるわけです。ですから是非、節税には興味を持っていただきたい。一生のことですからチリも積もれば大きくなる。

ちなみに私は大学生時代から「節税は一生の問題」と認識して、収入もないのに調べまくっていた変わり者です。(笑)

 

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