ロシアがウクライナの原発を攻撃したというニュースがありましたよね。
まず、あのチェルノブイリを確保。その後、世界最大級の原発群のあるザポロジエ原発を攻撃。ロシアは攻撃していないというけれどそこも確保。そして原子力の研究所にも手を出した。
これって何のためにそれをやる？
私にそれがわかるわけもありませんが、発電所を掌握するって侵略側にすれば当たり前かもしれなくて、それ以上のことは想像さえできず。
ところがですねぇ、あの高橋洋一教授が「一つの可能性」を言っています。
ロシアは発電所を掌握し、そして「放置をしたらどうなるのか」ってところ。ウクライナ側は奪還を試みるでしょうし、すったもんだしている間に「原発の管理が疎かになったら何が起きるのか」。
「原発は攻撃しない」のは当たり前として（戦争犯罪）、でもその周辺を攻撃して「電気系統に問題が出たらどうなるのか」は、私達は福島原発で経験しているわけで、恐ろしことが起こる。
もし管理不能となればチェルノブイリの二の舞。
ウクライナだけではなくてロシアも含めた、いや北半球が恐ろしいことになるけれど、少なくてもウクライナはアウト。広範囲で人が住めなくなる。
ということは、プーチンが何度も何度も言っている「ウクライナの非武装中立」が出来上がってしまう。
ロシアは他の原発も順次掌握しようと動くかもしれなくて、電気が止まれば大変だからウクライナも必死に反撃するでしょう。その中で、例えば西の方にあるフメリニツキー原発で制御不能となり原発事故が起きたら？ロシアからは距離もあり、黒海からも離れていて、ロシアとしたらこの辺りでなにか起きても良いと考えるかもしれない。
核ミサイルを使ったのと同じことが起きるけれど、ロシアが核ミサイルを打っていないのは間違いがない。でも「攻撃しただろう？」という問いかけには「していない」と答える予行演習はすでにザポリージャ原発でやった。これって他の攻撃にしても「ロシアが攻撃した」「攻撃していない」の水掛け論があちこちにあって、それもまた予行演習のようにも取れる。
フメリニツキー発電所攻防戦の中で誰がどんな攻撃をしたのかを明らかにするのは難しくて、でも「発電所が暴走を始めた」となればプーチンの思惑通りになる。プーチンにしてみれば「原発事故はロシアにも多大な損害が出る。そんなことをロシアがするわけがない。これはロシアを貶める陰謀だ」と騒ぐであろうことは今までの動きからも簡単に想像できる。
実行犯は特定できなくても「誰が利益を得るか」を考えれば黒幕は見えてくるわけだけれど、いくらプーチンでも原発が暴走するようなことはしまいと世界が考えているはずで、それもまたプーチンを助けることになるかも。
まさかのことが今現実に起きているわけですが、そうなると「まさかの連鎖」が起きてもおかしくないわけで、プーチンが核を使うかもしれないと囁かれる昨今、私も何が起きてもおかしくないと思います。
と世界が考えて恐怖を感じればプーチンの思う壺。西側が一歩も引かなければ「次なるまさかが起きる」のかもしれないと西側が考えればプーチンの勝ち。
チキンレースはどういう結末になるんでしょうか。
この落とし所って難しくて、「強気で出た方に【寄った結果】となる」のは常で、「ウクライナはもちろん西側も出来ることはやったけれど、結果的にプーチンの望み通りになった」という落とし所しか私には見えてきません。これを受け入れたくなければ、「最終戦争になるかどうかは横に置いておいて」西側が【援軍をウクライナに送り込む】しか無いんじゃないですかね。でも私は西側にはその度胸はないと思っていて、そろそろ手詰まりになってきたように感じます。
私は戦争って「終わった後の想定をしながら戦う」ものだと思っていて、それは第二次世界大戦も同じ。日本が死にものぐるいで戦っている間、連合軍は戦いが終わった後の相談をしていたわけで、日本が不可侵条約を結んでいたソ連にもアメリカが「攻め込んでくれ」と要望を出したのは事実としてわかっていること。当然、「戦利品」の話も行われる。
これって強い方はそんな相談をする余裕があるけれど、「負けが見えてきた方」は【窮鼠猫を噛む】ことも厭わない。
だからロシアの言い分にも耳を傾けろというわけじゃないけれど、ロシアが核兵器を持ち、それをちらつかせているのを忘れてもらっちゃこまるわけで、じゃぁどうすれば良いのだ？と結論を急がれても答えなんかない。
あえて答えを出すとするなら「核を持つ国と喧嘩しないほうが良い」ということでしかないんじゃない？つまり「核で脅されれば言うことを聞くしか無い」となる。
となれば「どの国も核を持つべき」となるし、「だから核を廃絶しないとならないのだ」なんて理想論を言ってもそれで世界は動かない。
しかし「原発を暴走させる」なんていう手もあるのには気が付きませんでした。
そしてはっきりわかったことは「核兵器は最終兵器。持つことによって抑止力を発揮する。使うべきものではない」という理屈は「核保有国の言い訳」でしかなくて、「武器は武器、使うのを前提で考えている」のは間違いがないと思うようになりました。ましてや今の時代、「小型の戦術核」も存在するし。
核の廃絶を訴えるって全く意味がないのもよーくわかりました。ロシアはウクライナが核兵器開発をしているとイチャモンを付けて、それも侵略の口実の一つとしている。また世界が廃絶にサインをしても、どこかの国が隠し持つだけで、それは「他国は反撃もできない」ことを意味するわけでもっとややこしくなる。そんな国が出てきた時に「制裁を加える」にしても、今のロシアみたいに平気な国ができたら意味がない。北朝鮮も同じく。
ある意味、アメリカのレーガン大統領はよくわかっていて、開発競争に持ち込んで国力を消耗させて破綻させるという作戦に出た。そしてそれは成功。ソ連は解体され弱体化され、そして核大国だったウクライナもうまく丸め込んで核を放棄させた。でもまた、ロシアが動き出した。
このまま行けば、そしてロシアの制裁は「中国との結びつきが強くなる」ことを意味していて、日本が開発していたサハリンの油田も中国のものになる。中国に制裁を加えるにしても「中ソ VS 西側」の対立が鮮明となり、新たな冷戦の始まりになるような気がします。そしてまたそれが中国の台湾奪取への道が開かれることにもなると思う私。新たな対立軸の中で生きていけることに中国が気がつけば、台湾侵攻に躊躇することはなくなるんじゃないですかね。
世界って、結局この連鎖って止めることは出来なくて、同じことが繰り返されるだけかなと思ったり。
そういう連鎖を止めたいと考えるのが日本人的発想だと思うのだけれど、世界を動かす大きな勢力は「同じことが繰り返される」という前提で「終わりのないチェス」をやっているような気がしてなりません。
とんでもないことを考えているのはプーチンだけじゃなくて、西側にもなんらかの思惑があるかもしれない。西側が振り回されているだけだと考えるのは、これまたそういうプロパガンダに乗せられているだけかもね。ロシアを徹底的に叩いてプーチンによって取り上げられた「ソ連崩壊後に手に入れた利権」を取り返そうとする西側勢力は大きいと言われているし。でもそれは「今回のことを西側の立場で見ていると気が付かない」はず。
ああ、ロシアの衰退は日本にとっても好都合という人もいたっけ。そうなれば北方領土返還への道が開くと。
ロシアを追い込むチャンスと見る勢力もあるってことなんでしょうね。
な～～んて書くと、ダボはロシア擁護をしていると馬鹿なことをいう読者もいるのが残念です。
ちょっと関係ないですが、在日ロシア人が出て彼らがどう考えているかのニュースがありました。これはこれで興味深いと思いましたので紹介します。
核を使う可能性。そもそもそんな事が起き得るのかに関して、キャノングローバル戦略研究所の研究主幹である「宮家邦彦氏」が喋っています。
私はこの人の考え方ってあまり好きじゃないのだけれど、「聞きたくないことをあえて聞くのは重要」だと思って良く聞いています。
今回の話はなるほどと思いましたが・・・。
プーチンは数日間で決着が着くと考えていたけれど、そうはなっていない。誤算だ。という意見は多いし、私もそのとおりだと思っていたのですが、でもプーチンが投入した軍隊は「あまりにも少ない」という軍事専門家もいるし、ロシアが送り込んだ兵士は「極東のロシア軍」だというのもちょっと気になるところで、なおかつ「練度が低い兵隊が多い」のも間違いがなさそう。平均年齢もかなり低いみたいだし。
で、ロシアの「精鋭部隊はまだ侵攻していない」という情報もあって、プーチンの誤算と言われる作戦は「誤算ではないかもしれない」と言えるかもしれない。
本気をまだ出していないのかもしれない。キエフ攻略にしてもあの軍隊、あの兵力で可能とは思えないという軍事専門家の見方もある。ということはまだ私達が気がついていない作戦もあるのかもしれない。
そんな時に、高橋洋一教授の「原発を暴走させる」話なんて聞くとゾッとするわけです。
プーチンは狂ったとか誤算だとかいうけれど、私はプーチンってかなりしたたかな男だと思っていて「これもまた作戦の内、想定内」かもしれない。また作戦は一つなんてことはありえなくて、その２，その３があるのが普通のはずだし、状況を見ながら変更する代替案もあるのがプロの仕事じゃないんですかね。
ただプーチンはあのKGBの中で生き抜いてきたやり手だけれど、「軍事の専門家ではない」という意見もある。
理想が先走りした愛国主義者だと私は想像しているんですが、愛国主義者って損得より大事にするものがあるから怖いと思っています。