あの戦争は「起こるべくして起きた戦争」か

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読者の方からある「講演」の動画を教えてもらいました。日本の若者さん、有難うね~~   (^_^)v

その出演者の中には私の好きな、そしていつも注目しているアメリカ在住の「国際政治アナリスト 伊藤貫氏」もいるとのこと。今回の戦争を彼がどう見ているのかを知りたかったし、楽しみにして見たのですが・・・。

やっぱり起こるべきして起きた戦争だと思ったし、その根本にあるのは「アメリカ対ロシア」であり、ロシアとウクライナの歴史的なそして地政学的な関係なんだろうと。これは「キチガイの国が平和を愛する国に突如として侵略した」なんて単純な構図じゃないわけで、かと言って強硬策に出たプーチンを正当化するという意味でもなく、しかしすべての責任をプーチンに被せるのも無理筋だと感じました。「内戦」に近いものがあると思いました。

この講演は三部からなっていますが、私がそうであったように「第二部から見る」のが良いと思います。今回の戦争の「背景に何があるのか」が非常にわかりやすいから。

そして私が驚いたのは伊藤貫氏の次の次に出てきた「学習院大学教授 国際政治 村主道美氏」の説明。

地政学、国際政治学の観点から見て、本来、国という存在がどういう時にどういう行動を起こすかを理論的に説明していること。そして今回のロシアとウクライナはどういう関係にあったのかの説明に進む。

私としてはそもそも頭がもろ文化系ですし、国と国の関係がこのようなパターンに落とし込んで説明がつくなんて考えたこともありませんでした。だから非常に刺激的でした。

Russia and Ukraine Crisis Part 2

 

Russia and Ukraine Crisis Part 3

 

Russia and Ukraine Crisis Part 1

 

私の感想を書きますが、「国と国との関係は微妙なバランスの上に成り立っている」ということを再確認しました。そしてそれが崩れだすと【なんらかの行動が始まる】ということ。

そしてですね、これを書くと石が飛んできそうですが、「そのバランスを壊したのは誰か」という点。もちろんバランスを壊す方向に動いていた大きな勢力があるわけですが、プーチンがやるしかないと考えたのは、ゼレンスキー大統領の言動かもしれない。彼は政治家ではない。しかし自由と自主独立を尊ぶ愛国者なんでしょう。でもその理想を追いかけて、「自分の国が微妙な立場にあることを重視しなかった」のかもしれない。

あるいは、そういう彼を焚き付けた存在もあるんでしょう。

また最近、「私達はとんでもない嘘をつかれている」と言い出したアメリカの戦争ジャーナリストもいるんですね。彼女はゼレンスキー大統領に疑問を持った様子。彼はそもそもNWO(ニューワールドオーダー)サイドから選ばれたパペット(操り人形)だと(選挙も公正ではなかったと言われている)。彼をコメディアンだなんじゃとバカにする論調は前からありましたが、またアメリカの大統領でさえ大きな勢力に繰られているという話はあるわけで、ま、ゼレンスキー大統領もそれぐらいのことは言われるかとも思うのですが、あまりにも「英雄が出現した」みたいなゼレンスキー大統領に絶大なる信頼を寄せるのは気をつけたほうが良いという警鐘かもしれない。

つまりですね、上の動画で伊藤氏が言っているようなアメリカの思惑があるとするならば、それが向かうところ、目標もあるはずで、そのための必要な演者としてのゼレンスキー大統領の存在もあるのかもしれない。演者とか繰り人形という言い方は無いにしても、「利用価値は絶大である」と考えた勢力がいても全くおかしくないと思います。私はバイデンの話を聞いていていつも思うことは、「目的はプーチンを負かすこと」であって、「戦争を終結させようとしているようには見えない」のですよ。当然、プーチンもその見方をすれば、そしてロシアの基本戦略の中に「核使用」は項目として入っているそうで、「使うこともあるかもしれない」という疑念が拭いきれません。生物兵器もおナジック。

私自身の反省もあります。

やっぱりまずは「停戦が大事」だと思っていましたが、やっぱり事はそんな単純ではなくて、「戦争はやめろ~」「プーチンが悪い」「ウクライナは可愛そう」というのと同じレベルでしか無いと思いました。

停戦があったところで、また戦いは始まるかもしれなくて、どの国も見ているのは「終戦後の勢力図」ですよね。それに納得が行くような形にならなければ、プーチンとて「国の存続を賭けた戦い」なんかするわけがない。また終戦とて平和が来るわけでもなく、一つの中間点かもしれず、まずはその落とし所が見いだせるかどうか。

そしてロシアの立場がこれまで通りなら、プーチン亡き後も同じことが起きる可能性はあるというのもなるほどと思いました。ロシアにしてみれば何も解決していないことになるのだから。

そしてロシアが目指すものですが、「ウクライナに恐怖を与えること」が大きな目的の一つであって、ウクライナを手中に治めることではないという考え方。これはなるほどと思うのは、手中に収める、あるいは親露政権を樹立したところで「ロシアが監理するのは簡単ではない」「今後また同じことが起きるかもしれない」(今までも繰り返している)わけで、その芽を摘むためには「ロシアに逆らったらとんでもないことになる」という恐怖を植え付けるのが一番だと。

この辺を理解せずに、「キエフ攻略が出来ずにいるプーチンの負け」と考えるのは間違えているかもしれない。そもそもキエフを陥落させたところで、キエフを支配下に置くだけの十分な兵力がないのは最初からわかりきっているのだから。キエフ攻略をしなくても、日本人が原爆や大空襲に恐れおののいたのと同じ感情がウクライナで生まれればそれでプーチンの目標は達成かもしれない。その後、プーチンが軍を引き上げた時にはウクライナも世界も「勝った」と歓声を上げるだろうけれど、「ロシアはとんでもなく怖い」という感情が残ればプーチンの勝ちなのかもしれない。そういう意味で、プーチンの攻撃は今から激化する可能性が大きいんじゃないですかね。でもキエフには侵攻しない。第2次世界大戦でもアメリカは日本本土に上陸することはなかったのと同じ。【キエフを陥落させる必要はない】というところを忘れちゃまずいんじゃないですかね。

その辺を簡単に考えていた、あるいは真に独立するためには「国民の命を賭けたチャレンジが必要」とあの若き理想に燃える大統領は考えたのだろうし、それに【西側が必ず応援してくれる】という確信があったんでしょうね。でもそれは期待しすぎで、「核を手放した時の約束は甘言でしか無かった」のをウクライナは知った。だから大臣からも「騙された」「核を捨てるべきではなかった」というような発言も出てくるんでしょう。そして大統領も「西側が助けるのは当たり前」の様な言い方をする。ドイツ議会での演説時にはドイツの責任まで言及したのには驚きました。(日本での演説は波風の立たない演説でしたね。私は彼が何を言い出すか実はヒヤヒヤしていたのですが、スピーチライターが優秀なのだろうと思いました。スピーチライターはアメリカ人らしい)

どちらにしろ世界が震撼するような戦争が起きる理由、背景は複雑であるのが普通でしょう。でもそれなのに「XXXは悪」「YYYYは善」という【二元論が世界を支配している時には裏でなんらかの操作が行われているのは間違いがない】というのを私達は歴史から見て取れるんじゃないですかね。でも私達はいつもそれに乗せられてしまう。

でもロシアという国そのものが今までのロシアの伝統と文化の上に成り立ったものとは違う、「新たなロシアとしての生き方」を模索すれば大きな進展があるような気がします。それは若者を中心とした「自由民主主義の味、西側文化に触れてきた人たちがどう動くか」に掛かっている。

なんだか日本の明治維新の様な、西側文化に近づく大変貌が必要だとロシア国民が考えるのかどうか。そしてそのキッカケはNATOというペリー提督率いる黒船の圧力かもしれず、力で勢力を広げ富を貪る大きな力の存在がある限り、こういうことは未来永劫続くのだろうと思いました。

でもロシアが折れて(あるいは負けて)西側的に変貌することを中国も想定しているはずで、そうなるとまさに中国は「孤独な存在」となってしまうし、今回はどうしてもロシアに勝たせて「西側対ロシア」の対立軸を温存しないとならないと考えているはず

平和ってなんなんですかね。

今の日本人がそうであるように、その大きな力に身を委ねてしまうことが【平和】なのかもしれない。そしてそれと敵対する勢力には「潰してしまえ。問答無用」と叫んでいれば日本は安泰。「リンチだ。吊るせ~!」と叫ぶ民衆と同じ。

強い者が弱者を脅かし、そしてその弱者はもっと弱い弱者を脅かす。そんな連鎖があるような気がしますし、では大親分の言うことを聞いていれば平和なのでしょうが、私はそれは魂を売るのと同じ様な気がするわけです。そして魂を売りたくない人は「核を持つべき」だと思うのかもね。日本の核議論もこれから出てきそうですが、結局は「守るべき誇りがあるのかないのか」に帰結するような気がしています。ちなみに私は「本来は日本は核武装するべき」だと原則的な考えを思っていますが、現実論としては「日本は核を持つまで国が成熟していないから持たないほうが良い」と思っています。

もし今、日本が核を持っていたとして「お前、それを使う気じゃない無いだろうな」と他国に恫喝されたら、岸総理はどう答えると思います?「耳を真っ赤にしてタジタジしながら【検討します】」と言いそうじゃないですか。私が日本に必要だと思う総理は、核があろうと無かろうと、恫喝されたら「強い目ヂカラで相手を圧倒できる人」であって欲しいと思っています。私がそう思う人は一人だけ。それも女性。

このイラストを見れば誰しもが「ロシアがウクライナを恫喝している」と思うはず。

でも実は「このハゲオヤジはアメリカかもしれない」という発想も大事だと思うんですよ。そして次の時代には中国がその地位を取ろうとしている。その時代が来るだろうと私は想像しているのですが、その時をこの目で見ることはないだろう。それまで生きていないであろうことはラッキーかも知れないと思っています。

今回の戦争を考える時に、絶対に必要な知識が「ウクライナの歴史」と「ロシアとの関係」だと思います。そしてそれにアメリカを含めた他国がどういう風に関与してきたのか。

この動画が非常にわかりやすく良いと思います。ただ茂木氏の解釈が正確かどうかはまた別の話。

 

 

またウクライナも「政治の腐敗度は非常に高い国」であって、様々な問題を内包しているのも忘れてはならないのかもしれない。

2021年度でウクライナは世界で127位。ロシアは136位。過去はもっとひどかった。

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