本当に人生って面白いと思います。
勝てている時には強気で「自分が選んだ道は正しい」「これがいつまでも続く」と思うのね。
これは投資に限らず仕事でも学業でも何でも同じ。
私みたいに自由気ままに50年近く生活していると、良いときもあれば悪いときもあるし、挫折も何度も経験し、逆に「俺は天才だ」なんて思うこともあったり(笑)、まぁ、人生って山あり谷あり、想定外のことも起きるし、「臨機応変に時代に合わせて生き方、考え方、仕事の仕方、利益の出し方、投資方法も変える」しか生き延びることは不可能だと言うのが私の結論。
投資はどうすればよいのか?という問いに対してはやっぱり「時代の変化とともに臨機応変に対応するしか無い」としか言いようがないと思うし、株にしてもインデックスファンドにしても「それを長期で保持していれば良いのだ」という考え方も、【それが通用する時代もあるのでしょう】としか思わない。
今、ラッキーな人達は結構いて、この10年ぐらいで投資に目覚めた人達はかなり良い成績を残しているはず。逆を言えば、この10年で投資で失敗する人って「どこかおかしい」のかもしれない。
2008年のリーマンショック後は「株を買った人は皆が儲けた」のね。それから16年、大きな資産を作った人も多いでしょう。そして「株を買って持ち続ければ良い」という体験とそれを言うインフルエンサーの言葉を信じてしまう。じゃ、リーマンショックで世界がどうなったのかに関してはまだ高校生で、何も知らないなんて人が多いんじゃないですかね。「持ち続ければ良い」というのは「若者が多い」というのもそういうことなんじゃないですかね。
それはそういう時代であったというだけで、彼らが選んだ投資方法が正しいという意味ではないと思うのね。でもそんな忠告に耳を貸す人はいない。
だからどんな時代も「同じことが繰り返される」のだと思う。
でもま、自分に自信を持ってFIREしたり、幸せを感じることが出来ているのは素晴らしいことで、それが出来る間はその高揚感を十分に満喫するのは良いことだと思います。
でも「勝って兜の緒を締めろ」という言葉があるように、いつまでも天気の良い日は続かないかもしれないと、万が一の時の対策を考えることも重要なんだろうと思います。
大事なことは、もし世界大恐慌が来たり、大きな事故、事件が起きたりして、「今までのように利益を得られない、資産を大きく出来ない」時にはどうするのかってこと。またリーマンショックみたいなことは起きないと思っているんだろうか。またリーマンショックの後遺症ってどれほど凄かったかを知らないのだろうか。
もし今は十分な資産と利益があったとしても、それはそういう世界情勢であったからだとしたら、万が一の時にはうまくないし、それが続いたらどうするのか。
だから市場が下落中でも「利益を出すスキル」がないとFIREで生き延びるのは無理で、もし下落することがない時代に生きれたとしてもそれは単にラッキーだったとしか言えないんじゃないですかね。
要は「自分の将来を運に任せるのか、自分でコントロールするのか」の違い。
FIREとはそういう時代をいくつも乗り越えて生き抜かなければならないはずで、株式やインデックスファンドを長期保有しておけばどうにかなるように世間は出来ていない。それは日経225でもアメリカのS&P500、あるいは世界中の新興国の浮き沈みを見てもわかるはず。
それは仕事も同じで、一つの商品やサービスが大当たりしてもそれが未来永劫続くとは考えないのが普通で、次から次へと新たな手を打たなければ大会社だって潰れてしまうのは私達は見てきたはず。
このFIREをしてタイに家族で移住した幸せな家族を見て、そんなことを感じました。気になったのは「良い話ばかり」で世界が暗転するような自体になったらどうするかの話は一切出てこないこと。
皆さん、どう思います?
新NISAで投資を始めた人は多くいて、そしてあの暴落で投げ売りをした人も多いらしい。そして「投げ売りをしたのは間違い」で「我慢をして持つべきだ」という。
これに疑問を感じないところに大きな問題があると思いました。
投げ売りをしたことそのものは駄目だとは私は思わないのね。投資では「逃げること」「負けを認めること」も重要で、行き着くところまで行ってしまうのが良いわけがない。「売らずに持っていればすぐに価格は戻した」なんてのも結果論で、そういう人は「日本の過去に何が起きたのか」も知らないのかと思う。日経225は5分の1以下にまで下落したのを知らないのか。そしてそれが戻すのに34年の年月も掛かったのに。それはアメリカ株も同じで、ドットコムバブルの崩壊から元に戻るのに17年もかかった。だから持ち続けていればよいというのは幻想でしかないと思う。「何十年でも待てる」人なら良いかもしれませんが。
たったこの10年か15年の経験で、「持ち続ければよいのだ」という結論を出したとしたら、あまりにも短絡的だと思う。でも過去チャートを見ると「なんだ、やっぱり持ち続ける。安くなったら買えばよいのだ」と思うのかもね。でもそういう暴落時に世界が、そして人の環境や感情がどう動くかの経験はない。ここが問題で、買いたくても買えない、それどころか売らなくてはならない状況に追い込まれるとか、そういうことは想像できないのだろうか。
下げだしたらどこまで下がるのか、またその後、どこまで値が戻すのかなんてことは「神様以外にはわからないこと」なのに、「売るべきではない」と言う。ま、世の中には「ありとあらゆる読み」が存在していて、必ずそのうちのいくつかは当たるのね。でも私達凡人にそれがわかると思うのは自信過剰じゃないですかね。
ただ「どの時点で投げ売りをしたのか」は大事なポイントで、「投資とは1にタイミング、2にタイミング、3,4がなくて5にタイミング」と言われる世界ですよね。
だから「投げ売り」は「損切り」と同じで、それ自体は全く悪いことではなくて、【損切りできない人】の方が問題が多いとされる世界。でも「タイミングがわからない」のは非常にうまくない。それは「買うタイミングもわからない」ことを意味するわけで、高値で買おうがなんだろうが「持ち続けろ」ってあまりにも異常だと私には映る。それどころかそういう人達は「カモから儲けたいからそういう事をいう」のかもしれないとさえ思う。
つまりですね、「損切りすべきではない」という人も「タイミングがわからない」という点で同じなのね。なんせ「持ち続けるべきだ」というんですから。爆弾を抱えて地獄まで行くのが正しいと言っているようなもの。じゃ、そもそもいつ利食いするんですかね。お金が必要な時に相場は下落中だったらどうするのか。ここのところをちゃんと話す人って非常に少ないからしっかり観察してみてください。
ま、今回の暴落に関しては、ちょうど日米で悪い話が重なったこともあって、冷静に考えれば大げさに考えることでもなかったようにも思いますが、そんなことは「後講釈」でしかない。
でも「流れが変われば逃げるつもり」があれば、「逃げるべきポイントはあった」のは何度も書いた通り。でもそもそも「売るつもりはなかった」人が多いはずで、下げの恐怖がマックスに達するまで逃げずに、そしてどうにも我慢できなくなって投げたってことですね。大底というのはいつの時代もそうやって作られるのね。逆の「暴騰」も同じで、置いていかれる悔しさがマックスになって飛びついて買うとそこが天井だったりするのはよくあること。
また「下げたら買い増しをする」のも良いと思いますが、「下げ続ける中のどこで買う?」のか。そのタイミングは読めるんですかね。
今回の下げでも、「ここは買い増しだ~」と買い向かった人も多いと思うんですよ。でも下げ止まらず大きく下げた時に「こりゃヤバい」と全て叩き売って損失を大きくしてしまった人も少なくないはずなのね。というか、そういうことは普通に起きますから。いわゆる「ナンピン買い下がりはしない方が良い」と言われるのはそういうこと。
つまり「下げたら買う」にしても、「どういうタイミングで買うか」がわからなければ、何も出来ないってことなんですね。
そして「失敗した人」は舞台から退場して、また暫く経つと新たに夢を見るばかりの人達が参入してくるという新陳代謝が常に起きている世界。FIREとはそういう波を乗り越えて生きていかなくてはならないはず。
そもそもそういう恐怖や欲望をコントロールできない人は相場に近寄るべきではないし、また「絶対に売るべきではない」というのも「恐怖や欲望を抑え込もうとする心理がある」からでしょう。結局は「同じ穴のムジナ」に私には見える。
話は戻りますが、FIREとは何も特別な行動でもなんでもなくて、「全ては自己責任の世界で生きていかなくてはならない個人事業主になった」だけのことだと私は思うんですよ。
そういう目で世間を見てみれば、サラリーマン以外の人達は「全てFIRE」みたいなもので、多くの人たちがどれほど苦労をしているのかはすぐに分かるはずで、たまたま近年の相場の動きで大きな資産を作ったからといって、その上に胡座をかいていたらどうなるのかなんて簡単にわかるはず。
そして株式やインデックスファンドを長期保持すれば「明るい未来が待っている」みたいな考え方って、私は「病気」だと言っても良いと思うくらい。そもそもFIREなんて言葉は最近出てきた言葉でしか無くて、同じことを考えて実行した人はそれこそ「人類の歴史が始まった時」からいるんじゃないですかね。
そして「FIREしよう」なんて話は、市場が上向きで皆が利益を出しているときにしか出てこない。皆が損を出して頭を抱えている時にそんなことを言い出せば「バカ扱いされる」に決まっているじゃないですか。
でもそういうウネリがある時代を生き抜くスキルがある人だけが生き延びる。「持ち続ければ勝てる」なんてそれは過去チャートを見てそんな気がするだけでしょう。でもFIREに憧れを持つ人達は、「良いところしか見ようとしない」のね。それはまさに「詐欺に引っかかりやすい性格の人」に私には見える。
私がFIREに興味を持ったのは60年近く昔の話で、私の親友のお父さんが40を過ぎた頃に自宅も会社も自社ビルも売り払って、フランスはパリに家族とともに渡り悠々自適の生活を始めたのを見て、それに憧れてしまったのがキッカケ。でも今になれば、本物のFIRE(Financial Independence, Retire Early)は彼一人しか私は知らなくて、他の人は私も含めて「自己責任で一生あくせく稼がなくてはならない野良犬になっただけ」みたいに思います。そりゃ「良い時もある」けれど、それはその時だけ。
このことは初めて書きますが、私が二十代の頃は「30になるまでに1億貯める」のが目標だったんですよ。45~50年前の話で、サラリーマンをやっても月収6、7万円の時代です。でもそれは全く出来ず、30代になって「初めてサラ金のお世話になる」ようなことも起きた。(笑)
でも結果的には38歳の時にはゴミみたいな中小企業も閉めて財産はすべて現金化してオーストラリアへ永住権を取って渡った。ま、これが私の中ではFIREをしたときだと考えていますが、そもそもサラリーマンをやったことがほとんどないわけで、そしてゴールドコーストではすぐに事務所を借りて起業して2つの仕事をやっていましたから、FIREではない。
でも40代のいつごろだったか、デイトレなるものが出来る時代になり、それにのめり込み、会社も売って「デイトレ+債券投資」の時代が始まる。そしてその後にデイトレはお休みして「債券投資だけで食べていた時代」になりますが、債券って「買ったら放置」なわけで、これがもしかしたら私のFIREらしい生活かもしれない。でも毎日が日曜日の生活でゴルフ三昧もしたけれど、そういう生活も何年かすると飽きるのね。
そしてゴールドコーストでの生活も「インフレが恐ろしいことになった」し、そもそも税金が高い国だから、「次のレベルへのステップアップ」を考えたわけです。で、所得税が掛からないマレーシアに移ること決めて(それだけで手取りは2倍になる)、初心に帰ってデイトレを再開。ところが「恐怖のリーマンショック」で大打撃。これが原因で、マレーシアの長期滞在ビザMM2Hは取得したものの我が家の経済状況は芳しくなくて8年間はマレーシアに渡らず「様子見」をしていた。
でも元のレベルには戻れず、諦めて自宅も叩き売ってマレーシアに来たのが2016年。長男をトレーダーに育てるためにマレーシアに一緒に来たけれど、なんだか思うように行かずダラダラとして今に至る。ただ子どもたちも30代になりやっぱり真剣に稼ぐことを考えるようになったから、この近年、3人で新たなスタートを切って、「デイトレ3人衆」となった。目標だけはとんでも高く、他人に話せばバカにされるだけですから言いませんが、結構、3人で真剣にやっています。
叩き売った自宅ですが、結局はリーマンショック前の価値の半分以下の価格で手放しました。リーマンショック前には「売ってくれないか」なんて話はしょっちゅう来ていたのに(オーストラリアは突然、不動産屋が来て売ってくれというような国)、リーマンショックで値はガタガタになり、なおかつ豪ドルは対円で半分になりましたから、日本円換算での私の資産は悲しいことになった。
約400坪の土地に、床面積が1000平米を超えるネラング川本流沿いにある3階建のウォーターフロントの大きな家でした。そんな家で家族4人で暮らしていましたが、やっぱり売るときには涙が出ましたっけ。投資に失敗した、仕事に失敗したわけでもなく、普通に暮らしていたらリーマンショックで大打撃を食らったんですから。一時は私の資産は円建て換算で「4分の1」に数カ月の間になったわけで、「俺は終わった」と本当に思いましたっけ。
でももしあの当時に私に「資産運用以外の収入」、つまり給与でも配当でも十分な収入があれば、あのままゴールドコーストで生活していたかもしれない。でも「資産運用だけで稼ぐ」というのはそういう「安全弁」がないのね。株式投資はしていませんでしたから「配当収入」もなく、「安定収入は債券からの収入(これも破綻する危険性はあった)のみ+デイトレの不安定な稼ぎ」となり、どちらにしてもそんなもので「資産価値の大幅下落」に太刀打ちできるわけもなく、それを取り戻すにはまた長い長い年月が必要かと思ったら目眩がしましたっけ。。
でも家族4人で楽しく過ごせたのは良い思い出になりました。
メインベッドルームからの眺め。これを毎日見て過ごしていました。
やっぱり私はFIRE「Financial Independence, Retire Early」じゃないのね。Financial Independenceは昔からそうだけれど、Retire Earlyはしていないどころか、今は引退する気もなく、死ぬまでこのまま頑張って息子たちの「黒子」となって支え続けるつもり。
そんなこんなで自分を振り返っても周りを見てもFIRE「Financial Independence, Retire Early」として生活を続けた人って、私は殆ど知らないのね。オーストラリアにはFIREとして渡ってくる人はかなり多かったけれど、詐欺にあったり、何かしら商売を始めたり、アルバイトをしたり、そして「生活が苦しくなって日本に帰国する人」が大量に出た。そして私達もマレーシアに逃げた経済難民と同じ。
そもそもですね、本当の意味でのFIRE「Financial Independence, Retire Early」なんて、半端じゃない莫大な資産がなければ出来ないのね。数億円の資産で遊んで暮らすなんて、まず無理。「株式の長期投資で~」なんて言っていてもリーマンショックみたいなのが来れば、含み損、資産価値の下落、海外に住んでいれば為替の暴落もあるだろうし、「立ち直れないレベルまで叩き潰される」なんてことにもなる。
過去チャートを見れば、こんな時に買えば良いなんて、その時を経験していない人は簡単に言うけれど、「安くなった株を買うどころじゃなくなる」のね。「お金があったら買いたいなぁ」なんてことは皆が思っているわけで、でも現実的な生活を維持するためには「持っている株や資産を売らなくてはならない」なんてことが起きるんですよ。だからこそ株価も安くなるということに気がつくべき。投資家は皆バカで買えばよいのに買わなかったってことじゃないのね。
これって「空売りをすれば良い」なんて話でもなくて、そんなことさえする余裕がなくなるのね。ましてや「ヘッジするにはそれなりの資金が必要」なわけだけれど、そんなお金もなくなるし、債券だって不動産だって売るに売れないようになる。だから「クライシス」と呼ばれるわけです。
私の場合は、「日本のバブル崩壊」はうまく逃げることが出来たけれど、「株の長期保有は難しい」という勉強になったし、たまたま「デイトレに活路を見出しだ」から良かった。その後、金融バブルの崩壊、ITバブルの崩壊、911NY多発テロなども株を持っていなかったから全く影響はなかったし、デイトレは実はああいう大きな事が起きたときこそ「稼ぎ時」なのね。でも「リーマンショック(金融クライシスと呼ばれる)」では物の見事に捕まった。
株は一切持っていなかったけれど、「資産の全てが大暴落」した。そしてその後遺症は今でも残っていて、リーマンショック前の状態には戻れていない。それは2023年にクレディ・スイスのAT1債で、マレーシアに来てから順調に資産も増えていた矢先に我が人生初めての額の大損をしたから。年利10%の利益に見えがくらんでしまいました。かつてそれだけの勝負をしたことがなかったのに、勝負をしたらこれですもんねぇ。このクレディ・スイスの債券だけで、私たち夫婦の老後は安泰だニヤニヤしていたんですからバカ丸出しです(笑)。ちなみに私は年金を受け取っていません。日本の年金(早く海外に出たから金額は少ない)もオーストラリアの年金も受け取る権利はあるんですが、なんとうか「意地」なんですね。若い頃に誓ったことでもあるし、その意地があるから今でも頑張れるのだと思っています。
世界各国はあのリーマンショックを乗り越えるために「とんでもない額のお金を刷ってばら撒いた」のね。それが回り回って世界はどうにか助かって、その巨額のお金は株式市場を押し上げた。これが今に続いているわけで、各国は「緊急時にはお金を刷れば良いことを覚えた」のね。だからコロナショックも莫大なお金を投入して乗り切ったけれど、お金がじゃぶじゃぶに余りすぎていて「とんでもないインフレ」に悩むことになった。でも同じ理由で「株式市場は上がり続けた」のね。
それの恩恵を受けている人は、この10年ぐらいに株式投資を始めた若者が中心。だから「株を買えば儲かる」と信じているフシがある。でもこの株高は「借金経済がもたらした現象」だと考えるべきだと私は思っていて、「世界中が好景気でそれがそのまま続く」と考えるのはあまりにも短絡的で、今、絶好調に見えるアメリカも政府が持っている未曾有の「借金」のことも考えないとならない。この辺をきっちり調べていくと、まさに日本のあのバブルの頃ににているのがわかるはず。
そして株式投資家が大好きなあのウォーレンバフェットが今どうしているかというと、彼の莫大な株式投資の内、アップル株を始め大量に利食いして「現金比率を45%にまで上げた」のがわかったじゃないですか。世界をリードする大口の株式投資家が約半分を現金化したことの重大さをしっかり考えるべきで、彼がどんな将来を見ているのかは簡単に想像がつく。彼は「そのうち、大きく株を仕込むチャンスが来る」と読んでいるのは間違いないと思います。つまり「大暴落」ですね。でも当然、彼はそんなことは絶対に言わないどころか「アメリカは大丈夫」という。でもやってることは逆。ま、それも当たり前で、もしあれだけの大物が「これからは危険水域に入る」なんて言い出したら、それだけで暴落してしまうでしょう。
今、大きく膨れ上がった株式市場にこれから何が起きるのか。莫大な借金を抱えたアメリカ政府はどうなるのか。その辺を考える必要は絶対にあるし、でも「危ないから株式投資から手を引く」のではなくて、「兆候が見えたら逃げれば良い」のね。要は「雨が降り出したら傘をさす」のが当たり前で、「雨が降る前に傘をさす必要はない」と私は思う。でも「雨なんか絶対に降らないから、株は売らずにガッチリ抱きしめていれば良い」なんていう人達は私には狂っているとしか思えないんですよ。
「雨が降ったら傘をさす」というのは、要は「タイミングを見るべき」ということであって、そもそもいつ買うべきか、いつ売るべきかもわからない、待つことも出来ない人がどうなるかは簡単に想像できるんじゃない?
FIREで生き延びるということは、それに必要なスキルがあるってことだし、「臨機応変に動く」ことを【一生続けなければならない】ことを意味する。もし「雨が降ったから傘をさす」事ができたとしても、次に、「雨が振り続けていたら、どうやって稼いで食うのか。どうやって資産を増やすのか」という問題が出てくるし、当然、それに対応できなければ遠くない将来に脱落するしかない。
だからFIREをやめろというのじゃなくて、これは戦争と同じで、最初の戦いに勝てたとしても次から次へと新たな戦いは「一生続く」わけで、自分の戦い方も「いつもと同じ」で勝ち続けることは出来ない。
つまり「負け方」「逃げ方」にも精通する必要があると私は思うのだけれど、FIREを実行している人達、それを夢見る人達から、そういう話を私は聞いたことがないのね。
突撃隊として華々しくデビューして、時代が変われば消えていってもしかたがないとするならどうでもかまいませんが、例えば今の世界は「大きな戦争が起きそうな懸念もある」わけで、そうなったときにはどうやって生き延びるのかのシミュレーションの話が出てきても良さそうなものだけれど、私はそれも聞いたこともない。台湾有事が起きたらどうなるのか考えたことはあるんだろうか。
その時はその時、どうにかなるさと思っているのだろうか。
それでとうにかなるならこの世で苦労する人はいなくなる。
また私のお節介が始まりましたね~。(笑)
でもああいう夢ばかり見る幸せな人達が多く存在していて「市場にお金を注入してくれている」からこの世界で食う人間は潤うわけで、「がんばってくださいね~」とだけ言っておけばよいのはわかっているんですが・・・・。
独りものが好き勝手にやるのは構わないんですが、やっぱり家族がいるのを見ると私は黙っておれないんですよ。
私も自信過剰の相場師の親を持って、家族がいろいろ苦労したのは見てきましたし。(笑)
せめてこのブログの読者は「甘い言葉に惑わされることがない」ようであって欲しいです。
それは「FIREなど考えない」という意味ではなくて、「攻めることも出来る」「守ること、逃げることも出来る」、市場が上がろうが下がろうが、世界恐慌が来ようが、「どうやって利益を出し続けるのか」を考えるべきだし、それに必要なスキルを身につけることが重要なんじゃないですかという問いかけです。
株価低迷が20年続いたらどうするか。そんなシミュレーションをすればどうするべきかは見えてくるはず。
皆さんが大好きなインデックスファンドも「市場が下げたら利益が出る」ように設計されたものもあるわけで、市場が下げ続けている時にはそういうETFを持っていれば利益が出る。
これって「市場が上昇を続けるからインデックスファンドを買うのが良い」というのと全く同じことなのに気がつくはず。
でも「持ち続ければ良い」というような「タイミングを無視するような考え方」を持っている限り、どうにもならない。
このチャートはS&P500の週足を「上下反転させたチャート」です。
これを見て、こういう時代に突入したら自分はどうするべきか考えてみれば私が言わんとしていることはすぐにわかるはず。
それとも「こういう事は絶対に起きない」という宗教を信じ続けますか?
「投資とは1にタイミング、2にタイミング、3,4がなくて5にタイミング」なのをお忘れなきよう。高値で買おうが安値で買おうが「持ち続ければ良い」ってあまりにも相場をバカにしていませんかね。安く買って高く売る。高く売って安く買い戻すしか利益を出す方法はないのに。
ああ、そうそう、前にも紹介しましたが、ちょっとこれを見て答えを探してみてください。
NISAで20年間、毎年定額つみたて投資をして儲かる値動きはどれ?
ちょっと真剣にこの図を見てください。20年間ドルコスト法を続けて、この中で利益が出るのはどのケースか。
図をクリックすると大きくなりますので、きっちり見てみてください。
答えを書いちゃいますが、利益が出るのは2,3,7だけなのね。
おもしろいでしょ?
要はギャンブルと同じで、「勝つ方法は一つ」なのね。
「勝っている内にやめること」
「持ち続ければ良い」というのは、【今現在は過去のどの時点よりも上がっているから】そんな気楽なことが言えるんでしょう。
では「下がりだしてそれが続いたらどうするのか」という考えを封じ込めてしまうのは【思考停止以外の何物でもない】んじゃないですかね。
ある日ある時、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないことを切に願っております。m(_ _)m
FIREをやめろというのじゃない。株式投資もだめだというのじゃない。
でも生き延びるために必要な考え方やスキルがあるということでしかないのね。
もしこのブログに来たばかりの人で、過去ログを読んでいないとしたら、まずこのひとのユーチューブ番組をみるのは参考になると思います。
「これからどうなるのか」ではなくて、「自分はどうするべきか」「自分に足りないものはなにか」「自分に必要なスキルはなにか」という見方をしてみてください。
また今アメリカがどういう状態かを知るのはこの「レバナス一本リーマンさん」の動画が参考になると思う。彼は「データを元にして話している」から良いと思います。ただし、彼はやっぱり「トレーダーではない」のね。「危ない」と警鐘は鳴らすけれど、「いつ行動すべきか」という話は一切ない。つまり、彼の話を聞いて「そういうことも起きるかもしれないという想定をする」のが重要であって、そして「それが起きたらどうするのか」を今から考えておくのが良いと思います。まだ「雨は降っていない」のですから。