想像していたほど「株は下がっていない」感じ トランプ改革は「地獄への入口」か?

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トランプの政策で世界中がてんやわんやですが、私はもっと株価は下がるだろうと思っていました。

世の中を見回してみると、必ず株が下がると出てくる「今が買い時」という人も結構いる。

そりゃ「高値から比べれば安い」のは間違いがないものの、【どこまで下がるかはわからない】わけで、長い歴史の中では「安値を拾おう」と考えて全てを失うようなことになった投資家は大勢いる。ま、「現物」だけを売買していればそういうことはないにしろ、「安いところを拾おう」なんて積極的な考え方をする人たちって、「利益を追うことばかり考える」傾向があるから、レバレッジを掛けてる人も多かったり。その場合、3割下がればほぼ全てを失うのが普通で、でも「当たれば大きい」からそれを狙う人はいつどんな時代でも大勢いる。

ま、好きにすれば良いことですが、ここのところの下げを見ていると、私が想像していた以上に「強気」の感じがしていて、あまり下げていない様に思います。

Nasdaq 100 E-mini 日足。日本時間2025年4月17日午前11時ごろ。

私が思う「トランプの改革」ってまさに革命と同じで、今までの常識が完全に覆されるほど強烈に感じています。

でもトランプ特有の「脅し、ブラフ」があって、すぐにまた変える事がよくあるにしても、トランプが考えている改革って「痛みがあっても実行する」という強い意志を私は感じるわけで、「時間が経てばもとに戻るだろう」なんてことはあり得ないと思う。

そもそも「アメリカ政府の借金、支払利息」がとんでもないことになっていて、それをどうにかしないとならないのがトランプの第一の目標なはずで、「貿易不均衡」なんてのは二の次の問題でしょう。それとて「世界で分業が進んでいる」のに【全ての物に高い関税をかける】なんてことが実現可能じゃないのは誰にでもわかるはずで、「全ての分野で自国産業を育てる」なんてのも無理。でもトランプには「関税を高くする理由付けが必要」なのは間違いがない。そもそも貿易不均衡が是正されようが、自国産業が発展しようが、それにはとんでもない長い年月が必要なわけで、でも「アメリカ政府の懐事情は最悪」でどうにかしないとならないのは待った無しのはず。そして【貿易不均衡が是正されても政府の借金が大きく減らなければ意味がない】じゃないですか。当然、各国がやってきた「自国産業を育てるための補助金」なんてトランプは出すつもりはなくて「他国に依存している」ように見える。

だから私としては「アメリカ政府はお金を欲しい」のが第一で、貿易不均衡が是正されれば良いなというのはずーっと将来の話。そしてその時にはもうトランプはいない。

それとこの莫大な借金の「借り換え」が迫っているのをどうするのかが喫緊の課題でもある。

トランプもいつだったか、「(高関税のおかげで)毎日莫大な収入がある」と嬉しそうな顔をしていた時がありましたが、あれがトランプの本音だと私は思う。

日本も他の国々も「自分の国目線で見ている」のは間違いがなくて「高関税をどうにか逃れよう」としていますが、金のないヤクザが「みかじめ料を取らないと俺達は潰れる」と迫ってきているのに「どうにか関税を下げほしい」というアプローチは何かズレているように感じます。あまりにもその対応は常識的すぎていて、ヤクザなトランプには通用しないんじゃないかと思う。

トランプが考えを変えるとしたら「アメリカに不利なのがはっきりした場合」のみじゃなかろうか。

でもトランプとて「手打ちをする部分はある」わけで、当然、それも計算に入れたうえでの「脅し、ブラフ」であるはずで、例えば私達が突然「100万円を払え」とヤクザに無理難題を押し付けられた後、交渉してそれが30万円に下がったら「喜んで払ってしまう」事が起きるようなものだと思う。

またトランプはかつてアメリカの建国後は「関税で潤っていた」時代に戻そうとしているのは間違いが無いようで(所得税が出来たのは1913年)、それを原資にして減税も考えている様子。また文化、思想的にも「古き良き時代」に戻そうとしているのははっきりわかるし、現代のアメリカの「個人の権利ばかり主張する傾向」は私も良いとは思えない。

どちらにしてもトランプの政策は「他国の不景気を呼び込む」「アメリカ国内のインフレを呼び込む」「アメリカの景気は悪くなる」方向にあると思うし、そして今までのアメリカ、特にバイデン政権がやっていたような「ばら撒きはもうしない」のははっきりしていると思うんですよ。

当然、【景気が良くなる要素はなにもない】と思うし、株価は大きく下がり低迷するだろうし、トランプも「株高で儲けたのは金持ちばかり」と考えているフシがあるし、お金をじゃぶじゃぶにして維持してきた景気と株高に戻るはずがないと思うのね。つまり「バブルは弾ける」ということ。

だから株投資の神様と言われるウォーレンバフェット率いるハサウェイも、皆が「買え~~、もっと上がれ~~」とはしゃいでいる時に多くの株式を売却し利確し、現金比率を大きく上げたんじゃないですかね。

私は「株は下がった方が良い」と考えているわけじゃなくて、やっぱり「適正な状態」ってあると思うのね。そして今まではやっぱり私はバブルだと思うし、その「反動」はあってしかるべきだと思う。私は「株価は生き物と同じ」だと思っていて、常に呼吸しているというか、小さな波、大きな波が常にあるのが当たり前だと考えます。

これが今の状態なのはしっかり認識する必要があると思う。ましてやこの株高を先導してきたのは「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる一部の企業なだけで、アメリカ全体が絶好調だったわけじゃないじゃないですか。一度、その7社を除いたS&P493の株価推移を見てみたら良いと思う。

そういう考え方が私の中にはあって、それから今の状態を見ると、「あまり下げていない」ように見えるわけです。

それは、私としては「トランプ政策は世界に最悪の結果をもたらす」と思っているからで、でも世界には「いや、もしかしたら・・」と思う投資家が多いのかもしれない。だからきっと「本格的な下げ」は【彼らが諦めだした時から始まる】のかもね。実際に今、買いポジションを持っている人たちって「大丈夫かもしれない」と思っているからなはずで、でもいつかそういう人たちが「やっぱり駄目か」と投げ出すと大暴落が始まる。かつて何度もあった暴落ってそうやって起きた。

ただし、そういう「相場感」で売買することは一切するべきじゃないし、「眼の前の値動きだけが真実」ですから、「上げれば買う」「下げれば売る」だけのこと。だから今の状態は「バブルが弾けだした状態」に見えてはいるものの【買いサインが出れば買い】。でも買いサインも出ていないのに買うなんてのは今の状態から見ても自殺行為だと思う。というか、慌てる必要はなくて、「必ず上昇トレンドに戻る時は来る」からそれを待てばよいと思うだけのこと。

でも今すでに買い持ちの場合は悩みどころだとは思う。本来なら「ショートしていても良い場面」なわけで、でもここまで下げると売りたくないのは当たり前だし、それどころか「ナンピン買い」をすれば「買値の平均値は下がる」し【大チャンスかもしれない】なんて風に心理が動くのが普通。

私にしてみるとそういう人は「末期症状」に見えるわけで、好きなようになんでも試せば良いと思う。ただ今回はそれでうまく行っても、そういう考え方が着いてしまうと「いつか必ず大きくやられる」のが相場の世界で、10年20年掛けて築き上げたものが一瞬で消えて、相場の世界から離れていく人が多い。

では「買いチャンスはなかったのか」という話ですが、実は私が長期で見る時には「4時間足で見る」といつも書いています。でもそれは一般的ではないのでブログにはいつも日足をだしているだけ。

で、4時間足で見るとNasdaq 100も買いサインが出ていた。

Nasdaq 100 E-mini 4時間足。

でも今、また売りサイン。というか「買い持ちしていてはならない状態になった」というべきか。

チャートの使い方、見方っていろいろで、それは人それぞれ全く違うのだけれど、一般的には「メインで使うチャート」とそれの補助として「時間軸の長いチャートで大きな流れを見る」ことをするのが一般的。つまり、そうやって見る2つ3つのチャートが「同じ方向を示した時にのみ出撃する」という考え方がある。とすれば、日足では買いサインは出ていなかったので、4時間足の買いサインは無視するという考え方がある。

ただ中長期投資の場合は見るチャートが日足であることが多く、また4時間足を見たところで、「自分のルールに当てはまる時」を狙っていると「何ヶ月も待たされることがある」のね。だから「ルール変更」をしたり、「ま、いっか。行ったれ~」みたいになってしまったり。

待つことが重要と言われるけれど、それってできそうでできない。

でもデイトレーダーなら出来るのね。慌てなくてもチャンスは数十分も待っていれば必ず来るから。また「チャンスが来なければ来ないでそれで良い」という考え方を持つトレーダーも多いと思う。明日があるのだから。

でも長期投資はそんな余裕がないから、結構危ないことをしてしまう。

今から30年以上前のこと。まだデイトレを始めたばかりの私に相場のいろいろ、チャート分析を教えてくれた「師匠」みたいな人がいたのですが、彼は毎日のように「待つことを覚えろ」と私に言っていました。彼にしてみれば私は「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」と考えているように見えたんでしょうね。でも本人は全くそのつもりはないのだけれど、「待つ時には何ヶ月でもチャンスが来るまで待つ」その人から見れば「しょうもないやつ」だったんでしょう。

「ダボさんはいつか裸にならないとわからないんだろうね~」と何度言われたかわからない。でも私は「待つことの重要性」は裸にならずともわかったし、でもそれにはそれから5年以上の年月が必要だった。(笑)

自分の思うままに売買をしていると5年10年20年はあっという間に過ぎちゃうのね。しっかり学べば早い人なら数ヶ月でわかることでも、ボーッとしているととんでもない年月がかかるし、何十年やっても「初心者レベル」の人はごっそりいるのがこの世界。

「勝てば官軍 負ければ賊軍」のこの世界だけれど、勝ち負けだけにこだわっていると「ギャンブラーと同じ」になるから要注意。まずは「生き延びるためにはどうするべきか」の戦法を最初に考えるべきだと思う。当然、「突撃」ばかりじゃ駄目で、「積極的に撤退する」ことも重要なのは本物の戦争でも同じ。

しかしこんなチャートを見ながら買いだの売りだの、デイトレードが良いだの言いながら生きていられるのって幸せなんだろうと思う。

私が若い頃、父は弱電関係の輸出をやっていたし、私は私で貿易関係をやっていた時期がある。

もしあの頃に今みたいなことが起きたら「店じまい」を考えても不思議じゃないかもしれない。でも止めたところでどうやって生きていくのかって問題があるし。

私の父は1971年のニクソンショック(ドルショック)、つまり米ドル紙幣と金との兌換一時停止を宣言し、ブレトン・ウッズ体制が崩れた時の円高で「もう輸出は駄目だ」と会社を閉めましたが、あの頃を思い出します。父はまだ当時40代でしたが、その後は泣かず飛ばずで結局、一生を終わった。それでも我が家がどうにか生き延びられたのは、母が切り盛りしていた「新橋の飲食店」があったから。

父の会社を閉鎖するにも、当時は「手形を切る」のが普通でしたから、会社を閉めるにもかなりのお金が必要なのね(買掛金が多いということ)。その金額が大きくて私も驚いたのだけれど、相談を受けた母が「そのくらいのお金ならあるわよ」とポンと出したのね。それがあったから父の会社を閉めることが出来たのは間違いがない。

私がいつも「本業と副業を持つべき」「一本足打法は危ない」という考え方が重要だとブログに書くのもそれが理由。また相場で生きるにしても「債券投資」と「先物のデイトレード」は車の両輪と同じで、両方あるからそれぞれが成り立つのね。特にデイトレに私がこだわるのは「日銭の重要性」が嫌ってほどわかるから。それも両親を見ていてわかったこと。私がそこそこ豊かに生きてこられたのは「父のおかげ」で、でも我が家の危機を救ったのは「母」だったわけです。

さてさてトランプの改革は世界に、日本に、マレーシア在住の日本人にどれほどの影響があるのでしょうか。

あ、そうそう。我が家には面白い家訓があるんですよ。

「女房は必ずヘソクリを作るべし。そして何があっても絶対にそれを明かしてはならない」

母も結婚する時に、義母にあたる父の母からしっかり教えられたそう。

「皆がお腹を減らしている時に、片手に持つおにぎりだけしか無いと言いなさい。しかし必ずもう一個、ポケットに隠し持て。それがいつか家族の命を救う」という喩え話。

私の祖母にあたるわけですが、「さすが明治生まれ」って思いましたっけ。山あり谷ありの激動の時代を生き延びた人のいうことはやっぱり重い。

その話は私のヨメさんにも話したし、次男坊が結婚する時にもお嫁さんに話しました。

でも我が家のヨメさんには一切、ヘソクリは無いし、次男坊夫婦は「なんでも隠し事をしないのが私達の決まり」なんだそう。(笑)

男って危ないのね。ましてや自分で事業をやっていると、「今しかチャンスがない」「XXXXX円あれば一気に大きくなれる」なんてことを平気で言いますから。

そんな時、「我が家には一体いくらあるんだ?」と男はヨメさんに聞く。そして素直にヘソクリを出してしまうとそれも「消えてなくなる」なんてのが世の中の常。

上に書いた、父が会社を閉める時に母が大金を出したわけですが、父に聞くと「まさかそんなお金を溜め込んでいるとは全く想像さえしなかった」と言っていました。つまりそれまでに「今がチャンスだ」なんてことをいうのは何度もあったはずで、その時に母は「残念ねぇ。お金があればねぇ」と言っていたのは間違いがないのね。

私にしてみると「オヤジって結構マヌケなんだな」と思ったし、やっぱり母のほうが「商売人」だと思った。(笑)

人生って本当に面白いと思う。

ひょんなことで地獄と天国に道は別れちゃうのね。そして「希望とは絶望の種」だと思うし、「計画とはいつか必ず大きな変更が迫られるもの」だと思う。やっと「線路は敷けた」なんて思って爆走していると、なぜか突然、線路が消えていたなんてのは毎度のこと。(笑)

消えていく人は本当に多いけれど、彼らは「多くを語らない」のが普通で、そういう人は少ないような気がするけれど、実は圧倒的多数は彼らなのね。

昔、トヨタの下請けの(雇われ)社長の奥様と話をしていたときのこと。

「私がいる零細企業の世界って恐ろしくて、10年生存率は10%ぐらいなんですよ」と言ったんですよ。するとその奥様は「嘘~、街を見ても会社、お店ばかりでみんなしっかりやってるじゃない」ですと。

そこで頑張る会社や商店は「勝ち組」だってことを知らないのね。そして「入れ替わりが激しい」のも知らない。

相場の世界の生き残り率って、私が知っている限り「もっと低い」のね。そして張り切っていて「儲ける気まんまん」なのはいつも新しく始めた人。

このブログの読者にも過去に面白い人がいて、私の必勝法を読んで「これなら自分にも出来る」と思ったのね。それはそれで良くて誰でも頑張れば出来るはずなんだけれど、彼いわく、「負ける気が全くしない。ダボさん、来年の今頃、どっちが稼いでいるか競争しましょう」というメールが来たんですよ。

それには「まぁ競争は別にして、頑張ってください」と返事をしたのですが、彼からのメールはそれが最後。(笑)

私も過去には「俺って天才か?」なんて思ったことは何度もあるわけで(笑)、それだけにその後の落ち込み方は半端じゃありませんでした。でもそんなことで諦めずに繰り返している内に「自分は生き残っている」ことに気がつく。そしてそれこそが本当のスタートなのかもしれない。

山は険しい。でも登る道は間違いなくあると思う私。

 
 
 

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