マレーシアに住んでいるのに「日本の米の値上がり」は関係ないようですが、我が家は「日本のお米」を食べているので関係がない訳では無い。
日本の米じゃないと駄目かと言うとそうでもなくて、単なる「マレーシアに来てからの習慣」でしかなくて、オーストラリア時代は「アメリカ産の日本ブランド米」を食べていました。味や品質に関して「アメリカ産は駄目だ」と思ったことはなくて、それは私がお米にこだわりが強くないこともあるのかもしれませんが、「お米いのち」のヨメさんのこともあって「アメリカ産の日本ブランド米」を食べていました。大きな違いがあるとは思わなかったけれど、「冷えると違いがわかる」みたいな感じ。
で、日本のお米ですが、やっぱり「量が足りない」のは間違いが無いようで、そして「米の価格は30年前の半額まで落ちた」のも事実で、「値上がりもしょうがない」と私が考えているのは何度か書いた通り。攻撃の的になっている「JA」も米を溜め込むどころか「買うべき米も買えない状態」。
でも「価格が安い」にしても「生産高が多い」のなら生産者もどうにかなるはずですが、「減反政策は終わった」ものの「転作を勧め、補助金を出す」のは同じで、減反政策は続いているのと同じ。で、「米農家は全く儲からない」状態なのも間違いがなく、「廃業」も毎年数万件という多さ。どんな業界でも合理化、機械化は進んだのに、件数で言えば圧倒的大多数のトーチャンカーチャンの零細米農家はその流れに取り残されたままなのは間違いがなく、「単位面積当たりの収穫量も少ない」らしい。
やっぱり「農政の問題が表面化した」と言って良いと私は思っていて、でも「農水省の官僚」「農水関係の政治家」も【過ちを認めない】のね。これは日本の官僚や政治の世界の「お決まり」みたいなもので、そもそも官僚も政治家も「先輩や親に今の地位をもらった」ようなもんで「過去の過ちを認めるわけには行かない」「過去を踏襲する」のが彼らの基本なんでしょう。それが「自らの地位を守ることにつながる」と考えているのだと思う。
でも「輸出を伸ばす」と言い出しているし、それは「このままでは不可能」なわけで、政府も「大きな変化が必要」なのは理解しているはず。ただ、「過去の失敗を暴く、犯人探し」をするときではないと私は思っていて、「日本の米生産の未来を皆で作る」という意思が何よりも重要なのだろうと思う。米生産の従事者の平均年齢は71歳を超えているというデータもあるようで、これからが正念場じゃないですかね。
これからですが、米が足りないのはわかりきっていて、各地で25年度産の生産が始まっていますが、「すでに買付の契約は進んでいる」そうでまるで「先物を買う」のと同じ。そして「価格は高いまま」だそうで、今年の米が出回っても当然、高いままですと。それどころか現状は「7月8月」に米が足りなくなるのもわかっているそうで、下手すりゃ「まだ上がる」かもしれない。
「外国産の安いお米を食べる」「パンや麺類を増やす」方向に世の中は動いていくのだろうと思いますが、「日本の米生産をどうするのか」という将来を考えると非常にうまくない状態。このままでは近い将来「日本の米生産は壊滅する」可能性がある。
この下に紹介する対談が「今までの流れと現状」がわかりやすいと思いました。
やっぱり背後に「財務省」の影がある。農水関連の政治家が改革をしようと思っても「プラスアルファの財政支出を認めない」らしい。だから欧米のように「生産者を守れない」状況。また海外資本が日本の「郵貯」に手を出したように莫大な資産を動かしている「農林中金と共済(合計155兆円)」も欲しい。そしてあの悪名高き「カーギル」がJAに食指を伸ばして日本の農業をコントロールしようとしていて、興味のない「流通部門」は中国に売り飛ばす計画が見えているらしい。だから「JA改革は重要」だとしても、方向性を間違えると「海外資本に売り渡すこと」になる。当然、郵貯のときと同じ様に「外資の立場で動く人達、企業」はいて、【JAを叩きまくる構造がある】と。そしてそれに乗せられる国民もいる。
農政改革に反対している(させられている?)のが自民党。ただ財政積極派は別。
「日本の農家は保護されすぎ」「補助金を多くもらっている」のは偏った見方で、「政府自民党は米生産を減らすための補助金を出している」のが正解。日本の農家は見捨てられていると言っても過言じゃないかもしれない。農家の収入の「補助金が占める割合」は欧米諸国に比べるとかなり低い。そして「収入を増やすには減反、転作して補助金を得る」という構造。
日本人の米離れは「戦後のアメリカ占領軍による政策」や「日本人の生活の欧米化」によるもので仕方がないとは思いますが、「日本のお米は他のものに代替してしまっても良いもの」とは思えず、逆に、「大規模農家」は「かなりのコスト削減が可能」だと彼らも言っていて、「アメリカの米」に価格的にも対抗できる未来はあるという。つまり「日本米の輸出に未来がある」と。当然、それは【価格が下る】ことを意味する。
でもそういう大規模農家も国の後押しがあるわけでもなく、個別に農家と話し合いをして進めているものの、簡単には広げられないという。この大規模農家の地権者も200人を超えるそうで、大規模農家と言えども田んぼは点在している。
この大規模農家が広がるのに拍車をかけるように国民が動けば政治も動く。そして輸出も視野に入っているという。つまり「価格は下る」と。
日本人の米離れって「米を食べない」だけじゃなくて、「生産者の事、農政に関しても無関心になってしまった」結果が今の状況を作ったのかもね。
「高くなったものをいかに安くするか」という「生活重視」だけじゃなくて、「米生産は儲かる事業」であるのを認識して伸ばしていくべきですよね~。
米農家やJAを敵視するのは大間違いだと思う。仲間割れみたいに私には見えます。