投資をするにあたって、最低限、知っておくべき「歴史」

古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください

世の中はいまだに「株式投資をするべきだ」「買え」「ガチホ(買ったら売らない)だ」という声ばかり聞こえます。

「そう簡単には世の中、できていない」と私は書き続けていますが、その声が広く届くわけもない。でもこのブログの読者の、それもごく一部の方々でも「しっかり考えてみよう」と思って貰えたら良いなと思っています。

何を基準に判断するのかって非常に難しくて、「何十年もの長い期間の株価チャートを見てみる」のも大事だと思いますが、それを見たときの反応も人それぞれ。

「順調に上がっていたのに、下げに転じると80%90%も下落することがあったのか」「元の値に戻るのに日本では34年、アメリカでも17年の年月がかかったのか」と驚く人もいるはず。これは「安心の金(ゴールド)」も同じで、下がりだすと長期にわたって下がるし、元の値に戻るのだけでも長い年月が必要なのはわかる。

ところがですね、そういう「安い頃もあった」のを見て、「そうか、こういう時に買えば良いんだ」「結局、持ち続ければいつか勝てる」と考える人も多い。

「安い時に買って高く売る」のが株式投資の基本だけれど、そうすればよいのは「過去チャートを見れば誰にでもわかる」のね。

ところが「今、安いのか、高いのか」はわからないのね。それは「未来のチャートを見ない限りわからない」はず。

実際に、順調に上がっていて、ある頃から下がり出して「20%も下落」すれば、頭は痛いものの「ここで買増すれば平均取得価格は下がるし、チャンスだ」なんて思う人も多い。これは「損切りできない」「下がるとナンピン買い下がりをする」という誰もがやる普通のこと。でもそれは「自分に都合の良い予想、強欲さに自分が負けている」ことを意味するとは誰も考えない。それどころか「ポジティブに考えなくてはならない」なんて自分に言い聞かせたり。

でも実際にはそこから上がるどころか「もっと下げる」なんてことも普通に起きて、30%、40%と下げ続ける中で「更に買い向かう人」も大勢いる。

個別株だと「とんでもなく大きな動きをする」ことがあるし、またレバレッジを掛ける人も多くいて、30%の下落があれば投資金額の全てを失う様なトレードをする人も多い。

先物やFXだとレバレッジはもっと大きくできるので、小さな動きでも30%、40%の損失なんて簡単に起きるのね。

ちょっと試しにFXをやってみた様な人でも2000万円の損失を出したなんて人もごっそりいるのはそれが理由。

でもやっぱり50%以上も損失が膨らんで来ると「大丈夫かよ」なんて心配になるし、世の中も「もう駄目だ」なんて敗北宣言する人も増えてきて、どんどん不安が増大する。そして「相場はもっと下がる」ことも起きて、もう自分には買増する余裕もなくなって「放置しながら神に祈る」ようになるのも普通。

そしてとうとう投資額の70%もの評価損が出てくると「世界の終わり」が来たような雰囲気になって、本来はそうやって「誰も買わなくなった時」こそが「買い出動する大チャンスが近い」のに、「もう駄目だ。我慢できない」と叩き売るのね。

面白い現象だと思うし、私も何度もそんな経験があります。(笑)

また「安くなったら買う」のも良いですが、「どこまで下がるか」は誰にもわからないのね。でも「過去チャートを見る」と【こういう場所で買えばよいのだ】なんてわかったような気になる。

また株式市場が大きく下げる時って、「経済も政治も大騒ぎになっている」ことが多くて、「今が買うチャンス」と思う人も「買うお金がない」のが普通。自分が勤める会社もあるいは経営する事業も「かなり危ない状態」になっていて、「株を買う」どころか、「持っている株を売らないとお金が回らない」のが普通。

これが「現実」なのであって、過去の株価チャートを見るだけじゃその辺のことがわからない。

そういう意味でやっぱり流石だなと思ったのは、昔から「株式投資の神様」と言われてきたウォーレンバフェットで、「株式市場は大盛況」なのに「何十兆円もの株式を現金化した」のね。

これって「安い時に買い集めた」からそれが出来るのであって、最近、株式投資を始めたような人達は「ちょっと利益が乗っているレベル」だから、まだまだ「利益確定をしよう」なんて思えないし「もっと上がることを期待してしまう」のでしょう。

でも株価は自分の都合の良いように動くことはないのが現実で、自分が買った株式はウォーレン・バフェットが利益確定、売り逃げるために売った株だと考えるのも重要かもしれない。

でも将来のことは誰にもわからないし、何が正解なのかもわからない。だからこそ、「ここは我慢してガチホだ」と思うのかもしれない。

でもねぇ、将来のことはわからないからこそ「高い時には利益確定」「安い時には買い出動」という基本を守るべきかもしれなくて、「これからもまだまだ上がるはず」と思うのは【カモ】でしかないのかもしれない。

これも歴史を「体験する」ことは重要で、バブルの絶頂期は「猫も杓子も買え~」という大合唱なのが普通だし、暴落が起きて「そろそろ買うべき時」には【株式投資なんかしなければよかった】【株を買うやつは馬鹿だ】なんて声が広がる。

だから本屋に「株式投資のすすめ」の類の書籍が増えたときは「そろそろ売ることを考える」、そういう書籍が減って株式投資に興味を持つ人が減ってきた時には「株式投資を増やす」のが王道なのかもしれない。

ケネディ家が莫大な資産を築いたのは、「いつも行く靴磨きの少年が、株式投資の話をしていたのを聞いて、もう売りどきだろうと売る側に回った」というのは有名な話。

私が株式投資をしていた1980年代は「普通の買い物かごを下げた奥さん方や、若いOLが株式投資の話をしだしたら売り時」と思っていました。そもそも「彼らが株を買った後に、誰が買うのか?」と思うから。でも私が株を全て手放したのは早すぎて、日経平均が3万円の頃でした。その後、まだまだ上がって39000円まで上がった時には「失敗した」と思っていましたっけ。(笑)

だからこそ「予想で売買してはならない」と思うし、私の投資歴で学んだことは「それのみ」と言ってもよいのかもしれない。「予想をせずにどう売買するのか」は簡単で、「眼の前のトレンドのみを重視して、それに乗るだけ」なのね。そして流れが変わったら「乗り換える」ことを繰り返すしか無い。当然、「空売り=ショート」も出来るようになるべきで、それができないと「上げ相場を何年も何十年も待つことも起きる」のを覚悟しないとならない。

でもねぇ、投資は1にタイミング、2にタイミング、3,4がなくて5にタイミングの世界なのは間違いがないにしろ、「株式投資をしよう」と思っても「買う時期が来るまで待てない」のね。【今、買わないと置いていかれる】という恐怖心が勝つのが普通。

そして値が上がってくると、まだまだ未来永劫、上がり続けるような錯覚に陥るのね。そしてそれは「値が下がっても同じ」で、下がりだした頃は「また上がるだろう」なんて思うけれど、大きく下げると「地獄まで連れて行かれる恐怖」に勝てなくなって叩き売ったり。

こういうことが株式市場や先物市場ができた何百年前から続いている。

私も待つのは大嫌いな性格。

だからデイトレが合ってるのかもね。毎日、毎時間、常にチャンスは巡ってくるから。

それでも「待つことが重要」なのは同じで、その数十分、数時間が待てずに「下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる」と思ってるデイトレーダーも大勢いるから面白い。

「行動は早い方が良い」のは間違いがなくて、でもそれは【チャンスが来たら】の話であって、「とにかく、今、動きべき」というのは投資じゃなくてギャンブルですよねぇ。

「待つ」のは消極的な行動に思えるけれど、【積極的に待つ】ことを覚えた人だけが勝てる世界かもしれない。

投資の神様と言われるウォーレンバフェットから学べることもそこかもしれない。

私もウォーレン・バフェットがいつ動き出すのかは気になっています。ただちょっと注意も必要だと思っていて、彼が言うことと行動に乖離がある点。だから大事なのは「彼が何を言うか」ではなくて「何をしているか」でしょう。

 
 
 

「にほんブログ村」のランキングに参加しております。是非、応援のクリックをお願いします。