我が家は通販で買うことが非常に多い家で、ありとあらゆるものを通販で買います。食事を頼むことも多いし、だからほぼ毎日、なんらかのデリバリがある。それも複数。
それこそ手のひらサイズの小物から、飲料水やお茶、もろもろの食材、日用品も。量が多いときにはそれこそ大きな段ボール箱、ビールケースみたいなのが4,5箱になるようなこともある。
当然、私はDoor to Doorで「コンドのユニットまで持ってくる」ようなデリバリ方法で頼むわけですが、たまに「部屋まで持っていけない」という配達人がいるのね。
それは困ると言っても、いや、無理という。特に段ボールが何箱もあるようなら、その気持はわかるし、でもそれを私達がゲートまで取りに行くのも大変なわけです。
そういう場合はしょうがないから、「じゃ、5リンギ支払うとか10リンギ」とかいうと、皆、「オッケイ~~♫」と言って持ってくる。
これって、彼らはあるころから「小遣い稼ぎができるのに気がついた」んだと思うんですよ。だって購入時には「Door to Door」の配達方法を選んでいるのだから。
今回もあるスーパーマーケットから食材を買ったときも同じ事が起きました。
部屋まで持っていけないから下まで取りに来てくれという。こちらとしてはトローリーでもなければ運べない量だし、約束はDoor to Doorだから持ってきてくれと言っても「出来ない」というのね。
こういう時に皆さん、どうします?
私は非常に気も小さく、優しいおジーちゃんだから(笑)、じゃぁ10リンギあげるから持ってきてよと言ったら「オッケー♫」となった。
でも私としてはそれじゃ気がすまないので、後にWhatsappでそのスーパーマーケットにクレームを出したのね。そうしたら直ぐに返事が来て、大変申し訳ない。でもGrabとの約束はDoor to Doorだから貴方が余分に払う必要はありません。という。
私はそんな「どうあるべきか」を聞いているんじゃなくて、「そういうときにはどうするべきかを聞いている」と返事をした。
そうしたらまた「あるべき論」を言うから、「払わないとドライバーに言ったら、彼はそこに荷物をおいて立ち去るよ。そうしたら私は約束通りに受け取っていないのだから、全額返金を請求するよ」と返事をした。
とうとう、スーパーもしょうがないと思ったのか、「その場合は全額返金をします」との答え。でも「ドライバーにチップを渡した場合、その分を請求してください」とは言わないのね。不思議。
これって「私の勝ち」でもなんでもなくて、非常に後味が悪い話なのね。
このことを息子に話したら、「当然だよ。全額返金してもらう権利がある」「あるいはチップ分を請求するべきだ」という。彼は論理的で合理的であることを大事にするヤツだからそう言うだろうと思った。
でもねぇ、私はやっぱりなにか違うと思うのね。
というのは、マレーシアって何でもかんでも通販で、その料金もメチャ安いんですよ。普通のものなら5リンギ程度。約180円ですよ。これって異常な安さで配達人はきっと100円とか150円とかそんな程度の収入しかないはず。
私達はいつもこの安さの恩恵を受けていて、「有り難いね~」なんてヨメさんとも話している。
だから今回のことをヨメさんとも話をして、「大きなもの、重いものをわざわざ部屋まで持ってきてくれたら、5リンギ=約180円ぐらいはあげるのを私達の原則としよう」と決めました。
殆どの配達って「ドアの外に小包を置いたままにして配達人は帰ってしまう」わけで、最近はちゃんと「手渡しする」のは皆無と言って良いくらい。酷いときには大きくて重い複数の箱をドアの外に置いていくこともあって、それを室内に入れるのでさえも年寄り夫婦は「ぎょえ~」なんて思うのね。段ボールに入ったミネラルウォーターが何箱もあったら、下手すりゃぎっくり腰になる。
だからちゃんと部屋まで持ってきてくれて、大きくて重い荷物は「玄関のある場所に置く」のが決まっているし、そこまで持ってきて積み上げてくれる配達人には5リンギ=約180円を支払うのは決して高くはないし、それでも申し訳ないと思うくらい。たとえ配達の契約はDoor to Doorになっていたにしてもです。だから「部屋までは持っていけない、取りに来てくれ」と言われたら「5リンギ払う」と決めてしまおうという考え方。
(後記)ちょっと上の書き方だと誤解があって、「部屋まで持っていけない」と言われた時、「契約はDoor to Doorだよ」と言っても「いや、そうなっていない」と言われることも何度かあったんですよ。そこでああじゃこうじゃ言ってもしょうがないから、「じゃぁ、5リンギ出すよ、10リンギ出すよ」という話になるということ。実際に発送する業者がミスをするなんてことはしょっちゅうあるから、ドライバーに文句を言ってもしょうがないことがあるということ。でも明らかにドライバーがおかしいと思っても、5リンギぐらいサッサと払うほうがストレスもないという考え方。またそういう事がしょっちゅうあるわけじゃなくて、年に一度あるかないかの頻度。多くは全く問題ないのが普通)
前にも書きましたが、配達はGrabなどの業者じゃなくて「自社で配達する販売会社」も少なくないのね。発泡スチロールで3箱+アルファをその店のスタッフが二人がかりで配達して(配達料は無料)、非常に愛想も良くてキビキビ働く若者だから「ちょっとだけチップ」を渡そうとしても「これが私達の仕事ですから」と絶対にそれを受け取らないなんてこともある。
だからやっぱり私達は「約束や契約」だとしてもそれは「会社との約束」であって、実際に汗水流して働く人たちは本当に微々たるお金しか手にしていないのは明らかなんだから、私達は「約束だから、契約だから」じゃなくて、「実際に働く人たちに直接に感謝を示すべき」と考えました。
それは決して「現金」ということでもなくて、「冷たい飲み物」だったりする。
だから「部屋まで持っていかない」という配達人がいても、じゃぁ5リンギ払うよというと「オッケイ~~♫」となるのだから、「払うのを前提としよう」とヨメさんと決めました。彼はすでにDoor to Doorの収入があるにしてもです。たった180円ですよ。
それで配達人も私達も「ハッピー」となるのなら、それが一番だと思う。
そういうことをするから「彼らはつけあがるのだ」「悪い習慣を助長する」という方も多いと思います。でもねぇ、私は言いたい。歴史的にもイスラムの国々は「商品に定価が付いていないケースが多い理由」「値引き文化がある理由」をご存知かと。またイスラムの国と言って良いマレーシアに住んでいて、多少はイスラムの教義、習慣をご存知かと。私はケチだけれど、もし自分がどれほど貧乏だとしても「支払いは安けりゃ安いほど良い」なんて考え方は一切持っていないんですよ。
でも契約外なのにいかにも「お金をもらうのが当たり前だ」というような強気の配達人がいたら、チップを渡す瞬間をスマホで写真にとって、「販売店とGrabにこの写真を送っておくね~」ぐらいのことはやろうと思う。やっぱり私は性格が悪いのか? (^_^)v
でも「正直屋」から買うときにはチップを払いたくない。
なんせ100リンギの買い物でも配達料は28リンギも取るのだから。(笑)
問題はですね、マレーシアもキャッシュレスが進んでいるから、5リンギ札、10リンギ札を私達ももう持っていないんですよ。でも50リンギ札、100リンギ札は必要になることも考えてある程度ありますが、5リンギのお礼をするのに50リンギ札を出して、「お釣りをちょうだい」って言いたくないのね。それってあまりにも「野暮」すぎますよねぇ。
両替すれば良いのですが、我が家から一番近いHSBCの支店はモントキアラのど真ん中、プラザモントキアラにあるのですが「両替、出入金カウンターはかなり前に閉鎖された」のね。だから両替も簡単にはできない。ATMでできるのかな?
しょうがないからソラリスのメイバンクにでも行って、5リンギ札、10リンギ札を数十枚は持っておこうと思う。
それともチップもスマホ、デビットカードで支払えるのかな?
今度聞いてみよう。あああ、Chat GPTかGeminiに聞けばわかるか。
Chat GPTに聞いたらこんな返事。
こういう金銭授受ってやったことがないのだけれど、簡単にできるのね。知らなかった~~。^^;
マレーシアで「現金なし」でチップを渡す方法【キャッシュレス時代のスマート対応】
マレーシアではキャッシュレス化が進み、小銭や小額紙幣を持ち歩かない人も増えています。そんな中で、ちょっとしたチップをサービス提供者に渡したい時、スマホやカードで渡す方法があります。以下にその現実的な手段を紹介します。
✅ DuitNow(デュイットナウ)で送金する
- マレーシアの全国送金システム。銀行やeWalletと連携
- 電話番号・IC番号・QRコードなどで相手に送金可能
- 1リンギット以下の送金も可能(銀行による)
- Maybank MAE、CIMB Clicks、Touch ’n Go、Boost、ShopeePayなどが対応
✅ eWalletでの送金(Touch ’n Goなど)
- QRコードでスキャン送金。個人間チップ送金にも対応
- Boost、ShopeePay、Setelなども同様の機能あり
- 配達員や清掃スタッフなどにもスムーズに対応可能
- 送金手数料はほぼゼロ
⚠ 相手が非対応の場合の代替案
方法 | 説明 |
---|---|
店舗経由で渡す | レジで「このスタッフにチップを」と伝えて会計に加算(できる店とできない店あり) |
Grabアプリのチップ機能 | GrabFoodやGrabRide終了後にアプリ内でチップ送信可 |
eWallet未登録者への案内 | 「DuitNowに登録すればチップ送れますよ」と優しく紹介 |
小銭を事前に用意 | RM1札や50sen硬貨を小分けして持ち歩く(アナログだが確実) |
📱 現場で使える英語フレーズ
- Do you accept DuitNow? Can I scan your QR to tip you?
- Can I give you a tip via Touch ‘n Go or Boost?
- Do you have a QR code I can scan to send you a small tip?
✅ 結論
DuitNow QRコードとeWalletの組み合わせが、マレーシアでの「現金なしチップ」の最適解です。今後のスマートなマナーとして、ぜひ活用してみてください。
最後に、私が感じるイスラムの習慣に関して、書いておこうと思う。これはChat GPTがまとめた文書。
◆ 値切りは“庶民の知恵”、チップは“徳の表現”
伝統的な市場において、価格交渉は「知恵と腕の見せ所」であった。買い手も売り手も、そのやりとりの中に敬意と駆け引きを織り込み、最終的に「納得の価格」に着地する。そのプロセス自体が、人と人との関係性の表現であった。
しかし近代的な場では、交渉の余地はなく、すべてが「表示価格」に収斂されていく。この状況において、富裕層は何をもって「人としての器」や「社会的責任」を示すのか——その答えが、「チップ」なのである。
交渉が封じられた空間で、価格以上の金額を渡す行為は、単なる“気前の良さ”ではない。「私はこのサービスに満足し、それを金銭で称賛する余裕がある人間だ」という静かな徳行の表明であり、誇りと謙譲を同時に含んだ儀礼的行動なのである。
◆ 富者の義務は“公に語られない期待”のなかに存在する
イスラム教の五行の一つにザカート(定率の施し)があるが、そこに留まらず、社会の空気には「富める者は多く払って当たり前」という無言の了解が広がっている。これは教義というより、「品格ある人は自然とそうするものだ」という文化的教養として内面化された倫理である。
価格が表示されている空間では、値引きを求めること自体が「野暮」とされる。むしろ満額を支払い、さらに感謝や敬意として金銭を添える。チップは見返りではなく、“神と他者に対する応答”という性格を帯びる。
◆ “静かな贈与”としてのチップ
多くのイスラム文化圏では、あえてチップを「当然の義務」とは語らない。だが、その行為はサダカ(任意の施し)としての性格を強く帯びている。サダカは金銭に限らず、笑顔や優しさまでも含む広い概念だが、その中にチップという形式が自然と吸収されている。
それは「優しさの形式化」であり、「感謝の見える化」であり、社会的余裕の“表現装置”である。そして、富裕者が「それに値する人間であること」をそっと示すための、最も洗練された手段の一つとなっている。
◆ おわりに
価格が表示されているということは、「交渉の余地がない」というだけでなく、「人間関係の余地が少ない」ということでもある。しかし、だからこそ、そこに生まれる新しい空間がある。値引きのかわりに“多めに払う”という美意識。沈黙の中で行われる“静かな贈与”としてのチップ。
それは、明文化されないが、確かに存在する倫理であり、イスラム文化の奥深い層に根ざす“気配りの哲学”なのかもしれない。
日本には「チップを払う」という習慣はないけれど「心付けを渡す」習慣はあったじゃないですか。
それは旅館に行った時の中居さんへの心付けであったり、飲食店の板さんや中居さんへの心付けであったり。ホテルや有名店のドアマンや下足番もそう。
でもそれも形骸化して「当たり前の支払い」になって、酷いなぁと思っていたのだけれど、その習慣そのものもなくなって久しい。これが良いのか悪いのかは私にはわからないけれど、「有難う」「ご馳走様」とかそういう感謝の意を表すのは当たり前だと思っていて、でも最近、ネット上で「食事をした後に有難うというのはおかしい」という投稿があって盛り上がったのを知り、世の中も変わったなぁとちょっと悲しい気もする。
そのクセ、店舗のスタッフや主人が「有難うございました」と言わないと「生意気な店」「非常識な店」という。でも「評判の良いラーメン店」では「客にああせいこうせいと強制する店」も出てきた現代。
私はこれは「文化の劣化」としか思わないんですよ。本当に馬鹿みたいだと思う。
でもま、それが世の中で、それが良いと思えばそうすればよいだけの話で、でも私も私の家族も子供や孫たちには「日本の伝統文化はしっかり伝える」つもりだし、それは息子たちも同じ考えなのが私は嬉しいと思う。