姉のことをすっかり忘れていました。
姉夫婦が去年、MM2Hを取得してマレーシアに移りました。うーーむ、移ったというのは違うかも。今は日本にいるし。
姉夫婦は長年ハワイに住んでいたのですが(旦那がハワイの日系二世)、ある日突然、もうハワイはイヤだと言い出したのです。ハワイは太平洋に浮かぶ孤島で すから、何でも輸入品みたいなもので物価が高い。そして近年、韓国人、フィリッピン人の躍進(?)がすごく、どこへ行っても韓国語とフィリピン語しか聞こ えて来ないし、まともな英語なんか聞いたことがない、もうハワイはアメリカではないなんて言い出しました。
姉夫婦は決してレイシストではないと思うのだけれど、自分たちの生活環境が望む方向ではない方へ動き出したのかもしれません。また、何かトラブルが続いた のかもしれませんが、とにかくハワイを出ることになった。ハワイからまるで出たことのないローカルそのものの旦那も賛成し、二人はサンディエゴに移った。
この背景には、ハワイの住宅の値上がりがあったように思う。姉夫婦はハワイ大学の近くの一軒家に住んでいたのだけれど、かなりの額で売れそうなので、この際、売ってどこかもっと良いところへ行こうと考えたのだと思う。
私は知らないのだけれど、サンディエゴにラホイヤという高級住宅地があるらしく、そこでとりあえずコンドミニアムを借りて住みだした。
ところがだ。
そっちの生活はどうよ?って私が聞こうと思っていた頃に、姉から連絡があり、もうアメリカは捨てると言い出した。
なんなんだーーー。
私が日本に一時帰国したときに姉夫婦と合流して、その辺の話を聞いたのだけれど、どうも私にはピンと来ない理由だった。生活費が高いとか、保険が高いとか、医療が破綻しているとか、アメリカの政策は人間の道から外れているとか・・・・・ (・_・)……ンς?
姉夫婦はちょっと変わっているのは間違いがない。お互いに好きなことをやって生きてきた男女。姉はJALのFAをやっていた後、服飾関係とゴルフの仕事を 始めて世界中を駆けめぐっていたし、旦那は旦那でハワイから一切出ずに、不動産関係の自営をしながらドラム(アフリカの太鼓みたいな)を一日中叩いている ような気ままな男。気があったというか、変人同士似たところがある。我が儘といえばいいのだろうか、どうも考え方が現実離れしているというか、芸術家肌と でもいうのか、彼らの話を聞いていると私には理解できない内容が多い。
旦那は旦那で、なんと自分がアメリカ人であることが恥ずかしい等と言い出す始末。そして、日本に帰化するという。ついこの間まで、日本人を小馬鹿にしてい たし、ろくすぽ日本語も話せないし、もちろん読み書きは小学生1年生レベル。その彼が日本人に帰化するなんて、想像も出来なかった。
で、日本に住むのか?と聞くと、イヤ違う。これからはマレーシアよと言い出した。MM2Hというシステムがあって、かなり簡単に長期滞在許可が下りるというのは、彼らの話で私は知ったわけ。
サンディエゴのラホイヤに移ってから何ヶ月だったろう。多分半年も経っていないかもしれない。彼らはマレーシアのMM2Hを手に入れて、マレーシアに渡った。
これからがまた彼ららしい。最初はクワラルンプールにいたのだけれど、どうもごちゃごちゃしすぎてあわないらしく、車で30分ぐらいのなんとかという街に 移った。日本で言えば、東京の隣の川崎、横浜という感じなのだろうか。そこは静かで自然が多く、ゴルフ場の中のコンドミニアムを借りていると言っていたっ け。
そこに落ち着いたと思いきや、私がまた日本へ一時帰国をしたときに、日本で姉夫婦と再会。一体何をやってるんだ?と聞いたところ、上に書いたように、旦那が日本人に帰化したいので、帰化申請を出しているとのこと。
これがまた簡単ではなくて、姉は日本国籍なので旦那は日本の永住権を持っているのだけれど、定職も無ければ定住地も無い。そんな状態では帰化できないらし く、定住し、働いて安定した収入があるような形を無理矢理取っていた。それでもすんなりいかないらしく、つてを辿って著名な政治家の助けを求めたようだ。
そんな話を聞いてからもう半年以上経つ。いまだに帰化はできず、まだ3,4ヶ月は掛かるだろうとの話。
で、マレーシアの方はどうしたのさ?と聞くと、そのまま放置してあるらしい。借りたコンドミニアム、向こうで買った日本の何倍もする車もほとんど使わず、 そのまま放置。ハワイからの家財道具も、サンディエゴ経由でマレーシアに移し、そのコンドミニアムに入りきらないので、貸倉庫に入れてあると言い出す。
そんな状態で、帰化申請のために、日本では普通に生活しているような状態を作り出しているのだから、彼らの頭の中には計画性という言葉がないとしか私には思えない。
あんたたちさーーー。一体何様なのさ。
私は呆れて一言言ってやりましたわ。
彼らの資産とか収入がどうなっているのかは知らないけれど、何億もの遊ぶ金があって悠々自適なほど裕福ではないはず。でもやっていることは、お金が有り余ってるどこかのボンボンとお姫様みたいにしか見えない。
もうすぐ60だってのに、こういう人達がいるんですかね。自分の身内ながら、信じられない。
で、旦那の帰化が通れば、すぐにマレーシアに帰ると言っているのだけれど、何日間か一緒にいる間に、姉はもうマレーシアにはうんざりしている様子がうかが えた。クアラルンプールは駄目で、その何とかっていう街に移ったものの、そこもたいしたことがないので、今度はコタキナバルへ移るという。
姉の話だと、コタキナバルというのは同じマレーシアの中でも、住んでいる人たちがまるで違うらしい。穏和で、姉の言葉を借りれば、常識的な人たちらしい。 www
でも、コタキナバルに引っ越しするにはまたたいそうなお金がかかるそうで、ホノルル、サンディエゴ、クワラルンプール、そのなんとかという街へと、一年の内に何度も引っ越しする間に、かなり散財もしたようだ。そしてコタキナバルへ引っ越しとなるとまた結構なお金が掛かる。
引っ越し貧乏ってあるのよね~~~
なんて笑っていう姉の顔はまるで子供と同じだと思いましたわ。
とりあえずスーツケース2つで行けばいいのに、あの家具、この家具、あれも大事、これも大事とハワイからアメリカ本土、そしてマレーシアとわざわざ持っていきますかね。
旦那も旦那で、それが当たり前のようなことを言うし、似てるのね、この夫婦。
旦那の帰化が無事済めば、日本のパスポートを持ってマレーシアに帰ると言っていますが、この後どうなるのか全くわからず。
私としては、我々もマレーシアへ移ってみようとは思っているものの、姉夫婦とは全く性格も違うし、考え方も違うので、近くに住んで助け合おうとか、一緒に行動しようとか、そういう気は全くありません。
姉は姉で、あんたたち(私達夫婦)みたいな人間(どういう意味じゃーーー)とはそれなりの距離が必要ね、なんて平気で言うタイプですから・・・・・・・
ま、そんなこんなで、マレーシアに姉がいたとしても、私には関係ないということです。
いや、仲が悪いってことじゃないんです。お互いそれぞれの生き方があって、まるで別世界に生きているようなもので、お互い干渉しないっていうだけのことです。
ちょっと付け足しておきます。姉たちは大金持ちというわけではないのですが、私が想像するには、それなりの小金持ち。で、旦那が帰化をするというのも、アメリカの税制に関係しているのがわかりました。姉はアメリカの永住権を持っていましたが、それは返上したとのこと。
このブログの「マレーシアの重要事項」にちょっと書きましたが、世界の国々をまたいで生活する場合、国籍とか、永住権、滞在ビザ、そしてどの国の居住者で あって、どの国の納税義務者なのかというのが非常に大事な問題になってきます。お金がありあまっていて、税金だろうがなんだろうが払ってやるという太っ腹 な人は関係ないですが、生きるための経費としての税金をいかに少なく納めるかは、私にとっては重要な課題です。それも脱税ではなくて、合法的な節税です。
そういう意味で、アメリカの国籍を持ち、あるいは永住権を持っているというのは、海外に出た場合、安全保障の意味では価値があるかもしれませんが、節税と いう意味では重荷になるのです。日本の税制は属地主義ですが、アメリカは属人主義。つまりアメリカ人である限り、世界のどこへ行こうが、アメリカに帰って 来なかろうが、アメリカの税務署が追い掛けてきます。
つまり、タックスヘイブンの恩恵を受けることができません。大金持ちがモナコへ住むと良くいいますが、アメリカ人である限りモナコへ住んでも税制上の恩恵は受けられないのです。アメリカ本国には常に納税しなければならない。(日本人のように属地主義の税制の国民はOK)
アメリカでもないのに、またアメリカ人でもないのに、銀行口座を開いたりするときにW-8というアメリカの納税義務者ではないことを証明する書類にサイン したことはありませんか?最近は、我々日本人がアメリカで銀行口座を開くのではないのに、この書類の提出を求められることがあります。
アメリカの税務署は恐いです。たった数千円程度の税金を払わなかっただけで、支払い命令書が何度も何度も送られてきたことがありましたし、香港やスイスなどの他国に圧力を掛けてでも自国民が税金から逃れられないようにしています。
そういう意味では、アメリカから出ようと決心した姉夫婦がアメリカ国籍、永住権を捨てたというのは正解かもしれない。
彼らがアメリカを出る時点では旦那はアメリカ国籍を持っていたのですが、出国前に全ての財産を姉の名義に換えたそうです。資産を持ったまま海外に出ると、 その資産から利益が出ているはずだと、地の果てまで追い掛けてくるのがアメリカの税務署・・・・・。恐いけれど、考えてみるとそれが当たり前ですよね。